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のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

2007年11月:歌舞伎座 夜の部

2007-11-17 02:06:11 | 書いたぞ: 感想書きました~
吉例顔見世大歌舞伎 夜の部
※11/17:指摘部分の修正と こっそり修正(^_^;)と ちょこっと補足追記
※11/18:三人吉三の和尚の出のところに補足


仕事の都合で「宮島のだんまり」と「九段目」をあきらめて、
でも「土蜘蛛」「土蜘」の前の休憩時間には余裕で間に合って、
舞台写真を漁れる予定だったんですが・・・結局、「土蜘蛛」「土蜘」の開演にも遅刻(/_;)。
舞台写真も店じまいしてました・・・(T_T)


観劇日:2007/11/15(木) 16:40~21:14 ※18:40ころから観劇
劇場:歌舞伎座
観劇位置:3階正面後方

■タイムテーブル:
1:宮島のだんまり(約25分)
(休憩:15分)
2:仮名手本忠臣蔵(約95分)
(休憩:30分)
3:土蜘(約80分)
(休憩:10分)
4:三人吉三巴白浪(約25分)
※終演:21:14


1:宮島のだんまり

◆配役

傾城浮舟太夫

実は盗賊袈裟太郎
福助さん
大江広元歌昇さん
畠山庄司重忠錦之助さん
白拍子祗王高麗蔵さん
相模五郎松江さん
浪越采女之助亀寿さん
息女照姫芝のぶさん
御守殿おたき歌江さん
河津三郎桂三さん
浅野弾正彌十郎さん
悪七兵衛景清團蔵さん
典侍の局萬次郎さん
平相国清盛歌六さん
 
※未見なんで感想はパス。

でも・・・今月、團蔵さん、ここだけ~っ(/_;)
土蜘の四天王とかに出てきてくれるかと思ってたんですが・・・
あぁ観たかった・・・_| ̄|○



2:仮名手本忠臣蔵:九段目 山科閑居

◆配役
戸無瀬芝翫さん
大星由良之助吉右衛門さん
大星力弥染五郎さん
小浪菊之助さん
お石魁春さん
加古川本蔵幸四郎さん
 
※未見なんで感想はパス。


3:新古演劇十種の内 土蜘
◆配役

僧:智籌実は

土蜘の精
菊五郎さん
源頼光富十郎さん
平井保昌左團次さん
番卒太郎仁左衛門さん
番卒藤内東 蔵さん
番卒次郎梅 玉さん
巫子榊芝 雀さん
侍女胡蝶菊之助さん
渡辺源氏綱権十郎さん
坂田公時亀 蔵さん
碓井貞光亀三郎さん
ト部季武市 蔵さん
太刀持音若鷹之資さん
石神玉太郎さん
 
※前半の胡蝶の舞の途中から

◆演目について
松羽目モノです。
昨年のNHKの古典芸能鑑賞教室で、やはり菊五郎さんの「土蜘蛛」「土蜘」がかかったのですが
私、チケット買って観そこねてるんですよね、これ。
で、今日、観て「観に行くべきだったな~」とちょっと後悔しました(^_^;)


◆のたりの眼
今日は、遅刻したのと、それであせっていたのとで、めずらしく、イヤホンガイドもなく
今月のチラシも手元にない状態で観劇でした。

【役者さん】
・菊五郎さん
声がいい! 低く深い、しっとりと響く声だなぁ。
源頼光との対決シーンでは、勧進帳の富樫と弁慶の激突寸前の所を
思い出しちゃったのは、似たようなお囃子のせいか、松羽目のせいか、
それとも、やはりそれだけ、気迫に満ちていたということなのかな~。

対決シーンで 数珠を勢いよく投げ飛ばすところがあるのですが、
一歩間違うと囃し方の笛の人に当たってしまいそうな勢いでした(^_^;)。
もっとも、笛の方は、吹くのに全力を尽くされているようでしたので、
飛んできても気がつかないかもしれませんが(^_^;)

