千曲バスの国鉄連絡乗車券

長野県の佐久を始めとする東信地区を中心に路線網を巡らしている千曲バスは、かつて国鉄線との連絡運輸を行っていました。

 images(表) images(裏)

これは、上田~奥鹿教湯間を結ぶ、鹿教湯線の鹿教湯温泉駅発行の上田駅接続の東京山手線内ゆき乗車券です。
JPR「してつ」地紋のA型硬券で、裏面を見ますと、東京山手線内は下車前途無効の「おきまり」の注意書きと、日本交通印刷のD型券にありがちな字体の券番が振られています。

上田駅から東京山手線内までの営業距離は189.2kmであり、辛うじて東京山手線内ゆきの範疇に収まりますが、千曲バス区間の営業キロを加算した通算キロが100kmを超えるため、有効日数が鉄道区間乗車券の有効日数「2日間」に+1日を加算した「3日間」となっています。

鹿教湯温泉駅は昔、「鹿えた」として江戸時代から栄えた温泉地であり、同社バスの側面には鹿の絵が描かれているくらいに重要な観光地ですが、特に案内所らしきものはなく、乗車券の発売は千曲バス区間の他、国鉄線連絡乗車券が駅隣の商店で委託発売されていました。
しかし、地方にある民間のバスのりばで東京までの「通しきっぷ」を購入する一般の乗客はさほど多くはなかったようで、せっかくの常備券も発売枚数はさほど多くはなかったようです。

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