◆配役:
◆あらすじもどき
二幕目は一幕目から4年後。
友右衛門は4年前、突然、武家奉公をやめ行方不明。
そのため、友右衛門の妹:きくは、玄庵先生夫婦を親代わりに
印南図書の元に嫁いでおりますが、今は玄庵先生夫婦の家に里帰り?中。
という背景で始まります。
最初の方はお遊び満載。
花道で歌舞伎体操がはじまるやら、芝居がかった親子がでてくるやら。
シメはハンカチ王子です。(^_^;)
ちなみに夜の部はJCBカードの貸切公演だったので、そのへんのお遊びも入りました♪
さて、本筋もどって、4年間音沙汰なしにしてた友右衛門が数馬を伴って
玄庵先生の家に現れます。
なんで4年ぶりに姿を見せる気になったのかがわからないんですが(^_^;)
そこで、妹のダンナは数馬と同じ名字というんで「へぇ~」と
なってたら、さらに話しを聞いたらなんとその妹のダンナこそ
めざす仇の横山図書と判明。
兄の義兄弟の仇に嫁いでしまった という申し訳なさに
自害しようとする妹を引き留め、友右衛門と数馬は
とりあえず細川の殿さんに報告に行こうと客席を駆け抜けて先を急ぎます。
客席から舞台に戻った二人は二階建ての舞台装置にかけあがりますが、
途中 数馬が転びかけて手をさしのべる友右衛門と俄かに
「見詰め合う目と目」な世界がひろがったりもします。(^_^;)
次の場面は、ちょうどそのころの細川家。
細川の殿さんと談笑しているのは、なんと当の印南図書こと横山図書。
細川の殿さんが、知りあいから「自分の家中に腕の立つ奴がいる」 と聞き、
ぜひ会いたいといったら、使者にして送り込んでくれたという次第でした。
目の前にいるのが友右衛門・数馬の敵と知るはずもない殿さん主従。
一幕目にも登場した頭格?の用人が
「自分の家中にも「印南」という名の者がいるが知り合いか」
と軽い気持ちでたずねたのに
「さては10年前に斬った印南十内の縁者か」とピンときた図書。
「さぁて」(だったかな(^_^;)とお茶を濁しつつ、あざみちゃんに見送られて
そそくさと帰路につきます。
その直後、友右衛門と数馬から印南図書=横山図書=数馬の敵 と
聞いた殿さん、「まだ邸内にいるはず、屋敷から外に出すな!」と命令。
細川家「図書狩り」が始まります。
まず、イキのよさげな家臣と用人が図書を見つけます。
いきなり取り押さえられ、「何ゆえ?」とたずねる図書に
「印南数馬の仇ゆえ、御前に召し出だせとの殿のご命令」と
告げるご用人。
・・・あれ?殿さん、そこまで言ってたっけ??(^_^;)
ま、いいか。
しかし、会津藩の指南役につくほどの腕前の図書、
そうやすやすとはつかまりません。
とりあえずその連中を追い払い、どうやってこの屋敷を
脱出したものか、と悩む図書の前にあらわれたのは
さきほど送ってくれた あざみちゃん。
「脱出に手を貸しましょう。そのかわり数馬様は殺さないで。」
と 取引をもちかけるあざみちゃんのアタマの中には
図書に恋路の邪魔者:友右衛門を図書に斬らせる魂胆が。
一方、図書にとってもこの申し出は渡りに舟。
「この状況を抜け出せるならその条件を飲むのはやぶさかではない」
みたいなことをいいますが、しかし
「手を貸すとはどうやって?」
「この屋敷に火をかけます」
おいおい、まてまてまてっ!! そこまでやるか!!
あんたは忠義の腰元じゃなかったのか~っ!!
と思いますが、恋路のためならそれでもやるのが女ってもんです♪
(多分。(^_^;)
というわけで、気合わせた家臣から大弓を奪いとり、
火矢を屋敷に放ったところで やっと図書を見つけたのは数馬。
「父の敵!」と挑んでくる数馬に、図書は「禍根を断ち切ってくれるわ」
と数馬を斬ろうとします。
この展開にあわてたのは 当然あざみちゃん。
「先ほど申したのは偽りでございますか!!」
「偽りではない、あれは方便と申すのじゃ!」
ナイスアンサー、図書 d( ̄ー ̄)
うーん、結構便利に使えそうですね、このセリフ。
いや、それはさておき、そんなわけで急遽、図書VS数馬にあざみちゃんも参入して
図書はひとりで二人の相手。
しかし、そこは指南役の腕前。元お小姓と腰元が一緒でかかってきてもまだ大丈夫。
そしてついに数馬ピーンチ!といったところで、来たよ来たよ、友右衛門が!