頼光との対決に、いったんは退却する僧:智籌が、花道に向かうときに
袂をチョウチョか鳥の羽のように広げた形で行くのが、なんとなく
かわいらしかった~

蜘蛛になってからの下の衣装が面白かったです。
赤地に金のジグザグ?がはいっているところに、さらに
こげ茶と金の渦巻きが散らしてあります。
着物もこげ茶の地に刺繍が蜘蛛の巣と紅葉・銀杏の葉。
うーん、季節は秋か~。


・富十郎さんと鷹之資君
鷹之資君の長袴をズリズリとひきずって歩く後ろ姿が、とてもかわいらしかった♪
掛け声は お名前でかかってました。「豆天王寺!」とかかかるnのかと思ったんですが・・・
ちょっと言いにくいというか、字余りかな「豆天王寺」って(^_^;)
→鷹之資君には「若天王」とかかるようです。なるほど!
(掛け声に詳しいyukiさんのHP「ご機嫌!歌舞伎ライフ」に出てました。)


富十郎さんは、座っている時間が長いですが、対決シーンになると、
キビキビとした動きで対決が盛り上がります。さすが~。

・左團次さん
その登場に、「うーん、豪華配役~♪」と思いました。
まぁ、これはこの後、何度も思うことになるんですけど(^_^;)

最初の頼光への物語は、座ったままの語りなんですが、動きに迫力が感じられました。
後半の蜘蛛との対決シーンでは、緑地に金の入った袴に、上は黒地に金 と派手な
衣装にザンバラ髪だったんですが、これがまた、かっこいい~♪
あぁやっぱり写真買いに行こ。

・番卒トリオ+巫子榊
これまたご馳走♪ご馳走♪
最初、番卒は仁左さんと梅玉さんだけだったのですが、どうやら、花道から
だれかが登場する気配。
梅玉さんの呼び声に応えた声で、「やった!東蔵さんだ♪」とうれしくなりました。
ところが出てきたら、「京屋!」と掛け声がかかったもんだから、
「あれ?もう1人いるの?? 京屋ってことは・・・芝雀さんか!」
イヤホンもなく、配役もほぼわからない状態で観劇に望む楽しみを味わいました♪
昔に比べたら、役者さんとか屋号とか、大分アタマに入ってきたみたいです♪
(まだまだですが(^_^;)

・石神
なんか出てきた~(^_^;)  というのが、見た瞬間の感想。
番卒トリオ+巫子榊がそろったところで、ナニやらお面をかぶった
小さな子が舞台に出てきました。
「・・・千之助くん??」と思ったんですが、お面を取ったところでかかった声で
わかりました。
東蔵さんとこのお孫さんの玉太郎君でした♪
まだ 足がかわいいですね~。

しかし、これが、なかなか声もハキハキとしていて、なかなか上手い。
おじいちゃん仕込でしょうか?将来有望株だな~♪

その東蔵さんは、他の番卒のお2人と同じ動きをすると、とても感じたのですが、
とても動きがなめらか・やわらかなんです。
何が違うんだろう?と思ってアレコレ考えてみたんですが、うーん、手かな~?
東蔵さん、指先の動きがとてもしなやかなんですよね~

この間狂言だけでも「遅刻しても来たかいがあったなぁ♪」と思うような
満足感をもらっちゃいました♪

・四天王
対決モードになって引っ込んだ左團次さんの保昌が、派手だけどかっこいい
衣装とザンバラ髪で花道から再登場する時、私の席からは見えなかったのですが、
声から保昌のほかに四天王がいることに気がつきました。

これが、みなさん、いい声してるんだわ♪
でも、声だけですぐわかったのは、権十郎さんだけ。
あとはみんな 「どっかで聞いた、誰だっけ~<(ーー;)」
だったんですが、本舞台に来て判明。
亀蔵さん(赤っ面)、権十郎さん亀三郎さん♪ 市蔵さん
でした。どおりで、いい声(^_^;)。

ちなみに、四天王のみなさん、左團次さんの保昌と同じく、ざんばら髪です。
衣装は左團次さんよりシンプルですが(^_^;)

そして、やはり亀三郎さんがず抜けていいお声ですね~。うーん、耳福♪
立ち廻りもかっこよかったし・・・やっぱり舞台写真が欲しい~っ!

