気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

今年も雪餅を

2018-01-21 19:37:14 | 主菓子とお干菓子
今日は一休寺の月釜、初釜ですね、九時少し前に伺いますと
二席目に間に合いました。いつもと様子が違う雰囲気・・・
『煎茶道』こういう経験も楽しく体験させていただきました。
お席には、見たことのある大黒さんが掛けられており、
昨年大和文華館で開催された画僧・明誉古磵(こかん)さんの
作だろうとのお話をしてくださいました。
帰るころにはたくさんの方々がお待ちに。
駐車場の方から1月28日には善哉が振る舞われるとの話も・・・

実は『酬恩庵 一休寺』1月13日から3月31日までJR西日本が
「ちょこっと関西 歴史たび 特別企画」でキャンペーン中。

一休さんの名前は、「有漏路(うろぢ・煩悩の世界)より無漏路
(むろぢ・悟りの世界)へ帰る一休み 雨ふらば降れ風ふかば吹け」
という一休さんの言葉から大徳寺高僧・華叟宗曇による命名で、

方丈庭園(南庭)宗純王廟と虎丘庵を背景とした禅苑庭園で
2月18日~24日まで茶室「虎丘庵」での梅を愛でる特別拝観も
あり、3日前までに要予約になります。庭園を眺めていると
なるようになる。心配するな」と一休さんの言葉が
聞こえてくるかもしれませんね。

一休禅師はこの茶室『虎丘庵』を戦乱から守るため京都東山から
移築され、侘び茶の創始者・村田珠光や能役者・金春禅竹とも
交流されたが、ざんばら髪に無精鬚、破天荒な振る舞いは、
「形にとらわれるのではなく、精神が大切」との考え方からに。

一休禅師木像、自身の頭髪と鬚を植えた跡が、重要文化財
一休禅師木像

一休禅師ゆかりの品や住職の特別法話や座禅会、寄席や庶民の
ため考案された一休寺納豆を使った料理教室もあるそうです。

さらに地元ガイドによる一休寺ガイドウォークもあります。

さて昨日の自宅稽古二回目は午後5時半頃からで、お仕事を済ま
せてのお出でに。実は木曜日から月曜日まで孫二人のお世話を
しており、丁度夕ご飯と重なります。大きな息子の分も・・・
大慌てで「すき焼き』の準備を終えると、お稽古にお出でに。
後は相方にお願いしなければ・・・。
主菓子は、今年も『雪餅』を用意しておりますが、
そんなこんなで時間がなく、少しひねりが足りませんね。
 
雪餅の雪、心配ごとがありますね。
明日の月曜日は南岸低気圧が接近して、太平洋側は雪模様、
10㎝ほど積もるかもしれません。交通網が心配ですね。

大寒の軸は「冬嶺秀孤松」

2018-01-20 14:43:25 | しつらえ
今日は大寒で、二十日正月にあたり、
正月の祝い納めの日として、餅や正月料理を食べ尽くしたり
飾り物を納める。骨正月。       (コトバンクより)
炭飾りとも結び柳も残しておりましたが、仕舞わないと!
でも今年に入り初めての自宅稽古の高校生、新春の雰囲気をと
定番の花びら餅も用意しており、
 
結び柳だけはそのままに・・・。
 
床のしつらえになります。
花入れに、白梅(枝垂れ梅なのですが)と山椿(寒椿のこと)
実は今年の寒さで紅椿類が咲いておらず、寒椿だけは不思議と
元気なのです。でも茶席には寒椿は用いないほうが良く、
使う場合は「山椿」とした方が良いとされておりますので。
  
軸は「冬嶺秀孤松」(とうれいこしょうひいづ)
”陶淵明作といわれる「四時(しいじ)」の詩の一節。
春水満四沢 夏雲多奇峰 秋月揚明輝 冬嶺秀孤松
春水四沢に満ち夏雲奇峰多し秋月明輝を揚げ冬嶺弧松ひいず

 真冬の厳しい寒さの中、山上で一本の松だけが青々と
 変わらぬ緑を保って超然と聳えているさま。
 煩悩の汚れに満たされた俗世間の中にあっても全くそれに
 染まることなく、確かな悟りを求める心を常に保ち続ける 
 修行者の姿にたとえられる。”と
       (充実・茶掛けの禅語辞典より一部加筆
春夏秋冬をもじったような言葉の遊びになっており、
陶淵明にしてはきれい過ぎて、偽作の疑いがかけられています。
でも作者陶潜とすれば、
彼の節操のある堅い生き方を暗示しているのでは。

