師走の軸は『無事』で

師走に入りましたね。
六畳の稽古場のしつらえをいろいろ考えましたが、
やはり年末の定番の、このお軸を選びました。
『今日無事』筆　興福寺元貫主　多川乗俊さんで、
私は、この一年を無事に過ごせたことへの感謝と、
無事に新年を迎えられますようにという願いが、
思っておりました・・・
禅語では、「今日無事であることの有難さ」から
ー自分の力ではなく、「おかげさま」ということー
今年最後を飾る、良い言葉ですね。

お花は初嵐と満天星の輝葉に、
今日はいい天気なのに、でもこの部屋は寒すぎます。
北側ですからしかたがないのですが、
炭を熾しても、温まるまで時間がかかるし、暗いし・・・
急遽しつらえだけを済まし、
南側の四畳半での稽古をすることとしました。
本当に、冬場のこの部屋は光があふれ、温かく、
お炭を入れると、なおいっそうポカポカになり、
喜んで頂けるでしょう。

お軸は『無事』で揃え、
筆は臨済宗大本山大徳寺黄梅院住職 小林太玄さんです。
あるがままとの意味があるそうで、
安らぎを与えてくれますね。
香合は羊をチョイス、最後の名残を楽しみましょう。
　
花は庭の菊も最後なので、飾ってみましたが、
もうひとつ、まあいいかなっと・・・
主菓子は、薄墨羊羹　松山の中野本舗
松山市下伊台の西法寺にある名桜『薄墨桜』に因み、
香りとともに 、中に散らした白い豆が、
薄暮に舞う桜の花びらなのです。
　10月桜で我慢

少し遅れて、お稽古に見えられ、始まりました。
お花をされている方に、
「菊の花が、うまく活けられないのですが」と伺うと
こうしなさいとのこと、でも違う所を切り取り
何とかリカヴァリーの指示をいただきました。
さすがですね。

皆様、「無事」に