屋台の2階の上手から駆けつけた友右衛門。
「義兄弟 数馬の助太刀いたすっ!」
図書も言いますが、ほんとなら図書と友右衛門も義兄弟なんですよね~
ほんと これは皮肉です。
ついでにこれが図書と友右衛門は実の兄弟とかいったら
もっと皮肉だったんですが、さすがに年が合わないか(^_^;)
で、これまたスピード感あふれる立ち回りの果てに、
若さの勝利でしょうか、愛の勝利でしょうか、ついに図書は追い詰められ、
あとはふたりで止めをさすだけ と言う状態になります。
と、そこに「両人、まてぃ!」と声がして火事装束姿の細川の殿様が
二人の留めにまったをかけます。
「なになに、なんかあるの?」と思いきや、なんのことはない、
殿様、自分がとどめの瞬間を見届けたかっただけみたいなんですが(^_^;)
でも、それならそれで、そんなことしてる場合じゃないだろう
とも思うんですが・・・<(ーー;)
まぁ、そんなことはさておき、めでたく殿様の御前で図書にとどめをさした二人。
スター悪人らしく大の字のまんまもちあげられて図書が退場し、さぁ終わった!と
二人で感動のハグを交わしたいところですが、そういうわけにもいきません。
まずは 火つけの大罪人になったあざみちゃんの退場。
舞台の下手に衣装も乱れて半ば呆然自失でいたあざみちゃんですが
「腰元あざみ、お立ちませぃ!」
との用人の声に打たれて、ヨロヨロと上手に向かいます。
しかし、それでも というか、ここぞ というべきなのかもしれませんが、
友右衛門の脇を抜ける時、友右衛門に向かって最後のひとにらみ。
乱れた衣装とあいまって壮絶さがただようにらみでした。
あれは化けてでるぞ~(^_^;)。
で、今度こそめでたしめでたし かと思いきや、そんなことしてる間にも
火の手は屋敷のあちこちに広がっていたりしまして
防災頭巾?をかぶった奥方が「宝物蔵にも火の手が」と殿様に知らせにきます。
実はこれが一大事。
宝物蔵にはお家安堵の御朱印状なるものがあったりしまして、
まぁなんせこういう時代ですから、たとえ紙切れ1枚とはいえ
紛失した・焼失したとなれば、いくらでも揚げ足とってお家をつぶそうという
風向きがあるわけで、いまや腰元あざみちゃんの嫉妬の炎は大名細川家の運命をも
焼きつくさんばかりとなったわけです。
これにはあせるお殿さん。
そういう大事なもんはあだ討ち見に来る前に取りに行っときなさいってば。<(ーー;)
で、まぁ殿様自ら「御朱印状をとりにいくぞっ!」といいだすもんだから
殿様を制して「自分がとりに行く」と名乗りをあげたのが友右衛門。
数馬は自分も行くといいますが、殿様と奥方を無事避難させるのが役目と
言い含め、俄に「いやな予感のする恋人たちの別れ」な雰囲気を漂わせて
友右衛門は花道を宝物蔵へとまっしぐらに駆けて行きます。
火事場の模様は「のたりの目」で詳しくおつたえするとして(^_^;)、
とにかく燃え盛る宝物蔵に入り込み、目当ての御朱印状を見つけるとこまで
いったのはよかったんですが、「いきはよいよい 帰りは怖い」のごとく
帰り道が確保できない友右衛門。
もとより4年前になくなるところを 殿様に救われたこの命。
数馬の仇討ちも果たした今となっては惜しくない!
(とほんとに思ったかどうかは知りませんが)ってんで、
どうしたかというと、腹掻っ捌いて、
(旭堂さん)「コレが肝臓!コレが腎臓!コレが大腸! 3つあわせて勧進帳!」
・・・・えーっと、まぁとにかく中身とりだして、代わりにご朱印状をいれて、
人間耐火金庫になってあい果てたわけでございます。
この友右衛門の最後・・・やっぱりあざみちゃんの怨念かなぁ・・・・(^_^;)
さて、このあと客席の皆様には 火事場を片付ける間?に大量のスモークと
舞い散る火の粉を堪能できる「火事場体験ツアー クライマックス」
がまってまーす。(^_^;)
場面は変わって、ようやく沈火した細川家。
避難してた殿様や数馬の前に、ご家老さんが、火事場の跡から見つけて
もってきたのはロースト友右衛門と御朱印状の入っていた箱の燃えカス。
御朱印状も有能な家臣も失ったと嘆く殿様。
友右衛門にすがりついて泣く数馬。
と、数馬が友右衛門が切腹していることに気がついた!、
そこになにか紙切れが入っていることに気がついた!
結構、かなり血に染まったそれはご朱印状と確認できた!
というわけで、友右衛門は細川家の英雄として語り継がれることになり、
数馬には大川家を存続すべく大川の家を継ぐことが命じられるわけです。
一幕目とは逆に「細川の元は大川!」と締めて、めでたしめでたし。
と行きたいところですが、この舞台の影の主役は「BL」。
なんつっても、いとしい「恋人」を亡くした場合は、物狂いになるのが
歌舞伎の王道ですから、このあと、数馬も例にもれず友右衛門の面影を求めて
物狂う場面がつきます。
友右衛門を求めてさまよい歩く数馬の目に映るのは 友右衛門と出会った時に手にしていた花=杜若。
観客の皆様の脳裏に初々しい二人の出会いをフィードバックさせつつ、
杜若の花をいとおしげに抱きしめる数馬。
そんな数馬を見下ろす在りし日の友右衛門の姿。
杜若の花吹雪がハラハラと舞散るなか、舞台は幕となるのでした。
あ、カーテンコールがあります。
が、登場人物はチラシに顔写真の出てる皆様のみ。
延夫さんも芝のぶちゃんも出てきません。
最初に主役の二人以外が左右の袖からズラズラ出てきて、
次に舞台装置の2階から、まず愛之助さんが。
そのあとから染五郎さんがおりてきます。
1回こっきりのあっさりしたカーテンコールでした。
◆のたりの眼
・欣弥さん・國矢さん親子
花道から出てきた國矢さんの白塗りの若ダンナ:紫之助が、
パッと見、信二郎さんに見えてびっくりしました。
國矢さん、口跡もよく、姿もすっきりでいい感じ♪
欣弥さんは持ち味発揮の楽しさで、
花道で歌舞伎体操踊り狂ってる息子に
「おい、紫之助、何をしのすけ(紫之助)?」
に始まり、芝居狂いの息子を心配して玄庵先生にみせながら、
どう考えても自分も芝居がかってる にたもの親子の父親を熱演し、
最後はハンカチ王子でしめました♪
うーん、この親子、好きだな~(^_^;)
・愛之助さん
4年の年月を感じさせるといいましょうか、一幕目に比べると
すこーし、声が低くなったような気がします。
ところで、数馬って、今、いくつなんでしょう?
発端の惨事からまず10年。それから4年で計14年。
発端の時に5歳程度だとすればほぼ20歳。
もっと小さくて2・3才だったとすると、16・17ってとこですか。
未だに前髪の姿から考えるとこっちの方が妥当な気もしますが、
これでいくと前の幕の濡れ場の時は12・13歳ってことになるんで、
それもどうなかなぁ。という気がするんですよね~(^_^;)
とするとやはり20歳くらいかな~。
しかし、2幕目になると、なんかすっかり義「兄弟」になった感じで
あんまり「BL」な影が感じられません。
まぁ、こけた数馬に手をさしのべる場面とか、
友右衛門が火事場に行くのをとめる場面とか、時々、思い出したように顔を
のぞかせるんですけど、でも、なんとなく「恋人」よりも
「兄弟」な感じなんですよね~。
無意識にそう思いたがってるのかな、ワタシのアタマが。(^_^;)
なんで最後の最後のモノローグの場面の数馬の物狂いが、ちょっと、
とってつけたような感じがしちゃいました。
・橘三郎さん
二幕目から引き続き出てくる細川家家臣は橘三郎さんだけです。
殿様への忠義の篤そうな渋いおじ様です。
図書を追い詰めるのに細川家の家臣が出てきますが、
最後に図書と刀を抜いて対峙する用人が橘三郎さんです。
かっこいいですね~♪
最後は図書に額を割られてしまいますが、切り捨てられなくてよかった~♪
・猿弥さん
いや~ 猿弥さん、さすがのスピーディーな立ち回りです。
今回の出演者の中で、染五郎さんの次に運動量多そうです。
しかし・・・二幕目を観てると、なんとなく 図書がかわいそうな気がしてきたのは
私だけでしょうか?
いや、もちろん、あだ討ちはあだ討ちで問題ないんですが。
・段治郎さん
後半は大石蔵之助のような火事場衣装に身を包み登場です。かっこいい♪
しかし、やっぱりお茶目だと思うんですよ、この殿様。
なんかとってもいい人なんだろうけど、半歩くらい感覚が
ずれてるような気がするこの殿様が 妙にはまってるように感じるのは
なぜかな~(^_^;)
・吉弥さん
火事場では、防災頭巾なんでしょうか、位の高いお坊さんがかぶるようなとんがり帽子を
かぶっています。お付の侍女はなぎなたもって臨戦態勢です。
・春猿さん
一途な女性が上手いですねぇ。春猿さん。まぁ一途もいろんな方向むいた
一途があると思いますが、今回のあざみちゃんのように、
相手を恨んで恨んで、あげくに、かなり思い切ったことしでかしちゃう女性では
ピタッと観客のツボにはまる女性をみせてくれます。
しかし、ラストの着崩れた姿で友右衛門を睨むところは、怖かった~(^_^;)
ところで、「なんかここ、笑いが起きるところじゃないんだろうけどなぁ
と、いうところで笑いが起きたりしてたのは、春猿さんの想定内なのか、
それとも想定外なんでしょうかねぇ(^_^;)
・染五郎さん
火事場ではマイクつかってました。そのくらいしないと声が音にかき消されちゃうんでしょうね(^_^;)。
毎回、あの大量のスモークの中を駆け抜けるのは、かなりのどにきそうだなぁ。
そのわりには、声きれいだったけど。
・薪車さん
最初と最後に登場なんですね、今回は(^_^;)。
今度は細川家のご家老さん。若いな、家老にしては。
そういえば、売り切れが出てた薪車さんのお写真は、みんなこのお役の方でしたね。
【演出】
・火事場
まず スーパー歌舞伎でおなじみの炎幕が生き物のようにうごめく中、
赤いライトがクルクル回って1階から3階までまぶしい光を向けてきます。
旭堂さんのともすれば念仏のように感じられるとつとつとした語りにのって
いよいよ大阪松竹座、火事場ツアー スタートです。途中下車はできません♪
まず天井からスモークが一発!
3階からみてると噴出されたスモークは実にゆっくりと1階席に霧散していきます。
結構、重いのかな?
さらに脇の方の天井からも数発噴射され、さらには脇の照明のところからも噴射。
旭堂さんの語りによれば火事をたった1本の火矢から 大名屋敷全体に
火事が広がったのは毛に火のついた犬やネコが逃げ回って火を消さんと
火のついた毛皮をあっちこっちにこすりつけたからだとかなんとか。
ほんとかな(^_^;)
ちなみにもひとつ。この細川屋敷、今の丸ビルのあたりに位置したお屋敷だそうです。
今度 あの前通ったら、思い出すだろうなぁ、このお芝居(^_^;)
「みなさんは最後まで逃げ出さないでくださいね」と旭堂さんの語りに
火事場の雰囲気も盛り上がってきた場内。
スモークがプシューっと出されるときの音が、あれです、
なんか、こう、ねずみの国のアトラクションに参加しているような
感覚を呼び起こして ワクワクしてきます♪
3階から見てたときは、照明のところからでるスモークは、照明さんが
ホースのようなもんでもライトの脇からつきだしてるのかな~と思ってたんですが、
1階からみた感じでは、照明装置のところに噴射装置がくくりつけてあるようでした。
あと、煙は舞台の奥の方からも噴射されてたようです。
ところでこの煙、よく舞台に使う地を這うスモークとは違うんでしょうかねぇ。
あんまり煙臭くなかったし、違うとは思うんですが。
あと、これとは無関係かもしれませんが、1階席、えらく乾燥してました。
煙が出る前に、のどにきました(^_^;)
炎幕が振り落とされると舞台の奥には燃え盛る炎の映像が。
かなり明るい感じです。が、うーん・・・せっかくだからなんかもう一工夫ほしいかな。
児雷也の時みたいな、太鼓と照明のセッションなんかどうでしょう?
