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【1106/51:絶滅危惧種】絶滅危惧、タガメなど17種増 滋賀レッドデータブック

2011-06-07 22:37:37 | Weblog
【写真:絶滅の危機にある動植物をまとめた滋賀県レッドデータブック2010年版】

 絶滅の恐れのある滋賀県内の動植物の生息状況について、県が「県レッドデータブック2010年版」にまとめ、6月6日から発売が始まった。最も絶滅の危険度が高い絶滅危惧種にタガメやゲンゴロウなど新たに46種が指定された。一方で、危険度の低い絶滅危機増大種などに29種が移行。この結果、絶滅危惧種全体では17種増の168種になった。掲載された動植物は、今回から新たに3分類が加わったため、69種増えて1288種になった。

 調査は06~10年、植物や鳥類、魚類、昆虫類、クモ類など従来の11分類に、コケ植物の蘚苔(せんたい)類や地衣類、ミミズなどその他陸生無脊椎(せきつい)動物の3分類を加えた計14分類で実施。大学教授や研究者、野鳥の会のメンバーら計76人が、現地調査や資料調査を通じて、動植物の生息状況を調べ、絶滅危惧種や絶滅危機増大種、希少種などの7ランクに分けた。

 昆虫類では絶滅危惧種に新たに12種が指定され、1種がランク外に移ったため、前回の05年版から11種増えて計24種になった。タガメやゲンゴロウなど身近な昆虫が、農薬の流入による水質の悪化や、ブラックバスなどの外来魚に食べられた影響で、生息数を減らしているという。

 また、植物では絶滅危惧種に新たに13種が加わったが、絶滅危機増大種など低ランクに27種が移り、前回から14種減り計87種になった。山菜のギョウジャニンニクや、フジのような赤紫色の花を付けるツルフジバカマが、開発による生息地の破壊で危機にさらされているという。

 絶滅危惧種にはこのほか、黒と白の斑点模様に冠羽が特徴的な鳥類のヤマセミが新たに指定された。えさの川魚の減少が影響しているという。また、魚類では琵琶湖固有種のハゼ科の小魚のイサザが、湖底の貧酸素化のため数を減らしているとみられる。

 県は1997年から、県内の動植物の生息状況を把握する「生きもの総合調査」を実施。その成果をレッドデータブックにまとめており、今回の10年版が00年、05年に次いで3冊目となる。

 県自然環境保全課の担当者は「どの動植物も自然の中にいる姿が美しい。珍しいからといって密猟や盗掘はしないでほしい」と話している。

 「滋賀県で大切にすべき野生生物 滋賀県レッドデータブック2010年版」は、A4判583ページで3200円(税別)。(千種辰弥)

(6月7日付け朝日新聞・電子版:同日付け毎日・電子版なども報道)

http://mytown.asahi.com/areanews/shiga/OSK201106060138.html
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20110607ddlk25040482000c.html
http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20110607000107

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