のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

2006年6月:歌舞伎座昼の部1・2「君ヶ代松竹梅」「角力場」

2006-06-28 00:45:36 | 観たいぞ: 気になる演目などの情報
■君が代松竹梅
◆配役:
松の君 翫雀さん
梅の君 愛之助さん
竹の姫 孝太郎さん

◆のたりの眼
・上方若手3人組の上方松竹梅です。
なんとなく梅がお姫さんかと思ってたら、竹でした(^_^;)

今回の踊りは10分くらいの短いものでしたし、
3人の踊りって、動きがどういうふうに対照的になるのかな~とか
いろいろ眼が行くんで、結構眠くなりません。
衣装もキレイでしたしね♪

・はじめもおわりも緞帳。最初は大セリにのってあがってきます。
3階から見ると真ん中にいる松の君の翫雀さんの頭のてっぺんが
見えちゃってます(^_^;)

◆上演記録から
そーいや、昔、平成の三之助でやったことがあったかな~
と思って上演記録みましたら、やったのは
 菊之助さんと新之助さんと 芝雀さん
でした。
ちなみに この時は 梅がお姫さんで芝雀さんでした。
上演記録をみると、3人とも殿方で上演することの方が
多いようですね。

◆花道度:ゼロ






■双蝶々曲輪日記 角力場

◆作品について
作者は二世竹田出雲・三好松洛・並木千柳。
「忠臣蔵」「妹背山」「千本桜」の三大歌舞伎というヒットメーカートリオです。
でも、浄瑠璃で初演したときは「夏祭浪花鑑」に趣向がにているということで
あまり評判がよくなかったそうです。
・・・似てるかなぁ<(ーー;)?

それに、この後の話になる「引窓」なんかは、結構ドラマですから、
面白いと思うんですけどね~。
あ、そういえば9月にありますね「引窓」。
ちなみに、その時の濡髪長五郎は富十郎さんで、幸四郎さんは出演されません。

このお話、人気が出たのは歌舞伎で上演してからだそうです。
全9段からなる長編で今回の「角力場」は2段目。
ちなみに「引窓」は8段目です。
今回の場からあの「引窓」に至るまでには まだまだ
ドラマがあるんですね~。

◆あらすじもどき
人気絶頂力士:濡髪長五郎を後援してるのは山崎屋の若旦那
山崎屋の若旦那が身請けしたいのは遊女:吾妻
吾妻に横恋慕してる武士:平岡郷右衛門
平岡郷右衛門が後援する、今日の濡髪長五郎の取組相手は素人力士の放駒長吉

その長吉が 濡髪にあっさり勝った!

意気あがる長吉陣営。
落ち込む若旦那。

しかし、当の濡髪は思案顔。
長吉を呼び出して話すには、
山崎屋の若旦那が吾妻を身請けする金をととのえるまで
郷右衛門が身請けするのを阻んでくれ ということ。

しかし、ついさっき、ちょうどその逆(自分が身請けの金を
整えるまで山崎屋の若旦那が身請けするのを阻んでくれ)の
要請を承知したばかりの長吉にとって それは承服できるわけもない頼み。

そこをなんとか、と粘る濡髪が持ち出したのは今日の取組の様子。
最初は濡髪が言っていることがわからなかった長吉でしたが、
気がついてしまいます。
濡髪がこの頼みを自分に承服させるために わざと負けた ということに。

どうして、自分を土俵で叩きのめしてから 頼みごとをしない!と怒る長吉。
まぁ、濡髪としては、若旦那や郷右衛門の心証なんかまで色々考えた上での
八百長だったんですが、長吉にはそんなとこまでは 気が回らないわけで
聞く耳なんか持てません。

そんな長吉にだんだん我慢がならなくなってきた濡髪。
最後は力で勝負をつけよう!と約束するところで幕。

◆配役
濡髪長五郎  幸四郎さん
遊女吾妻   高麗蔵さん
放駒長吉   染五郎さん
山崎屋与五郎 染五郎さん
平岡郷左衛門 幸太郎さん
三原有右衛門 錦弥さん

ちなみに、外題の「双蝶々」の「蝶々」は、
「長(五郎)長(吉)」から来てるそうです。
私、長五郎と長吉、時々、気がつくと逆になってたりします。(^_^;)

