のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

2006年10月:松竹座「染模様恩愛御書」

2006-10-28 03:33:33 | 書いたぞ: 感想書きました~
◆観劇位置
昼の部:3階1列目♪
夜の部:1階3列目!!

◆演目について
筋書きみると過去に結構上演記録があります。が、一番最後は昭和10年(^_^;)
まさに復活です。
まずは、細川家における大川友右衛門の忠義話があって、
「男色」要素のからむ数馬の仇討ちの話ががでてくるのは少しあとのようです。
この男色付の仇討ちの方をメインテーマに持ってきた最初の上演の時の外題は
「男券盟立願」(おとこむすびちかいのりゅうがん)
・・・「おとこむすび」・・・すげー(^_^;)

そういや、上演記録を見てると外題が面白いです。
ほとんどは「細川血達磨」か「蔦模様血染御朱印」なんですが、
なかには もっとシンプルに「血だるま」とかずばり「大川友右衛門」、
「女血達磨」「娘血達磨」なんてのもあるんです。女性版もあるんだ!!
そうなるとBLでなくて・・・なんていうんだろう?ガールだからGL??
ま、それはさておき、そういや「暫」も「女暫」ありますもんねぇ。

この舞台をノベライズした小説が出てるそうですが、筋書きによると
舞台とは違う結末になってるとか。
・・・気になるじゃぁないですか~(^_^;)


◆構成・感想
どちらも長いです(^_^;)。+書き方があちこちバラバラなところが多数あります。
ちょっと時間がなくて、これ以上、整理できないので、これでご勘弁を!!
・・・最後までがんばってたどりついていただければ幸いです・・・

※■をクリックすると、別ウィンドウで開きます。
※ネタバレしてますので、まだ見てない方は、そのへんご了承の上ご覧くださいませ。
※コメントは まとめてこちらの記事にお願いします。

1幕目(約115分)
  休憩 30分
2幕目(約60分)
のたりの眼(全体に対して)※2幕目の記事の続き

昼の部終演:14:35
夜の部終演:19:35

◆花道度
今回はいずれも高!
より楽しみたいなら1階席、それも前方が ぜひ、おすすめ♪
ちなみに松竹座の3階席は、花道の見え具合が厳しいです!


◆おまけ
・舞台写真
舞台写真はチラシに顔写真の出てるみなさん+芝のぶちゃんだけでした。
延夫さんの写真、期待してたんだけどな~(ーー;)
ちょっと残念。

で、唯一、売り切れがあったは私が観劇した日では 薪車さんだけでした。

ちなみになんていうか「このあたりがBLってやつかな~」なツーショット
写真は4枚くらいです。
うち1枚は横。せっかくなんで記念に買ってみました♪
縦の3枚は染五郎さんのナマ腕がいい形してるな~ なんて思ったりしながら
眺めてきました。(^_^;)
コメント (8)
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2006年10月:松竹座「染模様恩愛御書」_1幕

2006-10-28 03:26:57 | 書いたぞ: 感想書きました~
◆配役:
横山図書のちに印南図書(猿弥さん)
横山図書の奥さん:伊予(芝のぶちゃん)
この人が巻き添えくらったのが発端:印南十内(薪車さん)
目撃者:中元宅助(延夫さん)

印南十内の奥さん:お民(吉弥さん)
印南十内の忘れ形見で細川家お小姓の主人公その1:数馬(愛之助さん)
恋のためなら武士も捨てた主人公その2:大川友右衛門=足軽:袖助(染五郎さん)
印南図書の婚約者で伊予さん瓜二つの友右衛門妹:おきく(芝のぶちゃん)
数馬の主:細川越中守(段治郎さん)
越中守奥方:照葉(吉弥さん)

◆あらすじもどき:
幕開き
定式幕が開きますと外題を大きく横書きした幕があり、
その幕外に講談師の旭堂南左衛門さんがせりあがってきます。

そこで語られるのはこのお話しの発端の発端 というか、発端の背景です。
剣の腕はたつけど、なんていうかよくありがちな、ちょっとキレやすい性格の
横山図書という人がいたこと。

その図書が会津藩の剣術指南に抜擢され、藩内の男性陣の憧れの的:お伊予さんを
嫁さんに迎えたこと。
それゆえ藩内には、横山図書に対するネタミンやソネミンが陰ながら横行していたこと。
などなどをパンパンと机をたたいて語った旭堂さんは、幕の後ろに
吸い込まれて退場。タイトル幕があがりいよいよお芝居スタートです。

発端
刀の目利きで通る舅が妖刀と目利きして、一度は購入をやめようとした刀を、
ネタミン・ソネミンにあふれた門弟たちにそそのかされて買ってしまった横山図書は、
さらに、その門弟たちにあることないこと吹き込まれ、
奥さんが不義をはたらいてると信じ込んでしまったもんだから、いけない。
酒のちからも手伝って、家に帰って、買ったばかりの妖刀で奥さんを成敗。

ところがそこにたまたま来合わせた、刀の購入の仲介をしてくれた印南十内から
門弟たちのいったのは 根も葉もないこと、不義はなかったと聞かされたもんだから
さぁ大変。
図書のしたことは、成敗ではなくただの妻殺し
となれば、「これはマズイ。」と判断した図書。さてどうしよう。
図書の答えは「死人にくちなし」
何の罪もない、妻子ある印南十内を不義の相手に仕立て上げるべく、
こちらもぶった切ってしまいます。

そして、この惨劇を下手の家外で目撃したものが、ひとりありました。
この中間の宅助です。図書にいたことを気がつかれてしまいますが、
犬のふりしてこの場を逃れます。

さて、この惨劇は妖刀の成せる技なんでしょうか。
ただ、図書が最後につぶやく言葉は
「スケムネは良く切れるなぁ」
(どこかで聞いたぞ、そのせりふ(^_^;)でありました。

◆のたりの眼
この場面、正直、結構、眠気が(^_^;)。
【役者さん】
・欣弥さん・延郎さん
図書の門弟に欣弥さんがいました。
それから刀の売り元になる江戸から来た研ぎ師に延郎さん。
延郎さん、歌舞伎座の幸四郎さんのお芝居でお姿を見かけないと思ったら、
こちらでしたか!

