「保育園落ちた・日本死ね !」の言葉が政治を動かす

2016-03-11 12:36:24 | 日記

 「保育園落ちた・日本死ね !」の言葉が政治を動

  乱暴な言い回しであるが、そのブログが日本中を駆け巡った。そして開催中の参議院予算委員会で取り上げた民主党の山尾委員の発言に対し、答弁に立った安倍首相は「匿名である以上、実際本当に起こっているか、確認しようがない」と述べ突き放した。さらに自民党席からは「やめろよ」「本人出てこいよ」「誰が言ったんだよ」「うぜえ」など汚いヤジが飛び出した。

  この事実に対する市民の反応は素早かった。保育園に子どもを入れられなかった母親らが9日、国会内で塩崎恭久厚生労働相に保育園の整備加速や保育士の処遇改善などを求める2万7682人分の署名を手渡した。それは「保育園落ちた日本死ね!」と題したブログをきっかけにネット上の署名サイトで集まったものである。

  また、常に自民党席の最前列を指定席としている平沢勝栄議員も、そのヤジ飛ばしの責任をとってマスコミに登場し謝罪をするなど右往左往の舞台演出となった。

  さて、次の舞台は塩崎大臣の演技に移った。

    署名を渡した東京都渋谷区の女性は、1歳2カ月の長男を抱きながら「認可(東京都の独自制度の)認証、認可外保育所の全てに落ちた。今月末で育休が切れ、復職できないと退職せざるを得ない。いつかやるではなく、いつまでに何をどうするか明確にしてほしい」と訴えた。塩崎大臣は「しっかりと受け止めたい」と応じた。また、これに先立つ衆院厚労委では、山尾委員の質問に答え「入園選考で有利になるよう、働き方を短時間からフルタイムに変えたり、保育園近くに引っ越したりするなどの『保活』の実態を調査する」ことを表明していた。

  そこまでは良い。しかし、セリフを読み違ったのかそれともその通りであったのか、署名を受け取った塩崎大臣は、自分の息子夫婦の「保活の苦労」にも触れ、認可保育園に入るまでの4カ月間は区外の認証保育園に月20万円近くかけて通ったことを紹介したのである。

  5カ月の長男を連れているため委員会の傍聴が認められず、国会内で中継を見ていた東京都中央区の女性(35)は「20の保育園を問い合わせをしたがダメだった。このままでは退職になる。入園でき、20万円払えるだけ恵まれている」と。

  20万円の保育料を払っても仕事を優先させる女性とはどのような人なのだろう。その言葉を聞いた母親は怒ったという。当然である。保育料20万かけても働きたいのではなく、働かなければ暮らしが成り立たない家庭が数多く存在するのだ。

  そこで思い出す。かつて安倍首相は「夫の月収50万、パートで働き始めた妻の月収が25万円」と言う例示の発言をしていた。政治家の感覚とはそういうものである。その政治家が「国民に寄り添う政策」をという言葉を口にする。貴方たちの感覚からする「寄り添う」とは、そういうものですかと。

  そのような政治家は辞めてもらわなければならない。変えなければならない。そのすべてが夏の参議院選にかかっている。そのことを肝に銘じたいものである。


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