◆のたりの眼
・衣装
衣装と扇子が素敵でした♪
濡髪の衣装は大きさに黒が映えてますし、濡髪と有右衛門の
扇子の扇面の地の色は黒。かっこいいですね~黒い扇子って♪

放駒が濡髪に呼び出されたとき着てたのは ご贔屓にもらったばかりらしい着物。
紫の地に舞い散る花びらの中、肩から全身に大きく描かれた馬。
扇もおそろいの馬の図。
これもなかなか素敵。

そして、濡髪の話を半分うわの空で聞きながら、うれしそうに この着物のしつけ糸を
とったり、扇を広げて、濡髪と同じような格好で扇いでみたりしている長吉が、
これまた、とても愛嬌がありました♪

・染五郎さん
山崎屋の若旦那と長吉の二役をやってます。
山崎屋の若旦那の方は 
茶屋の親父に濡髪の贔屓ぶりを披露されて うれしくて
札入れから羽織までどんどんあげちゃうところとか、
濡髪の部屋着を茶屋の親父と二人羽織で着ていくところも
いい感じでしたが、なんといっても「ナヨナヨっぷり」がナイスでした♪

長吉は ちょーっと細めだし、声もちょーっと高いかな~
という気もしますが、後半の 濡髪との対談のところでの様子は「衣装」の
ところでその一端を書いた他にも、濡髪と座高を少しでも近くするため
タバコ盆をお尻の下にいれたり、濡髪が素手で湯のみを握りつぶしたのを
真似しようとして、できなくて(^_^;)、こっそり刀の柄で割ったりしてるなどなど
愛嬌を感じさせるものでしたし、八百長を知って切れるところも いい感じでした。

どちらかといえば・・・うーん、若旦那の方がいい味だしてたかな。

・高麗蔵さん
きれーだな~ 高麗蔵さん。相撲小屋で落ち合うはずが、
料理屋へ行ってまってろ と伝言を受けて そこへ向かう引っ込みの途中、
やっぱりここで待っていようか、とお供の女中さんにダダこねるところが
かわいらしかったです。

このお供の女中さん、3人いるんですが、真ん中の春花さん、たしか先月だったか
先々月 お披露目してた方だったと思うですが、褄をとった時、着物に
キレイに流線型のヒダが寄って、シルエットがとてもきれいでした。

・幸四郎さん
でっかいな~ 立派だな~ なんか絵になります、ほんと。
幸四郎さんって あんまり相撲取りなイメージがないんですが。
少なくとも世話物の時より、こっちの方が断然かっこいいと思います。

・物語について
濡髪が ぜっっっったい、悪い!
かわいそうだよ、あの状況じゃぁ。
八百長を知ってからの
 「姉ちゃんなんかこの勝負に勝つようにと 願掛けまでしてくれてたんだ!」
というようなことを長吉が叫ぶところは ちょっとグッときてしまいました。

長吉の言うとおり、濡髪は頼みがあるんなら、土俵で叩きのめした上で頼むべきだ
と私も思います。

◆上演記録より
山崎屋ぼんぼんの与五郎と、まっすぐなココロの素人力士:長吉。
私は多分、この二役かけもちの公演は見るのはじめてですが、
上演記録によると 過去にもあったようです。
近いところでは、おととしの三越歌舞伎で愛之助さんが二役されてます。

そういえば、歌昇さんの長吉を見た覚えがあるぞ~ と思いましたら
平成15年だから2003年ですか、国立でお正月に吉右衛門さんの濡髪でやってました。
そうそう、ありました、ありました。この時は通し公演で、たしか「引窓」は
吉右衛門さんと富十郎さんでした。

ちなみに歌昇さんは 濡髪も山崎屋与五郎もやってます。

濡髪は平成10年御園座で 長吉は橋之助さん、与五郎は東蔵さん、
吾妻はなんと吉之助さん! うゎ~ これは観たかったな~。
今やってくれたら、絶対遠征しちゃうんだけどな。

与五郎は平成12年の歌舞伎座。このときは濡髪が吉右衛門さん、長吉が
なんと富十郎さん。うーん、なんか年齢大逆転(^_^;)

というわけで、あと「吾妻」をやれば、「角力場」主要キャスト制覇ですよ
歌昇さん♪
でも、これは難しいかな~(^_^;)

◆花道度:高
吾妻のダダコネひっこみ、
長吉ご一行の長吉による「立派な歩き方講座」の 実技付のひっこみ、
与五郎さんと茶屋の親父の二人羽織の引っ込み
長吉の再登場の出
くらいかな。
どれも 結構面白そうなので もっと観たかった!
というわけで、染五郎さんご贔屓はもちろんのこと、そうじゃない方も
観れたらもっと楽しいだろう ということで「高」。
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