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日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

原田マハ著「風神雷神」

2023-01-10 | 読書
今年初めに読んだ2冊
原田マハ著 「風神雷神」上 「風神雷神」下 PHP文庫刊

上下巻の表紙は以前読んだ柳広司の風神雷神と同じ
2021年4月blog「風神雷神」

しかし読み始めてびっくり仰天

まだ幼い俵屋宗達が織田信長の面前であの象の板絵を描き
(見たことがあった)
狩野永徳の洛中洛外図屏風(見たことある)の中の一部を描き
時の寵児の永徳を驚かせ、
伊藤マンショ達の
天正遣欧少年使節団の中に紛れ込んでいたとは、、
物語とはいえでども程が過ぎる。

一気に心拍数が上がり、
それでもズンズン先を読みたくなってくる。

これは紛れもない冒険小説なのだ。

さらに時のローマ法王と謁見し
あのカルバッチョと自作の絵画を交換したなんて!

どこまで想像の羽を広げちゃったのだろうか!

キューレーターとしても活躍した原田マハ
ひょっとしたら何処かに文献にあった?
なんて考えも首をもたげてしまう。


(クロガネモチ)

そこを現実に引き止めたのが
美術史家佐々木城氶平氏の解説
足を引っ張るでなく、現実を受け止めさせてくれる。

マハさんの人脈の厚さに感心させられる解説と
想像力の豊かさに敬服させられる一冊(上下)です。
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篠田節子著「冬の光」

2022-12-09 | 読書
先週読み終えた一冊

篠田節子著「冬の光」 文春文庫刊

篠田節子の本にはなぜか手が出なかった。
この前新宿の本屋さんで不意に読む気になった。

立派な大学を出て、誰でも知っている有名企業に勤め
みんなが目指す有力者の子女と結婚することなく
明るく下支えをする妻と生活をし、子供を育て上げた
なんの不足はないものの
学生時代からの付き合いの女性と別れられない。
家族に知られ、密会の場所に乗り込まれ
親共々のまえで始末書を書かされる。

会社では誰にも引けを取らない立場ながら
家庭では情けない立ち位置の男

くだんの女性と再会し、また沼にハマり
また家族の前で別れの電話をさせられる。

いい線を走っていた会社でも、気に染まない子会社の社長で働き
あっさりと退職をする。



東北の震災のボランティアに奔走し
それでも満足できず(多分)四国のお遍路に出る。
結願し帰りのフェリーで亡くなる。

一生懸命に生きた本人だけど、家族の理解は伴わない。

ーここからわ無責任な感想ですー
 社会の役に立ち、貢献はしたものの、
 家族には豊かな生活を提供したものの
 心から寄り添えなかった。
 妻は何度もサインの送って一体化したかったけれど
 空気以外の何者にもなり得なかった。

ー頑張ったけれども悲しい男の物語ー

作者はそんなつもりはなかったかも知れないが
読み進めている間は「そうか、そうか」だが
しばらくすると悲しくなってくる一冊です。

一読をお勧めします。


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川村元気著「百花」

2022-09-09 | 読書
先日読み終えた一冊
川村元気著「百花」文春文庫刊

川村元気は書評でしか見たことのなかった作家さん
綺麗な黄色いカバーと帯の
ーあなたはきっと忘れるわ。
  だけどそれでいいと私は思う。ー
文字で読む気になった。

母と二人きりで暮らす少年
大人になって結婚しても、母親の元に通う。
なんとなく遠慮し合う二人
徐々に日常を忘れ、ご飯を作ることができなくなる母。

近しい人を思いながら読み進めた。

昨日のテレビの映画広告で見つけた
映画「百花」川村元気監督


夕方ひらく白粉花

作者は映画監督だった!
何も知らずに読んでいてビックリ!

