仮置き場に持ち込めるのは、道路の徐せん物に限る
福島からの実態の一つを報告する。
我が町でも、ようやく「仮置き場」の設置が内定したと地方紙は報道している。しかし、具体的な地名、収容能力も明かにされていない。そして、その仮置き場に持ち込む汚染物は、道路を除せんしたものに限られると解説されている。
市内、無数に広がる道路。アスファルト舗装かコンクリート舗装か。古いか、新しいか。側溝があるのか、無いのか。その道路状態によって線量の違いは実証されている。
もちろん、住民の同意は不要であるからどんどん進められるだろうが、どのくらいの期間を要するのか、どの程度の廃棄物量がでるのかは、皆目見当のつかないことだろう。
一般住宅の徐せんは進められているが、その進捗は鈍い。徐せんする部分は、雨どい、雨水マス。駐車場、庭(庭土は5センチを目安に剥ぎ取る)。常緑樹の剪定となっている。落葉樹、屋内、屋根、外壁は除外である。庭の広さもあるが、それでも1トン詰の「コンテナ」が2個から3個は出る。
それでは、徐せんの結果、どれだけの効果を生み出しているのか。
いわゆる年間1ミリシーベルト以内を推測する基準、毎時0.23マイクロシーベルをクリヤーできている敷地は極めて少ない。大方は0.3から0.4マイクロシーベルである。0.5を超えるところもある。再度の徐せんが必要という要求がある。
そして、これらの一般住宅からの廃棄物の持ちだしは、今回も見送られ敷地内埋設か地上管理が続けられる。
以前にも書いたことだが、仮置き場の設置を了解するにしても、自分たちの地域以外からの持ち込みは拒否するという、但し書きのある了解である。「自分のところは、徐せんでさっぱりした。その廃棄物を持ってくるでは、持ち込まれる側にとっては不満であり、許されない」となる。
そこで考えてしまう。
もちろん、道路の徐せんは不要とは言わない。しかし、生活空間の徐せんとなれば順位は下回って当然だろう。にもかかわらず道路が着手され、その徐せん物が、仮置き場に持ち込めるということは、敷地内徐せん物の持ち込みは、さらに困難という実例をつくることにならないか。
その危惧を大きくするのである。
「そんなに廃棄物が出るの」という驚きの言葉が他県のブログ読者から返ってきた。
福島の実態をもっともっと知ってほしい。それが、私のブログに込める願いである。