一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第73期王将戦第4局1日目

2024-02-08 01:06:26 | 男性棋戦
第73期ALSOK杯王将戦第4局(主催:スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社、日本将棋連盟)が、東京都立川市で7日から始まった。立川市は昨年創設された「達人戦」の特別協賛企業が居を構えており、最近存在感を増している。個人的には多摩モノレールに乗ってみたいのだが、まだその機会はない。
さてここまで3局は藤井聡太王将の全勝で、大山康晴十五世名人のタイトル戦19連覇の更新に王手を掛けている。
対する菅井竜也八段は今度こそ本当に後がなく、本局に負けると指し込まれてしまう。
将棋は藤井王将の先手で、お互い角道を開けた後、藤井王将が居飛車明示。そこで菅井八段は三間飛車に振った。
すると藤井王将は角を換え、馬作りを目指す。これには菅井八段も馬を作れるが、藤井王将は歩得となる。プロのレベルだと無条件の1歩得は得した側が相当よいと思うし、菅井八段もそれは承知の上で、1歩損でも乱戦に持ち込もう、の意だった。
ただし、どこが急所か分からない凡庸な局面でも、AIと同じ指し手をするのが藤井王将である。だから菅井八段の構想は無理だったと思うのだが、それを言っては詮無い。
いやそもそもの話だが、ふつう対抗形というのは、振り飛車側は飛車を振って美濃に囲うだけで、居飛車がどういう作戦を立てるかに醍醐味があった。
ところが藤井-菅井戦では藤井王将の穴熊戦術が優秀で、菅井八段のほうが趣向を凝らし、藤井王将が応対している感じを受ける。これでは振り飛車ばかりに気苦労がたまってしまう。
藤井王将は馬を1筋に引き揚げ、自陣と敵陣に利かす。藤井王将は駒を目いっぱい使うのが本当にうまい。
対して菅井八段も馬を好所に引き、金銀の配置もまあまあ理想的である。
これらを勘案すると、やはり1歩得の分だけ藤井王将のほうがよいと思うが、どうか。
というところで、藤井王将が銀を腰掛け、飛車交換を迫った。「囲碁将棋プラス」では、カネを出したくない将棋ファンのために、YouTubeで中継をしてくれている。
この局面、早指し戦なら気合いで飛車交換に応じるところだが、それで済ませてはいけないのがタイトル戦で、深く読みを入れなければならない。
果たして菅井八段は長考に沈んでしまった。そしてそのまま封じ手。実に1時間35分の長考だった。
私には次の指し手がまったく分からないが、次に菅井八段は、疑問手を指すと思う。そしてその後悔を引きずったまま、指し手を進めることになると思う。
(つづく)
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