のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

2006年10月:国立劇場「元禄忠臣蔵」第一部

2006-10-15 21:13:10 | 書いたぞ: 感想書きました~
図らずもジェイソンが街を走り回る13日の金曜日に観劇とあいなりました(^_^;)
休憩含めて4時間30分の長丁場ではありますが、こまめに休憩が入り、
1幕がほぼ1時間程度に収まっているせいか、わりと とんとん拍子の観劇の感が
あります。
幕間と勘違いする人が出るほど、舞台転換でまたされるより、
今回みたいに休憩にしてくれたほうが、いいかもしれませんね。

◆観劇位置
3階8列目正面

◆構成
※■をクリックすると、別ウィンドウで開きます。
※ネタバレしてますので、まだ見てない方は、そのへんご了承の上ご覧くださいませ。
※コメントは まとめてこちらの記事にお願いします。

江戸城の刃傷
第一幕:(約30分)
 休憩 10分
第二幕:(約25分)

 休憩 30分

第二の使者
第三幕:(約30分)

 休憩 10分

最後の大評定
第四幕:(約45分)
 休憩 10分
第五幕 ・ 第六幕:(約70分)


◆おまけ
・来年のカレンダーが発売になってました。
3月の小栗判官の写真は1枚、雪の場面のみ。
まぁ、どの月の歌舞伎もおおむね1枚なんですが。

あ、でも、1月の菊五郎さんのと、ちょうど1年前の10月公演、、
鳥羽恋塚のは2枚ありました。
1枚は松緑さんの宙乗りのアップです♪
あ、そういや、松緑さんは1月の写真も映ってるな。
2枚出てたのは松緑さんだけかな?

・忠臣蔵あ・ら・かると
場内のチラシ置き場にあります。忠臣蔵のあれこれ(四十七士の詳細や年表)が
出てたり、ゆかりの名所案内なんかも出てて、コンパクトながら内容充実。
お勧めです♪



・筋書き
最後の方に3月公演、6・7月の鑑賞教室、音の会、稚魚の会歌舞伎会合同公演の
写真が出てます。
それでいてお値段は据え置き?価格!なかなかうれしいです♪

・緞帳
あたらしくなってました。3つです。
提供はTOYOTAに三井住友カードに竹中工務店。
三井住友カードのは下辺のふさふさが高貴な群青色で 新しいだけに
色が鮮やかで、とてもキレイです。

これも使い込んでくると、ほこりがついたりなんだりで色あせてくるのかな
と思うと残念なほど。
緞帳がおりてくると、つい、「そのまま最後床につけないで浮かしておいて!」
と思ってしまいました。(^_^;)
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2006年10月:国立劇場【1】江戸城の刃傷

2006-10-15 21:08:42 | 書いたぞ: 感想書きました~
◆人物関係:
ついに理由はあかさなかった:浅野内匠頭(梅玉さん)
内匠頭贔屓?の目付:多門(オカド)伝八郎(歌昇さん)
目付け連中よりは上だけど越中守よりは下?:稲垣対馬守(松江さん)
若年寄筆頭のイヤな上司タイプ:加藤越中守(東蔵さん)
内匠頭の検視の正使でこれまたイヤなタイプの大目付:庄田下総守(由 次郎さん)
ただひとり間に合った浅野家家臣:片岡源吾兵衛(信二郎さん)
内匠頭切腹会場の家の主:田村右京太夫(彦三郎さん)
田村家物頭:牟岐平右衛門(梅蔵さん)


◆あらすじもどき:
第一幕:江戸城内松の御廊下/同 御用部屋
「大変だ~吉良が斬られた~」 というとこから始まります。
茶坊主たちが 大名たちを抑える中、
舞台奥の廊下を手負いの吉良が 駆け抜けます。

興奮さめず羽交い絞めにされてる内匠頭のところに、
目付:多門伝八郎がやってきて、とりあえず着替えた内匠頭への詮議が
行われます。
ここでの多門の態度から、内匠頭に同情的な見解をもってるらしいことが
伺えます。

御用部屋では 内匠頭に即日切腹の沙汰が下ったことを目付けたちに告げた
対馬守・越中守と、それを納得できない目付けたちとの対立があり、
多門は沙汰を覆すべく必死に対馬守・越中守に再審議を訴えますが
すべては決まったこととしりぞけられます。