・芝のぶちゃん
声が なんか笑三郎さんにように聞こえることが多くて
「あれ??芝のぶちゃんだよねぇ」と思うことがしばしばありました。
いつもより、ちょっと低め・・・なのかな?

・延夫さん
すっきりとした中間姿が似合います♪ ナマ足だし♪
舞台下手で袖でちょうちんの灯りを隠して、惨劇を目撃している姿が
なんかとてもよかったです。
犬の声もうまかったし~♪


浅草寺
さて、序幕より 時は流れて10年ひと昔。場所もお江戸に映りまして
これより2場の舞台は浅草寺。
印南十内の息子数馬が大川友右衛門と出会う場面 ということで
いよいよ 主役二人の登場です。
そしてこの場では上手二階に再び講談師の旭堂南左衛門さん登場。
義太夫に変わってスルスルスルスルと語られていきます。

さて舞台では、数馬がこの浅草寺の寺小姓だったときに細川の殿さんに
スカウトされてお小姓になったこと、
その細川家の腰元あざみちゃんは 数馬にほれてるらしいことなんかが
わかる場面のあと、いよいよ二人の出会いの場。

よそ見してた数馬が下手から出てきた友右衛門が舞台正面でぶつかります。
このとき、数馬が手にしてたのが杜若。
これが二人の道のキーアイテムです。

どっちかっていうと、一目ぼれしたのは友右衛門の方でしょうか。
数馬は「なんだか気になる」程度ではなかったかな、とこの時点では。

さて 少し時間がながれて同じ浅草寺。
友右衛門のことが無意識に気になっている という
花道七三の数馬のモノローグから舞台は始まります。

まずは数馬のおっかさんが登場。
ここで、数馬が序幕の事件で巻き添えくらってころされちゃった
印南十内の息子で、横山図書への敵討ちを考えていることがわかります。

一方、お寺へ日参する数馬を目当てに日参する武士:大川友右衛門。
昨日は数馬の中間と自分の中間が小競り合いをしたとあって
今日は声をかけるきっかけがあるわけです。

これを絶好のチャンス!と思ったかどうかは知りませんが、
今日の友右衛門は一味違います。思いのたけをしたためた
恋文なんかを懐に忍ばせてきたりしてるんです。

で、そのラブレターをしたためてたせいか、
それを手渡すためのシュミレーションにふけっていたせいか、
いつもよりお寺に来るのが遅くなってあせる友右衛門。

幸い無事出会えた数馬にそっけなく行かれそうになるも
「たもとに汚れが」と首尾よく?文をしのばせます。

たもとの文に気がつき、びっくりながらもソワソワオタオタしながら
足早に花道を去っていく数馬。
いつまでも数馬の去っていったほうから目が離せない友右衛門は。
茶屋のお姉さん?にも「ほの字」を見抜かれるほどの有様です。

その照れ隠しに参詣に行った友右衛門と入れ替わりに花道をやってくるのは
友右衛門妹:きく(序幕で図書が斬った奥さんと瓜二つ!)、
この兄弟と懇意のお医者様:玄庵先生、そしてきくちゃんと結婚したいという印南図書
横山図書に瓜二つ!)。

この3人はきくの兄:友右衛門に二人の仲を報告しようとやってきました。
玄庵先生ときくちゃんが友右衛門をさがしにいった間に姿をみせたのは
10年前の惨事の唯一の目撃者:宅助。

印南図書と宅助の会話から、やっぱり印南図書=横山図書ということが
明らかにされます。
玄庵先生がなかなか友右衛門が見つからず図書のまつ茶屋にもどってくると
今日は用もあるので、とかなんとか言って、図書は先に帰ってしまいます。
結局この時、友右衛門に会ったのは、きくと玄庵先生のふたりだけでした。

さて場面は変わって 今度は細川の殿様のお屋敷。
浅草寺の場から、3ヶ月ほどたっているようです。
前の場面に登場した数馬のおっかさんが急逝したりして、
バタバタしていた数馬は浅草寺への日参が途絶えていました。

そんな数馬の前に、先ごろその祐筆ぶりを買われて、足軽に出世した
袖助という中間が現れます。

「たもとに汚れが」と数馬のたもとに短冊を忍ばせた袖助は、
なんとあの大川友右衛門。
浅草寺に現れなくなった数馬恋しさに主家を捨て、武士を捨て、
中間になって 数馬の仕える細川家にもぐりこんでいたのでした。
ここまでくると、根性です。(^_^;)

思いがけない友右衛門との再会、思いのこもった短冊に動揺する数馬は
行き会った腰元あざみちゃんが、その様子に不信がるほど。
数馬は逃げ出すようにあざみちゃんの前を去りますが、この時、まずいことに
例の短冊を落としてしまい、さらにそれをあざみちゃんに拾われてしまいました。

この短冊はあざみちゃんに 数馬を恋い慕う相手がいることを告げ、
あざみちゃんの嫉妬心に火種を落とします。

さて数馬の方ですが、なんと今度は数馬の方からアプローチです。
袖助に返事の文を投げて隠れる数馬。
思いがけなくもらった返事のその内容は、なんと深夜、数馬の部屋へのお誘いでした。

さて、その深夜。体調不良とウソついて部屋に引きこもっていた数馬の部屋に
袖助が忍んできます。
せまってきた袖助から 一度は逃げておいて行灯の灯を消し、
今度は自分から袖助の手を取って寝所に入ったり、
袖助の帯をクルクル~っとやるあたり、実は数馬、かなり積極的?(^_^;)

さて、そんな二人の逢引きをこっそりのぞくひとりの女。
それはもちろん あざみちゃん。
なにがくやしいって 想う人を寝取られたのはもちろんのこと
寝取ったのが「女じゃなくて男」ってことがくやしいわけで(^_^;)

で、嫉妬と怒りに燃える彼女は 例の短冊を証拠に細川の殿さんに
お小姓:数馬に不義密通ありとチクってしまうわけです。
もう、この時点でチクッたら数馬がどうなるか、なんてことは念頭には
ないんでしょうねぇ。(^_^;)

