介護サービス料の本人負担が1割から2割へ・所得に応じてがおかしい

2013-12-25 19:03:33 | 日記

    介護サービス料が1割から2割へ・所得に応じてがおかしい

来年度から、年間所得により、介護料(介護サービス料)の本人負担が2割になる。何回かにわたり報道されてきたものの、またかとなるのは私だけではないだろう。

収入によって負担率が変わる。今回見直されようとしている介護料の本人負担1割が、年金額280万円以上、もしくは所得額160万円以上は2割にするというのである。年金者にも、第二の職場などで働いて賃金を得る場合もある。よって給与所得控除も差し引くことになるが、いずれ、その年間所得が160万円以上であれば2割である。

医療費の窓口負担もそうだが、所得に応じて負担率が高くなるということは納得できない。このことは以前にも書いた。それが、介護料の本人負担にまで採用されるとなれば黙ってはいられなくなる。

厚労省の社会保障審議会の介護保険部会の議事録を見ることができる。その中でも、この所得方式の採用について意見が出ている。①一人一人の所得が確実に把握できるのか。②所得額を1円でもオーバーすれば、1割が2割に跳ね上がることはいかがだろうか。③同じ社会保障制度の医療費の本人負担は、世帯収入580万円以上。介護料においては、本人所得160万円以上の違いは、国民の理解が得られないとの意見が述べられている。

このように、審議会では極めて常識的な討論になっているのだが、最後は、官僚の提案を追認するという状況を見ることになる。

そこで、改めて「保険」とは何かを考えたい。

たとえば、自動車保険がある。20歳未満や高齢者。そして事故、違反の多い者の保険料は高くなっている。つまり、リスクが高いとみられる人や将来支払われるだろう保険給付が高い人には、高い保険料が義務付けられている。

医療費も介護料もそうだ。老齢化は必然的に複数の疾病を余儀なくする。その治療は長期化する。それにともない介護の必要性も高まり、長期化する。これは高齢者にとっては避けられない事実である。もちろん体力づくりなどの健康管理はあるだろうが、それとて限界がある。

これは「リスク」である。

だから、医療保険(健康保険)は、労働者として収入を得たときから年齢を問わず加入する。介護保険は40歳以上の加入が義務付けられている。つまり「社会的に医療・介護を保証しあおう」。将来直面するだろう「高齢化というリスク」のために保険をかけていこうというものでなかったか」と。

そして、さらに、さらに定年まで、所得に応じて保険料の納入義務を果たす。

それが、どうして、今この時点で、所得に応じて、しかも1円オーバーするだけで負担率が高くなければならないのか。しかも、その負担率の高い被保険者は、「現役並み」と称して、所得に応じた保険料を負担し続けている。まさに「二重負担」といって過言ではない。

今はやりの「有識者会議」の中で、その矛盾を指摘されているにもかかわらず、当初の提起が一人歩きをするところに、官僚政治とそれに追随する政府の姿がある。それは「おかしい」との声を突き付けたい。