スマホや携帯電話が「盗聴」されるとしたらどうなる

2015-09-03 11:01:50 | 日記

スマホや携帯電話が「盗聴」されるとしたらどうなる

 

  犯罪事件が起きるたびに材料になるのが「監視カメラ」である。過日の高槻市の中学校1年生の男女殺人事件もそうであった。その決め手は監視カメラに納まっていた画像である。

 「警察の街頭カメラ以外にも、駅や空港、オフィスビル、マンション、商店街など様々な場所に「監視カメラ」の設置が広がっている。公式な統計はないとのことだが国内に300万台以上あるといっている。大きな事件が起きると、直後に設置が増える傾向がある。数千万枚の画像から一瞬で特定の人物を検索するレベルにまで映像の解析技術は進んでいるが実用化にはまだ時間がかかりそうだ」というが2012年の解説である。2015年の今、どれだけのカメラが設置されているかはわからないが、映像の解析技術も一段と開発され目鼻形まで明確に解析できると言われている。その意味では、日常的に監視されている事実の中で私たちは生活をしていると言って過言ではない。

 さて、ここで問題にしたいのは「個人のプライバシィー」の問題である。過去の国会審議の俎上に度々上がってきたのが「共謀罪」と「盗聴法」である。その盗聴法が今国会において「安保法案の論戦」の陰でこっそり進められていることを知らなければならない。5月19日「刑事法制改革法案」が衆議院で審議入りし、8月9日には本会議で可決し参議院での審議に移った。この法案は、実は「刑事訴訟法」や「刑法」「組織犯罪処罰法」など数本の法律を一本化して改正するものであるが、その中に「通信傍受法」、いわゆる「盗聴法」が含まれている。実はこのことは私自身も知らなかった。多くの人も知らないと思う。

 1999年に成立した盗聴法は、その名の通り誰かの会話を合法的に盗聴することを認める法律であるが、警察にとっては極めて使いにくいものと言われている。それは盗聴してもいいとされる犯罪は「薬物犯罪」「銃器犯罪」「集団密航」「組織的殺人」の4つだけ。どう見てもプロの反社会組織の犯罪に限られている。

 しかし、「改正法案では、北海道でも沖縄でも、各地の警察は上京の必要はなく、警視庁や道府県警にいながらして、指定した数日分の通話を録音した圧縮データを通信会社から送ってもらい、立会人なしで盗聴できる。(捜査令状は必要だが)。つまり、捜査員が何を盗聴したかの『証人』がいなくなる。そのことは警察のやりたい放題になることを意味する。さらに改正案では、上記4犯罪に、殺人、傷害、放火、爆発物使用、誘拐、監禁、窃盗、詐欺、児童ポルノなどが追加される予定だと言われている。それは対象が一般市民にも広がるものとなるだろう。もちろん追加された犯罪行為であり許されるものではない。

 しかし、「今の時代の特異性は、国民が一人一台携帯電話やスマホをもっている。固定電話なら、盗聴しても話し手が誰かの特定が難しいが、スマホや携帯は特定できる。もし改正案が施行されれば為政者、国家権力が狙うのは、例えば国会前でデモをしている若者や、反原発を訴える市民や労働組合員であろう。国会前でなくても今やデモは一般市民に近い存在になっている。それは為政者にとっては脅威となる。

 デモの主催者には連絡先の携帯電話番号を公開する人もいるので、真っ先に狙われ、ちょっとでも怪しい会話があれば即連行という事態も想定する。そのことは市民を威嚇して黙らせることにも連なる。

 これらの問題を踏まえると、犯罪を取り締まる言う名のもとに国民の権利が侵されることを危惧する。

  憲法21条

  1. 集会、結社の自由、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
  2. 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 


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