さて、花道からかけでてきた染五郎さん。
衣装がくすぶって煙を出してるという芸の細かさ。
それから、衣服に火の粉がついているんですが(セロハンじゃありません(^_^;)
あれはなんでしょう?ああいう色のものなのか、
それとも豆電球とか発光ダイオードみたいなのか・・・1階席の時、よくみようと
思ったのですが、近すぎたのがあだになり、双眼鏡を使う勇気がなかったんで(^_^;)
結局、よくわかりませんでした。
あの衣装で客席を駆け抜けてくれればよかったのに~
※ちなみに千穐楽は まず3階・2階席に出現して、旭堂さんに違うと指摘されて
ようやく1階にたどりつく という演出だったようで。
3階席が定席の身としては、2・3階に出現するって演出、絶対、できると思ってたし、
だれかやってくれないかな~と思ってたんですが、ついに実現したんですね♪
これを前例に2・3階席にもっと役者さんが遊びにきてくれないかな~♪
舞台のしかけは門のような木枠が自然発火するのが3箇所。
あれは どういう仕組み・・・リン??ちょっと焦げ臭いような匂いもただよってきました。
それから 階段が焼け落ちた ということで御朱印状のある一段高いところに
行きは階段ですが、降りるときは滑り台。
あと、焼け落ちる宝物蔵ということで、上からかなりデカイ木片が落ちてきます。
あれ、あたったら痛いだろうなぁ(^_^;)。あたったことなかったのかな?
そして、友右衛門の壮絶というか なぜか笑っちゃう最後の場面のあとは
舞台の上手・下手にバズーカ砲?がスタンバイ。
黒子さんがタイミングをみながら3発、打ち上げ花火ヨロシク
火の粉を発射します。
火の粉の正体は長方形の赤いセロハンに切り込みが入ったもの9割
+紙吹雪の時の白い紙が1割。
3階席では ふわふわと3階席の高さにまで 火の粉が飛んできて、
一部は3階席前方の頭上に到達してましたが、1階席前方はその比では
ありませんでした。まさに「埋もれる」といった感じ(^_^;)
今、口あけたら、火の粉が飛び込んできそう(^_^;) と思いましたもん。
今回は1人での観劇だったんで、周りのみなさんが「あら、ここにも、ここにも」
と、私のの気がつかない所についてた火の粉をとってくださったんです。、
とてもありがたかったし、なんかうれしかったです。
私も前を歩いてる見ず知らずの方に声をかけて、人の上着の裾にぶら下がってた
火の粉をとってあげたりしました。
結果的に、この火の粉のおかげで、終演後にまわりの見ず知らずのお客さんと
思いがけないコミュニケーションができちゃいました♪
しかし、この火の粉、舞台にはほとんど散らないんですよね。
客席集中砲火(^_^;)。
舞台には最後の場面で舞い散る、きれいな薄紫の花吹雪がちってました。
セロハンの火の粉は、役者さんが踏んづけてすべったりしたら大変ですしね(^_^;)。
・客席疾走
下手の階段からおりて上手の階段から舞台に戻ります。
通路際の席のお客さんから随分手がでて、ハイタッチしたり色々してたようです。
女性の方の方が積極的だったかな~
近くの席のおばさまにいたっては 半分タックルするように染五郎さんに
突撃してましたし(^_^;)
実はワタシも通路際だったんですが、来るぞ来るぞと思って直前までアタマの中で
葛藤してたんですが、優柔普段なA型のサガです。やっぱり手は出せませんでした。
惜しかったかな~。
【その他あれこれ】
・スプラッタ
「肝腎腸」は、旭堂さんの語り口が あまりに滑らかだったせいもあるのかもしれませんし、
それほどナマナマしい鮮血血のりもなかったので、あんまり怖くなかったです。
(むしろ「おい、ちょっとまて、この場面でそうくるか??」という感じで(^_^;)
むしろ「ウギャー」と思ったのは血染めのご朱印状。
あれ、時間がたったら、黒ずんで かなりおどろおどろしいもんになりそう
・・・"<(ーー;)>”
せめて手ぬぐいかなんかに巻いていれるって発想はでなかったのかなぁ・・・
・数馬延命策
かどうかは、わかりませんが、細川の殿さんが大川の家を継げ
といった時点で、数馬は友右衛門の跡追いができない立場に追い込まれたわけです。
まぁ、あの殿さんが そこまで考えていったかどうかはわかりませんが(^_^;)
・友右衛門の手にした巾着は?
筋書きとかポスターの友右衛門の写真は(多分)錦の巾着を手にしたり口にしたり
ていることがしばしば。
が、そんなもん、劇中にはどこにも登場してきません。
あれはいったい??
