とにかく「金目」という世相づくりに違和感と危惧をもつ

2015-06-10 08:43:28 | 日記

 とにかく「金目」という世相づくりに違和感と危惧をもつ

 

  ◆福島県が宿泊費を最大5000円補助する「福が満開、福のしま。」旅行券事業で、1日に販売した第一期分の4万枚のうち、44・7%に当たる1万7893枚 が精算されずに未発券となっていたことが3日、県への取材で分かった。 県は当初、コンビニ端末から出力される受付票が4万枚に達した時点で「22分で完売」としたが、実際は旅行券の半分近くが売れ残っていた。◆11分で3万枚を完売したとされた「アキタノ旅クーポン」について、秋田県は29 日、販売したコンビニエンスストアのシステムトラブルなどで8865枚が売れ残っていたと発表した。残ったクーポンは、秋に予定している1万枚と合わせて販売するという。◆秋田県鹿角市の宿泊割引券「かずの体験プレミアム旅行券」が6月2日に発売され、約45分間で2000枚を完売した。◆額面5,000円の宿泊券を半額の2,500円で販売した佐渡プレミアム宿泊券は、5月21日に発売した第2弾の5,000枚は販売開始後約7分で完売したそうです。◆新潟県阿賀野市の額面一枚10,000円の旅行券が50%オフの5,000円で購入できる五頭温泉郷スーパープレミアム旅行券は、衝撃的な速さで完売!5月1日発売と同時にインターネット、電話、FAX、3分で完売。並んでいただいていた方も、10分程で完売。◆4月16日に販売を開始した東京都大田区のプレミアム付大田区内共通商品券も4月25日に完売。◆徳島県内の宿泊施設に実質半額で泊まれる「おどる宝島!とくしま旅行券」は、4月20日の発売開始から23時間半で予定していた3万3000枚が売り切れた。◆地方創生に向けた国の交付金を受け、鳥取県が1日午前9時から全国のコンビニ店で、県内宿泊施設で使用できる額面1万円のプレミアム宿泊券1万4000枚を1枚5000円で発売したところ、わずか4分で完売した。◆3月29日からプレミアム付き商品券を33,333セットの販売を開始した岡山県備前市でも完売!(毎日新聞・自治体ホームページなどによる)

  政府は24日、経済対策と地方創生を目的に2014年度補正予算に盛り込んだ自治体向けの「地域住民生活等緊急支援交付金」(総額4200億円)の配分を発表した。このうち「地域消費喚起・生活支援型」(2500億円)の対象事業は、地元の商店街などで購入価格を上回る買い物ができる「プレミアム付き商品券」が多く全体の64%(事業費1589億円)。1709市区町村と30都道府県が計画している。政府が発表した数字のすべてを取り上げたらどれだけの紙面になるだろうか。

  冒頭にあげた福島県の取り組みは、今後年内あと2回の発売を計画している。その国の交付金は合わせて12、5億円。そのことを報告しながら疑問を呈すブログを書いた。「そのような形での『税』の使われ方を考える」(4月28日)

  再度考えたい。手違いがあり売れ残りがあったとしても、福島の場合はその手違いに強い批判が投じられた。「手にできなかった不満である」。つまり「一部の者が得をした」ということについての不満に通じるものを感じた。またクーポン券を手にしてもそれだけでは済まない。その倍以上の出費が必要である。それだけの余裕が無いという層はどうだろう。額の違いはあれ納税者である。そのような「税」の使われ方に異議ありとの声もあって良い。「金回り」を良くすることによる経済効果の裏には、その恩恵を受けない国民のいることを忘れてはならない。

  またしても、新たに福島原発事故処理にまつわる「新交付金」なるものが決定した。また、沖縄基地問題に対しても「振興策と称する交付金」が示され住民の分断を図ろうとしている。とにかく「金目」という世相がつくられ、そこで政治が動いていく事に対する違和感と危惧を持つのは私だけであろうか。

 


