福島第一原発の災害増大に思う・危険と背中合わせ

2015-01-10 12:06:13 | 日記

  福島第一原発の災害増大に思う・危険と背中合わせ

 

  福島第1・負傷者が大幅増前年度比、作業員増背景か―東電時事通信・ 1月6日)

  「東京電力は2014年度に福島第1原発で負傷した作業員数が11月時点で既に前年度の人数を大幅に超えたことを明らかにした。同原発で働く作業員が増加したことが主因とみられる。東電によると、14年4~11月に福島第1原発で負傷した作業員は39人に上り、他に体調不良を訴えた作業員が1人いた。13年度の負傷者数は死者1人を含め通年で23人だった」

  以上が報道の中身である。つまり、この報道も負傷者は39名であったこと、前年度から比べて大幅に増えたとことを報じているが災害件数は明らかになっていない。また作業員の増加が主因としているが、従事者が多くなれば、負傷者数が多くなるということを述べているだけでそれは説明にはならない。それでは10.000人の労働者がいる事業所で無災害を続けている事態をどう見るかになる。つまり、作業者を増やすと同時に、それに対応する安全教育も含めた対策が十分であったのか、どうかが問われる中身である。つまり、災害の要因、災害件数、損傷の部位と損傷度、そして再発防止などの詳細については報じられていない。もちろん一般紙の報道である。そのことを求めることは無理であるとしても、もう少し突っ込んだ取材を求めたいと思うのは私だけであろうか。

  かねてから心配していることがある。汚染水のタンク漏れをはじめ、粉じんの飛散防止対策もしかり、第一原発の現場では建設安全工事の[いろはむが守られていない実態を知るからである。

  安全・衛生管理には、訓練された指導者と、組織的規律と教育に裏付けされた日常的な安全管理がなければならない。この常識が今の東電現場にはないとしか考えられない。

  原発現場には大手ゼネコンも入っている。安全管理組織からすれば、元請の「統括安全管理者」は東電であろう。そして一次のゼネコンも含めた安全管理組織ができているはずである。いずれにしても「安全は金がかかる。時間もかかる、そして厄介だ、ならば省略したい」と考えたくなる。とりわけ高度な安全管理の知識と経験を持っているゼネコンであるが、元請けでないということから省略していないかと危惧する。

  以前、ブログで「原発現場で働く皆さん、絶対に隠さないでください」と書いた。それは、些細な事故、災害が取り返しのつかない大事故に結び付く危険性を常に帯びていることを心配するからである。「どんな小さな事故、失敗でも隠さないで報告してください」と。幸いにして大きな事故には結びつかない39人の負傷であった。しかし、これらの災害の未然防止を怠るところに大きな「落とし穴」が待ち構えていることも確かである。

  「なして打つ手を 先に打て せまる危険は 予告なし」。それこそ再発防止、未然対策の基本である。現場の努力もさることながら、「県の労働行政」の日常的な安全管理指導を強く求めたいと思う。

 


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