・幽霊?に影がある。
最後の場面、舞台装置の2階部分にたたずむ在りし日の友右衛門。
幽霊ってわけでもないんでしょうが、まばゆいライトを浴びて
舞台の奥の壁に影がくっきり。
うーん、なんとなく・・・・どうなんだろう、あれ<(ーー;)
のたりの眼(全体に対して) へ
印南図書ジツハ横山図書(猿弥さん)
友右衛門の義弟で主人公その1:数馬(愛之助さん)
主君のために命をすてた主人公その2:大川友右衛門(染五郎さん)
印南図書の奥さんになった友右衛門妹:おきく(芝のぶちゃん)
友右衛門の主:細川越中守(段治郎さん)
越中守奥方:照葉(吉弥さん)
細川家家老:堀尾帯刀(薪車さん)
友右衛門の義弟で主人公その1:数馬(愛之助さん)
主君のために命をすてた主人公その2:大川友右衛門(染五郎さん)
印南図書の奥さんになった友右衛門妹:おきく(芝のぶちゃん)
友右衛門の主:細川越中守(段治郎さん)
越中守奥方:照葉(吉弥さん)
細川家家老:堀尾帯刀(薪車さん)
◆あらすじもどき
二幕目は一幕目から4年後。
友右衛門は4年前、突然、武家奉公をやめ行方不明。
そのため、友右衛門の妹:きくは、玄庵先生夫婦を親代わりに
印南図書の元に嫁いでおりますが、今は玄庵先生夫婦の家に里帰り?中。
という背景で始まります。
最初の方はお遊び満載。
花道で歌舞伎体操がはじまるやら、芝居がかった親子がでてくるやら。
シメはハンカチ王子です。(^_^;)
ちなみに夜の部はJCBカードの貸切公演だったので、そのへんのお遊びも入りました♪
さて、本筋もどって、4年間音沙汰なしにしてた友右衛門が数馬を伴って
玄庵先生の家に現れます。
なんで4年ぶりに姿を見せる気になったのかがわからないんですが(^_^;)
そこで、妹のダンナは数馬と同じ名字というんで「へぇ~」と
なってたら、さらに話しを聞いたらなんとその妹のダンナこそ
めざす仇の横山図書と判明。
兄の義兄弟の仇に嫁いでしまった という申し訳なさに
自害しようとする妹を引き留め、友右衛門と数馬は
とりあえず細川の殿さんに報告に行こうと客席を駆け抜けて先を急ぎます。
客席から舞台に戻った二人は二階建ての舞台装置にかけあがりますが、
途中 数馬が転びかけて手をさしのべる友右衛門と俄かに
「見詰め合う目と目」な世界がひろがったりもします。(^_^;)
次の場面は、ちょうどそのころの細川家。
細川の殿さんと談笑しているのは、なんと当の印南図書こと横山図書。
細川の殿さんが、知りあいから「自分の家中に腕の立つ奴がいる」 と聞き、
ぜひ会いたいといったら、使者にして送り込んでくれたという次第でした。
目の前にいるのが友右衛門・数馬の敵と知るはずもない殿さん主従。
一幕目にも登場した頭格?の用人が
「自分の家中にも「印南」という名の者がいるが知り合いか」
と軽い気持ちでたずねたのに
「さては10年前に斬った印南十内の縁者か」とピンときた図書。
「さぁて」(だったかな(^_^;)とお茶を濁しつつ、あざみちゃんに見送られて
そそくさと帰路につきます。
その直後、友右衛門と数馬から印南図書=横山図書=数馬の敵 と
聞いた殿さん、「まだ邸内にいるはず、屋敷から外に出すな!」と命令。
細川家「図書狩り」が始まります。
まず、イキのよさげな家臣と用人が図書を見つけます。
いきなり取り押さえられ、「何ゆえ?」とたずねる図書に
「印南数馬の仇ゆえ、御前に召し出だせとの殿のご命令」と
告げるご用人。
・・・あれ?殿さん、そこまで言ってたっけ??(^_^;)
ま、いいか。
しかし、会津藩の指南役につくほどの腕前の図書、
そうやすやすとはつかまりません。
とりあえずその連中を追い払い、どうやってこの屋敷を
脱出したものか、と悩む図書の前にあらわれたのは
さきほど送ってくれた あざみちゃん。
「脱出に手を貸しましょう。そのかわり数馬様は殺さないで。」
と 取引をもちかけるあざみちゃんのアタマの中には
図書に恋路の邪魔者:友右衛門を図書に斬らせる魂胆が。
一方、図書にとってもこの申し出は渡りに舟。
「この状況を抜け出せるならその条件を飲むのはやぶさかではない」
みたいなことをいいますが、しかし
「手を貸すとはどうやって?」
「この屋敷に火をかけます」
おいおい、まてまてまてっ!! そこまでやるか!!
あんたは忠義の腰元じゃなかったのか~っ!!
と思いますが、恋路のためならそれでもやるのが女ってもんです♪
(多分。(^_^;)
というわけで、気合わせた家臣から大弓を奪いとり、
火矢を屋敷に放ったところで やっと図書を見つけたのは数馬。
「父の敵!」と挑んでくる数馬に、図書は「禍根を断ち切ってくれるわ」
と数馬を斬ろうとします。
この展開にあわてたのは 当然あざみちゃん。
「先ほど申したのは偽りでございますか!!」
「偽りではない、あれは方便と申すのじゃ!」
ナイスアンサー、図書 d( ̄ー ̄)
うーん、結構便利に使えそうですね、このセリフ。
いや、それはさておき、そんなわけで急遽、図書VS数馬にあざみちゃんも参入して
図書はひとりで二人の相手。
しかし、そこは指南役の腕前。元お小姓と腰元が一緒でかかってきてもまだ大丈夫。
そしてついに数馬ピーンチ!といったところで、来たよ来たよ、友右衛門が!
