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5G周波数割り当ての審査方針総務省公表 地方を重視 通信事業者の重荷に
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総務省、「5G」の周波数帯を楽天など携帯4社に割り当て
5G・第5世代移動体通信 “世界に先駆け”2020年東京オリンピックに向けて実現へ
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2018年11月3日、総務省は、5G・第五世代移動通信方式サービスを開始するにあたっての指針を公表し、来年3月に実施する各通信事業者への周波数割り当て審査の基本的考え方とする方針を明らかにした。
この指針によると、割り当てる周波数は、3.7GHz帯では100MHz幅で5枠、合計で500MHz幅、4.5GHz帯では100MHz幅で1枠、28GHz帯では400MHz幅で4枠、合計で1600MHz幅となっている。また4.5GHz帯と28GHz帯では、自営用などで利用可能な割り当て枠も検討する。
審査に当たっては、それぞれの周波数特性に考慮して、3.7GHz帯と4.5GHz帯は一体として割当て審査を実施する。
審査の指針として、新たに5Gの「全国への広がり・展開可能性」、 「地方での早期サービス開始」、「サービスの多様性」等について評価する指標を設けた。
都市部だけでなく、地方で早期に5Gのサービス・エリアの拡大促進を狙って指標で、超高齢化や過疎化に悩む地方創成を支えようとする施策である。
診療所の遠隔地医療サービスや市町村の行政サービス、学校・公民館などの教育・福祉サービスなどで超高速・大容量の5Gネットワークが重要となるとしている。
光ファーバー・サービスと違って、5G対応端末の設置以外にユーザー側にインフラ整備の必要がなく、高齢者向きの通信ネットワーク・サービスとなる可能性がある。
具体的には、全国を10km四方の約4600のメッシュで区切り、メッシュ毎に5G高度特定基地局(ニーズに応じた柔軟な追加展開の基盤となる基地局)を整備することで、5Gの広範な全国展開の確保を図るとした。
5G高度特定基地局と5G基盤展開率
最大10Gpbs程度の通信速度の光回線を備える特定基地局で、エリア内の他の多数の特定基地局を束ねて制御する。
今回の5G周波数割り当てに際して、総務省は、10キロ平方メートルで区切った全国のメッシュの内、海や山岳部を除く約4600のメッシュを対象にして、「高度特定基地局」を「1メッシュごとに1つ」以上設置すること想定し、「高度特定基地局」を設置するメッシュの割合を「5G基盤展開率」とし、50%以上の「5G基盤展開率」を申請各社に求めた。
「高度特定基地局」とは、10Gbpsの大容量光回線を備え、そのエリア内に設置される多数のマクロセルやマイクロセルなどの「特定基地局」(子局)を束ねて、光回線で結んで通信を制御する基幹局(親局)である。1Gbps超の通信速度を実現可能な性能を備え、キャリアアグリゲーションや8アンテナのMassive MIMO(マッシブマイモ) の機能が求められている。
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高度特定基地局(親局)と特定基地局(子局)
第5世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設に関する指針について 総務省 2018年12月
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NEC製のスモールセルと富士通製のスモールセル NTTドコモのブースで展示(5G Tokyo Bay Summit 2019) NTTドコモのスモールセルはNEC/富士通製を採用する方向
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エリクソン製のマクロセル NTTドコモのブースで展示(5G Tokyo Bay Summit 2019) NTTドコモのマクロセルはエリクソン製をを採用する方向
これまでの周波数割り当ての指針は、「人口等のカバレッジの広さを評価する指標」で、4Gの周波数を割り当てる際は「8年後に人口の80%をカバーする」という条件を課したため、通信事業者は人口の多い大都市を優先してサービス・エリアを整備していった。
また指針では5年以内に50%以上の地域に5Gサービス基地局をつくり、2年以内に47都道府県すべて5Gサービスを開始する
総務省では、周波数割り当てに際して、全ての申請者の申請に対して比較審査を実施し、点数の高い者から順に希望する周波数帯枠の割当てを実施するとしている。
5Gのサービス・エリアの整備については、通信事業者各社は、多くのユーザーが期待できる大都市部やニーズの多い地域で整備を行い、順次、地方にも拡大していく姿勢を明らかにしていたが、今回の総務省の「地方重視」の指針を受けて、投資戦略の見直しを迫られるだろう。過疎地などへの移動通信サービスは、まだ4Gサービス網も完成していない。ユーザーの少ない地方での5Gサービスの拡大は、通信事業者の重荷になることは間違いない。
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総務省総合通信基盤局 第五世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設に関する指針案について
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国際メディアサービスシステム研究所 International Media Service System Research Institute(IMSSR)
2018年11月3日
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廣谷 徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
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