うーん、でも2幕目の展開から行くと、友右衛門は殺しても殺したりないくらい
憎いみたいだけど、数馬は殺したくはなさそうなんだよね~。
そのあたりの矛盾がちょっと気になるところではありますが。

さて、そんなことが起きてるとは知らず、そのころ数馬の部屋では
何をやってたか というと、ナニはすでに終わっており、
数馬が袖助に「自分が親の敵をさがしている」ということを告白し、
一緒に仇討ちをしよう、腕に傷をつけ、互いの血をかわして
と義兄弟の契りを交わしていたわけです。

が、そこに突然、数馬の部屋を訪のう 細川家用人連中の声。
あわてて袖助を長持ちに匿い、鍵もバッチリかけてから、迎えた用人ご一行は
「不義密通の訴えあり!」と数馬を殿さんの御前に引き立てていってしまいます。
一方、袖助は、長持ちに鍵がかけられたもんだから、出るに出られません。(^_^;)

細川の殿さんとその奥方の揃う御前で、例の短冊をつきつけられ、
さらにその不義の相手は足軽:袖助と、告発するあざみ姐さん。
そんな数馬に怒りの隠せない殿さんと奥方。

数馬は必死に否定しますが、最後は例の袖助入りの長持ちが持ってこられ、
動かぬ証拠の袖助がその中からでてきたうえ、さらに二人の腕に
まだ新しい切り傷まである暁には弁明のしようがありません。
不義密通は死罪。
怒り心頭の殿さんは「この場で自ら成敗してくれる!!」
という展開。

ここまではあざみ姐さん、想定の範囲内の展開に大満足だったんですが、
これを一気に想定の範囲外に満塁ホームラン打ったのはこの細川の殿様。

最後の弁明に「数馬の仇討ちに助力するため、義兄弟の契りを結んだ」
という袖助に、殿様、死罪を一転し細川家に奉公しないかとスカウトかけます(^_^;)。
自分のわがままで旧家を辞した以上、二君に見えず と
袖助ジツハ大川友右衛門の告白に、殿様はますます満足。

結局のところ、ふたりにお咎めはなし。
友右衛門は細川家にご奉公。
数馬は今日から友右衛門預かりになり、友右衛門の元で
敵討ちに向けて腕を磨く
という すばらしい大岡裁きに落ち着きます。

これに「【細】川家に【大】川が仕えるのはどうか」
と用人が 進言したりしてみますが、殿様は
「大川も 元をたどれば細川だ」
とすばらしい斬り帰し。(^_^;)

この突然の想定の範囲外の状況を受け入れらないあざみ姐さんを他所に、
これにてめでたく一幕目は幕と相成ります。

◆のたりの眼
【役者さん】
・愛之助さん
どっちかというと浅草寺の場面では そっけないような印象がありましたが
実は友右衛門のことがアタマから離れなかったり、
友右衛門の付文にドギマギしたり、「初恋」なのかな~ みたいな
感じがありありと。
「ウブなお嬢様」のようなかわいらしさがありますね~。

細川家の場面では、袖助がたもとに潜ませた短冊に相変わらず
どきまぎしちゃってるところがやっぱり初々しくてとてもかわいらしいですし、
さらに、返事の文をぱっとなげて隠れちゃうあたりもこれまた、とても
かわいらしいです♪♪

かと思うと 肝心の密通場面では、友右衛門の手をとって寝所にリードする大胆さ。
なんせ友右衛門の帯をくるくる~とやっちゃうんですから♪
どっちかっていうと、くるくる~とされるほうかと思ってました(^_^;)

唯一の失敗は袖助隠した長持にがっちり鍵かけちゃったところですよね(^_^;)

・染五郎さん
友右衛門はごく普通の武士だったんでしょうねぇ。数馬に会うまでは。
浅草寺の場面では、数馬に会うべく、文を渡すべく、オタオタしている姿が好印象で、
幸せになって欲しいやつだと思っちゃいます(^_^;) 上手いぞ、染五郎さん!

一転、細川家の場面では、突然、中元姿になってでてくるから、びっくり。
イヤホンガイド聞いてたからよかったものの、何の手がかりもなく観てたら、
わけわかんなくなってたかも(^_^;)

あ、あと義兄弟の契りを交わすところで見せた染五郎さんの腕。
しまっててかっこよかったです♪

・芝のぶちゃん
序幕と瓜二つの女性の役ですが、こちらの役はいつもの芝のぶちゃんの声です。
笑三郎さんの声がかぶりません。
ということは、序幕の方は意識して、声の感じを代えていたのかもしれませんね。

・延夫さん
まず浅草寺の場面。
今度はごろつき姿。うーん、個人的には中間姿の方がすっきりしてて好きかな~。
あと、最初に図書に声をかけた時は、とてもドスの効いた声だったんですが、
そのあとの会話は、最初がドスが効いてた分、ちょっと軽い感じが否めませんでした。
惜しい!

細川家の場面では、延郎さんと一緒に数馬を引っ立てにくる武士3人のうちのお二人です。
おぉ、お二人とも凛々しい♪
もちろん、お二人とも先ほど登場した時とは違う、二役目のお役です。
まあ「え?袖助、細川家に仕官したの?」なんて思う人は、いないですよねぇ(^_^;)

・吉弥さん
数馬のおっかさんの吉弥さんの登場場面は、ちょっと地味な場面のせいか、
昼も夜も睡魔に襲われた場面。(^_^;)

会津藩は10年前のあの事件をどのように裁いたのかわかりませんが、
こうして印南親子が江戸にいる ということは、この奥さんのダンナは
少なからず汚名を着せられたのかもしれません。
このおっかさんの苦労は並大抵のものではなかったことでしょう。
そうした苦労の面影を感じさせるおっかさんな感じがにじみ出ていました。

細川家の場面になると、今度はお茶目な殿様の奥方です。
これも手がかりなく観てたら、数馬のおっかさんは亡くなったんでは?
それとも再婚??と混乱しちゃうかも(^_^;)