屋台の2階の上手から駆けつけた友右衛門。
「義兄弟 数馬の助太刀いたすっ!」
図書も言いますが、ほんとなら図書と友右衛門も義兄弟なんですよね~
ほんと これは皮肉です。
ついでにこれが図書と友右衛門は実の兄弟とかいったら
もっと皮肉だったんですが、さすがに年が合わないか(^_^;)
で、これまたスピード感あふれる立ち回りの果てに、
若さの勝利でしょうか、愛の勝利でしょうか、ついに図書は追い詰められ、
あとはふたりで止めをさすだけ と言う状態になります。
と、そこに「両人、まてぃ!」と声がして火事装束姿の細川の殿様が
二人の留めにまったをかけます。
「なになに、なんかあるの?」と思いきや、なんのことはない、
殿様、自分がとどめの瞬間を見届けたかっただけみたいなんですが(^_^;)
でも、それならそれで、そんなことしてる場合じゃないだろう
とも思うんですが・・・<(ーー;)
まぁ、そんなことはさておき、めでたく殿様の御前で図書にとどめをさした二人。
スター悪人らしく大の字のまんまもちあげられて図書が退場し、さぁ終わった!と
二人で感動のハグを交わしたいところですが、そういうわけにもいきません。
まずは 火つけの大罪人になったあざみちゃんの退場。
舞台の下手に衣装も乱れて半ば呆然自失でいたあざみちゃんですが
「腰元あざみ、お立ちませぃ!」
との用人の声に打たれて、ヨロヨロと上手に向かいます。
しかし、それでも というか、ここぞ というべきなのかもしれませんが、
友右衛門の脇を抜ける時、友右衛門に向かって最後のひとにらみ。
乱れた衣装とあいまって壮絶さがただようにらみでした。
あれは化けてでるぞ~(^_^;)。
で、今度こそめでたしめでたし かと思いきや、そんなことしてる間にも
火の手は屋敷のあちこちに広がっていたりしまして
防災頭巾?をかぶった奥方が「宝物蔵にも火の手が」と殿様に知らせにきます。
実はこれが一大事。
宝物蔵にはお家安堵の御朱印状なるものがあったりしまして、
まぁなんせこういう時代ですから、たとえ紙切れ1枚とはいえ
紛失した・焼失したとなれば、いくらでも揚げ足とってお家をつぶそうという
風向きがあるわけで、いまや腰元あざみちゃんの嫉妬の炎は大名細川家の運命をも
焼きつくさんばかりとなったわけです。
これにはあせるお殿さん。
そういう大事なもんはあだ討ち見に来る前に取りに行っときなさいってば。<(ーー;)
で、まぁ殿様自ら「御朱印状をとりにいくぞっ!」といいだすもんだから
殿様を制して「自分がとりに行く」と名乗りをあげたのが友右衛門。
数馬は自分も行くといいますが、殿様と奥方を無事避難させるのが役目と
言い含め、俄に「いやな予感のする恋人たちの別れ」な雰囲気を漂わせて
友右衛門は花道を宝物蔵へとまっしぐらに駆けて行きます。
火事場の模様は「のたりの目」で詳しくおつたえするとして(^_^;)、
とにかく燃え盛る宝物蔵に入り込み、目当ての御朱印状を見つけるとこまで
いったのはよかったんですが、「いきはよいよい 帰りは怖い」のごとく
帰り道が確保できない友右衛門。
もとより4年前になくなるところを 殿様に救われたこの命。
数馬の仇討ちも果たした今となっては惜しくない!
(とほんとに思ったかどうかは知りませんが)ってんで、
どうしたかというと、腹掻っ捌いて、
(旭堂さん)「コレが肝臓!コレが腎臓!コレが大腸! 3つあわせて勧進帳!」
・・・・えーっと、まぁとにかく中身とりだして、代わりにご朱印状をいれて、
人間耐火金庫になってあい果てたわけでございます。
この友右衛門の最後・・・やっぱりあざみちゃんの怨念かなぁ・・・・(^_^;)
さて、このあと客席の皆様には 火事場を片付ける間?に大量のスモークと
舞い散る火の粉を堪能できる「火事場体験ツアー クライマックス」
がまってまーす。(^_^;)
場面は変わって、ようやく沈火した細川家。
避難してた殿様や数馬の前に、ご家老さんが、火事場の跡から見つけて
もってきたのはロースト友右衛門と御朱印状の入っていた箱の燃えカス。
御朱印状も有能な家臣も失ったと嘆く殿様。
友右衛門にすがりついて泣く数馬。
と、数馬が友右衛門が切腹していることに気がついた!、
そこになにか紙切れが入っていることに気がついた!
結構、かなり血に染まったそれはご朱印状と確認できた!
というわけで、友右衛門は細川家の英雄として語り継がれることになり、
数馬には大川家を存続すべく大川の家を継ぐことが命じられるわけです。
一幕目とは逆に「細川の元は大川!」と締めて、めでたしめでたし。
と行きたいところですが、この舞台の影の主役は「BL」。
なんつっても、いとしい「恋人」を亡くした場合は、物狂いになるのが
歌舞伎の王道ですから、このあと、数馬も例にもれず友右衛門の面影を求めて
物狂う場面がつきます。
友右衛門を求めてさまよい歩く数馬の目に映るのは 友右衛門と出会った時に手にしていた花=杜若。
観客の皆様の脳裏に初々しい二人の出会いをフィードバックさせつつ、
杜若の花をいとおしげに抱きしめる数馬。
そんな数馬を見下ろす在りし日の友右衛門の姿。
杜若の花吹雪がハラハラと舞散るなか、舞台は幕となるのでした。
あ、カーテンコールがあります。
が、登場人物はチラシに顔写真の出てる皆様のみ。
延夫さんも芝のぶちゃんも出てきません。
最初に主役の二人以外が左右の袖からズラズラ出てきて、
次に舞台装置の2階から、まず愛之助さんが。
そのあとから染五郎さんがおりてきます。
1回こっきりのあっさりしたカーテンコールでした。
◆のたりの眼
・欣弥さん・國矢さん親子
花道から出てきた國矢さんの白塗りの若ダンナ:紫之助が、
パッと見、信二郎さんに見えてびっくりしました。
國矢さん、口跡もよく、姿もすっきりでいい感じ♪
欣弥さんは持ち味発揮の楽しさで、
花道で歌舞伎体操踊り狂ってる息子に
「おい、紫之助、何をしのすけ(紫之助)?」
に始まり、芝居狂いの息子を心配して玄庵先生にみせながら、
どう考えても自分も芝居がかってる にたもの親子の父親を熱演し、
最後はハンカチ王子でしめました♪
うーん、この親子、好きだな~(^_^;)
・愛之助さん
4年の年月を感じさせるといいましょうか、一幕目に比べると
すこーし、声が低くなったような気がします。
ところで、数馬って、今、いくつなんでしょう?
