その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

夏の月

2011年08月05日 | Weblog

 

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夏の月

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春を代表する季語は「花」ですが秋は「月」です

春が「花」というのは実感できますが

なぜ月は秋の季語なのでしょう

冬の冴え冴えとした月も 春のかすんだよな月も

それぞれ風情があります

春に詠んだ句も次のようなものがあります

「菜の花や月は東に日は西に」(蕪村)

それでもたんにつきと言えば秋の句になってしまいます

「月さして一間の家でありにけり」 村上鬼城

「ふるさとは川の上手に月上る」 京極杞陽

こういった作品は 月が秋の季語だという

前提であるから味わいが深くなります

月には新月から満月に至るまでのそれぞれの月が

季語になっています

「上り月(上弦の月)」「二日月」「三日月」

「夕月」「待宵月」とつづいて「名月」になり

さらに「十六夜」「立待月」「居待月」

「臥待月」「更待月」と延々と続きます

月の満ち欠けは年中あるのになぜ秋の月の満ち欠けを

季語としてるのだろう

なかでも「名月」は秋の代表する言葉となっています

「名月」は仲秋の満月のことですが

陰暦の八月の「十五夜」になりますが、「十五日」ではなく

「十五夜」です つまり新月から数えて十五日目の月です

今の暦で言うと・・大体9月17日前後ですね

中国では十五夜を中秋節と呼び

家ごとに祭壇を設けて枝豆や鶏頭の花をささげて

月餅やウリを供えたといいます

日本でも同じようにススキの穂や月見団子

里芋、枝豆などを供えます

「十五夜」は別名「芋名月」といい 

もともとはイモの収穫儀礼だったのです

稲作以前は日本でも里芋などイモ類を栽培していたようです

月見は古い農耕文化の名残なんですね

それに中国の中秋節が伝わったことで

いよいよ「月」は秋のものとなったようです

今年はまだ晴れた夜が少なくてよい写真が写せないので

昨年の写真です

 

↑これも昨年の写真

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