落ち着いた息子(勝手な想像)の泉は菅田 将暉
敏腕な仕事人の妻は長澤 まさみ
母は原田美枝子のキャスティング
私の想像とは違った人間模様が繰り広げられそう。

小説も書くし、映画監督もする
マルチな活躍の川村元気氏
これからも関心を持って行きたい。
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桐野夏生著「とめどなく囁く」

2022-08-04 | 読書
桐野夏生著
「とめどなく囁く」(上)(下) 幻冬舎文庫刊

(上)海釣りに出たまま二度と帰らなかった夫。
(下)元夫が生きているかもしれない。
帯に書かれている。

再婚した41歳の妻と73歳のお金持ちの夫
お互いを認め合いながら静かに暮らす。
相模湾を望む広い庭園
二人だけの穏やかな暮らし



釣り船で遭難し行方不明なままの元夫
死亡が認められ8年目にして、
ようやく落ち着いたと思った矢先
元夫の姿が現れだし、穏やかではいられなくなる。

思い返せば、元夫とは諍いが絶えず
不審な行動もあった過去

大騒ぎはしないものの、
静かにかっての夫を調べ出す。

おおよその予測がつき
覚悟は決まっているものの深く傷つき
それでも、歳の離れた夫との生活を見直す。

違うだろう、そうだったのか、、
疑問を呈し、納得しつつ読み終えた。

一つ納得できなかったのは
誰でも目を見張る素晴らしい庭園
なのに、家が小さすぎる。
前妻と末っ子の3人暮らしで造った新築住宅
リビングやキッチンが広い(多分)とは言え、
寝室が二つはないだろう、、
子供二人は独立していても、
泊まりがけで帰る部屋を作るはず

夫婦の寝室➕子供室でなければ、後半の物語は成立しないが
住まいの設計を生業として来た私としては実に違和感。

それにも増して、解説が素晴らしい。
小説家の綿矢りさ
ネタバレがないのは当たり前としても
作家のことを書かないにしても
物語の中の人の心象や周辺を感じたままに解説としている。

私と同じ視点(ごめんなさい)で読み進めて
解説としていることに感心する。
きっと熱心に心惹かれて読んだのに違いない。

読んだことのない綿矢りさの本を読みたくなってしまった。

過去ばかりに執着してきた41歳の妻
まだまだ安泰な道ではなくても
つきものの落ちたような妻
きっと思い通りに暮らせるようになるだろう、、
(結構入れ込んでしまいました)
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五十嵐貴久著「リセット」

2022-07-28 | 読書
昨日読み終えた文庫本
五十嵐貴久著「リセット」 幻冬舎文庫

禍々しい物語
善人(?)は主人公の男子高校生と継父だけ
(高校の先生たちも)

再婚同士の家庭の親子達
そこへ高校生の親戚筋から美少女が同居することになった。
同じクラスになり、初恋の相手となるが
美少女はクラスに打ち解けることなく
怪しい雰囲気を醸し出す。

先生が亡くなり、父親も亡くなり
物語は急転直下
真相が明らかになる、、



けど
とても後味が悪い結末。

読みながら「勧善懲悪」を望んでいたのか?
自問自答してしまった。

裏表紙に「恐怖シリーズ第7弾」
明記されてるのに、何を期待していたのだろうか??
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原田マハ著「美しき愚かものたちのタブロー」

2022-06-20 | 読書
先日新宿で買ってきた一冊

原田マハ著「美しき愚かものたちのタブロー」文春文庫
帯に
 「国立西洋美術館」誕生秘話
とあって読み進めた。

西洋美術館は高校を卒業して初めて通った美術館だった。
ミロのビーナス展の時は美術館の塀沿いに行列して
一周回ってようやく入場できた。

前後して松方コレクションや企画展に足繁く通った思い出の場所。

絵画(タブロー)に興味のなかった松方幸次郎氏
ロンドンパリに仕事で行く内、
経営していた川崎製鉄の工場内と同じ場面のポスターを見つけて
溶鉱炉関連で興味が湧いた、、、とか

資金闊達、人を惹きつける魅力に溢れた松方氏
「日本の若者に本物のタブローを」
「美術館をつくろー、、」と周りを巻き込む
自らの情熱を具現する若者を虜にして
順調の収集したコレクション
戦争になり会社は上手くいかず
夢は儚く頓挫してしまう。

けれど、虜にされた若者は生活に困窮しながらも
コレクションしたタブローを守り抜く

どこまでが本当か?どこがフィクションか?



