気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

日陰蔓で懸蓬莱を

2018-01-04 09:15:21 | 日記
今日は先生の初釜に寄せて頂きます。
きっと床には「結び柳」が垂れ、「炭飾り」もあるのでしょう。
「結び柳」の柳と水は縁が深く清めの意味が生じ、この柳は
木に卯と書きウサギ゙は除けの動物で、魔除けにも通じますね。

関西では、お正月の飾り物として「蓬(寶)莱飾り」があり、
古代中国では仙人が住むという不老長寿の理想郷を蓬莱山や
蓬莱島と呼んで尊んでおり、その土地土地で趣向を凝らした
蓬莱飾りが作られ、歳神様が御宿りになる憑代として、
床の間や玄関にお祭りする風習が古くから伝えられており、
稲蓬莱や懸蓬莱と呼ばれます。
稲穂は子孫繁栄や商売繁盛の象徴として
日陰蔓(ひかげのかずら)は常緑多年生のシダ植物で、
山の斜面や崖など日蔭を好み、 針金状の茎は細長く、
地上を這い2mにもなります。
弥山頂上直下2014.8
神掛る神聖な植物として
・古事記の天岩戸の神話で岩戸の前で舞う天宇受売命が
 体に纏った植物として
「天の香山の天の日陰を手次(たすき)にかけて・・・」
・新古今和歌集で、大中臣輔親(すけちか)は宮中行事を
「あかねさす 朝日の里の 日影草
     豊のあかりの かざしなるべし」と
・万葉集巻13.3229(作者未詳)にも詠われております。
五十串立 神酒座奉 神主部之 雲聚玉蔭 見者乏文
「斎串立て 神酒坐ゑ奉る 神主部の
         髻華の玉蔭 見ればともしも」 
「いぐしたて みわすゑまつる かむぬしの  
      うずのたまかげ みればともしも」 
大意は
”御幣を立て神酒を瓶(かめ)に入れて据え供える神主の
髻華(うず)にさしたヒカゲノカズラを見ると見事だ”と
現在でも、6月17日の奈良・率川神社の三枝祭(ゆり祭)で
「うま酒みわの舞」を舞う巫女の髪飾りにも
率川神社HPより
そして京都伏見稲荷大社の大山祭の授かり物としても

家々では長寿を祈り、日陰蔓が長ければ長いほど上品とされ、
その様が尾長鶏の長い尾に模して不老長寿を願っているとも
謂われております。

しかし購入したヒカゲノカズラはやや短く、なんとか畳にまで
着いてくれました。

10時の席入りになりますので、行ってまいります。