そうそう四天王といえば、舞台の最後、決まるところがあるのですが、
そこでみなさん、か~な~り、大きく前後に足を開いています。
・・・バランス崩してコケたり、立ち上がれなくなったりする方は
いないんでしょうかねぇ(^_^;)

・後見さん
音羽屋さんだし、菊市郎さんいないかな~と思いましたが、
後半、出て来た後見さんは菊十郎さん音吉さん
やはり親父様だし、ベテランの後見さんなのかな~。

でも、ほんと、投げた糸の回収とフォローに、無駄なくすばやく
駆け回るお姿は、ベテランのワザのなせるものなんだろうなぁと思いました。

【その他】
・糸はウケがいい
近くの席で外人さんがたくさん観劇されてたんですが、やはり「糸」が飛ぶと
外人さん沸きますね~
他の部分も、一生懸命観ている方もいたと思いますが、ちょっと
飽きてきた方もいたようで(^_^;)

まぁ観てるだけでも華やかで面白いと思いますが、
これは、話はすんなり理解するのは難しいかもなぁ(^_^;)
(実は私もあんまり理解してません(^_^;)

・捕り手さんのストライプ
下の衣装がエンジのストライプなんですが、これが、足を開いても、
閉じてても、ちゃんと横の線がつながって見えます。
これって、やっぱり、ちゃんと考えてつくられているのかな~

・蜘蛛のもってる棒
なんか布かなにかを巻きつけてあるのでしょうか?
のっぺりした棒だと思ったら、細かい模様が見えました。

・華やか
出てる人が豪華なせいもありますし、蜘蛛の糸飛ばすなんていう
パフォーマンスがあるのもひとつあると思うのですが、やはり華やか。
こいうのは、見てて気持ちがいいですねぇ♪

■花道度:高
途中からでしたから、菊之助さんの出はどうだったのかわかりませんが、
引っ込みは花道ではありませんでした。

菊五郎さんは、出入りはスッポンからかな?出てきた時、あんまり揚幕の鈴の音が
聞こえなかったですし、基本、モノノケですし。
ほんと、いつ出てきたのかわからず、七三にいる菊五郎さん見つけたとき
「おぉ、いつの間に!」と思いましたから。
↑前ジテの僧の時は揚幕からだったそうです。
鈴の音を鳴らさずに出てくるのが決まりなんだそうです。
(コメントで教えていただきました!ありがとうございます!)
モノノケだけど人の姿してるからスッポンじゃないのかな?


左團次さんのかっこいい引っ込みと 四天王と捕り手を引き連れての出は
間近でみたいみたいなぁ。

立ち廻りの最中も七三あたりまでくるところがあります。



4:三人吉三巴白浪:大川端庚申塚の場

◆配役
お嬢吉三孝太郎さん
和尚吉三松 緑さん
夜鷹おとせ宗之助さん
お坊吉三染五郎さん


◆のたりの目
なぜ、今、この時期に、『節分の』大川端なんでしょう・・・(^_^;)

しかし・・・うーん、それぞれの役者さんは、苦手な役者さんでは
ないんですが、どうも3人のなんともいえない不協和音が。
なんでだろう? 難しいもんだなぁ。

組み合わせの問題なのかなぁ。
年齢的には、わりと釣り合い取れているのかなーと思うんですが。
そうですねぇ、例えば・・・
A:お嬢とお坊の配役をチェンジ
 →染五郎さんの女形も 孝太郎さんの立ち役も、結構いけるから、
  意外といけるかも。
B:坊主和尚とお坊の配役をチェンジ
 →・・・うーん、どうだろう・・・(ーー;)
C:お嬢と坊主和尚・・・は、ありえんか(^_^;)

