一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2023年九州旅行・7

2024-02-02 00:15:47 | 旅行記・九州編
きょうの私の目的は、BRTに乗ることだった。BRTとはbus rapid transitの略で、いろいろな定義があるが、バス専用道路を走る高速鉄道をいう。
日本では、鉄路の廃止跡をBRTに転用することをいうようだ。その筆頭は白棚線である。戦時中、不要不急の路線として国鉄白棚線の鉄路が剥がされた。しかも戦後は復活することはなく、そのまま廃止。その一部がバス専用道路になったというわけだ。私も2度ほど乗ったことがある。
また2011年の東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた気仙沼線と大船渡線も、2013年までにBRTとして再生した。
そしてここ日田彦山線は2017年の九州豪雨でダメージを受け、JR九州はBRTへの転換を決定。2023年8月28日に開業となった。
と、これだけなら私もあえて乗りに行かないが、日田彦山線BRTは「旅名人きっぷ」も使えるのだ。すなわちタダみたいなもので、これは乗るべきだと思った。
「BRTひこぼしライン」は、夜明の2つ先の日田が始発である。せっかくなら始発から乗りたいが、日田まで行くと、私が乗るべきBRTに間に合わない。
鉄道専用軌道を走るのは全路線37.7㎞のうち14㎞で、それは夜明から北側にある。よって、私は夜明で下車したというわけだった。
夜明にはちょっと歩いたところに共同温泉があり、入ったことがある。落差の大きい打たせ湯があり、出入り口付近にラジカセが置かれてあったのを憶えている。
道路側に下りる。そこにはBRTの停留所が新設されており、次の便は11時33分だった。
しかし定刻を過ぎてもBRTが来ない。結局7分遅れの11時40分、到着した。待望の車体だが、これが予想に反し、小型だった。
車体はBRTひこぼしラインのイメージカラーであるブルー系。この選色は落ち着いていて素晴らしい。
運転手は、「大変遅くなりました」と丁寧に挨拶する。先客は5名。少ない気もするが、大人数は乗れないところである。
車内を見渡しちょっと残念だったのは、運転席が一段高く、前方が見えづらかったこと。BRTの白眉は、鉄路の通っていた同じ場所をバスが走ることである。そこで私たちは疑似鉄道乗車を愉しむわけだが、その前方の視界が削られては、楽しさ半減である。
BRTはこまめに停留所を止まっていく。あたりは鉄路を剥がされ、更地になっているところもある。
やがて専用道路に入った。運転手さんは、「これから、眼鏡橋を3つ通ります」「これから通るトンネルは、九州で3番目に長い鉄道用トンネルでした」と、丁寧なガイドを続けている。
BRTはそれらしい眼鏡橋を鑑賞し、長いトンネルを抜けた。
宝珠山駅、筑前岩屋駅はホームがなくなるも、風格ある駅舎は健在だった。JR北海道は鉄路を廃止することに躍起になっているけれど、廃止にしても、こうした駅舎や路盤の利用を考えれば、私の憤りも多少は軽くなるのだ。
「左に曲がります」「ここで段差があります」
と、運転手さんの言葉は続く。なんてことないのだが、トクした気分になるのは不思議だ。
やがて、全長14㎞の専用道路は終わった。そして12時42分、BRTは線路の剥がされた添田駅ホームに止まった。その反対側は現役の鉄路があり、日田彦山線が入線するのだ。これは乗り換えの手間がほぼゼロで、便利である。
すぐに日田彦山線の列車が入線し、ガラガラの乗客を乗せて、12時52分に発車した。そしてタイム14分で、終点の田川後藤寺に着いた。なかなかよいBRTの旅だった。
次に乗るべきは、平成筑豊鉄道である。同線は第3セクターなので、「鉄印帳」に記帳をいただくのだ。
昭和末期、九州の炭鉱路線は多くが廃止されたが、伊田線、糸田線、金田線は第3セクター平成筑豊鉄道として存続した。もっと残すべき路線もあったと思うが、3線残っただけでもよしとしよう。
平成筑豊鉄道糸田線・田川後藤寺13時20分発。タイム13分で金田に着いた。ここが平成筑豊鉄道の中心駅なのか、ここで鉄印がもらえるのである。
だが土・日は駅員が常駐しておらず、鉄印状は駅内の自動販売機で購入する。ほかの第3セクターでは、路線を利用した証として乗車券を見せるところもあるが、販売機方式では、クルマで来た人も買えてしまう。でも社としては売り上げが上がるからいいのだろう。
私は販売機で1枚買う。300円。これで一昨年の松浦鉄道、昨年の甘木鉄道に次いで3ヶ所目である。第3セクターは全国にあるのでコンプリートはできないが、1ヶ所でも多くお邪魔できればと思う。
表はまだ小雨が降っている。昼食も摂りたいが、乗り換え時間が微妙なのと、この天気なので表に出ていきたくない。
平成筑豊鉄道田川線に乗り換え、タイム22分で直方に着いた。あとは天神まで一直線である。ただし、途中で変化の余地はある。
直方では約1時間の待ち合わせがあり、ここなら食事ができると思った。駅に隣接してアーケード街があり、そこに行くと、縁日をやっていた。店の両側にマルシェが出ていた。
パン屋が多かったが、いまはパンより腹にたまるものを食べたい。それでも、ベーグルを1コ買った。
ただ、食事処はなく、駅に隣接している食堂も準備中だった。もう諦めて、15時16分の福北ゆたか線快速に乗った。
このまま行けば博多に着くのだが、ちょっと早い。それで、香椎に行こうと思う。
長者原で下車し、香椎線に乗り換える。……うん?
この乗り換えがちょっと、面白かった。
(つづく)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする