餓死し・凍死する事態が、自衛隊出動の条件・高村自民党副総裁発言

2015-05-26 09:57:11 | 日記

餓死し・凍死する事態が、自衛隊出動の条件・高村自民党副総裁発言

 

  5.25ブログには、福島原発の廃炉をめぐるリスクの問題と安保法制に伴う自衛隊のリスクの拡大について、政府の的外れ、無責任な発言と書いた。そのように表現したが果たしてそうなのかと疑いを強くした。つまり、すべてを承知の上での作為的発言と受け止めたらどうなるだろう。それこそ恐ろしい政治のはじまりと考えるのは私だけであろうか。

  さて、集団的自衛権の行使を可能とする「新三要件」に該当するものとしてホルムズ海峡の機雷の掃海がある。これは安倍首相が好んで用いる例示の一つである。海峡が機雷で封鎖されれば日本のタンカーは通れない。そのことは油が入らなくなることを意味する。それが「日本の存立にかかわることであり、国民の生命が脅かされるものである。よって集団的自衛権の行使は許される」これは何回耳にした言葉であろうか。

  機雷を敷設することは「武力行使」であり、それを排除することを敷設した国は黙って見ているだろうか。それは武力行使への妨害であり排斥してくるのは当然である。そこにはもはや「外交」はない。あるのは戦闘行為の場(戦場)である。そのことを覚悟するだけのリスクを具体的に説明しなければならない。言い換えれば、戦場に自衛隊を派遣(派兵)し、犠牲を覚悟しても守るだけの国益(生活の破壊、生命の危機)を具体的に説明する責任が政府にある。それが政治を行う者の責任であると問うてきた。

  そして今般その答えが出た。5月3日のNHKのテレビ番組での高村副総裁の発言である。高村氏は自民党の副総裁であると同時に「安保法制与党協議のまとめ役」であった。その高村発言である。「自衛隊が中東・ホルムズ海峡で、集団的自衛権を使って停戦前に機雷掃海をする条件について、『ホルムズ海峡から原油が全く来なくなって、国内で灯油もなくなって、寒冷地で凍死者が続出する』というのは、国民の権利が根底から覆される(状況)ではないか」と。さらに、高村氏は「単に経済的理由では駄目だ。原油が3割、5割上がる程度では駄目だ。(だから新3要件は)かなりしっかりした規定である」とも語った。

  「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」とは、原油が3割、5割上がる程度のことではない、寒冷地で凍死者が続出するケースにあって、はじめて武力行使の新3要件を満たす」というのが高村氏の発言である。驚くべき発言である。そして稲田自民党政調会長も大方そのことを追認している。

  凍死者が続出する事態は突如現れるのだろうか、そんなことはないそれが政治の責任である。「備蓄で食いつなぐ期間はどうか。代替えエネルギーの充足は、そして省エネの方策はないか」とのあらゆる方策が検討されるだろう。またその実現に向けた政策が取られる。また国民に求める政策も示されるだろう。もちろん失業者の増大も生まれる。「座して待つことはできない」という自民党政治家のお得意の言葉をお返ししたい。「凍死するまで待っているのですか」と。それは、野党の追及をかわすための、国民をだますための現実からかけはなれた詭弁に過ぎない。笑を通り越して激しい怒りを持つ政治家の発言である。

  同時に、ホルムズ海峡を通航するのは日本のタンカーだけですか。他の国は海峡の通航する必要のない輸送ルートを持っているのですか。

 


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