第二幕:田村右京太夫屋敷大書院/同 小書院
内匠頭の切腹は田村の屋敷で。
田村と検視の正使はバリバリ嫌なやつですが副使は 情のある多門。
多門は一城の主を邸内ではなく、庭先で切腹させることに腹立ちを覚えますが、
これもすでに決まったこと。
ストレスをためる多門ですが、最後にひと目と 目通りを訴える浅野家家臣:
片岡源五兵衛の目通りは、正使らの難色を無視して強引に押し通します。

切腹申し渡しの席で、多門に促されて、庭先に源五兵衛がいることに
気がついた内匠頭。
遺言を田村家の物頭に聞き書きさせ、辞世の句を読んだ内匠頭は、
ひれ伏して男泣きの源五兵衛を眼に留めつつ、すっぱりと切腹の場へ向かいます。


◆のたりの眼
多分、初めて観ました、この話。
切腹のシーンが「仮名手本」とは大分違いますね~。

ただ・・・個人的にはちょっと意識が飛んだところが・・・(^_^;)
滔々と流れる長セリフって、眠気をさそうんですよ~っ
(と、一応、言い訳しておく)

【役者さん】
・梅玉さん
取り押さえられてる時は、もう少し、勢いみたいなものが欲しいかな。と感じました。
なんか取り押さえるほどの勢いが感じられなかったのが気になったもんで。

でも、一貫して 言い訳はせず、ただ、きりつけた吉良がどうなったか、に
気をもむ内匠頭は すっぽり、梅玉さんの手中に入っている感じです。
無言の視線が雄弁です。

そういや、検死役に望む場面では、裸足でしたが、
自害の時って、足袋は履かないもんなんですかね。

・信二郎さん
そういや、庭先でひれ伏してる源吾兵衛も、裸足でした。
これから切腹するという内匠頭はともかく、源吾兵衛も裸足ってのは?

あと、信二郎さん、上意の読み上げの時、「切腹」というくだりに
突っ伏してるアタマが ちゃんと「ピクっ」と反応してたみたいです。
細かいな~ そういう細かさ、好きですが♪

それから、途中からの最後の男泣き。これは、グググッとくるものがありました!
あ、そーいや、このお役、ほとんどセリフらしいセリフがないですね(多分)。
それもあるのかな~

・歌昇さん
かっこいい~♪ 役の人柄もいいし♪
黒の着物がビシッと映えます♪
でも・・・多分、一番の見所なんじゃないかと思われる東蔵さんへの長セリフ、
ハッと気がついたら、終わるところだったようで客席から拍手が起きてました・・・
くぅ~観そこねた~<(ーー;)

・由次郎さん
見事にじぃさまになってます。それも、ちゃんと イヤなタイプの(^_^;)。
由次郎さんも 悪者からジィ様まで、なにやっても自然にはまりますね~

・梅秋さん
内匠頭が切腹する田村家の家臣役。内匠頭の遺言を書き留めます。
今回、いい人役だったせいか、なんとなく眼についたし、結構、好感度:高。
チェック・チェックφ(..)

【その他】
・江戸城のふすまの絵
きれいです。狩野派の絵師によるもの というのが史実だそうで、今回のも
それにならって 写実的な図が多いです。
鳥を書いたものが多いのですが、最初の場面では上手の板ふすまの図柄が、
ちょっとヘンな(^_^;)(多分)象なのが眼につきました。
面白い絵柄もあったんですねぇ(^_^;)

・すれる音
花道にも畳のシートかな?が引いてあります。
そのため、梅玉さんが長袴ズルズルで引っ込む時、化繊の布のこすれる音なのか
シュッシュ シュッシュ と音が甲高く場内に響いて、ちょっとうるさいかも(^_^;)。
畳と 綿とか絹だったら、こんなに音はしないんじゃないでしょうか?
でも、綿なんか使ったら、衣装だけでものすごい重さになっちゃいますね、
きっと。(^_^;)

◆花道度:低
目付の詮議のあと、指定の座敷に向かうために内匠頭が引っ込みます。
多分ここだけではないかと。

【2】第二の使者 へ

【3】最後の大評定 へ

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2006年10月:国立劇場【2】第二の使者

2006-10-15 21:07:57 | 書いたぞ: 感想書きました~
◆演目について
この場面は28年ぶりの上演だそうです。
さぁ、いよいよ、内蔵助登場です。

