原田マハ著 「風神雷神」上 「風神雷神」下 PHP文庫刊
上下巻の表紙は以前読んだ柳広司の風神雷神と同じ
2021年4月blog「風神雷神」
しかし読み始めてびっくり仰天
まだ幼い俵屋宗達が織田信長の面前であの象の板絵を描き
(見たことがあった)
狩野永徳の洛中洛外図屏風(見たことある)の中の一部を描き
時の寵児の永徳を驚かせ、
伊藤マンショ達の
天正遣欧少年使節団の中に紛れ込んでいたとは、、
物語とはいえでども程が過ぎる。
一気に心拍数が上がり、
それでもズンズン先を読みたくなってくる。
これは紛れもない冒険小説なのだ。
さらに時のローマ法王と謁見し
あのカルバッチョと自作の絵画を交換したなんて!
どこまで想像の羽を広げちゃったのだろうか!
キューレーターとしても活躍した原田マハ
ひょっとしたら何処かに文献にあった?
なんて考えも首をもたげてしまう。

(クロガネモチ)
そこを現実に引き止めたのが
美術史家佐々木城氶平氏の解説
足を引っ張るでなく、現実を受け止めさせてくれる。
マハさんの人脈の厚さに感心させられる解説と
想像力の豊かさに敬服させられる一冊(上下)です。