滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【0704/31:憲法問題】県弁護士会が会長声明、改憲手続きの国民投票法案に「反対」

2007-04-14 23:55:24 | Weblog
滋賀弁護士会(元永佐緒里会長)は4月10日、「日本国憲法の改正手続きに関する法律案(国民投票法案)に反対する会長声明」を出しました。

声明では、国会審議中の法案について、△発議から投票までの議論の期間が短い、△それどれの条項について個別に賛否を投票できない、△最低投票率の定めがなく、憲法改正の要件として有権者の一定割合以上の賛成を求める規定もない、△公務員や教員の運動を規制している、などの問題点を指摘しています。

(4月15日付け滋賀民報が報道)

■参考資料

国民投票法案の与党提出修正案(衆議院議決案)の概略
(ウィキペディアより引用)

・国民投票の対象は憲法改正のみに限定。
・投票権者は18歳以上の日本国民。なお、民法や公職選挙法などの成人の定義や選挙権の年齢を18歳以上に改正するまでは、当面20歳以上とすることを附則としている。公民権を停止された者も選挙権を有する。
・投票は相互に内容が関連する国民投票に係る憲法改正案ごとに1人1票。
・投票用紙に賛成または反対に○をつける方法で投票を実施。
・印刷されている賛成を二重線を引く等して消した票は反対として扱い、反対を二重線で引く等して消した票は賛成として扱う。
・有効投票総数の過半数の賛成で憲法改正案は成立。
・最低投票率制度は設けない。
・投票無効訴訟は国民投票の結果の告示から30日以内に東京高裁に投票人が提起することができる。
・憲法改正が無効とされることで重大な支障を避けるため緊急の必要があるときは、本案について理由がないと認めるときを除き、憲法改正の効力を全部又は一部を判決確定まで停止することができる。
・選管委員や職員及び国民投票広報協議会事務局員に限定して国民投票運動を禁止する。
・公務員や教育者の、地位を利用した投票運動の禁止(刑事罰は設けず、懲戒処分等の行政処分で対処)。
・公務員の国民投票運動に対する国家公務員法及び地方公務員法上の政治的行為に対する規制については、賛否の勧誘が不当に制約されないよう法制上の検討を行う。
・憲法改正の予備的国民投票については、その実施の有無及びその対象について検討を加える。
・国会発議後は、60~180日間ほどの期間を経た後に国民投票を行なう。
・テレビコマーシャルは投票日の2週間前から禁止。
・国会において設置される国民投票広報協議会(議員数に応じて会派ごとに割りあてて構成)が、改正案の要旨、賛成意見、反対意見からなる国民投票公報、新聞広告、テレビラジオによる憲法改正案の広報のための放送(政見放送に類似したものでスポットCM等を想定したものではない)を行う。この際、賛否については同一のサイズ及び時間を確保する。
・国会に憲法審査会を設置し、憲法改正原案について審理を行うが、施行後3年間憲法改正原案の審理は凍結する。
・憲法改正原案は、衆議院100名以上、参議院50名以上の賛成で国会に提出できる。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E6%B0%91%E6%8A%95%E7%A5%A8%E6%B3%95%E6%A1%88#.E5.9B.BD.E6.B0.91.E6.8A.95.E7.A5.A8.E6.B3.95.E6.A1.88.E3.81.AE.E4.B8.8E.E5.85.9A.E6.8F.90.E5.87.BA.E4.BF.AE.E6.AD.A3.E6.A1.88.28.E8.A1.86.E8.AD.B0.E9.99.A2.E8.AD.B0.E6.B1.BA.E6.A1.88.29.E3.81.AE.E6.A6.82.E7.95.A5


[ 0704/30:豊郷小校舎問題】工事代金差し止め訴訟、最高裁が上告棄却、原告側「完全勝利」

2007-04-14 17:10:14 | Weblog

豊郷町立豊郷小の新校舎建設を巡り、工事代金の支出差し止めを求めた訴訟で、最高裁が町側の上告を棄却する決定を出したことを受け、「豊郷小学校の歴史と未来を考える会」の本田清春代表(55)ら3人は4月13日、彦根市役所で会見。「最高の決定だ。町民とともに喜びたい」と笑顔をみせました。

