日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

現代小説を語れない私「緋色の迷宮」

2007-01-18 | 読書
1月は既に5冊の文庫本を読み終えた。
昨年まではパトリシア・コーンウエルの検死官スカーペッタが始まりだった。
10年ほど続いたシリーズは人気が凋落したゆえか
無理やり主人公を若返えらせ、死人を復活させて持続させたゆえ
出版されなくなってしまった。
それで年末に近くの本屋さんで取り寄せた本をよんだ。

まず始めの1冊
朝日新聞の書評で池上冬樹氏が絶賛してた
トマス・H・クック「緋色の迷宮」初めて読む作家だ。

黒姫山荘のストーブの前で読み始めた。
頭の上で友人達の声が飛び交い
ストーブ料理のスープをかきまぜたり
集中するには難儀をした。

ニューヨークの現代作家の作品はひねりが多い
きっちりした事が好きで、内面を見極める事が苦手で
兄と息子(さらには妻)を受け入れる事が出来ない不器用な父親
息子が巻き込まれた女の子の行方不明事件
最後の最後まで「もう少し様子を見よう」と全てをなくす。
「おまえ」が主人公で「わたし」が主人公
これに慣れるまで、名前に慣れるまで「登場人物」欄を何回もめくる。

ようやく全てを受け入れられる頃に(私も主人公も)事件は終わる。
ミステリー仕立ての心理劇的要素が強い。

「トマス・H・クック」を読まずして
現代小説を語る事は出来ない」
池上冬樹氏の腰巻きの一文
面白く読んだけれど、わたしには語る資格はない!
コメント
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