男性の一人暮らし増加・そして「レンタル・フレンド」を考える

2014-06-06 18:43:27 | 日記

   男性の一人暮らし増加・そして「レンタル・フレンド」を考える

衆議院を通過、そして参議院へ。配布された資料に、不備や誤りがあったという「尾ひれ」も付いた医療・介護法改正法案も、残念だが参議院通過は時間の問題となった。この法案は、介護保険サービス料の削減を目的とするものであり、在宅介護への傾斜に直結するものである。とりわけ、要介護度を重くしないためにも、予防介護が必要とする「要支援サービス」を自治体に丸投げするものであり、「この世で一番 無責任と言われた男」の歌文句ではないが、政府の無責任ぶりを示したものと言わざるを得ない。

今後、高齢者を苦しめ、在宅へ押し込む新しい介護方針を、どれだけの人が、そして家族が受け入れられるだろうか。

各種の報道は、これと関連付けて「公民館活動」の紹介や、地域の絆づくりというものを盛んに取り上げている。趣味の会、小旅行、勉強会などなど。また「空き家の古民家」を活用した一日居場所づくり、高齢者宅見守り隊といったボランィア活動である。でも、150万人とも言われている要支援者をこの種の地域活動で対応できるのだろうか。

そして、特に取上げなければならないものに「男性の一人暮らし」がある。2009年の内閣府調査によれば、独居男性の近所の人との付き合いは僅かに11.9%。ほとんどが近所の皆さんとの接触がない。また日常生活の中での会話の頻度にいたっては、男性は2〜3日に1回以下しか会話をしない人が41.2%もいる。しかも1週間に1回以下、またはほとんど話をしないが11.8%。もはや言葉を失っていることになる。さらには、病気になったり、頼みたいことがあったりした時に「頼れる人がいますか」の問いに対しては24.4%が「いない」と答えている。(女性の場合は9.3%である)

平均寿命の延びは余命年数の伸びにも連なる。かつては先に逝ったのが男性であった。しかし、最近は男性が残る、あるいは妻の介護にあたるというケース増大しつつある。そこに新しい高齢者問題が生まれてきた。

ここに「レンタル・フレンド」いうものがある。読んで字の如し「貸し友」を提供する人材派遣会社の誕生である。その友の相手は、もっぱら男性であるから、言い換えれば「レンタル・ガールフレンド」か。一人暮らしの寂しさを補うために女性の友達を派遣する。テレビでは次のような場面を報じていた。

一人の男性が、妻をディサービスに送り出した後に外出した。その先にやや中年の女性がいた。「今日一日の友達である」。喫茶店でのお喋り、公園での散歩、そして海上遊覧船での回遊、そしてサヨウナラ。当日の諸経費二人分を含めて4万円。「大変楽しかった」と男性は満足。そして妻が帰宅する前に自宅に戻っていった。

これをどう見るか。「なかなかいいんじゃない。でも4万円は出せないな」。「うーん。それって援助交際じゃない」。「確かに厳格なシステムで派遣するのだから信用できるのでは」。「いやいや、いろんな人もいるだろう。高齢者だましも出てくるのでは」。この話題を出した時の周囲の発言はいろいろであった。世間の状況を考え、知恵を働かして立ち上げた事業と言えばそれまでだが、何故か、それが「派遣事業」となるところに、人生のひずみと高齢者問題の深刻さを感じてしまうのは私だけであろうか。間違いなく「老いの確立は100%」である。かく言う私も、その一人であることは間違いない。

一週間早めの梅雨入りである。鬱陶しい日が続くだろう。そしてこの時期、またしても考えさせられた一つの事例である。

 


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1 コメント

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便利屋について (十文字つよし)
2017-01-16 22:05:45
はじめまして、同感です。
便利屋の労働的なお仕事には尊敬もしますがレンタルフレンドなどは
便利屋の都合良い宣伝方法でぼっちや孤独に対する不安をかり立てているように思います。
無条件で受け入れられたと思う安心感は危ういものです。レンタルな人に良くされる事に
なれて執着してしまうと結果的に大切なものを失う気がします。
便利屋依頼は驚くコースもあります。過去の旦那の浮気がばれたので浮気相手女性役になり奥さんに謝る
恐ろしいコースや元彼女が諦めるための新しい彼女役をするコースがあるとは、いやはや何とも
世も末と思ってしまう今日この頃です。

自分でハッキリとけじめをつけるのが男です。他力本願は、よくないですね。

人間の闇の部分を掻き立てて、歪んだ欲望を出させてしまうように思えます。

便利屋の女性は、優しい言葉や甘い接っし方で惑わし沢山ある依頼内容の仕事に繋げたい人もいるかもしれません。
私は便利屋の一部とは知らずキャッチされハンドセラピーを受けた事がありますがその女性セラピストも
店外で私とニ人で会うコースもすると宣伝していました。
セラピー女性に電話番号を聞かれたので、教えると翌日また会いたいですと、積極的営業メールがきました。


わたしは、色々な依頼を熟すセラピストは安心感が感じられないです。

沢山の資格を紹介している便利屋の女性達がすばらしい資格の専問職の方で活躍しないのはナゼでしょうか?

今のご時世、安易に料金を払い、人をレンタルする事は一時は満たされるかもしれませんが、
後から歪みや虚しさが生じると思います。
お金を支払いレンタルな人達に都合良くしてもらう事を深刻に感じる心は大事な感情だと思います。
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