徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

自分がワクワクしないと…。

2011-12-02 09:22:03 | 建築つれづれ…
 20数年、建築というものを仕事にしてきた。この道を選択したのは、いやいやながら、若しくは惰性で選んだ訳ではない。ガチガチの仕事と言う感じでもない。建築を職とすることは、オンとオフのスイッチが明確ではない。むしろ無いのかも…。

 デスクに座っているから仕事の時間で、風呂に入っているからオフの時間という境が無い。ブラブラ街を歩いていれば、興味のわく建築に偶然出会い、その施設に入ってみるなんてことはざら。常に建築のことが、頭の中に存在している。そういう意味では、趣味、興味のあることの延長線上で、この職に就いたと言ってもいいのだろう。

 今回、とある方の住宅の提案をしている時に感じたことを紹介する。

 まだ案の方向性が定まっていない段階でのこと。数ヶ月前に案のプレゼンは行っていた。提示案よりも、もっとこんな感じに…という要望で再度違う案を考えることに…。

 1週間ぐらい頭を悩ませたか…。浮かんでこない、自分自身がワクワクするような案が浮かんでこない…。当初案を考えている時は楽しかった。ワクワクした。しかし今回は…。

 プレゼンを行ったが、結果は見えていた。どうも変更案がいいとは自分自身思えないのだ。自分の中の魂が、こみ上がってこない。その気持ちは、お客さんにも伝わったようだ…。

 最初の案をベースに作業を進めることになった。変更案は皮肉にも、当初案を引きたてる反面教師となってしまった。それはそれで悪いことではない。当初案が面白くワクワクする案だ、ということが判ったのだから。

 後日、お客さんから言われた。「変更案は、魅力を感じなかった」と。まさにその通り。設計者自身がワクワクしない案が、お客さんをワクワクさせる訳がない…。

 自分がプレゼンしながら、ワクワクしていない気持ちは、当然お客さんに伝染するのだ。説明する自身の言葉に勢いがないんだもの…。この「ワクワク感」が非常に大切。改めて教えられた感じがした…。建築以外のどんな仕事でも、このワクワク感がなければ、こなすだけの作業になってつまらないはずだ。

 先日亡くなった、スティーブ・ジョブズも言葉は違うが似たようなことを言っていた。

~仕事というのは人生のかなり大きな部分を占める訳だけど、本当に満足するには、すごい仕事だと信じることをするしか方法はない。そして、すごい仕事をするには、自分がすることを大好きになるしか方法がない。まだ見つからないなら、探し続けてほしい。あきらめちゃいけない。…どこに行きたいのかは心が知っている。~

 自分自身、ワクワクするような提案、ワクワクするような仕事、をしていきたい。自分が夢中になれないことを、他人が夢中になってくれるはずがないのだ。

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