発端の惨事からまず10年。それから4年で計14年。
発端の時に5歳程度だとすればほぼ20歳。
もっと小さくて2・3才だったとすると、16・17ってとこですか。
未だに前髪の姿から考えるとこっちの方が妥当な気もしますが、
これでいくと前の幕の濡れ場の時は12・13歳ってことになるんで、
それもどうなかなぁ。という気がするんですよね~(^_^;)
とするとやはり20歳くらいかな~。
しかし、2幕目になると、なんかすっかり義「兄弟」になった感じで
あんまり「BL」な影が感じられません。
まぁ、こけた数馬に手をさしのべる場面とか、
友右衛門が火事場に行くのをとめる場面とか、時々、思い出したように顔を
のぞかせるんですけど、でも、なんとなく「恋人」よりも
「兄弟」な感じなんですよね~。
無意識にそう思いたがってるのかな、ワタシのアタマが。(^_^;)
なんで最後の最後のモノローグの場面の数馬の物狂いが、ちょっと、
とってつけたような感じがしちゃいました。
・橘三郎さん
二幕目から引き続き出てくる細川家家臣は橘三郎さんだけです。
殿様への忠義の篤そうな渋いおじ様です。
図書を追い詰めるのに細川家の家臣が出てきますが、
最後に図書と刀を抜いて対峙する用人が橘三郎さんです。
かっこいいですね~♪
最後は図書に額を割られてしまいますが、切り捨てられなくてよかった~♪
・猿弥さん
いや~ 猿弥さん、さすがのスピーディーな立ち回りです。
今回の出演者の中で、染五郎さんの次に運動量多そうです。
しかし・・・二幕目を観てると、なんとなく 図書がかわいそうな気がしてきたのは
私だけでしょうか?
いや、もちろん、あだ討ちはあだ討ちで問題ないんですが。
・段治郎さん
後半は大石蔵之助のような火事場衣装に身を包み登場です。かっこいい♪
しかし、やっぱりお茶目だと思うんですよ、この殿様。
なんかとってもいい人なんだろうけど、半歩くらい感覚が
ずれてるような気がするこの殿様が 妙にはまってるように感じるのは
なぜかな~(^_^;)
・吉弥さん
火事場では、防災頭巾なんでしょうか、位の高いお坊さんがかぶるようなとんがり帽子を
かぶっています。お付の侍女はなぎなたもって臨戦態勢です。
・春猿さん
一途な女性が上手いですねぇ。春猿さん。まぁ一途もいろんな方向むいた
一途があると思いますが、今回のあざみちゃんのように、
相手を恨んで恨んで、あげくに、かなり思い切ったことしでかしちゃう女性では
ピタッと観客のツボにはまる女性をみせてくれます。
しかし、ラストの着崩れた姿で友右衛門を睨むところは、怖かった~(^_^;)
ところで、「なんかここ、笑いが起きるところじゃないんだろうけどなぁ
と、いうところで笑いが起きたりしてたのは、春猿さんの想定内なのか、
それとも想定外なんでしょうかねぇ(^_^;)
・染五郎さん
火事場ではマイクつかってました。そのくらいしないと声が音にかき消されちゃうんでしょうね(^_^;)。
毎回、あの大量のスモークの中を駆け抜けるのは、かなりのどにきそうだなぁ。
そのわりには、声きれいだったけど。
・薪車さん
最初と最後に登場なんですね、今回は(^_^;)。
今度は細川家のご家老さん。若いな、家老にしては。
そういえば、売り切れが出てた薪車さんのお写真は、みんなこのお役の方でしたね。
【演出】
・火事場
まず スーパー歌舞伎でおなじみの炎幕が生き物のようにうごめく中、
赤いライトがクルクル回って1階から3階までまぶしい光を向けてきます。
旭堂さんのともすれば念仏のように感じられるとつとつとした語りにのって
いよいよ大阪松竹座、火事場ツアー スタートです。途中下車はできません♪
まず天井からスモークが一発!
3階からみてると噴出されたスモークは実にゆっくりと1階席に霧散していきます。
結構、重いのかな?
さらに脇の方の天井からも数発噴射され、さらには脇の照明のところからも噴射。
旭堂さんの語りによれば火事をたった1本の火矢から 大名屋敷全体に
火事が広がったのは毛に火のついた犬やネコが逃げ回って火を消さんと
火のついた毛皮をあっちこっちにこすりつけたからだとかなんとか。
ほんとかな(^_^;)
ちなみにもひとつ。この細川屋敷、今の丸ビルのあたりに位置したお屋敷だそうです。
今度 あの前通ったら、思い出すだろうなぁ、このお芝居(^_^;)
「みなさんは最後まで逃げ出さないでくださいね」と旭堂さんの語りに
火事場の雰囲気も盛り上がってきた場内。
スモークがプシューっと出されるときの音が、あれです、
なんか、こう、ねずみの国のアトラクションに参加しているような
感覚を呼び起こして ワクワクしてきます♪
3階から見てたときは、照明のところからでるスモークは、照明さんが
ホースのようなもんでもライトの脇からつきだしてるのかな~と思ってたんですが、
1階からみた感じでは、照明装置のところに噴射装置がくくりつけてあるようでした。
あと、煙は舞台の奥の方からも噴射されてたようです。
ところでこの煙、よく舞台に使う地を這うスモークとは違うんでしょうかねぇ。
あんまり煙臭くなかったし、違うとは思うんですが。
あと、これとは無関係かもしれませんが、1階席、えらく乾燥してました。
煙が出る前に、のどにきました(^_^;)
炎幕が振り落とされると舞台の奥には燃え盛る炎の映像が。
かなり明るい感じです。が、うーん・・・せっかくだからなんかもう一工夫ほしいかな。
児雷也の時みたいな、太鼓と照明のセッションなんかどうでしょう?
