全国津々浦々まで、成長の実感を味わえるものに

2013-12-10 12:35:40 | 日記

   全国津々浦々まで、成長の実感を味わえるものに

 

金塊を購入し展示する。○○記念館を建築する。

かつての竹下内閣が、地域の復興のためと称して全国3300の市町村に、使い道自由の1億円の基金をばらまいた、いわゆる「ふるさと創生基金」である。「使い道自由」。その名の通り「金塊を購入・展示」。「天守閣に金のしゃちほこ」。果ては「宝くじの購入」。そして記念館・博物館などなど。

これら「ハコモノ」には学芸委員や職員の配置など、一定の雇用も生まれ、文化的な雰囲気を生み出したことは事実であった。しかし、馬脚を現すのにさして時間は必要でなかった。やがて人々は離れ、見向きもされない無用の長物となっていった。

さて、秘密法の強制可決の陰で採択された「国家戦略特区法」がある。

地域を定め、規制緩和、税制の優遇化を図ろうとするものとなっている。すでに幾つかの県から手があがっている。

農業分野の会社化の規制緩和、医療機関における病床の規制緩和、あるいは住宅制限の緩和(高層化の促進)などが報じられている。

今後、いろいろな分野における規制緩和は、各自治体において「地域振興という名の旗」が掲げられ、ふられるだろう。

住民は、そのことが地域の再生と受け止め、豊かさが求められると映る。政府が示すだろう戦略は、「竹下ふるさと創生基金」ところではない大規模なものになる。

「時の為政者は、時間がたてば国民も忘れ、冷めていく」と見るということを12月7日のブログに書いた。

案の定、「嵐が過ぎ去った想い」と語った安倍首相の記者会見(12月9日)では、この国家戦略特区など、成長戦略論に多くの時間を割いている。

そして、最後に次のように結んでいる。

「5.5兆円の経済対策を決定した。景気の回復を所得の上昇につなげ、消費をおしあげ、さらに景気回復へ。成長の実感を国民の皆さんへ、全国津々浦々まで広げる努力をつみ重ねます」と。

「努力をつみ重ねます」。安倍首相の、この言葉を何度聞いたであろうか。

そして、その裏では「原発ゼロ」を否定する政策が着々と準備されていることを見逃すわけにはいかない。