気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

三笑蓋置とは

2015-12-04 19:03:00 | しつらえ
昨晩、初釜もあることだし、どうしょうかなーと、
ごそごそ、ふと目に留まった蓋置。
どこで買ったかもわかりませんが、かなり昔に。
おもしろい三人形蓋置だと思い手に入れ、そのままに。
手に取ると、手をつなぎ輪に、そしてお顔は外側に。
なんと笑っておられます。

中国では、これは文房具の筆架・墨台として用いられ、
日本に渡り、蓋置に見立てられ、三人形蓋置とされます。
多くの三人形が一つだけ姿が違い、
夫、妻、子供の表現だそうで、
帯または羽織姿(夫)を正面とし
一家和楽を意味するそうです。
顔の向きにも違いがあるそうで、
唐銅・青瓷は漢人が外向きで唐物とされ、
それ以外は内向きで和物とされている所もあります。

この蓋置は、お顔がニコニコと笑っておられ、
調べますと三人形蓋置の一種の『三笑蓋置』で、
信楽焼、上田寿方作ということがわかりました。

羽織を着ておられるのが、正面でしたね。
   
正面
さて、なんなんでしょう?
有名な「廬山記」の故事の「虎渓三笑」からで、
中国東晋時代の儒学者慧遠にまつわるお話で、
廬山に隠棲された慧遠は、
二度と虎渓谷に架かる石橋を越えまいと誓われたが、
訪ねてきた陶淵明と陸修静を送って行った際、
話に夢中になリ過ぎて、不覚にも石橋を渡ってしまい、
三人で大笑いして別れたそうで、
学問や芸術の話に夢中になって時を忘れる・・
という意味にもなり、
東洋画の画題の一つともなっております。

これから『楽慶入』さんが意匠化して
『三笑蓋置』にされております。

いつか使わせていただきたいですが、
どうなシーンの茶会だったら生きそうですかね。
考えるだけでも、・・・ワクワク。