気軽に茶道をしてます。

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「立春大吉」から柳の話に

2018-01-13 13:48:31 | 日記
昨日富山の友達からラインで”雪が50㎝を越え、まだまだ
降り続き、平成23年以来の豪雪になるらしい”と。
大変ですがここ奈良は日の出前に氷点下2.3℃と冷え込み、
最高気温も4℃までになるとの予報ですが、有難いことに
居間の中に陽差しが入り込み、早春の息吹を感じとれます。
あと3週ほどで立春になりますね。

今朝のこと二階の居候さんの足音で目覚めると、まだ5時半
ラジヲから上野誠・奈良大教授の甘ったるい声が・・・
「上野誠の万葉歌ごよみ」が始まり、『柳』のお話でした。
先生は韓国に行かれていたそうで、例年氷点下20℃まで下がり
玄関に「立春大吉」の御札が張られており、春を寿がれており
中国でも同様ですが、古来、送別の折、柳を輪にして冠にする
風流があり、柳の芽吹きが早春を寿ぐとされております。
日本での正月の主役というと、「松竹梅
松は常緑、梅は春一番に咲き、竹はすくすく伸びるを表し
脇役なのは『柳』になっています。でも早春に芽吹く柳にも
光を当てて下さいと。

万葉集ではどうなのでしょうか?
万葉集では『柳』の歌が20首ほど詠まれておりますが、

この季節の柳が詠まれた歌は、第十巻 1846 作者不明
原文『霜干 冬柳者 見人之 蘰可為 目生来鴨』
よみ『 霜枯れの、冬の柳は、見る人の、
     かづらにすべく、萌えにけるかも

意味「霜で枯れた冬の柳は、それを見る人の
     かずらにするほど 芽ぶいたことよ」

このお話を聞いていて、疑問に思ったことがあります。
一つは萌えになるとは、緑色が鮮やかになることで
萌える」という言葉を若い人たちにもっと使ってくださいと。
あれっアニメなどで「もえもえ」と1990年代から使われたはず、

またお正月・初釜などの床には「結び柳」をしますが、本来は
 
送別に際し再会を期して柳を三本使って輪に結び、旅立つ者を
送ったことが起源といわれ、後に、年始めに無事一年が過ごせ
るようにとの願いを込め「一陽来復」の意味も含またのでは。
 初釜

最後にもうひとつ、柳の歌を紹介します。
季節が過ぎ三月から四月に、綿毛状のふわふわした可愛い芽、
ぷっくりとふくらむ萌芽を春の訪れを示す馴染み深いもので、
大伴坂上女郎が詠んだ奈良の佐保川での歌があります。

打上 佐保能河原之 青柳者 今者春部登 成尓鶏類鴨
うち上る、佐保の川原の、青柳は、今は春へとなりにけるかも
              (万葉集巻8、1432)
一昨年の柳は芽吹き、花を咲かせ、今年も愉しみに。
今年は厳冬?、春はまだまだ来ませんが、その前に立春を。