紐銭

葬儀のときに、紅白水引のぽち袋に紅白紐を通した５円玉を入れた祝い銭を配る紐銭(ひもせん)の風習があった。
紐銭を出す年齢は８０歳以上が多い。地域の風習や「故人は長寿を全うした」「大往生できてよかった」という遺族の想いによるもの。
　
長寿にご縁（5円）があるように、故人の長寿を祝うと共に、長寿にあやかる意味があり、これを「長寿銭」という。。
また、５円玉図柄の「稲穂」が「実るほど、頭を垂れる稲穂かな」の諺のように、故人の謙虚さを表しているという説も。

義母が集めた５円玉を整理すると、1000円ほどになった。ちなみに、義母は９８歳の長生きだった。
昭和２４年から３３年までに発行された５円黄銅貨は、楷書体であるため未使用が黄銅貨200円～1万2000円、美品だと5円～50円の値が付くらしい・・・。
ご覧の通り、２６年～２４年の４枚あった。右端は、普通硬貨の表図柄。





紐銭を、お宮参りのときに親戚や親しい友人から贈られた御祝儀袋を赤ちゃんの着物に結び付ける風習もある。
生まれてきたこどもが「一生お金に困らないように」という願いが込められているといわれる。別名「帯銭(おびぜに）」とも。

岩に空いた小さな穴に五円玉を結びつける所もある。
鎌倉の源氏山の葛原岡神社には、赤い糸が結ばれた五円玉を結びつける「縁結びの石」がある。