今日の自宅稽古は、午後3時と午後6時の二回になり、
もうそろそろお出でに。

PM2.5の日は「明惠忌」

2018-01-19 16:13:30 | 日記
今日も寒暖計は4℃と暖かい朝、でも朝なのに暗めです。
二日前ソウルでPM2.5の警報が出ていましたから、中国から
偏西風に乗り、日本にまでやってきたのですね。
若草山や御蓋山もぼっとシルエットで、マスクが必要?
突然二階から物音が、チビギャングが3人お泊りでまだ金曜日
インフルエンザBも流行っており、朝食を済ませて学校へ送り
出さなければ・・・、マスクをさせた方が良いのでしょうか。
9時 15時
奈良市の測定で昨日の23時に最高値が41μg/m3
(日平均35以下)で、通りでお昼から晴れてきてよかった。 
華の国のPM2.5や寒の入り
            愚句

1月19日、今年もまた忘れていたことが・・・
今日は阿留辺畿夜宇和(あるべきようは)の明恵上人が
亡くなられた日、1232(寛喜4)年『明惠忌』にあたります。
鎌倉時代の僧で華厳宗中興の祖、京都栂尾高山寺を草創され
寺宝の鳥獣人物戯画は有名ですが、明恵上人に関わるものが
多く所蔵され、明恵上人像や明恵上人樹上座禅像等です。
国宝・明恵上人樹上座禅像

また和歌にも長けられ、家集『明恵上人和歌集』があります。
あかあかやあかあかあかやあかあかや 
         あかあかあかやあかあかや月
』 
むらさきの 雲のうえへにぞ みをやどす 
         風にみだるる 藤をしたてて
』等・・・

そして忘れてならないのは、栄西師から譲られた茶の種子5個を
栂尾に撒き茶園を開き、さらに宇治茶発祥にも足跡を残された。
この発祥のエピソードを伝える上人の歌碑『駒蹄影園碑』を
訪れていたことを思い出しました。
栂山の 尾上の茶の木 分け植ゑて あとぞ生ふべし 駒の足影
大和高原の茶園
(大和の茶の元は、空海さんといわれております)

なんと奈良にも縁があるのです。、
『春日権現験記』という講演で「春日権現験記絵」巻17にも
明恵上人の名前が出てきたのには、びっくりしました。
俗説として
”明恵は常に春日明神と直接対面することが出来るが、
 解脱は牆を隔ててしか対面がかなわない。”と
     
笠置伝記に興福寺で出家され、南都仏教界随一の解脱上人
(貞慶)が笠置寺へ移られた時、
所用で明恵上人が訪れたが不在であった。
来てみればここもみやこにすみなして 
          おもひしほどは棄ぬ也けり

との歌を遺して、会わずに帰えられた。
解脱上人はそれを恥じ、巨石と雲海の笠置寺を出て、
木津川の対岸の海住山寺へと移られたと。
             
何故、ここまで春日の神に気に入られたのでしょうか。
インドでへ渡ろうと二度も企画するも、春日の神の神託や
病気で断念されており、ウィキペディアには明恵上人をして
”無欲無私にして清廉、なおかつ世俗権力・権勢を怖れる
 ところがいささかもなかった。かれの打ち立てた華厳密教
 は、晩年にいたるまで俗人が理解しやすいよう様々に工夫
 されたものであった”と          合掌 

茶道サークルの初釜は

2018-01-18 19:25:50 | お茶会・お茶事
今日は「日本の植物学の父」の牧野富太郎先生が亡くなられた日
無学歴なのに理学博士として研究に勤しまれ、命名は2500種以上
にも達し、代表的なものでは、性格を言い表す「ワルナスビ」や
犬の陰嚢から「イヌノフグリ」で和歌山の方言で松笠を指すと。

朝は6℃で日中は13℃まで上がり、風もなく照ると一段と暖かく
若草山の枯れ芝がくっきりと、27日には山焼きで真っ黒に。
  

先日の茶道サークルでの初釜、お稽古としては8回目、
形だけですが、お酒も用意してでかけました。
床のしつらえ、軸は『松無古今色』而妙斎宗左(表千家14代)
干支香合と、竹一重霧の花入れに白梅と山椿になります。

