細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

幸福な日々があります  著者  朝倉かすみ

2014-11-26 23:50:03 | 読書メモ あ行

《内容》

森子46歳。祐一49歳。結婚生活10年を迎える。元日の朝、森子の発言が平穏な結婚生活を一変させた。妻が夫に別れを告げるとき―。移ろい行く夫婦の心情を綴る、長篇小説。(紹介文より)

 

―――どこかのだれかの母親なのではなく、『おかあさん』と胸のなかでささやくときに広がる、よいにおいのする、やさしい存在であることに気づいた。いつもふくよかな笑みをたたえていて、なんでも許してくれる、白くて柔らかな手の『おかあさん』だ。こどもだったころに、ほんとうの母親に叱られたとき、こんなおかあさんじゃあなくてもっとちがうおかあさんがいいと思ったときの『おかあさん』。


平成猿蟹合戦図   著者 吉田修一

2014-11-26 23:49:35 | 読書メモ や・ら・わ行

《内容》

新宿で起きた轢き逃げ事件。平凡な暮らしを踏みにじった者たちへの復讐が、すべての始まりだった。長崎から上京した子連れのホステス、事件現場を目撃するバーテン、冴えないホスト、政治家の秘書を志す女、世界的なチェロ奏者、韓国クラブのママ、無実の罪をかぶる元教員の娘、秋田県大館に一人住む老婆…心優しき八人の主人公が、少しの勇気と信じる力で、この国の未来を変える“戦い”に挑んでゆく。希望の見えない現在に一条の光をあてる傑作長編小説。   (紹介文より)


秘密は日記に隠すもの   著者 永井するみ

2014-11-26 23:08:25 | 読書メモ な行

《内容》

父親の秘密を見つけた女子高生の日記「トロフィー」母の死を引きずる43歳独身男性の日記「道化師」姉妹で同居している結婚を控えた姉の日記「サムシング・ブルー」熟年夫婦の日常を記した夫の日記「夫婦」。まったく無関係な4人だが、本人たちも気づかぬところで、実は不思議な繋がりがあった…。    (紹介文より)


小野寺の弟・小野寺の姉   著者  西田征史

2014-11-26 22:57:52 | 読書メモ な行

《内容》

京の片すみ、木造一軒家に二人で暮らす小野寺進と小野寺より子の姉弟。結構な歳だけど結婚できずにいる二人は、特別仲がよいわけでも、悪いわけでもないけれど、なんだか支えあって暮らしている。ある日、そんな小野寺家の郵便受けに間違って配達された一通の手紙。二人はその手紙を届けに行くことにするのだが―。引っ込み思案な弟と、こだわりが強く生命力の強い姉の、さえないけれど、ささやかな幸せが香る日常を描いた物語。    (紹介文より)

 

―――歳を重ねるほど、体験できることが減ってきている。お年玉をもらうこと。お嬢さんと呼ばれること。叱られること。呼びすてにされること。面と向かって年齢を聞かれること。そして誰かを想い、想われること。自分の中で諦めなくてはいけないことが増えていく。


月と雷   著者 角田光代

2014-11-26 22:26:38 | 読書メモ か行

《内容》

不意の出会いはありうべき未来を変えてしまうのか。社会の「かくあるべし」からはみ出した30代の選択は…。ミリオンセラー作家の真骨頂。    (紹介文より)

―――はじまったらあとはどんなふうにしてもそこを切り抜けなきゃなんないってこと、そしてね、あんた、どんなふうにしたって切り抜けられるもんなんだよ、なんとでもなるもんなんだよ


霖雨   著者 葉室麟

2014-11-26 21:56:07 | 読書メモ は行

《内容》

長い雨が降り続こうとも、いつかは上がる時が来る――。豊後日田の儒学者・広瀬淡窓と弟・久兵衛が、困難に立ち向かう姿を描く歴史長篇。     (紹介文より)

 

―――生きることに値うちがあるのだ、と教えてくれるのが学問ではありますまいか。おのれが生きることが無駄ではないと知れば、おのずから楽しめるというものです

―――この世はな、生きていれば嫌なことが多い。ひとを憎たらしく思うこともままある。そんな世をなにゆえ、あくせくと生きねばならぬのかと思い悩むことも珍しいことではない。

―――ひとは生まれながらにして徳を備えているわけではない


猫背の虎動乱始末   著者 真保裕一

2014-11-26 20:51:02 | 読書メモ さ行

<内容>

地震ですべてを失った板前は憎き男を見て追いかけ、夫の帰りを待つ女は瓦礫の中を妾のもとへ走ってしまう。息子のために危ない読売に手を出す戯作者がいれば、どさくさまぎれに吉原を逃げ出した遊女も現れる。さらに虎之助の恋路に暗雲が立ち込め、尊敬する父にも疑惑の影が…。さあ、どうする!?猫背の虎!恋と人情、謎解きに捕り物。動乱直後の江戸を舞台に繰り広げられる超エンターテインメント時代小説。   (紹介文より)

 

―――何かを信じることで、辛い日々を耐えていくことができるからだった