しかし、この奥方の白と赤の対比の映える衣装の吉弥さん、
やはり凛としたこういう奥方、似合いますね~。キレイです♪

筋書きにはこの奥方は「男同士なんて」みたいな潔癖なタイプの奥方に
という意図なんかもあったりしたようですが、個人的にはそんな潔癖な感じはしませんでした。

むしろ、数馬をかばってあげよう、この二人をなんとか助けてあげようという
やさしさが、ふたりの義兄弟の契りを交わした傷が見つかる前に、奥方が
数馬にかけた言葉、「袖助は縁者か何かであろ、そうであろ?」というところに
現れているような気がしました。


・春猿さん
あざみちゃんは浅草寺では最初の方に出てきたんですが、あんまり印象にのこりません。
きれいだな~というのは印象に残ってるんですが。
この先の印象があまりにも強烈だからかもしれませんね(^_^;)

細川家の場面のあざみちゃん、「女じゃなくて男に」がくやしいのは、それは わかるな~。(^_^;)
また春猿さん こういう「えぇぃ、くやしぃ~っ」というお役、とてもうまいんですよね~(^_^;)

・紫若さん
茶店の女:おせんさんです。
友右衛門が数馬にほの字だと察したり、「そんな役者はしらぬわいな」と
いうあたり、いい感じです♪

・中間
浅草寺の場面で、数馬・友右衛門、それぞれが中間をつれています。
数馬の中間が國矢さん。友右衛門の中間は錦次さん。
どちらも なかなかいい感じです。

一方、細川家の場面で出てくる酔っ払い中間。
袖助昇進のお祝いで 酒盛りをしていた中間仲間が、数馬からの手紙を見ている
友右衛門を向かえにくるんですが、この酔っ払い中間のロレツのまわらなぶりが
なかなかリアルです(^_^;)

・殿様段治郎さん
おいしすぎますって、この殿様(^_^;)
この場で切り捨ててくれる と刀を抜くところまで
行きながら、一転、友右衛門を家臣にとりたててしまうこの柔軟さというか
お茶目さというか・・・いいですね~♪
大川もたどれば元は細川 というこじつけも含めて大好きですよ、
こういうお茶目な殿様♪
また、段治郎さんがこの殿様を気持ちよさそうに演じてるんです、これが。
なんか見てたら、段治郎さんに御浜御殿の綱豊さんをやってみてもらいたくなってきました。


【演出】
・かきつばた
二人の恋のシンボル的な存在である杜若。
舞台では青紫の花だけがたくさん張り付いたネットが舞台2階の部分、
左右に各二枚がぶら下がっています。

・濡れ場
影絵になっております。まぁ、とりあえず十分許容範囲内だったかと。
でも、これ以上いかれると・・・ひいちゃうかな、やっぱり(^_^;)

・傷の血
あと、義兄弟の契りを交わすのに、同じ小柄で腕に傷をつけますが、
このとき、二人の腕にキレイに赤い傷がつきます。
これ、刃の表と裏とに赤い塗料がついてるんでしょうか?
片側だけとか、表と裏との境の部分だけだと、後から斬るほうに
キレイに線がつかない可能性があると思うんですよね~。
1階席の時、一生懸命目を凝らしてみたんですが、イマイチわかりませんでした。

・傷、見つけたり。
3階席で観てる時は、用人さんがたまたま友右衛門の腕の傷をみつけたんだと
思ってたんですが、1階席で観た時、その前に引っ立てられていった数馬が
花道で偶然、用人さんに腕の傷に撒いたさらしをみられていたことが判明。
うーん、花道度、あがるなぁ。

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2006年10月:松竹座「染模様恩愛御書」_2幕

2006-10-28 03:25:14 | その他
◆配役:
印南図書ジツハ横山図書(猿弥さん)
友右衛門の義弟で主人公その1:数馬(愛之助さん)
主君のために命をすてた主人公その2:大川友右衛門(染五郎さん)
印南図書の奥さんになった友右衛門妹:おきく(芝のぶちゃん)
友右衛門の主:細川越中守(段治郎さん)
越中守奥方:照葉(吉弥さん)
細川家家老:堀尾帯刀(薪車さん)


◆あらすじもどき
二幕目は一幕目から4年後。
友右衛門は4年前、突然、武家奉公をやめ行方不明。
そのため、友右衛門の妹:きくは、玄庵先生夫婦を親代わりに
印南図書の元に嫁いでおりますが、今は玄庵先生夫婦の家に里帰り?中。
という背景で始まります。

最初の方はお遊び満載。
花道で歌舞伎体操がはじまるやら、芝居がかった親子がでてくるやら。
シメはハンカチ王子です。(^_^;)
ちなみに夜の部はJCBカードの貸切公演だったので、そのへんのお遊びも入りました♪

さて、本筋もどって、4年間音沙汰なしにしてた友右衛門が数馬を伴って
玄庵先生の家に現れます。
なんで4年ぶりに姿を見せる気になったのかがわからないんですが(^_^;)

そこで、妹のダンナは数馬と同じ名字というんで「へぇ~」と
なってたら、さらに話しを聞いたらなんとその妹のダンナこそ
めざす仇の横山図書と判明。

兄の義兄弟の仇に嫁いでしまった という申し訳なさに
自害しようとする妹を引き留め、友右衛門と数馬は
とりあえず細川の殿さんに報告に行こうと客席を駆け抜けて先を急ぎます。
客席から舞台に戻った二人は二階建ての舞台装置にかけあがりますが、
途中 数馬が転びかけて手をさしのべる友右衛門と俄かに
見詰め合う目と目」な世界がひろがったりもします。(^_^;)

次の場面は、ちょうどそのころの細川家。
細川の殿さんと談笑しているのは、なんと当の印南図書こと横山図書。
細川の殿さんが、知りあいから「自分の家中に腕の立つ奴がいる」 と聞き、
ぜひ会いたいといったら、使者にして送り込んでくれたという次第でした。

目の前にいるのが友右衛門・数馬の敵と知るはずもない殿さん主従。
一幕目にも登場した頭格?の用人が
「自分の家中にも「印南」という名の者がいるが知り合いか」
と軽い気持ちでたずねたのに
「さては10年前に斬った印南十内の縁者か」とピンときた図書。
「さぁて」(だったかな(^_^;)とお茶を濁しつつ、あざみちゃんに見送られて
そそくさと帰路につきます。