長板に、皆具はつぼつぼ青海波、薄器は独楽平棗、
主菓子は丸三宝に花びら餅(自家製)と
干菓子は朱塗りの丸盆に鶴とりどりに

初釜の参加者は私を含め7名、最初にミュシュラン一つ星、
小粋料理の万惣(まんそう)さんの点心を楽しみながら歓談、
心配りの松花堂に一献、白味噌仕立ての煮物椀、
蓋を開けると柚子の香りがフワ-と広がり
真薯に海老・・・。

後座は席を改め、長板総荘りで薄茶をしていただきます。
正客・次客と、亭主に分かれて、席入り、ご挨拶と

先週、お稽古した成果が出たのでしょう。
  
まだ生まれたての茶道サークル、お席もお道具も制限はあります。
足が痛くて立居振る舞いが難しい方もいらっしゃいますが、
皆さん初釜を愉しんでいただけたようで、嬉しい限り、
天候にも恵まれ本当に良い初釜の一日になりました。

「六志会」が二月堂で桜のワイン茶会を

2018-01-17 14:41:50 | 日記
昨夜からほとんど同じ気温、7℃前後で遅くには雨も降り出し、
暖かな雨の朝を迎えましたが、激しかった雨はお昼には止み、
気温も昨日と同じ3月下旬の気候、桜の咲く季節になりますね。

そういえば桜を愛でながら『東大寺二月堂で桜のワイン茶会』
の素敵な案内を頂いておりました。

でも残念なことに「奉茶-終会に付き」との文字が・・・

調べるとお誘いを受けたくなりますが?・・・紹介します。
二月堂ワイン茶会は2010年4月奈良遷都1300年公式事業として、
ブルゴーニュの著名なワイン醸造家を歓迎して「六志会」の
皆様が現代の前衛的なワイン茶会を開催されたのが始まりです。
このワイン茶会の構想は六志会の面々のお一人、奈良出身の
麹谷宏氏が1998年に提案されておりますが、
麹谷氏の茶道の師匠になることになる裏千家の次男伊住宗晃
そして奈良出身のデザイナー田中一光氏との三人が田中氏の
別荘で行った”茶道具がないお茶遊び”が元になり、両氏に
ご相談されると賛成の上、助言から応援までして下さりました。
でも両氏は15年前に相次いでお亡くなりになり、その遺志をも
受け継ぎこの茶会の構想に賛同、進化した前衛的男茶集団
「六志会」が結成されました。
今回9回目を迎え更なる刺激的な茶会を目指し、終会となる
二月堂ワイン茶会は、お二人に奉茶されることになります。
クリックで六志会の詳細や案内が見られます。
「椅子に座ってワインと点心とお茶をいただく、おいしくて
カジュアルな茶席。」と記され、気軽な立礼茶会になります。
最後に「何の作法も、持ち物の心配も無用です」と

『お茶は楽しい』謳う茶会は、伝統の茶にどのようにプラス
された現代の工夫と提案があるのか今から楽しみですね。

紅梅のシジュウカラ(四十雀)から

2018-01-16 17:35:50 | 日記
今日は昨日よりも良いお天気、奈良の最高気温は16.2℃と3月
下旬の気候になり、茶道クラブの初釜から帰り着き、東には
若草山が夕日に映えており、よく見ると左奥の大和高原の雪は
消えております。本当に温かかったのですね。
でも疲れました。
 

昨日のひとコマから、朝の忙しい最中にさえずりが、
「ツー、ピー、ツー、ピー」と白いほっぺに黒いネクタイを
つけたような姿、シジュウカラ(四十雀)が2羽、椿にやって
来ました。止まると相前後して小さな鳥がすっと飛び去ります。
メジロですが、同じ目に。矢のように飛んできた鵯に追われ、
隣の紅梅の木に追いやられました。
『四十雀二羽をり梅の枝越しに』
            愚句
  
でもその家の屋根に、嘴太烏(ハシブトガラス)が縄張り全体に
にらみを利かしています。無視するかのように、
二羽で地鳴きの「チ・チジュクジュク」も交え鳴き合い、
恋の季節なのでしょうか?

