狗尾草(えのころぐさ)
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雑草の生い茂った空き地に
まっしぐらに走って
きみはいつものように
えのころ草をちぎってくる
そして
おひげを作ってとせがむ
縦に裂いて
半分ずつに分かれたところを
鼻の下にはさんで
おじいちゃんのお髭
愉快そうにきみははしゃぐ
猫じゃらしのように
遊ぶのではなくて
立派なお髭にあこがれる
おじいちゃんっこなのですね
きみもやがて
立派なお髭をたくわえた素敵な
紳士になってください
***
かわいい尻尾が揺れてるよ
狗尾草(えのころぐさ)
どこででも見かける
小さな稲穂のようなおなじみの草です
「犬ころ草」が変化したものだそうです
穂が 子犬の尻尾に似ていることから
こう呼ばれるようになりました
犬ころとは小犬のことです
昔は「犬」という漢字は
大きな犬を表し
「狗」という漢字は
小さな犬を表したそうです
また 猫じゃらしとも言います
この穂で 猫をじゃらして遊ぶと
喜ぶことからついた名前です
小犬や猫
身近な動物にたとえられるほど
親しまれて来た草です
かすかな風に
狗尾草の穂がそよそよと揺れる風景
小犬たちが精一杯に
しっぽを振っていると思えば
思わず微笑んでしまいますね
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