一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

金曜サロン・船戸陽子女流二段⑦

2009-10-19 00:06:56 | LPSA金曜サロン
昨日18日(日)、都内の電車に乗っていたら、ドアの上部に設置されているモニター画面に、「今日の星占いランキング」が映し出された。なんとはなしに見ていたが、なかなか私の星座が出てこない。5位、6位…出ない。8位、9位…出ない。11位にやっと出た。いきおいこんで読んでみる。
「ストーカーまがいの恋に注意。あきらめきれない様子」
とあった。
大きなお世話である。…あれ? これ、私がストーカーされる側なのか? ふっ、まさか。私がストーカーされるわけがない。する方なら分かるけど。

9月25日のLPSA金曜サロン、夜の担当は船戸陽子女流二段だった。19日(土)から始まったシルバーウイークだが、ワークシェアリングで金曜日が待機日の私は、24日(木)も休みにしてもらったので、この歳にして最大10日間の休みが取れていた。しかし私は連休の中途で帰京した。それは25日の金曜サロンが、船戸女流二段の担当だったためだ。翌26日(土)に日レス杯の公開対局はあったものの、もし船戸女流二段が25日の担当でなかったら、私の帰京は、早くても25日の深夜になっていた。
サロンに入室するとさっそく大庭美樹女流初段と手合いがついた。その対局中、船戸女流二段がいらした。
――逆だった。私は一刻も早くサロンに入るべく急いだのだが、もうすこし余裕を持って家を出ていれば、船戸女流二段と駅の近くで偶然遭って、同伴出勤になっていたかもしれない。
大庭女流初段との指導対局が終わったあと、船戸女流二段との対局に入る。船戸女流二段は、もちろん今日もエレガントである。
「前回は(私が)負けたから…」と船戸女流二段。なんだかいつも以上に気合が入っているようで、恐い。
私の居飛車明示に船戸女流二段は角道を止める。しかしこの手に騙されてはいけない。船戸女流二段は居飛車党で、右四間飛車からの破壊力は抜群だ。
私も警戒して駒組みを進めていくが、船戸女流二段は△1四歩~△9四歩~△9五歩と、なかなか態度を明らかにしない。けっきょく採った戦法は、裏芸の中飛車だった。対局前に船戸女流二段が、大庭女流初段と私との将棋をかなり詳しく訊いてきたので、やや怪訝に思ったのだが、指導対局で相居飛車を2局指すのは味が悪いと見て、振り飛車に変化してくれたのかもしれない。
局面に戻る。こちらは▲6八銀と上がっているので、囲いに制約がでている。そこで開き直って、穴熊に潜ってみることにした。
「居飛車穴熊」は、金曜サロンで2局ほど指したことがあるが、女流棋士との指導対局では初めて。最近では穴熊に囲うのも一苦労のようだが、船戸女流二段も速攻はせず、こちらは労せずして松尾歩流四枚穴熊に組むことができた。
角交換のあと、私が無理攻めに出る。その部分図が下である。

ここで私は▲2三角と打った。以下△4三銀▲3二角成△同銀▲4二金△5四飛▲3二金の局面は、金がやや遊び気味だが二枚換えで、3三の桂取りに飛車の走りも約束され、しかも自玉が四枚穴熊とあっては、下手十分になったと思った。
なにしろ自陣は鉄壁である。その後は桂を取った▲3三金を中央に活用し、私の快勝となった。それにしても穴熊の固さよ。こんな勝ち方をしては穴熊はやめられない。愛好家の気持ちが分かった気がした。
ところで今回は、感想戦がちょっとおもしろかった。通常、指導対局の感想戦は、1、2分やって終わりになる。とくに私はアガリ症なので、女流棋士との感想戦はほとんどやらないのだが、今回は▲2三角の局面まで戻ってから数手指した。そこから船戸女流二段が別の手を指して、となりの対局へ移る。
こちらは例によって、またT氏が横にいるから、「こんな手でも…ねぇ」とかしゃべりながら、応手する。また船戸女流二段が戻ってきて、1手指しては場を離れる。こちらが指す。また船戸女流二段が1手指してその場を離れる。
なんだか局面が途中で分岐して、2局目が始まった雰囲気になってしまったのだ。北海道を満喫してきたヒトに負けるなんて…という船戸女流二段のプライドが「2局目」を指させたのかもしれないが、私のほうもそれはそれで、トクした気分になる。
そんなわけで、ひょんなことから始まった、2局目の将棋だったが、終盤でこちらが上手のと金を払っておけば必勝だったのに、攻め合いに出たのがマズかった。さらに手が進むが、どうも旗色がわるい。
「Tさん、こう指したら、こちらがマズそうですよ」
「大丈夫だよ。相手がこう指したら、相手の王は詰むよ」
「そうかなあ…じゃあ(こう指します)」
船戸女流二段が戻ってきて、こちらの玉を受けなしにする。そこで私は船戸王を詰ましにかかったが、一目詰みそうにない。事実、まったく詰まなかった。
「ダメだよ一公さん、詰ましにいっちゃ。相手の王が詰むわけないよ」
「エエエッ!? Tさんが詰むって言うから指したのに…うぅ、負けました」
しかし、なんでこんな展開になっちゃったんだ!?
船戸女流二段は、
「まあいいじゃないですか、感想戦で勝たせてくれても」
と笑う。そう言われてしまえば、こちらも苦笑するよりない。
ともあれこの日の2局、いや3局、どれも扇子サイン勝負ではなかったけれど、半日早く帰ってきて、本当によかったと思った。
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4 コメント

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穴熊いじめ (洋志)
2009-10-19 01:27:04
 穴熊、洋志は好きですね。穴熊いじめの人が好きでないだけかな。
穴熊 (さわやか風太郎)
2009-10-19 17:31:59
穴熊に囲い始めてくれたら、もう勝ったつもりになってしまいます。
そこに手数を掛けるわけだから、その分他がお留守になる。
Unknown (笹=佐々)
2009-10-19 18:33:35
船戸さん関係の文章で、190mlのコーラ瓶と言えば、船戸女流二段である。
いやいやいやいやいやいやいやいや、
ここでも船戸女流二段の登場である。

この箇所はウケました^^ いや、の数の多さにやられました。。
コーラ瓶の形がプロポーションのいい船戸さんを思わず連想してしまった、という理解でいいのでしょうか…?
船戸さんって長身の感じですが、170cmぐらいはあるのかな?

竜王は横に並びたくないかもしれませんね^^汗
クマれば勝ち!? (一公)
2009-10-19 23:29:29
洋志さん
私は穴熊はあまり指しません。とくに振り飛車穴熊は、駒が偏ってしまう感じで、うまく指しこなせません。

さわやか風太郎さん
対穴熊になって勝ったつもりとは、うらやましいです。私は、穴熊に囲われたら、もうそれだけで負けた気分になります。

笹さん
「コカコーラの瓶」は、おっしゃるとおり、船戸先生のプロポーションの比喩です。9月13日の記事と連動しています。
ついでながら、10月12日の記事「買いましたあ!!」も、9月19日の記事と連動しています。
船戸先生は背が高いです。女流棋士の先生とは立ち話がほとんどなのですが、船戸先生とは物理的に、とても話しやすいです。内心はドキドキしてますけど。

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