本田代表は「主張がすべて認められた。腹の底からうれしい決定。『やった』と叫びたい」と述べました。その上で「すべて終わったわけではない。今後は大野和三郎氏(前町長)、建設業者、設計業者の3者を相手取って建設費の返還を求める大津地裁での訴訟に勝利して決着をつけること」と強調しました。同会の竹内秀典・副代表(50)は「長い戦いの中でも一番重みのあるものになる」と話しました。

同町の大野和三郎・前町長が旧校舎の解体と新校舎建設のため、約19億円の予算を計上して業者と工事契約を結んだのは2002年10月でした。同年12月に大津地裁が旧校舎解体差し止めの仮処分決定を出したことで建設地は変わりましたが、町側は契約変更せずに、同じ業者に約18億7千万円の支出を続け、工事を続行しました。

2003年には、住民側が「工事内容が改築から新築に変わったのに、請負契約を結び直さないのは、地方自治法に違反する」として大津地裁に提訴しました。新校舎は2004年3月にすでに完成しており、住民側は現在、大野前町長と業者に工事費などの返還を求める訴訟を起こしています。

原告側代理人の吉原稔弁護士は「旧校舎は耐震補強すれば十分に利用可能だった。無駄な公共工事への公金の支出差し止めを認めた画期的な判例だ」としています。

一方、同町は白方由美・副町長名で「司法の決定には真摯(しんし)に従いたい。間もなく誕生する新町長に判断が委ねられることになる」とのコメントを出しました。

(4月14日付け、毎日、朝日などが報道)

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20070414ddlk25040026000c.html など


【0704/29:ダム問題】知事が丹生ダムについて「穴あき」式に言及、地元は「断固反対」

2007-04-14 16:36:34 | Weblog

丹生ダム(余呉町)について4月13日、「穴あきダム」での建設の可能性を示唆した嘉田由紀子知事。地元の丹生ダム対策委員会の委員たちは猛反発し、同委員会の解散を決める事態になった。今夏の国への予算概算要求の前に、「推進」「凍結」の選択肢を含め、計画はどこへ向かうのか(関連ニュース番号0704/27、0704/28、いずれも4月14日を参照。

嘉田知事や県土木交通部幹部らはこの日午後、余呉町を訪問。同委員会に方針を伝えた。嘉田知事は「流域対策でダムに匹敵する効果は難しい」と述べ、遊水地やソフト対策などによる「流域治水対策」とダム、河道改修を組み合わせた方向で治水計画を進める意向を表明。一方で「水面のあるダムは琵琶湖などへの自然環境に与える影響について懸念を払しょくできない」と語り、環境配慮型とされる「穴あきダム」方式にこだわる発言を繰り返した。

委員たちは「穴あきダムは断固反対」などと反発し、三国昌弘委員長が「(貯水型ダムの環境影響など)調査に時間がかかり、(今年度末までの策定を指摘する声がある)河川整備計画に丹生ダムが載らないと、計画は置いてけぼりになる」と追及。「知事の回答は、引き延ばし作戦としか思えない」などと批判し、同委の解散手続きに入ることを宣言した。嘉田知事は「(話し合いの)ルートを残してもらえるようお願いしたい」と話した。

■視点

 ◇環境に配慮、知事の考え打ち出す

丹生ダムについて13日に嘉田知事が示した方針は事実上、水を貯留する通常型のダムよりも「穴あきダム」を前面に出したものだ。嘉田知事は、琵琶湖や河川の水質への影響や、琵琶湖北湖(最大水深約104メートル)の深い湖底付近で進む溶存酸素濃度の低下へのさらなる悪影響などを指摘した上で、懸念の払しょくと建設コストの問題で納得出来なければ、貯留型ダムは造らないと表明。委員から、溶存酸素などについて従来の国の調査データでは影響は否定的と指摘されても「県の研究機関などでは別の意見がある。独自のデータを含め検討したい」とし、環境の専門家として国のデータのみに頼らない姿勢も見せた。ダム方針ではこれまで「後退」と映ってきたが、今回は極めて強く自身の考えを出した形だ。

