一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

中尾五段の順位戦復帰の目を考える

2018-01-13 00:06:24 | 目を考える
中尾敏之五段は1998年10月1日に四段昇段したが、2008年3月、33歳の若さでフリークラスに降級。残り10年で順位戦C級2組復帰に命を賭けることになった。
しかし降級後の復帰は、おしなべて困難を極める。復帰規定が厳しいうえに、フリークラスに落ちればフリークラスの将棋になってしまうからだ。
事実中尾五段もその後の成績はパッとせず、早くも今年度(2017年4月~)が10年目となってしまった。私は今年度、中尾五段が勝ち越しはしても復帰規定は満たさず、そのまま現役を全うすると思った。
だが中尾五段は今年度頑張っている。
さっそく、成績を記そう(星の○●は中尾五段から見たもの)。

5月9日 第30期竜王ランキング戦6組昇級者決定戦1回戦 ○木下浩一七段
6月1日 第30期竜王ランキング戦6組昇級者決定戦2回戦 ○堀口弘治七段
6月8日 第89期棋聖戦一次予選1回戦 ●小林宏七段
6月14日 第3期叡王戦五段戦1回戦 ○金沢孝史五段
7月24日 第30期竜王ランキング戦6組昇級者決定戦3回戦 ●牧野光則五段
7月30日 第26回銀河戦予選1回戦 ○室岡克彦七段
7月30日 第26回銀河戦予選決勝 ●村山慈明七段
8月1日 第3期叡王戦五段戦2回戦 ●高見泰地五段
8月9日 第59期王位戦予選1回戦 ○室岡克彦七段
8月31日 第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選1回戦 ○上田初美女流三段
8月31日 第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選2回戦 ○野月浩貴八段
9月5日 第59期王位戦予選2回戦 ●佐々木勇気六段
9月11日 第66期王座戦一次予選1回戦 ○木下浩一七段
10月3日 第66期王座戦一次予選2回戦 ●高野秀行六段
10月19日 第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選3回戦 ○門倉啓太五段
11月14日 第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選決勝 ○高橋道雄九段
12月14日 第31期竜王ランキング戦6組1回戦 ○香川愛生女流三段
12月21日 第11回朝日杯将棋オープン戦二次予選1回戦 ○佐藤康光九段
12月21日 第11回朝日杯将棋オープン戦二次予選決勝 ●高見泰地五段
12月25日 第44期棋王戦予選1回戦 ○川上猛七段
1月11日 第68期王将戦一次予選1回戦 ○中座真七段

以上、先日の対局まで21局戦って14勝7敗。朝日杯での大健闘がピカピカに光る。
ここで、フリークラスからC級2組への昇級規定を、簡単にまとめておこう。

1.年度に「参加棋戦数+8」勝以上の成績を挙げ、勝率6割以上。
2.良い所取りで、30局以上の勝率が6割5分以上。
3.年度対局数が「(参加棋戦+1)×3」局以上。
4.全棋士参加棋戦優勝もしくはタイトル戦挑戦。

「1」は中尾五段の場合、順位戦を除く7大タイトルにNHK杯、朝日杯、銀河戦で10棋戦参加。よって、18勝以上の勝率6割が求められる。
「2」は、前年度の成績を加味することになるが、終わり6局が1勝5敗だったので、ほぼ絶望。
「3」は、(10棋戦+1)×3で33局となる。
「4」は現実的でない。
現在中尾五段は14勝7敗なので、「1」の18勝12敗が最も取りやすい。すなわち、残り9局を4勝5敗でよい。
そこで、中尾五段の残りの対局を記そう。

第31期竜王ランキング戦6組2回戦 所司和晴七段
(準決勝までに負けた場合)6組昇級者決定戦
第44期棋王戦予選2回戦 飯塚祐紀七段
第68期王将戦一次予選2回戦 宮田敦史六段
第68回NHK杯テレビ将棋トーナメント予選

この4棋戦ですべて敗退する前に4勝すれば、中尾五段はめでたくC級2組復帰となる。これはかなり可能性が高いと思う。
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