その直後、友右衛門と数馬から印南図書=横山図書=数馬の敵 と
聞いた殿さん、「まだ邸内にいるはず、屋敷から外に出すな!」と命令。
細川家「図書狩り」が始まります。

まず、イキのよさげな家臣と用人が図書を見つけます。
いきなり取り押さえられ、「何ゆえ?」とたずねる図書に
「印南数馬の仇ゆえ、御前に召し出だせとの殿のご命令」と
告げるご用人。

・・・あれ?殿さん、そこまで言ってたっけ??(^_^;)
ま、いいか。

しかし、会津藩の指南役につくほどの腕前の図書、
そうやすやすとはつかまりません。
とりあえずその連中を追い払い、どうやってこの屋敷を
脱出したものか、と悩む図書の前にあらわれたのは
さきほど送ってくれた あざみちゃん。

脱出に手を貸しましょう。そのかわり数馬様は殺さないで。」
と 取引をもちかけるあざみちゃんのアタマの中には
図書に恋路の邪魔者:友右衛門を図書に斬らせる魂胆が。

一方、図書にとってもこの申し出は渡りに舟。
「この状況を抜け出せるならその条件を飲むのはやぶさかではない」
みたいなことをいいますが、しかし
「手を貸すとはどうやって?」

この屋敷に火をかけます
おいおい、まてまてまてっ!! そこまでやるか!!
あんたは忠義の腰元じゃなかったのか~っ!!
と思いますが、恋路のためならそれでもやるのが女ってもんです♪
(多分。(^_^;)

というわけで、気合わせた家臣から大弓を奪いとり、
火矢を屋敷に放ったところで やっと図書を見つけたのは数馬。
「父の敵!」と挑んでくる数馬に、図書は「禍根を断ち切ってくれるわ」
と数馬を斬ろうとします。

この展開にあわてたのは 当然あざみちゃん。
先ほど申したのは偽りでございますか!!
偽りではない、あれは方便と申すのじゃ!
ナイスアンサー、図書 d( ̄ー ̄)
うーん、結構便利に使えそうですね、このセリフ。

いや、それはさておき、そんなわけで急遽、図書VS数馬にあざみちゃんも参入して
図書はひとりで二人の相手。
しかし、そこは指南役の腕前。元お小姓と腰元が一緒でかかってきてもまだ大丈夫。
そしてついに数馬ピーンチ!といったところで、来たよ来たよ、友右衛門が!
屋台の2階の上手から駆けつけた友右衛門。
「義兄弟 数馬の助太刀いたすっ!」
図書も言いますが、ほんとなら図書と友右衛門も義兄弟なんですよね~
ほんと これは皮肉です。

ついでにこれが図書と友右衛門は実の兄弟とかいったら
もっと皮肉だったんですが、さすがに年が合わないか(^_^;)

で、これまたスピード感あふれる立ち回りの果てに、
若さの勝利でしょうか、愛の勝利でしょうか、ついに図書は追い詰められ、
あとはふたりで止めをさすだけ と言う状態になります。

と、そこに「両人、まてぃ!」と声がして火事装束姿の細川の殿様が
二人の留めにまったをかけます。
「なになに、なんかあるの?」と思いきや、なんのことはない、
殿様、自分がとどめの瞬間を見届けたかっただけみたいなんですが(^_^;)
でも、それならそれで、そんなことしてる場合じゃないだろう
とも思うんですが・・・<(ーー;)

まぁ、そんなことはさておき、めでたく殿様の御前で図書にとどめをさした二人。
スター悪人らしく大の字のまんまもちあげられて図書が退場し、さぁ終わった!と
二人で感動のハグを交わしたいところですが、そういうわけにもいきません。

まずは 火つけの大罪人になったあざみちゃんの退場。
舞台の下手に衣装も乱れて半ば呆然自失でいたあざみちゃんですが
腰元あざみ、お立ちませぃ!
との用人の声に打たれて、ヨロヨロと上手に向かいます。
しかし、それでも というか、ここぞ というべきなのかもしれませんが、
友右衛門の脇を抜ける時、友右衛門に向かって最後のひとにらみ。
乱れた衣装とあいまって壮絶さがただようにらみでした。
あれは化けてでるぞ~(^_^;)。

で、今度こそめでたしめでたし かと思いきや、そんなことしてる間にも
火の手は屋敷のあちこちに広がっていたりしまして
防災頭巾?をかぶった奥方が「宝物蔵にも火の手が」と殿様に知らせにきます。

実はこれが一大事。
宝物蔵にはお家安堵の御朱印状なるものがあったりしまして、
まぁなんせこういう時代ですから、たとえ紙切れ1枚とはいえ
紛失した・焼失したとなれば、いくらでも揚げ足とってお家をつぶそうという
風向きがあるわけで、いまや腰元あざみちゃんの嫉妬の炎は大名細川家の運命をも
焼きつくさんばかりとなったわけです。

これにはあせるお殿さん。
そういう大事なもんはあだ討ち見に来る前に取りに行っときなさいってば。<(ーー;)

で、まぁ殿様自ら「御朱印状をとりにいくぞっ!」といいだすもんだから
殿様を制して「自分がとりに行く」と名乗りをあげたのが友右衛門。
数馬は自分も行くといいますが、殿様と奥方を無事避難させるのが役目と
言い含め、俄に「いやな予感のする恋人たちの別れ」な雰囲気を漂わせて
友右衛門は花道を宝物蔵へとまっしぐらに駆けて行きます。

火事場の模様は「のたりの目」で詳しくおつたえするとして(^_^;)、
とにかく燃え盛る宝物蔵に入り込み、目当ての御朱印状を見つけるとこまで
いったのはよかったんですが、「いきはよいよい 帰りは怖い」のごとく
帰り道が確保できない友右衛門。