◆人物関係:
昼行灯「だった」:大石内蔵助(吉右衛門さん)
早く元服したい内蔵助の息子:大石松之丞(種太郎さん)
京都から来た、この日の城にとって「第二の使者」:小野寺十内(歌六さん)
江戸からの「第二の使者」その1:原惣右衛門(桂三さん)
江戸からの「第二の使者」その2:大石瀬左右衛門(亀寿さん)
大石贔屓の家士:潮田又之丞(吉之助さん)
仮名手本なら「斧九太夫」の国許家老:大野九郎兵衛(芦燕さん)
番頭:奥野将監(東蔵さん)


◆あらすじもどき:
第三幕 播州赤穂城内大広間
内匠頭の凶事の報せが届いたあとの赤穂城。
先走り動揺する家士とは対照的に、とにかくすべての動向は
「第二の使者」の報告を聞いてから。と構える内蔵助。

果たして駆けつけた江戸からの「第二の使者」が
饗応は無事にことなきを得たことを告げたのに喜ぶ内蔵助でしたが、
事件後即日の内匠頭の切腹と最後の様子と御家断絶の報には
家中一同、むせび泣きます。

そこへ、赤穂城にとって本日「第二の使者」となる小野寺十内が
京都より駆けつけます。
小野寺十内から 朝廷は饗応役でありながら刃傷沙汰を起こした内匠頭を
無礼とはとらず、帝においてはむしろ同情的であることを聞いた内蔵助は
内匠頭が不敬罪に問われそうもない状況にほっとします。

江戸からの「第二の使者」と 本日「第二の使者」。
二つの使者がもたらした報せに 内蔵助は、次の局面(城明け渡しか
篭城か、城内大評定)に向けて動き出します。


◆のたりの眼
せっかく28年ぶりの場面だったのに・・・いいところ、意識が・・・<(ーー;)
江戸からの使者の知らせにみんながシクシク言ってると思って
ハッと気がついたら、舞台にはいつの間に来たのか(^_^;)
歌六さんの十内と吉右衛門さんの内蔵助の二人だけ・・・
その後も断続的に意識が飛んで、気がついたら、幕が下りてく
ところでした・・・_| ̄|○
食事休憩のあとでおなかの皮が突っ張ってたんです~っ(>_<)


◆花道度:なし、かな?(^_^;)
私が起きていた間の限りでは、ですが・・・

【1】江戸城の刃傷 へ

【3】最後の大評定 へ

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2006年10月:国立劇場【3】最後の大評定

2006-10-15 21:04:03 | 書いたぞ: 感想書きました~
◆演目について
これは 何度か上演されているようですが、私はやはり初見です。

◆配役
大石内蔵助(吉右衛門さん)
内蔵助奥さん:おりく(芝雀さん)
内蔵助長男:大石松之丞(種太郎くん)

逃げ出す国許家老:大野九郎兵衛(芦燕さん)
内蔵助と家臣の板ばさみな番頭:奥野将監(東蔵さん)
九郎兵衛ストーカー?:岡島八十右衛門(松江さん)

From江戸の好戦派その1:奥田孫太夫(歌六さん)
From江戸の好戦派その2:堀部安兵衛(歌昇さん♪)
From江戸の好戦派その3:高田群兵衛(由次郎さん)

好戦派に遅れて到着From江戸の内匠頭お小姓組その1:片岡源五右衛門(信二郎さん)
好戦派に遅れて到着From江戸の内匠頭お小姓組その2:磯貝十郎左衛門(亀寿さん)

この話では奥さんの方が活躍な潮田又之丞(吉之助さん)
徳兵衛にからまれた潮田奥さん:お遊
外部からの城明け渡し説得要員:戸田権左衛門(彦三郎さん)

内蔵助幼馴染で元浅野家家臣:井関徳兵衛(富十郎さん)
徳兵衛息子:井関紋左衛門(隼人くん)
最後の場面で内蔵助を迎えに来た大石家郎党:瀬尾孫左衛門(梅蔵さん)

◆あらすじもどき
第四幕:播州赤穂城下大石内蔵助屋敷玄関/同 中座敷/同 元の玄関
城明け渡しか、篭城か、その議論は長く平行線の一途。
しかし、明日にも城明け渡しの使者が到着しようというそんな日。
今日の評定では、どうあってもその結論をださなくてはならない 
という状況です。

