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東京五輪招致 贈収賄疑惑 The Gaudian

2019年01月18日 05時08分43秒 | 東京オリンピック

The Gaudian(2016年5月11日)の記事抄訳
Tokyo Olympics: €1.3m payment to secret account raises questions over 2020 Games




The Gaudian(2016年5月11日)


 本紙(The Gaudian)の取材で、日本が招致に成功した東京2020年五輪大会の招致活動期間中に、東京五輪招致委員会から億単位の金銭が国際陸上競技連盟(IAAF)のラミン・ディアク前会長の息子と関わりのある口座に振り込まれていたことが明らかになった。
 フランス検察が現在捜査中である約130万ユーロ(100万ポンド)の資金の流れの疑惑について、国際オリンピック委員会(IOC)に対して、ラミン・ディアク氏が会長を務める国際陸連とオリンピック招致競争との関連について、適切な調査を求める圧力が高まっている。2013年の東京開催決定についても深刻な疑惑が浮上しているのである。
 ディアク氏は1999年から2013年までIOC委員を務め、2014年に、ドーピング検査でロシア人選手の陽性結果の隠蔽工作で、少なくとも100万ユーロを受け取ったという疑惑を受け、2015年11月に国際陸上競技連盟(IAAF)会長を辞任するまで、IOCの名誉委員を務めた。同氏はフランス検察が国際陸連の汚職捜査が終わるまで、フランスからの出国禁止処分を受けている。
 本紙は1016年3月、フランス司法当局が捜査対象を拡大し、2016年と2020年のオリンピック大会の招致活動も捜査対象に含めたと報じた。
 捜査の対象となっている銀行振り込みのうち約130万ユーロは東京オリンピック招致委もしくはその代理業者から、シンガポールのブラック・タイディングス社の隠し口座に直接送られていることが明らかになった。この口座は、ラミン・ディアク氏の息子で、国際陸連のマーケティング・コンサルタントを務めているパパ・マッサタ・ディアク氏に関係している。