もとより4年前になくなるところを 殿様に救われたこの命。
数馬の仇討ちも果たした今となっては惜しくない!
(とほんとに思ったかどうかは知りませんが)ってんで、
どうしたかというと、腹掻っ捌いて、
(旭堂さん)「コレが肝臓!コレが腎臓!コレが大腸! 3つあわせて勧進帳!
・・・・えーっと、まぁとにかく中身とりだして、代わりにご朱印状をいれて、
人間耐火金庫になってあい果てたわけでございます。

この友右衛門の最後・・・やっぱりあざみちゃんの怨念かなぁ・・・・(^_^;)

さて、このあと客席の皆様には 火事場を片付ける間?に大量のスモークと
舞い散る火の粉を堪能できる「火事場体験ツアー クライマックス」
がまってまーす。(^_^;)

場面は変わって、ようやく沈火した細川家。
避難してた殿様や数馬の前に、ご家老さんが、火事場の跡から見つけて
もってきたのはロースト友右衛門と御朱印状の入っていた箱の燃えカス。

御朱印状も有能な家臣も失ったと嘆く殿様。
友右衛門にすがりついて泣く数馬。

と、数馬が友右衛門が切腹していることに気がついた!、
そこになにか紙切れが入っていることに気がついた!
結構、かなり血に染まったそれはご朱印状と確認できた!

というわけで、友右衛門は細川家の英雄として語り継がれることになり、
数馬には大川家を存続すべく大川の家を継ぐことが命じられるわけです。
一幕目とは逆に「細川の元は大川!」と締めて、めでたしめでたし。
と行きたいところですが、この舞台の影の主役は「BL」。

なんつっても、いとしい「恋人」を亡くした場合は、物狂いになるのが
歌舞伎の王道
ですから、このあと、数馬も例にもれず友右衛門の面影を求めて
物狂う場面がつきます。

友右衛門を求めてさまよい歩く数馬の目に映るのは 友右衛門と出会った時に手にしていた花=杜若。
観客の皆様の脳裏に初々しい二人の出会いをフィードバックさせつつ、
杜若の花をいとおしげに抱きしめる数馬。
そんな数馬を見下ろす在りし日の友右衛門の姿。
杜若の花吹雪がハラハラと舞散るなか、舞台は幕となるのでした。

あ、カーテンコールがあります。
が、登場人物はチラシに顔写真の出てる皆様のみ。
延夫さんも芝のぶちゃんも出てきません。
最初に主役の二人以外が左右の袖からズラズラ出てきて、
次に舞台装置の2階から、まず愛之助さんが。
そのあとから染五郎さんがおりてきます。
1回こっきりのあっさりしたカーテンコールでした。

◆のたりの眼
・欣弥さん・國矢さん親子
花道から出てきた國矢さんの白塗りの若ダンナ:紫之助が、
パッと見、信二郎さんに見えてびっくりしました。
國矢さん、口跡もよく、姿もすっきりでいい感じ♪

欣弥さんは持ち味発揮の楽しさで、
花道で歌舞伎体操踊り狂ってる息子に
「おい、紫之助、何をしのすけ(紫之助)?」
に始まり、芝居狂いの息子を心配して玄庵先生にみせながら、
どう考えても自分も芝居がかってる にたもの親子の父親を熱演し、
最後はハンカチ王子でしめました♪

うーん、この親子、好きだな~(^_^;)

・愛之助さん
4年の年月を感じさせるといいましょうか、一幕目に比べると
すこーし、声が低くなったような気がします。

ところで、数馬って、今、いくつなんでしょう?
発端の惨事からまず10年。それから4年で計14年。
発端の時に5歳程度だとすればほぼ20歳。

もっと小さくて2・3才だったとすると、16・17ってとこですか。
未だに前髪の姿から考えるとこっちの方が妥当な気もしますが、
これでいくと前の幕の濡れ場の時は12・13歳ってことになるんで、
それもどうなかなぁ。という気がするんですよね~(^_^;)
とするとやはり20歳くらいかな~。

しかし、2幕目になると、なんかすっかり義「兄弟」になった感じで
あんまり「BL」な影が感じられません。
まぁ、こけた数馬に手をさしのべる場面とか、
友右衛門が火事場に行くのをとめる場面とか、時々、思い出したように顔を
のぞかせるんですけど、でも、なんとなく「恋人」よりも
「兄弟」な感じなんですよね~。

無意識にそう思いたがってるのかな、ワタシのアタマが。(^_^;)
なんで最後の最後のモノローグの場面の数馬の物狂いが、ちょっと、
とってつけたような感じがしちゃいました。

・橘三郎さん
二幕目から引き続き出てくる細川家家臣は橘三郎さんだけです。
殿様への忠義の篤そうな渋いおじ様です。
図書を追い詰めるのに細川家の家臣が出てきますが、
最後に図書と刀を抜いて対峙する用人が橘三郎さんです。
かっこいいですね~♪
最後は図書に額を割られてしまいますが、切り捨てられなくてよかった~♪

・猿弥さん
いや~ 猿弥さん、さすがのスピーディーな立ち回りです。
今回の出演者の中で、染五郎さんの次に運動量多そうです。

しかし・・・二幕目を観てると、なんとなく 図書がかわいそうな気がしてきたのは
 私だけでしょうか?
いや、もちろん、あだ討ちはあだ討ちで問題ないんですが。

・段治郎さん
後半は大石蔵之助のような火事場衣装に身を包み登場です。かっこいい♪
しかし、やっぱりお茶目だと思うんですよ、この殿様。
なんかとってもいい人なんだろうけど、半歩くらい感覚が
ずれてるような気がするこの殿様が 妙にはまってるように感じるのは
なぜかな~(^_^;)

・吉弥さん
火事場では、防災頭巾なんでしょうか、位の高いお坊さんがかぶるようなとんがり帽子を
かぶっています。お付の侍女はなぎなたもって臨戦態勢です。

・春猿さん
一途な女性が上手いですねぇ。春猿さん。まぁ一途もいろんな方向むいた
一途があると思いますが、今回のあざみちゃんのように、
相手を恨んで恨んで、あげくに、かなり思い切ったことしでかしちゃう女性では
ピタッと観客のツボにはまる女性をみせてくれます。

しかし、ラストの着崩れた姿で友右衛門を睨むところは、怖かった~(^_^;)