そんな中、内蔵助の代参で 旧主の供養に寺に赴いた内蔵助の次男坊と長女に、
道中で絡んできたのは、奇妙な家紋の鎧櫃を背負い、槍をもった井関徳兵衛。
徳兵衛は、内蔵助を前名の喜内で呼ぶ幼馴染。

元は浅野家家臣であった井関徳兵衛は、扶持を離れた身ではあれど、
旧家浅野家の一大事と聞き、息子:紋左衛門と駆けつけ、内蔵助に会うために
 その子供たちに絡んだのでありました。

徳兵衛は内蔵助に城を明け渡すのか、篭城はしないのか、と詰め寄りますが
内蔵助は「それはこれからの評定できまること」とかわし、篭城するにしても
浪人させた徳兵衛を城にいれるわけには、世間体の上からもできることではない。
と井関親子をつっぱねます。

第五幕:赤穂城内表座敷竹の間/同 黒書院の間
竹の間では、江戸から赤穂にはせ参じた
 堀部安兵衛や片岡源吾らが 内蔵助との面会を奥野将監に訴え、
内外の調整外交に忙しく安兵衛らに面会する時間もとれない内蔵助は、
今も黒書院で城明け渡しの説得にきた浅野家親戚筋の家臣に応対しています。

それでも最後の評定を前に安兵衛らはようやく内蔵助に面会がかないます。
安兵衛・源吾らがどうしても内蔵助に会いたかった理由。
それは吉良がピンシャンしてる事実を内蔵助に伝えること。

肝心の内蔵助はその報告にも「吉良が息災、それが?」とはぐらかすものの、
安兵衛の
「20~30人あれば、吉良邸への討ち入りは可能」
との言葉に鋭く反応をしめしたりもします。
しかし、内匠頭の弟:浅野大学による御家再興の話をもちだし、安兵衛らの
吉良への仇討ちの気持ちをなぶります。

そんな中、「小禄の大名だろうが 大大名だろうが、御家を再興したところで、吉良を討ち取らない限りは、浅野大学の武士道は立たない。吉良の安穏な姿を尻目にした御家再興など 自分は嫌だ!!」と訴える若い磯貝十郎左衛門に 内蔵助の眼が輝き、
いよいよ最後の大評定が始まります。

そして最初は300人はいようかという 人数が最後は60人弱まで減った家臣。
彼らの連名状の血判を前に、ついに内蔵助の本心が明かされます。

第六幕:赤穂城大手御門外/赤穂城外往還
お城の外では徳兵衛さん息子にあれこれ 赤穂の街を案内していますが、
どうも息子の言動では、「なにか」を実行しようとしていることがある様子。

そんな中、通りがかりの実は間者の中間から、城を明け渡すことが決まったことを
知った井関親子は、その「なにか」の実行を決意し、道を急ぎます。

お城から出てきた内蔵助が見つけたのは、すでに事切れた徳兵衛さんの息子:紋左と
その脇に座り込む徳兵衛さん。
こういう事態も想定の範囲にいれていた内蔵助は、避けられなかった結末に
息子と同い年の徳兵衛さんの息子の死をいたみます。

徳兵衛さんは そんな内蔵助に本心を明かせと詰め寄りますが、
なおも口をとざす内蔵助に、「それなら」と脇差を腹に突き立て、
「死出の旅路についた自分だ、遠慮なく話せ」と内蔵助にせまります。
これには内蔵助も口を割りますが、まだ、はっきりとは言わない。

徳兵衛さんは、さらに脇差で腹をかききり、「耳が遠くなった。はっきり言え」
とせまり、ついに内蔵助からはっきりと仇討ちの意志を聞きだした徳兵衛は
穏やかに息絶えます。

徳兵衛に家紋入りの白幡を、息子:紋左には鎧をかけてから歩き出した内蔵助は
ふと振り返り、遠くに赤穂の城を望んで、涙にむせびますが、それも暫時のこと。
城に背を向け、これからの長い道のりに向かって静かに歩き出します。

◆のたりの眼
内蔵助の幼馴染で元浅野家家臣である井関徳兵衛の登場が、
ドキュメンタリーからドラマになったとでも言えばいいでしょうか、
そんなこれまでの場面と違う趣を この場面にもたらしてます。