介護難民が続出しないか・「自治体丸投げの」介護保険制度の改定

2015-06-09 10:22:36 | 日記

 介護難民が続出しないか・「自治体丸投げの」介護保険制度の改定

 

  よく言われることだが、三人集まると必ず「飲んでいる薬、通っている病院」などが話題となる。これが高齢者の日常的な光景である。しかし、現在はそれに「介護」の問題が加わってきた。

  自民党政権は消費税の増収分を社会保障の充実にまわすことを確約し消費税を5パーセントから8パーセントに増額した。しかし、その公約は実現せず、それどころか介護保険制度の改定を強行した。その内容は要介護1・2の認定者の施設(特別老後施設など)への入所を不可能とし、要支援1・2のサービスを「介護保険」から締め出すものである。

  確かに、従来も「入所申し込み」をしたものの待機の状態が多い。2013(平成25)年現在、全国で約52万人の待機者がいると厚生労働省は報告をしている。この数字は、やむに已まれずギリギリの状態で申し込んだ方を対象としたのであり、あきらめて申し込みをしない人も含めれば100万人に近い数字になることが予測される。それでも従来までは「並んで施設の切符を受け取るチャンス」があった。しかし、今年4月以降はその順番待ちの行列に並ぶことさえもできない。

  2000年(平成12)4月に介護保険制度が制定された。「誰もが安定的に望む介護が受けられるよう、社会全体で要介護者を支える仕組み」として大きな期待をもった。しかし、施行当初は、親族や周囲から「親を施設に入れるのか」という批判を受けるなどの古い習慣の中での誕生であったが、さして時間を要すまでもなく、申し込みが殺到する状況を生み出したのはそれだけ「緊急かつ必要制」のあったことを物語るものであろう。しかし、その基本が25年後の今日、消滅しようとしていることも知らなければならない。

  その改定の内容は冒頭に記したが、とりわけ介護保険制度から外される要支援者の介護である。その数は2014年10月末現在で168万人となっている。これは鹿児島県の総人口と匹敵するものである。この層が介護予防である「訪問介護」(家事援助など)・「通所介護」(ディーサービスなど)のサービスが、介護保険制度の適用から外されるのである。そして、全国どこでも誰でも、同じサービスを同じ金額(本人負担)で受けることができた制度が、市町村の財力によって異なることが生じる。このことはサービスの地域格差の拡大を意味する重大なものである。 

  それが「自治体丸投げ」というものである。

  それでも政府は「地域支援事業」に移してもその財源は補償するから心配ないという。ところで現在の「要支援者サービス」に伴う財源は「介護保険給付見込額全体の3~4%以内」を上限としている。政府はこの財源を補償すると言っているが、その引き上げの明言はない。

  市町村の判断でやりなさい‼それが政府の方針である。

  従来までの要支援者サービスを、もれなく地域支援事業に吸収するためには約6千億円が必要と言われている。(2011年度現在)。そのことは財源の上限を8%程度にまで大幅に引き上げなければならない。上限をそれ以下に設定した場合はサービスが一気に切り捨てられる。にもかかわらず政府は口が裂けても財源の引き上げを述べてはいない。

  ではどのようなことが予測されるだろうか。

   第一に、市町村の判断でサービス水準の切り下げが可能になる。今まであった全国一律の給付は「地域支援事業」にはない。研修を受けたホームヘルパーによる生活援助を、ボランティアによる支援や、民間企業による宅配弁当に置き換えれば費用を削減することができる。サービスはその方向に流れることは必須となる。

  第二に、サービスの種類や内容も市町村任せになる。現在12種類の保険給付が法律で定められている。その中に「訪問介護・看護。リハビリ。通所介護。福祉用具貸与など)も定められているが、「地域支援事業」では市町村の判断(財力)でサービスの種類を減らすことが可能になる。

  第三に、利用料も市町村任せである。現在の本人利用負担は介護費用の1割で残り9割が介護保険財政から出る。しかし、政府は介護保険からの交付の増額を約束していない。そしてサービス利用料は市町村が決めるとしている。利用者負担の割合を引き上げれば介護財政は削減できる。そのことは介護サービスの地域格差の拡大を生むだろう。