うーん、それぞれが不協和音でなさそうなメンツというと・・・
松緑さんが坊主和尚なら海老蔵さんと菊之助さんが相性はベストだろうし、
組み合わせとしては、染五郎さんの坊主和尚に中村屋兄弟のお坊とお嬢もありかと。
孝太郎さんのお嬢なら愛之助さんと薪車さんとか。亀鶴さんもありだな~。

とか、なんか色々考えてみてしまいました(^_^;)

染五郎さんはちょっと、声がきてたかな~。
あ、お坊が、駕籠を出るとき、なんか駕籠が「ミシっ」と音たてたぞ・・・(^_^;)

あれ?坊主和尚吉三って、花道からだったっけ?
なんか奥の門の中から出てくるイメージがあったんだけど・・・気のせいかな(^_^;)
↑気のせいでした(^_^;)。いつも花道からだそうです。
(感想を読んだ方から、教えていただきました!ありがとうございます~m(__)m)

◆花道度:小
最初のおとせとお嬢の出会いが七三。でも、会話を聞いてるだけでも
わかりますしね、ここは。
ちなみに、和尚も花道から出てきます。
こないのはお坊くらいですね(^_^;)
コメント (8)
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2007年10月:国立劇場 10月歌舞伎公演

2007-11-02 00:58:26 | 書いたぞ: 感想書きました~
千穐楽の観劇だったとはいえ、翌月になってしまうとは・・・_| ̄|○
でも、一応書き上げたんで、アップしておきます。

観劇日:2007/10/27(土) 11:30~15:45
劇場:国立劇場
観劇位置:3階最後列中央付近

1:平家女護島-俊寛-(2幕)
 第一幕 六波羅清盛館の場(約30分)
 第二幕 鬼界ケ島の場(約70分)
 ※1・2幕の間に休憩なし
 
◆配役
第一幕
平相国入道清盛彦三郎さん
俊寛妻:東屋高麗蔵さん
三位中将重衡宗之助さん
能登守教経松江さん
第二幕
俊寛僧都幸四郎さん
瀬尾太郎兼康段四郎さん
丹波少将成経染五郎さん
海女千鳥芝 雀さん
丹左衛門尉基康梅 玉さん



◆演目について
今回はいつもの「鬼界ケ島」の前に「六波羅清盛館」がつくのがミソ。
この「六波羅清盛館」は、原作では、初段のキリに当たる部分。
この間に2段目の前半として、教経が使者に立つ瀬尾と丹左衛門尉に
俊寛の赦免状を託す場面が入り、いつもの「鬼界ケ島」になるようです。

東屋がどんな人なのか、とても興味のあった私にとっては 今回は
全くもってうれしい限りの構成です。

◆のたりの眼
すみません、二幕目は8割方、寝とぼけてました・・・_| ̄|○

【役者さん/お役】
高麗蔵さん/東屋
全然、チラシを見てなかったので、劇場行くまで
誰が東屋やるか、知らなかったんです。
俊寛の老けっぷりからいって、東蔵さんあたりかな~と
思ってたんですが、この配役を知って大喜び♪
みたい人をご贔屓の役者さんがやってくれるとは♪

まぁ、東蔵さんをイメージしてたので、ちょっと俊寛に対して、
若い感じもしましたが。

でも、もともと若いのかな?
出のところで

♪三十路あまりの乱れ髪 

なんて唄われてたし。
(というか、実は俊寛が、結構若い?)