今月の3話の中では、やはり、一番、見ごたえがあるのはコレかと
思われます。

【役者さん】
・吉右衛門さん

腹のそこから出るような声が、太く、でも柔らかに響きます。
昼行灯で一生を終えたかった という前の話でのセリフを思い出すと、
卒なく外部の連中や九郎兵衛と次々と対談を果たす内蔵助の心中は
いかばかりかと思い グッと来ます。
吉右衛門さんの内蔵助には、私にそう思わせる何かがありました。

・芝雀さん
艶っぽい! 武家の奥さんなんでもっとこてこての白塗りの
厳格な奥方のイメージだったんですが、芝雀さんの奥さんは
顔の拵えも赤みを帯びてて、艶っぽいです。

でも、それでも武士の妻らしい威厳といいましょうか、
凛としたところがあって、ステキでした♪
九郎兵衛を追いかけてきた松江さんの岡島をぴしゃりと言い負かしたのは
気持ちがいい場面でした♪

・歌昇さん
安兵衛~ 髪型のせいでしょうか、なんとなく若いというか、
若衆風に見えてしまいました(^_^;)
が、歌昇さんの眼は、安兵衛と聞いて納得できるそれです。
内蔵助の話を身を乗り出して、じっと眼をみて聞いている姿は、
歌昇さんが一番顕著でした。

・歌六さん
血判状に署名するときの筆さばきが美しく、さぞや達筆であろう という感じです。
内蔵助の話を聞いているときの態度では、歌昇さんの安兵衛と対極に、
背筋をピンと伸ばして、うつむいて、耳だけで聞き入っている姿に年長者の
落ち着きが光ってました。

・内蔵助の次男坊
声の通りもセリフのキレもよく、眼に留まりました。
梅丸君かと思いきや、劇団の子なんですね。

【その他】
・女形の華やかさ

しかし、この話に来て、はじめて「今までの話には男衆しかでてこなかった」
ことに気がつきました(^_^;)。
そして、女性の存在がいかに舞台に華をもたらすか、ということも
はからずも よくわかったようなきがしました(^_^;)

・内蔵助の家族
次男坊の子は、大きくなったら、さぞいい父親の補佐役に
なれたんじゃないかと思うくらいのいい子に感じましたが
その後、どうなったんでしょうねぇ。

確か、三男坊は、後年、名誉回復で仕官もかなったものの、
父親のイメージに押しつぶされて、ヤサグレた(^_^;)というのを
沢村ふじ子さんの小説だったかで 読みました。

その小説は内蔵助の奥さんを主人公にしたお話だったと思いますが
それを読んでから、内蔵助という人の統制力・計画力・実行力など
すごい人だったとは思うものの、家族への態度を思うとどうにも
人間としてどうよ、それは。と思ってしまうことが。

今回もお芝居観てて、「内蔵助さん!これだけ、旦那に理解のある
奥さんなのに、その態度はつれなかろうよ!!」と思ってしまいました(^_^;)

・最後のセリフ?
新聞の評なんかを見ると、今回の上演は、原作に忠実にして、
いつも上演時に言うお決まりのせりふを言わずに終わる
というのをよく見かけるのですが、この「お決まりのせりふ」って
なんなんでしょう?気になります。
もし、ご存知の方、いらしたら、ぜひ、教えてくださいませ。

・「先に行くぞ」「やがて行くぞ」
虫の息の徳兵衛さんと内蔵助が交わす言葉です。
男の友情ってやつですねぇ♪
しかし、最後の徳兵衛さんの言葉
「道草を喰うな 内蔵助」
これは見事に無視されたってことですかねぇ(^_^;)

・一ヶ月。
最初の刃傷のあった日が3月14日
江戸から第一・第二の使者が到着したのが3月19日
城あけわたしが4月19日
これだけのドラマが一ヶ月の間に展開されたというのが
長いような気もするし、短いような気もします。

当事者たちにとっては、やはり短い一ヶ月だったんでしょうねぇ。


◆花道度:低
ラストに内蔵助のひっこみがありますが、いいところは3階からでも十分
見えます。やっぱり国立ってありがたい♪

【1】江戸城の刃傷 へ

【2】第二の使者 へ

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