  これらのことを知るなら、己が住む自治体に対して「丸投げ拒否」を政府に突き付けさせる運動が必要ではないか。しかし、私の知る範囲では、このことが今般実施された自治体選挙での争点にならなかったことは事実である。同時に不思議でならない。あらためて提起したい。

  「誰でも、どこでも、必用な介護を受けられる社会的保障」を。「介護の地域格差の拡大は許さない」と。

若年介護者の未来は「2014・6・17クローズアップ現代より」

 

 


これって「近代の国会論議なの」。何回聞いたたろうか・「国の存立・・・国民の生命・・・」.

2015-06-07 14:43:41 | 日記

これって「近代の国会論議なの」。何回聞いたたろうか・「国の存立・・・国民の生命・・・」.

 

  6月6日の衆議院「平和安全特別委員会」の審議をインターネットで見る。そこで繰り広げられた辻元議員(民主)と中田防衛大臣との論戦がある。辻元議員の質疑の矛先は、4日の衆議院憲法審査会での参考人の発言をめぐる中谷防衛大臣への挑戦であった。

  さて、参考人として出席した3人の憲法学者が、そろって今国会で審議されている安全保障関連法案は「憲法違反」であると断じた。しかも与党が推薦をした長谷部参考人までもが違憲の発言をしたから与党にとっては想定外の展開になった。

  再開された委員会においては当然この問題が俎上に上げられる。その中で展開されたのが「集団的自衛権の行使」をめぐる論戦である。そこで発言する中谷大臣の姿を見る。そこには安倍首相に忠実な「僕」の存在と見るのは私だけであろうか。大臣は、終始「憲法解釈は有識者会議の真剣な討論の中から導き出された」ものであり、それを受けての閣議決定であることを繰り返し、繰り返し答弁をしている。安倍首相の「お声がかり」の有識者メンバーを絶対視し、それが最良のものとする論旨である。では問いたい。その有識者会議の人選は誰が行ったのか。そのメンバーの承認は何処で行ったのかと。いみじくも、審査会後に自民党の船田憲法改正推進本部長は「後半の議論が安保法制になったのは予想外だった」と記者団に語った。つまり、具体的な審議の展開が「安保法制」に転じるとは予想をしていなかったということである。とんでもない独断である。憲法改正の是非を審議する中で、今、憲法に抵触するか、しないかの論議に触れることは当然である。さらに船田氏は自民党の佐藤国対委員長に状況を報告する。佐藤氏は「平和安全法制特別委員会への影響を十分に考え、今後は人選やテーマ、スケジュールに配慮するように注意した」と報じられている。

  人選やテーマに配慮すべきとはとういうことかどういうことか。何のことはない。目的を達成するため(安保法制を成立させる)の人選と、テーマの設定、そしてスケジュールを組み立てることの必要性を強調したものに他ならない。「ボロを見事に表した」と言えよう。安倍首相が(自民党が)そのための「会議」が必要とするなら、それは「私的懇談会」であり、『安倍晋三諮問会議・あるいは研究会』とすればよい。「有識者会議」なるものの御神旗を立てるべきではない。また持ち出すべきではない。

  そして、次は「国の存立から始まり、国民の生命、権利・・・・・」である。そして、この「新三要件」が武力行使の判断基準となると答える。であれば武力行使を決断する場合とはどのような事態なのか。指令を出す防衛大臣、貴方は「何をもって判断するのか」という問い詰めには、またもや「オウムの繰り返し」が始まる。「国の存立・・・・・国民生命」と。

