私の両親は自慢じゃありませんが、見栄っ張りでエゴイストでした。
父は昔の口減らしで子どものときから奉公に出され、両親を尊敬していませんでした。苦労をし過ぎたのです。
母はお嬢様育ち。
だから、父は屈折した愛し方しかできませんでした。
母に対しても私に対しても嫉妬深い。
子どものときから、父のような人とは結婚しない…と決めていました。
私が大学一年生の時、彼と出会いました。こんなお兄さんがいたらいいな!と、私の方が先に好きになったのかもしれません。
結婚したいと言ってから、さぁ大変。
毎日、毎日、晩酌する父の的は私たちでした。酒乱に近かったのです。
もうどうにもならなくて、叔父に相談しました。
私には、たったひとりだけ尊敬できる叔父がいたのです。
ぎゃー、ぎゃー騒いでいる父。歯向かう私。そこに叔父はやってきました。
お兄さん、どこが悪いの?
おぎちゃんって、いい子じゃない。
これで結婚に漕ぎ着けたのでした。
しかし、新婚旅行から帰ってきた、その日から私たちには、地獄のような新婚生活が待っていたのです。
明日に続く。