一方で、地元の対策委は態度を硬化し協議は「決裂」。ダムの方式を巡って県と地元住民との対立図式が続く中、国がどのような態度に出るか、より不透明になった。二矢秀雄・余呉町長は会合後、「地元と流域の市町と相談し方針をまとめていきたい」と発言したが、今後の町の判断が注目されそうだ。

(4月14日付けの毎日新聞の報道)

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20070414ddlk25010002000c.html

【0704/28:ダム問題】知事が丹生ダム推進を表明、貯水式に否定的、賛否両論「約束違う」

2007-04-14 16:19:04 | Weblog

「約束が違う」。滋賀県余呉町の丹生ダムについて推進する方針を打ち出した嘉田由紀子知事に対し、知事の支援者からも地元推進派からも4月13日、反発が起きた。支援者は「ダムに代わる方策を真剣に検討したとは思えない」、推進派は「水をためないダムは受け入れられない」と態度を硬化させた(関連ニュース番号0704/27、4月14日などを参照)。

「今後一切、県とは話をする必要はない。ダム対策委員会は解散する」。地元住民でつくる丹生ダム対策委員会の三国昌弘委員長(68)はこの日、余呉町内であった説明会で、水面のあるダムに否定的な考えを示した嘉田知事に猛反発した。

地元では、ダム湖に船を浮かべるなど水面を利用した観光を計画し、過疎や高齢化に苦しむ地域振興の起爆剤にしたいと訴え続けてきた。「地元が望むダム(貯水式ダム)以外の回答は到底受け入れられない。知事の回答はわれわれを裏切り、誠意がない」と怒りをあらわにした。

二矢秀雄町長は「地元の願いが受け入れられず残念だ。町として委員会の代弁者となり、今後も県に働きかける」と硬い表情で話した。

説明会の終わり際、嘉田知事は「滋賀全体の未来のために、(交渉)ルートは開いていただきたい。伏してお願いする」と懇願したが、約40人の委員らは無言で会場を立ち去った。

予定地周辺の森林保全を訴える市民団体の村上宣雄代表(64)は「多くの県民がダム凍結方針を記した知事のマニフェストを支持したのに、ないがしろにするのはおかしい。ダムのメリットとデメリットを住民に示すことが先決だ」と批判した。国土交通省近畿地方整備局の専門家会議「淀川水系流域委員会」前委員長の今本博健京都大名誉教授(69)は「ダムに代わる方策は必ずあり、真剣に検討したとは思えない」と苦言を呈した。

一方、知事を支援する「対話でつなごう滋賀の会」の寺川庄蔵代表(63)は「現段階ではダムに代わる方策が見つかっていないという趣旨だと思う。住民や県職員との協議過程であり、公約違反ではない」と擁護した。

(4月14日付け京都新聞の報道)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007041400053&genre=A2&area=S20


【0704/27:ダム問題】知事が4月13日、丹生ダム建設計画にも容認の姿勢、貯水式には否定的

2007-04-14 15:46:13 | Weblog

嘉田由紀子知事は4月13日、水資源機構が進める丹生(にう)ダム計画(余呉町)について、建設を容認する姿勢を初めて示しました。

知事はこれまで、県内に計画されている5つの治水ダムのうち県営の1ダムを除く3ダムについて推進か容認する姿勢を明らかにしており、4ダムの建設が進められることになります。

この日あった地元住民との話し合いの中で、嘉田知事は高時川の治水について「ダムと河川改修の方向で検討したい」と述べました。しかし、住民が求めてきた大規模な貯水ダム計画については、水質悪化や土砂の堆積などの例を挙げて、「環境に与える影響への懸念が払拭できない」として見直しを示唆しました。

丹生ダムを当初1億5千万トン規模の貯水ダムの計画でしたが、利水予定だった大阪、京都府が撤退を表明し、国も2005年7月に、治水目的のみとし、約5千万トン規模に縮小した「穴あきダム」にする方針を出しています。

嘉田知事は昨年7月の知事選でダム計画の見直し・凍結を訴えて当選しました。2月県議会で県営の芹谷ダム(多賀町)と北側第一ダム(高島市)の建設推進を表明し、国が進める大戸川ダム(大津市)も容認の姿勢を示しています。

(4月13日付け朝日の報道、各紙も報道)