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新型肺炎 収束期間 五輪開催までに終息しない可能性

2020年03月20日 08時12分29秒 | 東京オリンピック



SARSの感染拡大から終息宣言まで約9か月 五輪開催までに新型肺炎は収束しない可能性
 SARSは2002年11月16日に、中国南部広東省で非定型性肺炎の患者が報告されたの最初で、北半球のインド以東のアジアとカナダを中心に、世界32の地域や国々へ拡大し、感染者数は全世界で8000人を超えた。 
 初期初期には、中国国内で305人の患者(死亡例5人)が発生し、2003年3月 の始めには旅行者を介して、海外に感染が拡大してベトナムのハノイ市での院内感染や、香港での院内感染を引き起こした。
 2002年3月12日、WHOは、全世界に向けて異型肺炎の流行 に関する注意喚起(Global Alert)を発し、本格的調査を開始した。3月15日には、原因不明の重症呼吸器疾患としてsevere acute respiratory syndrome(SARS)と名づけ、「世界規模の健康上の脅威」と位置付けて、異例の旅行勧告も発表した。2003年4月16日、WHOは、起因病原体、新型SARSコロナウイルス(SARS-CoV)を特定した。
 WHOが終息宣言を出したのは2003年7月5日、最初に患者が発見されてから、約9カ月、「Global Alert」を出してから、約4カ月後だった。
 2003年12月31日時点のデータによれば、報告症例数は、2002年11 月〜2003年8月に中国を中心に8,096人で、うち774人が死亡している。1,707人(21%)の医療従事者の感染が示すように、医療施設、介護 施設などヒト−ヒトの接触が密な場合に、集団発生の可能性が高いことが確認されている。


新型コロナウイルス(2019-nCoV)  出典 世界保健機構(WHO) News

 これに対して、今回の新型コロナウイルスは中国・武漢市で感染が広まった。
 武漢市の当局によると、市内で原因不明の肺炎患者が最初に見つかったのは2019年12月8日。その後、発熱や呼吸困難を訴える市民が相次ぎ、専門家グループは2020年1月9日に新型コロナウイルスが検出されたことを発表した。
 市内の海鮮市場で働いている人や訪れた人から感染者が多く見つかったことから、市場で扱われていた動物から感染した可能性が指摘されている。同じくコロナウイルスによる中東呼吸器症候群(MERS)やSARSのようにコウモリが自然宿主で、ヘビやネコ、ネズミなどなんらかの動物を介してヒトに感染した可能性が排除できなとした。
 その後、感染拡大が進み進み、1月11日、武漢市の当局は新型コロナウイルスによる患者は41人に上り、61歳の男性が死亡(1月9日)したことを明らかにした。また夫妻で肺炎を発症した症例で、夫は海鮮市場で働いていたが、妻は市場には行っていないと証言していることから、ヒトからヒトへの感染拡大の可能性があるとした。1月15日、武漢市からの報告を受けてWHOも、患者から新型コロナウイルス(2019-nCoV)を検出したことを確認して、家族間など限定的だがヒトからヒトに感染する可能性を警告した。
 中国政府には、2002~03年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の苦い経験がある。初動の遅れもあり、WHOの報告によると、29の国・地域に感染が拡大し、 中国政府には、2002~03年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の苦い経験がある。初動の遅れもあり、WHOの報告によると、29の国・地域に感染が拡大し、感染者は8,096人に上り、少なくとも774人が死亡した。
 しかし、WHOは、しばらく、感染拡大は限定的であるとして、国際的に懸念される緊急事態(PHEIC)の宣言は出さずに注意喚起に留まった。
 その間に感染拡大が世界的に急速に進み、中国以外22の国と地域で9825人上った。
 WHOがようやく「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC: Public Health Emergency of International Concern)」を宣言したのは2020月1月30日である。
 緊急事態宣言が出るのは、昨年、コンゴ民主共和国で発生したエボラ出血熱で出されて以来6例目である。
 記者会見したWHOのテドロス・アダノム事務局長は「この数週間で前例のない感染拡大に直面している」と述べ、中国以外でも感染の拡大が止まらないことを判断理由に挙げた。
 しかし、WHOは人の移動や貿易の制限などの勧告には踏み込まず各国に冷静な対応を呼びかけた。偏見や差別を助長する過剰な対応には慎重であるべきだとの見解を示した。しかし、宣言を受け、各国は感染拡大に警戒を強める動きが広がり、中国との往来を禁じたり制約したりする動きが一気に広がった。


新型コロナウイルスの緊急事態宣言を発表するテドロス・アダノムWHO事務局長 (2020年1月30日)   出典 WHO Twitter

 今回の新型コロナウイルスとSARSでは、ウイルスの種類が違いうので必ずしも同列にはできないが、SARSを参考にすると、収束まで最長9カ月を要し、収束するのは「2020年8月」となる。
 2020東京五輪大会の開催期間は、7月24日から8月9日まで、新型コロナウイルスの感染の収束はまだ終わっていない懸念がある。
 世界各国から選手や大会関係者を始め、数百万人の観戦者が来日する。競技会場は数万人の人混みで大混雑、仮に新型コロナウイルスの収束が終わっていない場合には、果たして予定通り、五輪大会を開催できるのだろうか。



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2020年3月20日
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廣谷 徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute(IMSSR)
President
E-mail
thiroya@r03.itscom.net
imssr@a09.itscom.net
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