以前西洋美術館で手に入れたガイドブック
小説は一点を除き、本当だった。



隠れ家からタブローを移そうとした時
ドイツ兵に見つかる
ゴッホの作品を見たドイツ兵
「子供の絵」と難なく解放された幸運
(多分ほんとの話)
(あるいは、ミロ、またはピカソ?)

身を投げ打って守った日置氏(実在の人)

お陰で美術館をぐるぐる巻きにするほどの大勢の人を喜ばせた。
ロダンの彫刻の側に「日置神社」があって然るべき?

感動のままに読み終えれば
以前テレビの番組で隠れ家から移送される場面を見た気がしてきた。

忘れっぽい脳細胞があるからして
また西洋美術館でゴッホやピカソに会いに行こう!
何回でも楽しめる、、
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夏川草介著「勿忘草の咲く街で」

2022-04-18 | 読書
夏川草介著「勿忘草の咲く街で」安曇野診療記 角川文庫刊

 帯の「真っ向から高齢者医療に挑む!
   「医者は神ではない。
    人間である僕らができること」に惹かれて買った一冊。

長閑な安曇野の地域病院 梓川病院の物語
3年めの看護師と1年めの背広の似合わない研修医
少し読んで
研修医と看護師の青春ラブストーリなら読まなくていい、と
閉じたけれど、先日新宿で買った3冊のうちの一冊
1冊目でやめたら次に入りにくい、と再度チャレンジ

読み進むに従って、そんなチャラい話ではないことが分かってきた。

高齢化が進んでいる地域なので
患者の平均年齢は80歳をゆうに越えている。

高齢患者の治療は早々に打ち切り、
密かに「死神」と呼ばれるお医者もいる。

患者も、意識が希薄なまま誤嚥で重篤になったり
「積極的な治療はしたくない」自ら唱える高齢な女性

高度の医療が進み、死時が分からなくなっている。

花屋の息子で物事を見極めたい研修医は
死に時を探り、好きな花になぞらえて
カタクリの花は根が切れると枯れ、
根が切れてないと儚くなっても生きながらえる。

カタクリになぞらえて、それぞれに引導を渡す。


    カラタチの花

医療の進歩により、簡単に死ぬことは少なくなったが
死に損なって、チューブに繋がれて生き続けるのはやめたい。

高齢者医療は個々の見極めが大切、、そう思う。

そんなこんなで、研修医のことが分かった気になるし
現職医師の作家の物語だけに病院内のことも信憑性がある。

だけど背広が似合わない医師なんているのだろうか?
先週病院で細胞を採ってくれた研修医3人
キリッとした眉と瞳(それしか見えない)
みんな背広が似合いそうだったけどなあ、、
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本城雅人著「崩壊の森」

2022-04-01 | 読書
先日読んだ本「崩壊の森」 本城雅人著 文春文庫刊

帯には
 諜報、盗聴、罠、駆け引き、裏切り
 帝国崩壊!
 世界的スクープを報じた
 日本人記者は何をみたのか?

ソ連邦崩壊をその場で見ていた記者の物語
崩壊から20年
今のプーチン政権の異常なまでのウクライナ攻撃と
どう繋がっているのか?