  さらに、高村副総裁の発言がある。以前に「油が入ってこないために凍死をする実態が発生した場合」とホルムズ海峡の機雷掃海の根拠を述べた政治家である。今回は次のように述べている。「憲法学者はどうしても(交戦権を否認した)憲法9条2項の字面に拘泥する」と、三参考人も含め、法案の廃案を求める170人を超える憲法学者にむけて異議を表明、違憲論に不満をもらしている。これに対し、毎日新聞6月6日の「余禄」は見事に切って捨てている。「ならば憲法から字面をとったら何が残るというのか。ぜひ教えてほしい」と。当然である。

  かつての自民党にあっては、このような言葉を聞くことが無かった。いつからそうなったのか。ますます安倍首相の政治姿勢に危ういものを感じる。それは「私が憲法だ」と言わんばかりの態度にもある。「数に驕る政治」は必ず滅びる。いや「滅ばさなければならない」。それがその数を許した私たちの側の責任というものであろう。

 


社会保障費の削減ありきの政治にノーを

2015-06-05 12:04:57 | 日記

社会保障費の削減ありきの政治にノーを

 

  若干古いが、毎日新聞(5月3日)「自民・財政再建特命委:社会保障費の削減を提言」との見出の記事を次に貼りつける。

  「自民党の財政再建に関する特命委員会(委員長・稲田朋美政調会長)は13日、財政再建に関する提言の中間整理を決定した。提言は社会保障費を中心とする歳出削減に言及。6月中旬をめどに結論をまとめ、政府が6月末に策定する財政健全化計画に反映させる考え。ただ、医師会など関係業界や族議員との調整も待ち受け、社会保障費削減の具体策について議論が紛糾するのは必至だ。どこまで有効な歳出改革策を打ち出せるかが焦点となる」。

  政府の発表によれば、2014年度の歳出総額は94兆円・内一般歳出が56兆円、そしてその中に占める社会保障費が30兆円であり、一般歳出比で54%となっている。そして本年4月から3年間をかけて要支援者の予防介護サービスを、介護保険から外し自治体の手による「支援事業」にゆだねる。あるいは要介護1・2の認定者の特老などでの施設介護を認めないという「介護保険制度」の改定が決定された。しかし、それでもまだ生ぬるいとして出されてきたのが、冒頭にあげた「社会保障費の削減」という提言であると見るべきであろう。

  自民党の財政に関する特命委員会(委員長・稲田政調会長)は、高齢化に伴う自然増は年5000億円であり、その根幹である医療費にメスを入れるべきとしている。

  片や経済同友会は、1月21日に「財政再建に関する提言」を発表した。歳入面では2017年4月に消費税を予定通り10%に引き上げるだけでなく、17%まで段階的に追加で増税すべきだと求めている。さらに歳出の面においては、社会保障分野の大胆な改革と給付カットが必要だと訴え、年間5000億円のペースで公費削減をすべきと提案している。

  そして具体的な削減策として、医療費の本人負担の70歳から74歳の段階的な1割から2割という措置を返上し、現在1割の75歳以上も含めてすべて「原則3割」に揃えるべきとしている。加えて価格の安い後発医薬品の利用促進・病院やクリニックでの受診時に毎回「100円」の受診料(本人負担)の設定・在院日数の削減・要介護1・2、要支援に対する給付の抑制・介護サービス自己負担1割から2割の提言をしている。それは今や経営団体の提言を超え、すでに政府内において「社会保障費削減への道」が敷かれていることは自明である。

  さて前に戻る。介護サービスの「自治体丸投げ批判」に対し政府(厚労省)は、従来通り介護保険財政から支出されるから心配ないと説明している。しかし、今後ますます増えていくだろう高齢者の介護に応じた財源の保障については何も明確にはしていない。明確にされているのは「自民・財政再建特命委:社会保障費の削減を提言」という確固たる方針である。どこに「心配ない」という説明の根拠があるのか。またしても政府は「二枚舌」を使うのか。国民もそうだが、「丸投げさせられる自治体」はノーの意志を表明すべきである。この間、地方選挙が実施されたが、その選挙戦の中でこのことが論じられたという報道は見ない。東日本震災地の選挙はこれからである。是非とも論じて欲しいし、住民はその選択を明らかにすべきである。