滋賀県発注の工事をめぐり、中堅ゼネコン平和奥田（東近江市）に入札の情報を教えた見返りに現金を受け取ったとして、大阪、滋賀両府県警の合同捜査本部は１０月２１日、収賄の疑いで、県湖東地域振興局田園振興課副主幹西村均容疑者(49)＝滋賀県多賀町大杉＝を逮捕した。また、贈賄の疑いで、元平和奥田常務取締役で設計会社社長前田裕行容疑者(50)＝東近江市今崎町＝を逮捕した。
調べでは、西村容疑者は２００３年４月から０７年３月まで東近江地域振興局田園振興第二課副主幹を務めていたが、０６年２月の農道整備事業の入札で、入札の下限の目安になる非公表の調査基準価格を前田容疑者に教えた見返りなどとして、現金１５０万円を受け取った疑い。２人は容疑を認めている、という。
現金は０６年１月下旬から昨年２月上旬にかけ、西村容疑者名義の口座に複数回にわたって振り込まれた。
これまでの調べでは、前田容疑者が西村容疑者に入札情報を教えるよう、話を持ち掛けたという。捜査本部は、西村容疑者が他の工事でも入札情報を漏らした疑いがあるとみて調べている。
農道整備事業は、東近江市大中町で幹線農道の下に水を通すパイプなど取水設備を設置する工事。入札には１３社が参加、平和奥田は調査基準価格と同額の約１億１９００万円で応札したが、別の建設会社が１億１０００万円で応札。平和奥田は落札できなかった。
（１０月２１日付け京都新聞・電子版）
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008102100187&genre=C1&area=S00
