その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

衣通姫(そとおりひめ)

2007年08月10日 | Weblog

衣通姫(そとおりひめ)

***

金星が西の空に瞬く夕刻

彼女が誰かを待っていた

涼風が髪を揺らして覗いた首筋

白く 白く

透き通るその肌に

いったい誰が 触れるのだろう

手の届かない 宵の明星

嫉妬も出来ず

ただ立ち尽くす

***

古代史で 最大級の美貌を持つ姫

衣通姫(そとおりひめ)

「古事記」「日本書記」に登場する伝説の姫

その美貌は匂うばかり

美しい肌の色が衣を通して

照り輝いていたので

人々はこの姫を讃えて

「衣通姫(そとおりひめ)」と呼びました

なんとも美しい名前で

昨日の「小町」のように

気軽には使えない気がします

「古事記」では

姫は允恭(いんぎょう)天皇の皇女

軽大姫皇女(かるのおおいらつめ)であるとされています

同母兄 木梨軽皇子(きなしのかるみこ)と恋に落ち

木梨軽皇子が失脚後は

流刑地伊予まで後を追って

最後は二人で心中します

一方

「日本書記」では

允恭天皇の皇后の妹

八田王女(やたのおおじょ)であるといわれ

その美しさゆえ天皇の寵愛を受け

皇后の嫉妬を恐れた天皇は

姫を河内に住まわせ

はるばる通います

後世には

なぜか紀伊 和歌の浦の

玉津島神社に祀られれている

玉津島姫と同一人物とされ

和歌三神の一人として祀られました

最大級の美女となると

さまざまな伝説が生まれるのでしょうね

最近は・・

○○王子などといって

人気の若い人も出てきました(笑)

どんな伝説が生まれるのか楽しみです