 1999年から2015年まで国際陸連の会長だったラミン・ディアク氏は、東京がイスタンブールやマドリッドに勝利した2013年当時も、影響力のあるIOC委員だった。
 ブラック・タイディングス社は、10年以上にわたる国際陸連の組織的腐敗疑惑の中心にある。
 世界反・ドーピング機構(WADA)が設立した独立委員会が2016年1月に提出した報告書には、ディアク氏とマーケティング・コンサルタントのパパ・マッサタ氏、カリル氏の二人の息子が、法律顧問のハビブ・シセ氏と共に、国際陸連の「非公式で不適正な統治機構」として、いかに振る舞っていたか、実態を明らかにしている。
 本紙は以前、パパ・マッサタ・ディアク氏がマーケティング・パートナーである電通との契約して市場開発に関するスポンサー契約探し業務を請け負い、2017年の世界陸上競技選手権と2020年のオリンピックの招致に名乗りを上げていたカタールに対し、500万ドル(350万ポンド)の賄賂を送ることを提案した可能性があったことを報じた。
 また、2016年1月、カタールの首都ドーハが2016年のオリンピック招致活動をしていた2008年当時、パパ・マッサタ・ディアク氏がIOCの影響力のある委員6人に対し、「贈り物」を届ける計画に関与していたことも報じた。
 しかし、今回は、IOCにとって最も厄介なものとなりそうだ。IOCのトーマス・バッハ会長は国際サッカー連盟(FIFA)や国際陸連など醜聞にまみれたスポーツ組織と比較して、IOCは誠実さに満ち溢れた組織だとくり返し述べてきた。そのなかで贈収賄疑惑が発覚したことで、オリンピックのムーブメント全体に衝撃を与えるだろう。
 2020東京オリンピック招致委からの億単位の支払いにより、2029年まで国際陸連とスポンサーシップに関する包括契約を結んだ日本の巨大マーケティング会社、電通の役割に対する疑惑も浮上している。この契約は、ディアク氏の会長任期が終わる直前の数ヵ月以内に強引に2029年まで延長されたのだ。
 世界アンチ・ドーピング機構独立調査委員会(ディック・パウンド委員長)の報告書は、電通スポーツの子会社で国際陸連から与えられた商標権販売のために設立されたアスリート・マネジメント・アンド・サービス(AMS)社(スイス・ルツェルン)のコンサルタント、イアン・タン・トン・ハン氏がブラック・タイディングス社の口座を保有するようになった経緯を詳述している。
 コンピューターに残された記録を解析の結果、タン氏はラミン・ディアク氏など国際陸連幹部と日常的に接触していることが明らかとなり、「国際陸連の重役レベルに溶け込み」、「国際陸連の非公式な統治系統の一員のようだった」。
 タン氏は2014年に生まれた我が子にマッサタと名付けるほど、パパ・マッサタ・ディアク氏と親密な関係にある。報告書には、タン氏が現在もシンガポールとセネガルでディアク家と関連があるビジネス上の利益を有しているとみられる、と書かれている。パパ・マッサタ・ディアク氏は国際刑事警察機構(インターポール)から逮捕通知が出されているが、現在もセネガルに滞まっている。
 電通の広報担当者は、本紙の取材に対し、ブラック・タイディングス社への支払いについては何も知らないし、タン氏をコンサルタントとして雇ったこともないと話した。世界最大級のマーケティング会社である電通は、以前にも、パパ・マッサタ・ディアック氏をコンサルタントとして雇っておらず、同氏は国際陸連と契約していると述べた。
 ブラック・タイディングス社の口座は、2014年3月、ロシア人マラソン選手、リリア・ショブホワ選手のドーピング違反隠蔽失敗後に 返金された30万ユーロ が同口座を経由したことで知られるようになった。
 国際陸連の独立の倫理委員会は同年、この問題について調査を開始し、今年1月に公表した170ページの手厳しい報告書で、パパ・マッサタ・ディアク氏や反ドーピング責任者のガブリエル・ドレ氏ら上級職員4人を追放した。
 パウンド報告は、「ブラック・タイディングス(Black Tidings)」とは、ヒンドゥー語で黒いマーケティング、あるいは文字通りには「黒いカネの洗浄」を意味すると指摘している。
 複数の情報筋が、「何千万」ユーロが同口座を通過しているとみている。また、調査について知る2人の別個の情報筋が、東京招致委からの億単位の振り込みについて調査が進行中であることを認めた。
 2020年の招致レースにおける不正行為の可能性ついて、ラミン・ディアク氏が支持をイスタンブールから東京に変更したと考えられており、それは日本のスポンサーが国際陸連と契約したからだと、パウンド報告書の脚注に記載されている。
 当時、東京招致委はこの指摘に対して「我々の理解を超えている」と話し、イスタンブール側もそれは敗因にはないと思うと話していた。IOCは疑惑の根拠とされる会話の記録を調査すると語った。
 パパ・マッサタ・ディアク氏は今年、警察から7時間におよぶ事情聴取を受けた。しかし、セネガル当局は、同氏は国外退去させられないだろうと話している。本紙の取材に対し、同氏は「これらの疑惑はフランス警察と裁判所が調査中であり、今回の法的手続きの対象とされているため、コメントは控えたい」と話した。
 IOCは、夏季大会に先立ち、第129次総会をリオデジャネイロで開催する。IOCの広報担当者は、同委員会の倫理・コンプライアンス部門責任者は、世界反・ドーピング機構および事件の発端から国際陸連を調査しているフランス警察判事と連携し、現在、フランス司法手続きの民間当事者であることを明らかにした。
 また、IOCの倫理・コンプライアンス部門の責任者は、「疑惑の不適切な行為すべてについて明らかにするため、あらゆる当事者と連絡を取り合っていく。IOCは調査に関して、現段階ではこれ以上はコメントしない」とつけ加えた。


The Gaudian原文
Tokyo Olympics: €1.3m payment to secret account raises questions over 2020 Games



竹田JOC会長を捜査開始 五輪招致で贈賄容疑 窮地に追い込まれた東京2020大会



2019年1月18日
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廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
(IMSSR)
President
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