ところで、「なんかここ、笑いが起きるところじゃないんだろうけどなぁ
と、いうところで笑いが起きたりしてたのは、春猿さんの想定内なのか、
それとも想定外なんでしょうかねぇ(^_^;)

・染五郎さん
火事場ではマイクつかってました。そのくらいしないと声が音にかき消されちゃうんでしょうね(^_^;)。
毎回、あの大量のスモークの中を駆け抜けるのは、かなりのどにきそうだなぁ。
そのわりには、声きれいだったけど。

・薪車さん
最初と最後に登場なんですね、今回は(^_^;)。
今度は細川家のご家老さん。若いな、家老にしては。
そういえば、売り切れが出てた薪車さんのお写真は、みんなこのお役の方でしたね。


【演出】
・火事場
まず スーパー歌舞伎でおなじみの炎幕が生き物のようにうごめく中、
赤いライトがクルクル回って1階から3階までまぶしい光を向けてきます。

旭堂さんのともすれば念仏のように感じられるとつとつとした語りにのって
いよいよ大阪松竹座、火事場ツアー スタートです。途中下車はできません♪

まず天井からスモークが一発!
3階からみてると噴出されたスモークは実にゆっくりと1階席に霧散していきます。
結構、重いのかな?
さらに脇の方の天井からも数発噴射され、さらには脇の照明のところからも噴射。

旭堂さんの語りによれば火事をたった1本の火矢から 大名屋敷全体に
火事が広がったのは毛に火のついた犬やネコが逃げ回って火を消さんと
火のついた毛皮をあっちこっちにこすりつけたからだとかなんとか。
ほんとかな(^_^;)

ちなみにもひとつ。この細川屋敷、今の丸ビルのあたりに位置したお屋敷だそうです。
今度 あの前通ったら、思い出すだろうなぁ、このお芝居(^_^;)

みなさんは最後まで逃げ出さないでくださいね」と旭堂さんの語りに
火事場の雰囲気も盛り上がってきた場内。
スモークがプシューっと出されるときの音が、あれです、
なんか、こう、ねずみの国のアトラクションに参加しているような
感覚を呼び起こして ワクワクしてきます♪

3階から見てたときは、照明のところからでるスモークは、照明さんが
ホースのようなもんでもライトの脇からつきだしてるのかな~と思ってたんですが、
1階からみた感じでは、照明装置のところに噴射装置がくくりつけてあるようでした。
あと、煙は舞台の奥の方からも噴射されてたようです。

ところでこの煙、よく舞台に使う地を這うスモークとは違うんでしょうかねぇ。
あんまり煙臭くなかったし、違うとは思うんですが。
あと、これとは無関係かもしれませんが、1階席、えらく乾燥してました。
煙が出る前に、のどにきました(^_^;)

炎幕が振り落とされると舞台の奥には燃え盛る炎の映像が。
かなり明るい感じです。が、うーん・・・せっかくだからなんかもう一工夫ほしいかな。
児雷也の時みたいな、太鼓と照明のセッションなんかどうでしょう?

さて、花道からかけでてきた染五郎さん。
衣装がくすぶって煙を出してるという芸の細かさ。
それから、衣服に火の粉がついているんですが(セロハンじゃありません(^_^;)
あれはなんでしょう?ああいう色のものなのか、
それとも豆電球とか発光ダイオードみたいなのか・・・1階席の時、よくみようと
思ったのですが、近すぎたのがあだになり、双眼鏡を使う勇気がなかったんで(^_^;)
結局、よくわかりませんでした。
あの衣装で客席を駆け抜けてくれればよかったのに~

※ちなみに千穐楽は まず3階・2階席に出現して、旭堂さんに違うと指摘されて
ようやく1階にたどりつく という演出だったようで。
3階席が定席の身としては、2・3階に出現するって演出、絶対、できると思ってたし、
だれかやってくれないかな~と思ってたんですが、ついに実現したんですね♪
これを前例に2・3階席にもっと役者さんが遊びにきてくれないかな~♪

舞台のしかけは門のような木枠が自然発火するのが3箇所。
あれは どういう仕組み・・・リン??ちょっと焦げ臭いような匂いもただよってきました。
それから 階段が焼け落ちた ということで御朱印状のある一段高いところに
行きは階段ですが、降りるときは滑り台。

あと、焼け落ちる宝物蔵ということで、上からかなりデカイ木片が落ちてきます。
あれ、あたったら痛いだろうなぁ(^_^;)。あたったことなかったのかな?

そして、友右衛門の壮絶というか なぜか笑っちゃう最後の場面のあとは
舞台の上手・下手にバズーカ砲?がスタンバイ。
黒子さんがタイミングをみながら3発、打ち上げ花火ヨロシク
火の粉を発射します。

火の粉の正体は長方形の赤いセロハンに切り込みが入ったもの9割
+紙吹雪の時の白い紙が1割。

3階席では ふわふわと3階席の高さにまで 火の粉が飛んできて、
一部は3階席前方の頭上に到達してましたが、1階席前方はその比では
ありませんでした。まさに「埋もれる」といった感じ(^_^;)
今、口あけたら、火の粉が飛び込んできそう(^_^;) と思いましたもん。

今回は1人での観劇だったんで、周りのみなさんが「あら、ここにも、ここにも」
と、私のの気がつかない所についてた火の粉をとってくださったんです。、
とてもありがたかったし、なんかうれしかったです。
私も前を歩いてる見ず知らずの方に声をかけて、人の上着の裾にぶら下がってた
火の粉をとってあげたりしました。
結果的に、この火の粉のおかげで、終演後にまわりの見ず知らずのお客さんと
思いがけないコミュニケーションができちゃいました♪

しかし、この火の粉、舞台にはほとんど散らないんですよね。
客席集中砲火(^_^;)。
舞台には最後の場面で舞い散る、きれいな薄紫の花吹雪がちってました。
セロハンの火の粉は、役者さんが踏んづけてすべったりしたら大変ですしね(^_^;)。