シジュウカラという名前の由来は諸説あるそうで、有力な説は
・地鳴きから「シジウ」という鳴き声を表す言葉に変化し、
 「カラ」はヤマガラの「ガラ」と同じく、鳥類を表す語に。
            (語源由来辞典
その他には
・たくさん群れるから(四十は多数を表す)とか、
・シジュウカラ一羽はスズメ四十羽分の値段だった
・四十雀の「四十」を「40羽」と数で考えるから
 これには五十雀(ゴジュウカラ)の名前の由来は
 シジュウカラに似ていたため付けられており論外かも

むずかしやどれが四十雀五十雀
             小林一茶

四十雀五十雀よくシヤベル哉
              尾崎放哉

松尾芭蕉はもっと意味深な句を詠まれております。
老いの名もありとも知らで四十雀
50歳で亡くなる一年前の句だそうで、「許六宛書簡」より。

一つの種を蒔きましょう

2018-01-15 16:46:30 | お稽古
冬日が続いており、小正月の今朝はシーズン最低の-2.7℃、
太陽が上がるとともに寒暖計も上昇し、久しぶりに12℃に
なりましたが、遠望する大和高原の雪は融けておりませんね。

今週は寒波も一休みで暖かい日が続き、一年で一番天候の悪い
日ともされる?センター試験日が、ずれておれば良かったのに
と、つい思ってしまいます。

小正月の今日は、旧暦で『上元』とされ、正月が終わります。
唐の時代の中国では節日、7月15日(中元)、10月15日(下元)
の三元の一つで、元宵節(げんしようせつ)ともいい、人々は
提灯を燈し、新年最初の満月の夜を楽しむ日に(コトバンク)

この日に朝から自宅稽古で南側の暖かい4畳半、障子からの
柔らかな光を浴びてのお稽古、のんびりとそんな訳には・・・
  
あいさつに”新しい年を迎え、二つの種を蒔きましょう”と
いうお話をすると、「私は二つは無理でも、一つなら何とか」
とご返事が、さらに「上のお稽古に取り組みます」と言われ
この言葉に、私もわくわくしてきました。
 
昨年は四季を通じて茶箱を所望され、雪、花、卯の花、月、
和敬、御所籠と私も一緒にお勉強ができました。
今日の今年始めての自宅稽古、長板総荘濃茶をしましたので
次回はとの話に、”長板の薄茶をして、台子が終わったら・・
今年中級の許状を取得された方と一緒に月一回、茶通箱、
台天目、唐物、盆点、和巾とお稽古することにしましょう。”
と話がまとまりました。
本当に楽しみになりますが、より一層精進あるのみですね。

主菓子は「ふくみ天平」で、お兄ちゃんに一服

2018-01-14 14:39:45 | 主菓子とお干菓子
今朝はきれいな朝日が山の端から上がり、手を合わしましたが
間もなく曇り空に隠れてしまい、気温は2度台と寒い日に。
小正月を明日に控え、飾納で注連縄などの正月飾りを納め
「とんど(焼き)・左義長」で焼いてもらうのですが・・・、
床の炭飾りなどは、お稽古もありますので、そのままにして

27日午後1時からの春日の大とんど、飛火野にでも持って行き
ましょうか?、そして午後6時半から若草山の山焼きに。
寒く家に帰って山焼きをベランダからでも眺めましょう。

実は昨日から孫3人がお泊り、中学生の居候はクラブの試合が
あり駅へ送ると、遅く起きてきた小学生は朝食後、宿題をして
いるとばかり思っておりました。残り一人は妹、いつもは最後
まで寝ているのですが、珍しく早く起き出し、することがない
のか今朝の稽古の準備に、金魚の糞の様にまとわりついてきた
ため一緒にお稽古もすることに。大人しく座っていたのですが、
薄茶点前で、点ててもらった抹茶が大人と同じ分量で濃かった
のか、苦いーと言って席を立ったまま戻って来ません。
後で相方に聞くと二人で邪魔し合い、最終的にはケンカに
そして泣くのは妹、仕方ありません、でも仲が良いのですよ。

片付けを終え、妹がお兄ちゃんにお薄を点てておりましたが、
脇からそっと手を挿しいれ、お手伝い。
今から少しずつ教えれば・・・
妹が点てたのを美味しそうに頂いておりました。
  

なお今朝のお稽古は、喧しいのがおりますので、寒ーい広間で
薄茶の長板荘飾りをさせて頂きました。
 
ちびギャングがお泊りしましたから、干菓子は「霜ばしら」で、
主菓子はたねや『ふくみ天平』を。

焼き立てで芳ばしい最中種に米どころ近江の近江羽二重を、
あわせる餡には厄除けの願いをこめて紅小豆を。
そして餡につつむのは豊かな実りの富久實(ふくみ)餅に。
小正月を控え、福を頂いてくださいね。

