その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

稲光

2011年08月22日 | Weblog

 

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稲光

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昨日も夕方稲妻が光っていました

 俳句の中の季語で

「雷」は夏の季語 「稲妻」はなぜ秋の季語なのだろう

雷のゴロゴロなる音はいやなものです

恐さでいえば「稲妻」の方がもっと恐い

大地を突き刺すようなバリバリいう音と同時に

青白い稲妻が光ると思わず窓辺から遠ざかりますね

前で書いたように「雷」は夏の季語ですが

雷に伴う「稲妻」も夏の季語になってもよさそうなのに

なぜ「稲妻」は秋の季語なのでしょう

 

「稲妻のかきまぜて行く闇夜かな」 去来

 

なぜ「稲妻」が秋の季語かというと「稲」に関係があるからです

稲妻は読んで字の通り稲の妻

つまり あの電光が稲を実らせると信じられていたそうです

雷には神格が宿るものとされてきましたから

その電光によって稲が霊的なものと結合し

穂を実らせるのだと考えられいたのです

したがって「稲」は秋の代表的な季語になった

では、その「稲妻」を走らせる「雷」を詠むばあいは

「秋の雷(らい)」という季語が設けてあって

矛盾を解消しています

 

「秋の雷白刃のごとし砂にゐて」 新谷ひろし

 

季語の中には他にも自然現象を季節で変えているケースが

意外とたくさんあります

日本語の語彙の深さが巧みに使い分けられています

 

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