・客席疾走
下手の階段からおりて上手の階段から舞台に戻ります。
通路際の席のお客さんから随分手がでて、ハイタッチしたり色々してたようです。

女性の方の方が積極的だったかな~
近くの席のおばさまにいたっては 半分タックルするように染五郎さんに
突撃してましたし(^_^;)

実はワタシも通路際だったんですが、来るぞ来るぞと思って直前までアタマの中で
葛藤してたんですが、優柔普段なA型のサガです。やっぱり手は出せませんでした。
惜しかったかな~。

【その他あれこれ】
・スプラッタ
「肝腎腸」は、旭堂さんの語り口が あまりに滑らかだったせいもあるのかもしれませんし、
それほどナマナマしい鮮血血のりもなかったので、あんまり怖くなかったです。
(むしろ「おい、ちょっとまて、この場面でそうくるか??」という感じで(^_^;)

むしろ「ウギャー」と思ったのは血染めのご朱印状。
あれ、時間がたったら、黒ずんで かなりおどろおどろしいもんになりそう
・・・"<(ーー;)>”
せめて手ぬぐいかなんかに巻いていれるって発想はでなかったのかなぁ・・・

・数馬延命策
かどうかは、わかりませんが、細川の殿さんが大川の家を継げ
といった時点で、数馬は友右衛門の跡追いができない立場に追い込まれたわけです。
まぁ、あの殿さんが そこまで考えていったかどうかはわかりませんが(^_^;)

・友右衛門の手にした巾着は?
筋書きとかポスターの友右衛門の写真は(多分)錦の巾着を手にしたり口にしたり
ていることがしばしば。
が、そんなもん、劇中にはどこにも登場してきません。
あれはいったい??

・幽霊?に影がある。
最後の場面、舞台装置の2階部分にたたずむ在りし日の友右衛門。
幽霊ってわけでもないんでしょうが、まばゆいライトを浴びて
舞台の奥の壁に影がくっきり。
うーん、なんとなく・・・・どうなんだろう、あれ<(ーー;)

のたりの眼(全体に対して) へ
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2006年10月:松竹座「染模様恩愛御書」_3_のたりの眼(全体)

2006-10-28 03:24:08 | 書いたぞ: 感想書きました~
■のたりの眼(全体に対して)
・舞台装置
回り舞台に2階建ての屋台があり、片側には3つの階段があり、料理屋にもなれば
浅草寺境内にもなり、細川屋敷の宝物蔵にもなります。
もう一方の側はブラインドを下ろすと
大名屋敷の一間にも壁にしみのある医者の家にもはや代わりする便利な装置です。

名古屋の雪之丞の舞台のように2階もうまくつかいながら 話しが進んで行きます。

・講談師さんの語り
義太夫の代わりというポジションでしょうか。
義太夫を聞きなれた耳には、聞きやすい語りではありますが、
あまりにもスルスル スルスル語りが進むような気がしますし、
なんとなく説明的な語りが多いなぁ という気もします。

でも、義太夫も語るスピードをこのくらいにしたら似たようなもんなのかな(^_^;)

抑揚なく、棒読みのような語り口がいい演出効果をもたらしてたのが、火事場。
まるで念仏のように聞こえて、友右衛門の死を効果的に演出していました。

見終わって、講談師さんと歌舞伎のコラボは演出のひとつの型として
いけるんじゃないだろうか

という気がしました。

・照明
舞台を照らすライトは模様いりのライトです。3階席から見ていたときは
床が良く見えるため、その模様が動いているのがはっきり見え、なんとなく
うるさいような感じもしましたが、1階席から見た時は、舞台面がほとんど
見えないせいか、それらが舞台装置に当たって かえってリアルな陰影を
生み出してるように感じました。

あと1幕目の終わりが 幕を下ろすのではなく、最後に数馬と友右衛門の二人の顔を
浮かび上がらせるような暗転で終わるのも、普段の歌舞伎ではまず見られないものでした。
この物語、暗転を多用しますが、スーパー歌舞伎のように、お客さんを
暗転の中に待たせない工夫が随所にしてあるのは、うれしいところです♪

あと、普段の歌舞伎ではまず見られないと言う意味でもうひとつ。
休憩時間途中から、舞台の幕があいて、青いライトに満ちた空っぽの舞台
(2階建ての舞台装置は そのまま)を観客に見せてしまいます。
現代劇なんかでは 時々ありますが、歌舞伎の舞台では、めずらしいというか
少なくとも私は初めてかと思います。

・音
主役2人の出会いの場面や濡れ場、最後のモノローグなど「二人の世界」な場面で効果的に
つかわれるのは琴の音です。なかなかいい音楽だと思うんですが、ひとつ、個人的に
いただけなかったのが、その音楽についた歌。
う~ん・・・音だけでよかったかな~と。(^_^;)

【その他】
・なぜ、図書は 発端の事件後、印南姓を名乗ったのか
今回そうだったように、「印南」姓の人がいたら、わかるから、という逃げるため
なのか、それとも、罪を忘れないため なのか。
一応、細川家で「過去に失敗したから」と酒を固辞してるとこみると、あの惨劇を
反省はしてるみたいなんだよね~。あの時殺してしまった奥さんそっくりの娘さんと
再婚してるわけだし。うーん??

・発端の妖刀
発端以外にでてこないんですよね、この妖刀。いいアイテムだと思うんですが、
なんかもったいない。
せっかくなら、そのあとのお芝居に絡めてもよかったんじゃないかな~と
思ったりもするのですが。


1幕目 へ

2幕目 へ
まとめ記事へ へ
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武悪

2006-10-28 03:22:37 | 観たぞ: 観てきて一言
紫派・藤間流舞踊会に行ってきました♪
最後の演目、澤瀉屋のみなさんがそろった「武悪」という松羽目物が
とても楽しかったです♪初めてみました。
終演が10:00過ぎてたのは ちょっとびっくりでしたが(^_^;)

今日、ひとつくやしかったのは、猿四郎さんの出てた演目が 時間の都合で
みられなかったこと~っ!!(>_<)

あ、あと帰り道、楽屋口のところに染五郎さんのお名前の入った
つづらがあるのが目に入りました。
大阪から、帰ってきたばかりの荷物だったのかな?
コメント (7)
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