興味津々ながら、難しい話ではないのか?
危惧していたけど、驚呆れながらも
今の世の現実とは思えない出来事の数々、

一つのデモの写真をこっそり撮って新聞に載せるため
空港で乗客に運んでもらう現実

今では昔話のようだが
ロシアの官憲の強権ぶりは少しも変わっていない。

毎日のニュースで
大統領の病状は進んでいる、、とか
軍内部のクーデタの可能性が高まっている、とか
政権の周りの離反が進んでいる、とか
キーウの戦闘が止んだとか、報道されるが
ロシア軍の占拠した地域は拡大しているとしか思えない。

この度の崩壊の森はいつになるのだろうか??

戦火が終わって、平和な時が来たにしても
ロシアに対する嫌悪感は、
この先何十年も消えることはないと思う。

ビックリするほどのプロパガンダ
昔の日本の戦中と変わらない部分を感じてしまう。
戦争を起こしているのはプーチンと言えども
日本の昔も戦争を後押ししたのは民衆
今のロシアもプロパガンダを信じている人たちは
プーチンの傀儡(?)

日本においても、
政権の言うことを鵜呑みにしないようにしよう!

ロシアのことを知るための
おすすめの一冊です。



こんな平和な空を1日も早くキーウへ!



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田中奈保美著「ボケてもがんでも死ぬまで我が家」

2022-03-08 | 読書
長年の友人の田中奈保美さんから送っていただいた著書

「ボケてもがんでも死ぬまで我が家」アートデイズ刊
ー夫のがん発覚から
  看取りまでの一年二カ月の記録ー

田中さんとは以前星岡のお茶会でご一緒し
行き帰りにいろいろなお話をしていた。
素敵なお医者様のご主人のお話も聞いていた。

和服の帯結びのお手伝いをしてもらっている事
住まいの改装で、床板をご主人が張り替えた事
「それが上手なのよ!」嬉しそうだった。

大きな病院の著名な脳外科医とは思えない気やすさ
物事の上下をつけず何事にもチャレンジする精神
それにも増して、病気を治療する性の人が
人が死にゆくのを邪魔してはいけない、、と言う。
ご夫妻で思いを共有できる幸せ、を話の端々からかんじていた。

そのご主人が認知症になり、癌になり、看取ったこと
話には聞いていたものの、
本にするのはかなりの決断を要したことは想像できる。
送っていただいたものの、読みはじめるのも勇気のいる思いだった。

ところが、どこを取っても暗さはない、
田中さんの話し口そのままの、キッパリとした文章運び
何のてらいもなく読み進めた。

ご主人のスナオさんには結婚パーティや
コンサートでお目にかかってはいたものの
直接お話しした事はなかったけれど
すぐ目の前を歩いているのを見ている気分になった。

結婚パーティーで賑やかな笑い声の集団
きっとお医者仲間だったに違いない
あの人達が、一団となって
田中さんやスナオさんを支えていた人達だったのだろう
懐かしく心強く読み進めた。

私の母もそうだったが、死はノロノロした挙句に一気にやってくる。
「亡くなった..」
「ああ終わったんだ...」
実感として胸に収まる。

亡くなった悲しみ、
なぞりながら文章を書きながら、
何度も追体験をして涙したのでしょう。

書いていいのか?
何回も問いかけながら、出来た一冊。

これから何人もの死に向き合わなければならない私達
一人一人の死と私自身の死
心置き無く死に向かっていける気もする(?)

奈保美さんの見事な看取りを受け取り
言葉は交わさなかったけれど
スナオさんは死ぬまで立派なお医者さんだった!
つくづくそう思う。



2010年の著作
田中奈保美著、新潮社発行「枯れるように死にたい」
ー「老衰死」ができないわけー
こちらもご一読ください。

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道尾秀介著「風神の手」

2022-02-09 | 読書
この前読んだ本
道尾秀介著「風神の手」朝日文庫

どうも俵屋宗達の風神雷神図屏風を見てから
風神雷神の文字に過反応を起こすようになってしまっている。

この本は風神とは関係ないが、、


(ただの挿絵です)

