「消せない火」海水を3升も飲む馬鹿がいますか・その14

2013-06-26 11:29:57 | 日記
 4.1                                     情報はしっかりと読み取る訓練が必要
 
 不要な不安感を取り除く智恵を持つべきです。心配の頂いた郡山の放射線量の件です。確かに郡山の事故前の平常値は0.04~0.06マイクロシーベルト/毎時でした。そしてこの間の測定数値は2.2マイクロ前後ですから、高いといえば高いですが、この数値はその時の風向きや地形などで大きく変わります。現に郡山市の場合の拠点数値は、市の中心部にある合同庁舎を測定場所としています。そこから1㌔弱にある市役所での数値は2.0を割っています。このように場所によっても違いがあります。さらに2㌔離れた田畑地帯では1.2前後と激減します。
 
 そこで、私たちはもっと利口になろうと思います。情報をしっかり読み取ろうと提案します。とりわけマスコミのあり方です。その性格からして読者の目をひきつける為のショッキングな表現がどうしても横行します。そのことが不安は増大させる一因ともなっています。もちろん、不安は解消されてはいませんが、注意深く、落ち着いて、テレビや新聞の報道をしっかり読み取ろうというゆとりを持つべきと思います。すると、不安を大きくしなくともよいことに気づきます。

 その一つの事例が海水汚染の情報です。「海水から1250倍のヨウ素」という見出しがありました。しかし、それは5リットルの海水を飲んだ場合の「危険数値」であると記事の本文に書いてあります。つまり5リットル。約3升もの海水を飲んだ場合となります。そんなに飲む馬鹿はいないでしょう。
 
 また原発現場で3人の作業者が被ばくしました。テレビは「ブルーシート」で被ばく者を覆って歩く姿を連日映し出しています。そこからは視聴者は何を想像するでしょうか。全身被ばくの恐怖の姿を描き出すでしょう。それも束の間「まもなく退院」という報道がされました。そのあとは何の報告もなく、しばらくして「治療の必要もなく、要観察という診断であった」と報じその後の情報はありません。あの連日の「ブルーシート」の騒ぎは何だったのでしょうか。
 
 残念ながら、大衆は最初に得た知識や情報を強く「記憶に残す」という習性があります。そして、その記憶を尺度にしてすべてを判断するということになります。
 よく言います。「だってあの時、そう言ったではないか」と。あとからの修正をなかなか受け入れないという意識です。
 
 もう一つの事例があります。政府機関の「原子力安全委員会」の報告です。3月23日、同委員会が「放射線物質の拡散を予測した『模擬計算』(試算)」の報告を出しました。その内容は次の通りです。
 「半径30㌔の範囲で、事故後の12日から24日までの12日間、ずっと屋外にいた場合に安定ヨウ素剤の服用が必要とする値になる」との発表です。どうですか、12日間×24時間も屋外ずっといるということが考えられますか。そして解説は次に続きます。「この試算の対象は、甲状腺がんの受けやすい、1歳児を対象としたものである」と言うのです。成人者もさることながら、1歳児が12日間も屋外にいることなど考えられますか。このような仮定にたった公的機関の発表。そしてそれをニュースとして取り上げるマスコミのあり方。ここに大きな疑問を持つべきです。
 これが今日の「風評被害」を巻き起こす元凶と言うことでしょう。だからこそ、しっかりと情報を読み取る「利口さ」を持つべきと提案したいのです。
 
 しかし、このニュースは、確実に子どもを持つ親の意識をつかまえました。子どもの「甲状腺障害」の不安を確実なものにしてしまいました。人間は、ましてや子を持つ親はいったん受け入れた意識は簡単には薄れません。
    

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