さて、花道からかけでてきた染五郎さん。
衣装がくすぶって煙を出してるという芸の細かさ。
それから、衣服に火の粉がついているんですが(セロハンじゃありません(^_^;)
あれはなんでしょう?ああいう色のものなのか、
それとも豆電球とか発光ダイオードみたいなのか・・・1階席の時、よくみようと
思ったのですが、近すぎたのがあだになり、双眼鏡を使う勇気がなかったんで(^_^;)
結局、よくわかりませんでした。
あの衣装で客席を駆け抜けてくれればよかったのに~
※ちなみに千穐楽は まず3階・2階席に出現して、旭堂さんに違うと指摘されて
ようやく1階にたどりつく という演出だったようで。
3階席が定席の身としては、2・3階に出現するって演出、絶対、できると思ってたし、
だれかやってくれないかな~と思ってたんですが、ついに実現したんですね♪
これを前例に2・3階席にもっと役者さんが遊びにきてくれないかな~♪
舞台のしかけは門のような木枠が自然発火するのが3箇所。
あれは どういう仕組み・・・リン??ちょっと焦げ臭いような匂いもただよってきました。
それから 階段が焼け落ちた ということで御朱印状のある一段高いところに
行きは階段ですが、降りるときは滑り台。
あと、焼け落ちる宝物蔵ということで、上からかなりデカイ木片が落ちてきます。
あれ、あたったら痛いだろうなぁ(^_^;)。あたったことなかったのかな?
そして、友右衛門の壮絶というか なぜか笑っちゃう最後の場面のあとは
舞台の上手・下手にバズーカ砲?がスタンバイ。
黒子さんがタイミングをみながら3発、打ち上げ花火ヨロシク
火の粉を発射します。
火の粉の正体は長方形の赤いセロハンに切り込みが入ったもの9割
+紙吹雪の時の白い紙が1割。
3階席では ふわふわと3階席の高さにまで 火の粉が飛んできて、
一部は3階席前方の頭上に到達してましたが、1階席前方はその比では
ありませんでした。まさに「埋もれる」といった感じ(^_^;)
今、口あけたら、火の粉が飛び込んできそう(^_^;) と思いましたもん。
今回は1人での観劇だったんで、周りのみなさんが「あら、ここにも、ここにも」
と、私のの気がつかない所についてた火の粉をとってくださったんです。、
とてもありがたかったし、なんかうれしかったです。
私も前を歩いてる見ず知らずの方に声をかけて、人の上着の裾にぶら下がってた
火の粉をとってあげたりしました。
結果的に、この火の粉のおかげで、終演後にまわりの見ず知らずのお客さんと
思いがけないコミュニケーションができちゃいました♪
しかし、この火の粉、舞台にはほとんど散らないんですよね。
客席集中砲火(^_^;)。
舞台には最後の場面で舞い散る、きれいな薄紫の花吹雪がちってました。
セロハンの火の粉は、役者さんが踏んづけてすべったりしたら大変ですしね(^_^;)。
・客席疾走
下手の階段からおりて上手の階段から舞台に戻ります。
通路際の席のお客さんから随分手がでて、ハイタッチしたり色々してたようです。
女性の方の方が積極的だったかな~
近くの席のおばさまにいたっては 半分タックルするように染五郎さんに
突撃してましたし(^_^;)
実はワタシも通路際だったんですが、来るぞ来るぞと思って直前までアタマの中で
葛藤してたんですが、優柔普段なA型のサガです。やっぱり手は出せませんでした。
惜しかったかな~。
【その他あれこれ】
・スプラッタ
「肝腎腸」は、旭堂さんの語り口が あまりに滑らかだったせいもあるのかもしれませんし、
それほどナマナマしい鮮血血のりもなかったので、あんまり怖くなかったです。
(むしろ「おい、ちょっとまて、この場面でそうくるか??」という感じで(^_^;)
むしろ「ウギャー」と思ったのは血染めのご朱印状。
あれ、時間がたったら、黒ずんで かなりおどろおどろしいもんになりそう
・・・"<(ーー;)>”
せめて手ぬぐいかなんかに巻いていれるって発想はでなかったのかなぁ・・・
・数馬延命策
かどうかは、わかりませんが、細川の殿さんが大川の家を継げ
といった時点で、数馬は友右衛門の跡追いができない立場に追い込まれたわけです。
まぁ、あの殿さんが そこまで考えていったかどうかはわかりませんが(^_^;)
・友右衛門の手にした巾着は?
筋書きとかポスターの友右衛門の写真は(多分)錦の巾着を手にしたり口にしたり
ていることがしばしば。
が、そんなもん、劇中にはどこにも登場してきません。
あれはいったい??
・幽霊?に影がある。
最後の場面、舞台装置の2階部分にたたずむ在りし日の友右衛門。
幽霊ってわけでもないんでしょうが、まばゆいライトを浴びて
舞台の奥の壁に影がくっきり。
うーん、なんとなく・・・・どうなんだろう、あれ<(ーー;)
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