海の近くの川のある町の物語
遺影を撮る写真館にやってくる人達

小さな出来事が起こり波紋が
世代を超えて広がる

いい人達ばかりだが事故は起こる
鮎漁の最中に頭に落ちてきた石

カメラを万引きして見つけられた事

建設会社が工事の失敗で潰れたこと

建設会社の社長が亡くなること

全てが繋がり齟齬と罪を修正すると
あの人もこの人もこの世に存在し得なかった。

いい人ばかりの中に起こったこと
一番人に好かれてニコニコしていた人が発端だなんて、、

感激しようにも、腹を立てようにも、、
それども面白くて、おすすめしたい一冊です。
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米澤穂信著「王とサーカス」

2022-01-27 | 読書
先日読んだ一冊
米澤穂信著「王とサーカス」
王とサーカス

読んですぐに直木賞の受賞に名前が出たので驚いた
多くの本を出している作家さんなので、「今更」があったが
ご本人はとても喜んでいる感じがしたので
素直に「おめでとう!」

米澤氏の本は4年も前に「満願」を読んでいたので
2冊目になる。

フリージャーナリストの太刀洗万智
新しい仕事に取り掛かる前にのんびりとネパールに旅した。
ギリギリ許せる範囲の小さなホテル「トーキョーロッジ」
アメリカの若者、日本の修行僧、現地の人
泊り客は多くはない。
外へ出た途端まとわりつくネパールの子供
物を売りつけ、案内を買って出て生計の足しにする
小賢しくって、役に立って、見過ごせない。

のんびりとしている中にクーデター(?)が起こる。
王族が殺され、人々が慌てふためき
のんびり旅行が一気に取材モードに、、

真相を探るために接触した軍人が殺されて、、

そんな実際に起こった政変を主題にした
ジャーナリストのことを揶揄し、諭す

ミステリー?
何なの?
と思って読み進めているうちに
生きるためにギリギリ知恵を絞っている
現地の人(子供)の姿に気づく。

かなり骨太の作品


(ただの挿絵)

受賞作が掲載されている(多分)
オール讀物の発売が待ち遠しい、、
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内藤了著「穩温羅」建物よろず因縁帳

2022-01-10 | 読書
昨年読み終えた一冊
内藤了著よろず建物因縁帳 穩温羅 講談社タイガ刊

古い建物を壊さずに曳家をする集団穩温羅流鐘鋳建設
社長は45歳で死亡する。
長年言い伝われて、実際に亡くなっていた。

審神者/サニワ(変換された!)の女性営業職の働きや
取り巻く坊主や考古学者、建設会社の人々のお陰で
短命なわけが解明されるシリーズ最終章

建物に取り付く妖怪やものの怪を探り、祓い、
無事曳き家やら解体をする。

建設業界にいても気づかない事案
大部分は物語なのだろうけれど
色んな資料から横引きして築いた不思議なお話。

ついつい実際にあることのように読み進めてしまう。

最終回とあって恨みの謎が解け因縁が祓われる。

    
(挿絵です)

それにしても、この出版社の文庫本



透明包装で試し読みが出来ない
この本が欲しくて見つけたので
躊躇いはなかったけれど
どうしようかと思っては絶対に手に取らない!

雑誌類が封印されたり
文庫本が試し読みができないと
買う人が減るのは必定
時に書店で読み耽っている人を見かけるけれど
私の場合はダブルブッキングがないか
初めての作家さんの文章が読みやすいか?
なのに、、

もっと知恵を働かせて立ち読みを防いで欲しいものだ。
(自動はたき機とか?)
切に希望したい!
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須川邦彦著「無人島に生きる16人」

