白い風景が広がっている。

昨日まできれいに咲いていたマリーゴールドはすっかり氷の綿帽子をかぶり、
コスモスはコウベを垂れている。


ちゃちゃの水は凍り、外の水道は止まった。
冬到来だ。
26歳の知人男性が我が家をおとずれた。
神妙な顔付き。
座るなり “辞表を出してきました” と言うではないか。
“えっ?!”
1歳と来年2月出産予定の2児のお父さん。
3DKの新築一軒家の社宅に住み、家賃なし、水道、ガス代なし。電気代のみ個人負担。
手取り19万。
小遣い3万、たばこ、お酒代は含まれず。
よく考えた結果ではなく、ちょっとした成り行きで不満をぶつけ辞表を提出したものの、取り成す人間がいて一度は辞表撤回になるが、その後の態度が上の人間に不快感を与えたようで、結局辞めざるを得なくなったようだ。
“お世話になりました、ありがとうございます。“
8年勤めた職場、勤務時間が不規則で休みも容易に取れず、正当な自己評価もされず、上司の姿勢にも疑問ありと。
う~~~よくある話だね。
仕事は早く、後輩からは慕われ、yes・noをはっきり口に出す、なかなか男気のある青年。
どちらかの夫婦の実家でしばらく世話になるという。
ボーナスを目前に、出産を目前に・・・
けっして悪くない生活レベル。
どれもふいにしちゃった・・・
よかったのか、悪かったのか。
“働かざるもの飲むべからずと、嫁が発泡酒1本しか飲ませてくれないんです”と
タップリ飲んで帰って行った。
未来に幸あれ!
-0,7℃を表示している。
車のフロントガラスはガチガチに凍り、草々は霜で白くなっている。
とうとうこんな季節になったんだな~
でも
部屋は薪ストーブが焚かれポッカポカ。
ストーブの横では犬が寝そべり、
窓からは燦燦と朝陽が射し込み、長い影を作っている。
あ~ ちょっと横になったら気持ちがいいだろうな~
雲ひとつない真っ青な空。
風もなく暖かい陽射しに包まれている。。
「赤岩青巌峡」の紅葉を見に行くことにした。
場所は北海道勇払郡占冠村のニニウ地域。
北海道の真ん中付近かな。
人口1200足らずの山々に囲まれた小さな田舎町。
平成15年には氷点下35,8を記録した、北海道でも寒いところだ。
車で1時間半、紅葉の季節、観光客で賑わっていると思っていたのに閑散としている、
ロッククライミングの若者が数人いるだけ。
車から降りるとひやっとする寒さ。
落盤工事中で車は入れず、ゲートより歩いて進む。
「赤岩青巌峡は、赤や青などの珍しい奇岩や巨岩と、山々を彩る紅葉が鵡川の清流に映え、息をのむ色彩の景観を作り上げる。」
はずだったんだけど・・・
寒暖の差がきれいな紅葉を作り上げるのに、、
今年は猛暑に続き、9月に入ってもあまり気温が下がらなかったからね~
ちょっと残念。
でも、ず~と続く鵡川の清流をはさみ、自生する様々な木々たち。
水は濃い緑色を呈し、上流から下流に、静かにたたずむ水もあれば、怒涛のように流れ落ちる水もある。
「昔は冬の間に伐採した材木を、雪解け水で増水した鵡川に流して運んでいたという。(流送)
流送の時期になると、赤岩青巌峡付近は木材であふれ、木の上を渡って対岸まで行くことが出来たそうな。自動車輸送の発達によって、この勇壮な春の風物詩も昭和33年頃から姿を消していった。」
はらはらと枯れ葉が水流に舞い落ち、消えていく。
仲間が消えていく中、風のなすまま、ゆらゆらと踊る葉っぱ。
行き交う人はなく、工事車両の車が数台通り過ぎただけ。
貸切の紅葉散策だった。
お腹が空いた。
道路奥にポツンとたつラーメン屋さんに入る。
ここでも貸切。
ひとりで切り盛りするおばさん、ラーメンを運んできたまま、いっときおしゃべり。
菊池ふみこさん、昭和18年、東京足立区で生まれ、20歳の時、親の言いつけでここに嫁入りさせられた。当時、好きな人がいたけど、2度目の母親だったし父は厳しい人だったので何も言えず、泣く泣く北海道に来た。一人として知り合いもなくガスも水道も電気もない。毎日泣いていた。
“離婚して帰ってくるようなみっともないことは絶対許さない!”と父から言われてたので、帰ることも出来ず、ただただ働く毎日だった。
旦那は物足りないけど、優しいいい人で、舅姑もよかったから、なんとか今日まで生きてこられた。
このラーメン屋は20年前からやっているんだけど、高速道路の無料下ですっかり車が減って、もう来年は閉めようと思っている。
昔は中高年のライダーが多く訪れ、時に店に泊まらせたこともあったけど、今じゃコンビニでさっさと買ってすっかり立ち寄らなくなった。
毎日手伝いをしてくれるおじさん(75歳)がいるんだけど、その人も昔、ハーレーに乗って本州からやってきて、この土地に住みついちゃったんだ。
この店は最近、ラジオや新聞で取り上げられて結構有名になったから、できればやめる前にもっと有名になって今までの赤字が返せるといいな~。
て言う話しを聞かせてくれた。
まあ~ラーメンの味は好みだからなんとも。
“おしゃべりしてごめん!ご飯大盛りにするね!”と
きんぴらと漬物まで御馳走になってしまった。
楽しかったよ。
ありがとうふみこさん。
占冠方面に行かれた時、是非ラーメン「樹海苑」を訪ねてみてはいかがでしょう。
可愛いふみこさんに会えますよ。
朝6時,気温9度。
ひやっとする空気の冷たさ。
大きく深呼吸。
身体の中が洗われるよう。
朝陽が迎えてくれた。
歩いてみたら、
“あっ!ハートだ!”
いつもここを通っていたのに、ただの石ころだったはずなのに・・・・
おかしいな~
今日はハートに見えるよ。
忙しく? 時間を過ごしていると、目に留まるものが見えない時ってあるよね。
見える目って、大事だね。
「ももちゃん」が遊びに来た。
黒いつぶらな瞳、小さな耳をピンと立て、真っ白でほかほか、もこもこ。
穏やかでおとなしく、なんとも愛らしいももちゃん。
ももちゃんの行くところ行くところ、人が集まる。
「極寒の中央シベリアのツンドラ地帯で暮らすサモエード族のもと、トナカイの番やカモシカ狩り、ソリ引きなどに従事。人とともに屋内で眠ることもあり、暖房代わりとしても用いられていたという。極寒に耐えるのに適した皮下脂肪と豊富な体毛。
性格は非常に社交的で、ひとつの民族が過酷な生活環境の中で長期にわたって飼育し続けた結果、人との信頼関係が育まれ、知的で穏やかな性格が形成された。しっかりと立ち上がったやや短い耳、適度な長さの鼻筋、微笑んでいるかのような黒目の顔立ちが魅力的で、愛好家の間では、そのいつも笑っているような口元をサモエドスマイルと呼び、親しまれている。」
それに比べて我が家のちゃちゃは・・・
一歩外に出れば休むことを知らず、走り回っている。
初めて会うももちゃんに、もうちゃちゃは興奮。
“ねぇ~遊ぼうよ~!”
何度もアピールするが、ももちゃんはどうも騒がしい子は苦手の様子。
逃げるももちゃん
追うちゃちゃ
最後まで相たがわず。
ちゃちゃ残念だったね。