「立春大吉」から柳の話に

2018-01-13 13:48:31 | 日記
昨日富山の友達からラインで”雪が50㎝を越え、まだまだ
降り続き、平成23年以来の豪雪になるらしい”と。
大変ですがここ奈良は日の出前に氷点下2.3℃と冷え込み、
最高気温も4℃までになるとの予報ですが、有難いことに
居間の中に陽差しが入り込み、早春の息吹を感じとれます。
あと3週ほどで立春になりますね。

今朝のこと二階の居候さんの足音で目覚めると、まだ5時半
ラジヲから上野誠・奈良大教授の甘ったるい声が・・・
「上野誠の万葉歌ごよみ」が始まり、『柳』のお話でした。
先生は韓国に行かれていたそうで、例年氷点下20℃まで下がり
玄関に「立春大吉」の御札が張られており、春を寿がれており
中国でも同様ですが、古来、送別の折、柳を輪にして冠にする
風流があり、柳の芽吹きが早春を寿ぐとされております。
日本での正月の主役というと、「松竹梅
松は常緑、梅は春一番に咲き、竹はすくすく伸びるを表し
脇役なのは『柳』になっています。でも早春に芽吹く柳にも
光を当てて下さいと。

万葉集ではどうなのでしょうか?
万葉集では『柳』の歌が20首ほど詠まれておりますが、

この季節の柳が詠まれた歌は、第十巻 1846 作者不明
原文『霜干 冬柳者 見人之 蘰可為 目生来鴨』
よみ『 霜枯れの、冬の柳は、見る人の、
     かづらにすべく、萌えにけるかも

意味「霜で枯れた冬の柳は、それを見る人の
     かずらにするほど 芽ぶいたことよ」

このお話を聞いていて、疑問に思ったことがあります。
一つは萌えになるとは、緑色が鮮やかになることで
萌える」という言葉を若い人たちにもっと使ってくださいと。
あれっアニメなどで「もえもえ」と1990年代から使われたはず、

またお正月・初釜などの床には「結び柳」をしますが、本来は
 
送別に際し再会を期して柳を三本使って輪に結び、旅立つ者を
送ったことが起源といわれ、後に、年始めに無事一年が過ごせ
るようにとの願いを込め「一陽来復」の意味も含またのでは。
 初釜

最後にもうひとつ、柳の歌を紹介します。
季節が過ぎ三月から四月に、綿毛状のふわふわした可愛い芽、
ぷっくりとふくらむ萌芽を春の訪れを示す馴染み深いもので、
大伴坂上女郎が詠んだ奈良の佐保川での歌があります。

打上 佐保能河原之 青柳者 今者春部登 成尓鶏類鴨
うち上る、佐保の川原の、青柳は、今は春へとなりにけるかも
              (万葉集巻8、1432)
一昨年の柳は芽吹き、花を咲かせ、今年も愉しみに。
今年は厳冬?、春はまだまだ来ませんが、その前に立春を。

来年のお題は「光」に

2018-01-12 17:01:18 | お稽古
この大寒波による大雪、新潟では電車、北陸自動車道でも車で
一晩過ごされ大変でしたでしょうが、私も奈良に来る40年前の
敦賀越えでは三日三晩も閉じ込められたことを思い出しました。
機械化が進んだ今でも、どか雪の克雪は困難なのでしょう。
でも明日明後日はセンター試験、受験生に光あれ!。

ここ奈良でも-2℃の朝、東の若草山に雲が掛かるも8時過ぎには、
太陽の恵み「」が降り注ぎ、早春の予感
12時 16時
今日12日は皇居で『歌会始』があり、来年のお題は『』に。

歌会始、今年のお題は『』でしたね。
先の初釜の副題も『語』、語る七賢人の茶碗も、
あまりの賑やかさに、さぞかし驚いていたことでしょう。

天皇陛下の御歌は
語りつつ あしたの苑を 歩み行けば 
          林の中に きんらんの咲く

天皇陛下・皇后さまのご様子が浮かんできますね。


皇后陛下の御歌
語るなく 重きを負ひし 君が肩に
       早春の日差し 静かにそそぐ

天皇様を思われる気持ちが痛いように伝わります。


皇太子さまの御歌、
復興の 住宅に移りし 人々の 
      語るを聞きつつ 幸を祈れり

皇太子妃・雅子さまの御歌、
あたらしき 住まひに入りて 閖上(ゆりあげ)の
          人ら語れる 希望のうれし

 
お二人ともに、3.11大震災の被災地を訪れられ
復興の思いが伝わりました。