2021-12-08 | 読書
昨日リンクが貼れず断念したのを再チャレンジします。

須川邦彦著「無人島に生きる16人」新潮社文庫

牧歌的なイラストに惹かれ思わず買ってしまった1冊
「無人島に生きる16人」なんて、以前読んで衝撃を受けた
「蝿の王」を思い浮かべた。
無人島に流された子供達が、
弱い子から殺された悲惨な結末だった。

この本は明治36年のお話だけど
実話に基づいている。
練習帆船は千葉県館山からホノルルへ行き
戻ってくる航海だった。

一度は遭難しかかったがどうにか立て直し
ホノルルから帰りの航海途中大しけにあって遭難
どうにか無人島に全員が上陸できたが
孤島の小さな島。

水なし、樹木なし、
ウミガメが泳ぎ、アザラシがのんびりしている。

木を擦り流木で火を起こし、
知恵を絞り塩気の残る水と真水とを作り
帆船の帆でテントを張り、海亀や釣った魚を食料にし、
船を見つけるための見晴らし台を作る。

蝿の王と違うのは船長の指導の元一致団結して
秩序ある生活をする。
なおかつ、無人島暮らしを楽しみ(?)
雨の日には能力アップの勉強もカリキュラムに入れた。

細かい色々はあったにしろ
大事な衣類をとっておいた裸の暮らしは
悲惨なばかりではなく、朗らかなことも多かった様子。

読んでいて楽しい無人島だった(?)

日本発から帰国までほぼ1年

ベトナムで洞窟遭難事故も塾の先生(多分)の下
いがみ合うことなく(?)全員救助された事件と合わせて
差別区別のないリーダーが大切だと痛感する。



読んでいて朗らか(この言葉は久しぶり)になる
冒険小説も時には読んでみるもの、、かもね。
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中学生の歴史教科書/帝国書院

2021-11-03 | 読書

中学生の歴史教科書を買う気になったのは
中学一年生に買ったばかりの教科書を見せてもらい
びっくりしたこと。

表紙がキレイ、ページを繰ってみると

カラフル、
写真と挿絵と右には年代別のインデックスも
最後の歴史は(?)

オリンピック会場にiP細胞の記述まで載っている。
年々更新されている模様。

たまたま来た兄に見せると、やはり驚き
「俺の時は藁半紙だったのに」って

時代の流れより、教科書の歴史の方が移り変わりが激しい?

    

これからゆっくりと見ていこう。

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司馬遼太郎著「最後の将軍」

2021-11-01 | 読書

本屋さんで見てつい買ってしまった一冊

司馬遼太郎著「最後の将軍」文春文庫刊

OGPイメージ

文春文庫『徳川慶喜 最後の将軍』司馬遼太郎 | 文庫

すぐれた行動力と明晰な頭脳を持ち、敵味方から怖れと期待を一身に集めながら、ついに自ら幕府を葬り去らなければならなかった最後の将軍徳川慶喜の悲...

文藝春秋BOOKS

 

時々見ているNHKの大河ドラマ
渋沢栄一が馬に乗っている徳川慶喜に直訴する場面や
隠居してしまった静岡に面会に行く場面
を見ていたので読む気になった。
出典はこの本と思えるほど丸々載っていた。

今はなき司馬遼太郎は、いろんな資料を元にして
想像を膨らませて物語を紡ぎ
当初の予定の二倍の量になり
それでも描き足りないくらい(思うに)の人物

聡明すぎて、先が見え過ぎて
育ちが良すぎて、世間の思惑がなぞれない。
なんでも出来て、
食事の盛り付けをするお付きに、ごはんのよそり方を教えたり
月代の剃り方の手解きをしたり、、
日々の細々とした事の観察力が並外れていたらしい、、

それなのに、人心の掌握が苦手だった。
人々を理解できなかった。
司馬遼太郎は「育ちの良さ」だと書く。
子供の時から反論してくる人に恵まれなかった、、

本当の心は明かせなかった、、らしい。

司馬遼太郎の洞察力と徳川慶喜の魅力に溢れる一冊です。

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