それから私たちは引っ越しました。
実家から20メーターくらい離れたところ。
ジワジワと遠のく準備です。
しかし、同じでした。
でも、私たちを癒やしてくれた存在があります。柴犬のふじと虎猫のチャーミーでした。この2人(彼女たちは人扱い)仲良しでした。
引っ越し先は一軒家の一階でした。
朝、6時30分頃、私が窓を開けると、チャーミーが窓から入り、いつの間にか夫の布団に潜り込んでいました。
玄関を開けるとフジが入ってきました。
この2人は夫が大好きで、一緒に出勤しました。
仕事中はフジは夫のそばにぴたっと寄り添い安心した表情で寝ていました。チャーミーは彼の机の上を「私はここよ!」アピール。
「チャーミー、ダメだよ書類の上を歩いちゃ。お腹空いたの?」と言って冷蔵庫に、いつも買い置きしてあるチーズを持ち出し、歯に滲みないように…と、手のひらで温めてフジにも平等にあげていました。あの場面は今でも焼き付いています。
さて、この引越したうちにこともあろうに空き巣が入ったのです。私たちがいない時間を知っている犯人。およそ見当はつきましたが、証拠がないのでそのまま。被害額は3万円でした。警察官が3万円は空き巣の日当だと言っていました。
空き巣より大変だったのは、母から聞いたのか、酔っ払った父がまた来たのです。
そして、夫にこう言いました。
「お前がだらしないから泥棒が入るんだ!」
さすがに穏やかな夫もキレました。
殴ろうとした父に「殴れ!」と言ったのです。
警察官はお父さん、あなたが悪い!と言っていました。
さあ、ここまで読んで、皆さんはどうしてもっと遠くに引っ越さなかったのか?
と思いませんか?
それはまた明日。
私には弟がいますが、弟は幼い頃から父に嫌われていました。彼だけを残して車で出かけ、泣いていた弟を今でも思い出します。だから彼は家庭を持ってからは子どもオンリーのマイホームパパになりました。
弟は父の子には違いないのですが、なぜあんなに嫌っていたのか、なぜ下の弟を溺愛したのかはわかりません。
兄弟で一番可愛く生まれたのは上の弟です。
私は?
そうですね。クレラップのCMに出ているおかっぱの女の子ソックリです。夫が「キミの子どもの時に似てるね。悪ガキそうで…」と言っていました。
このポケットに手を突っ込んでいる小さいのに態度が大きいのが私です。
それではまた明日…