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【1205/106:豊島・汚染土壌問題】豊島の汚染土壌/大津市での処理断念

2012-05-11 17:13:04 | Weblog

 

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豊島の不法投棄現場。産業廃棄物の撤去が進む=今年2月、香川県土庄町

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【全量処理へ時間重視/香川県知事「反対は予想外」】

 香川県土庄町の豊島の汚染土壌を、約170キロ離れた大津市伊香立途中町の山崎砂利商店の施設で水洗浄処理する計画をめぐり、香川県と同社は10日、施設周辺の住民の強い反発を受けて計画を断念し、契約を解除した。香川県はこれまで、住民向けの説明会を開くなどして理解を求めてきたが、風評被害や環境汚染への不安は根強く、現状で処理を始めるのは困難と判断したという。

 香川県庁で会見した浜田恵造知事は、大津市側の反発が強い現状では豊島の住民と約束した2016年度末までの全量処理が果たせないと判断し、計画中止を決めたと説明。「全量処理のために時間的な制約があった。豊島を特別視した住民らの主張を受け入れたわけではまったくない」と悔しさをにじませた。

 計画が明るみに出た昨年以降、施設周辺では住民らによる反対運動が巻き起こり、計画の中止を求める約2万4千人の署名が香川県に提出されたほか、住民約230人が公害調停を申し立てた。3月23日には、越直美市長が香川県を訪れ、浜田知事に住民の理解が得られない現状では、汚染土壌を搬入しないよう申し入れた。

 浜田知事は「強硬な反対は予想外だった」と振り返り、豊島の住民に対しては「事業が円滑にできず申し訳ない」と語った。香川県は今後、再入札するか、他の処理方法を採用するか検討し直すという。

 豊島住民でつくる廃棄物対策豊島住民会議の浜中幸三議長は「他の地域の汚染土壌は持ち込んでいるのに、豊島だけが『風評被害』と片付けられたのが、我々にとってはつらくて悲しい」と話した。

【業者「豊島住民思うと仕方ない」】

 「契約解除は残念だが、豊島の住民の苦しみを思うと、計画を諦めざるをえなかった」

香川県から汚染土壌の水洗浄処理を受注した山崎砂利商店の山崎公信社長は10日、契約解除を決断した心境をこう語った。

 山崎社長によると、同社は4月中旬から住民と協議を重ね、昨年度中に処理が予定されていた2千トンの汚染土壌の搬入については了解を取り付けた。しかし、残りの処理については合意が得られなかったという。香川県からの申し入れを受け、処理の遅れは豊島の住民の不安につながると判断。契約解除に同意した。

 ただ、大津市の対応には不満顔だ。「これまでも市から許可を受けて適正に処理をしてきた。中立であるべき行政に、はしごを外された」と憤りを見せた。

 一方、処理施設近くの住民でつくる豊島汚染土壌搬入対策委員会の木村重次委員長は「香川県の決断に満足している。越市長が住民のために動いてくれたことも感謝している」と話した。公害調停を申し立てていた真野北部土地改良区の谷茂夫理事長は「琵琶湖の汚染が心配で、住民も懸命に反対運動をしてきた。このような問題を繰り返さないためにも、県外の産廃を持ち込ませない仕組みづくりを県や市に求めたい」と話した。

【越・大津市長「ありがたい」】

 大津市には10日、香川県から計画の中止を伝える文書が届いた。越市長は「今回の判断は住民の思いに応えるもので、ありがたいと思っている」と評価した。

 3月の浜田知事との面会の目的については、住民側の意見を伝えるためだったと説明。「住民の不安が解消されれば汚染土壌の搬入に問題はないとも伝えており、計画中止を求めたことは一度もない」とし、中立的な立場だったと強調した。(伊藤舞虹、柳谷政人)

(5月11日付け朝日新聞・電子版:同日付けその他各紙も報道)

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000001205110003

http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/201205

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20120510-OYT8T01288.htm11/CK2012051102000011.html

http://sankei.jp.msn.com/region/news/120511/shg12051102090003-n1.htm

 


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