しかし、高麗蔵さん、きれいでしたーっ♪
白じゃない、うっすら緑の白っぽい色
(なんていうんでしょうね、ああいう色。)
の衣装に、帯は錦?金色です。

舞台写真あったら、絶対買うなぁ。これは。


東屋さん自体は、思ってたよりプライド高い人でした。
武家の出なんでしょうか?
ところで、坊さんなのに、奥さんいていいのかな、俊寛。
しかも
「羽根あらば空を飛び、夫とともに」
なんて、言葉をいわせるくらいだし、かなりラブラブですよねぇ。

歌江さん・鐡之助さん/松の局・梅の局
うーん、貫禄のお局陣(^_^;)。
歌江さんはやっぱり座るのちょっと大変そうです。
座らない演出にはできなかったのかなぁ。
ちなみに歌江さんは前回の「清盛館」(平成7年国立劇場)も
参加されてたそうです。

宗之助さん/重衡
おぉ、また立役。多いですね、最近。
女形を感じさせないので違和感ないんですが。

松江さん/教経
歌江さんと並んで、前回の「清盛館」(平成7年国立劇場)の経験者です。
といっても、記憶は監修の歌右衛門さんの視線が主なようですが(^_^;)

教経は東屋を自害させる張本人なんですが、
「言っとくけど、東屋は入道の言葉を立てるために自害したわけじゃ
(多分)ないんだぞーっ」
といいたくなりました。

ちなみに、ご赦免状に点を加えてニ→三に書き換えて
俊寛のご赦免状を書いたのは、この人らしいです。

錦弥さん/越中次郎兵衛盛次
という立派な役名があるお役だったんですね。
そういや、格好も立派だったしな~。
そう、ここでかっこいい錦弥さんをチェックしていたから
次の「うぐいす塚」でそのギャップに・・・(^_^;)

幸四郎さん/俊寛
うーん、やっぱり最後は圧巻。
俊寛って、色んな方が演じていて、比較好きの私には
うれしい人物なんですが、誰がやっても、その人なりの俊寛があって、
見ていても、前にみた誰がよかった というのが
あんまり、出てこないんですよね。
それぞれの印象が独立している とでもいいましょうか。

で、最後はやっぱり、どの人の場合も圧巻なんですよね~。
演じる人の数だけ、俊寛があるなぁと思います。

芝雀さん/千鳥
俊寛VS瀬尾の間に入ってクワを手に反撃しようとするところが
とてもかわいい♪
しかし、芝雀さんの千鳥は何回か観たことあるな~と思ってたんですが、
筋書きのコメントによると、幸四郎さん相手の千鳥は初めてだそうです。
ちょっと意外でした。(^_^;)

段四郎さん/瀬尾
私の中では、左團次さんと並ぶ瀬尾役者2大巨頭です♪
あ、瀬尾の部下に延郎さん発見♪

梅玉さん/丹左衛門尉
うーん、やっぱり梅玉さん、こういうお役が
とてもしっくり来ます。ただよう雰囲気ですかねぇ。
まさしく天下一品!

そういえば、丹左衛門尉って、もっと早く出てきてあげればいいのに
イケズ~」と思ったりしたんですが、梅玉さんか筋書きのコメントに
そのことを取りあえげてました。
「俊寛が嘆き悲しんでいるところに出ていく、そこがお芝居。」
なんだそうです。まぁ、そういわれれば、確かにそうですねぇ。

・振り付け
最初の清盛館の場面で、腰元さんたちが舞う場面があります。
振り鈴をもったきれいな踊りでしたが、この振り付けをしたのは
松本錦升は染五郎さんだそうです。

・「慈悲も情けもみどもは知らぬ」
私が「俊寛」の中で気に入ってるセリフのひとつです。
左衛門尉のオウム返しの時もスカっとして、聞いてて
きもちよくなるんですが、最初の瀬尾の憎憎しさ120%の言い方も、
なんか好きなんですよね~

・花道の波
最後、俊寛が「おぉ~いっ」と花道を行こうとすると、波が出てきて、
俊寛を本舞台に押し返します。
この波、波布を本舞台の方から糸かなんかで引っ張っているのかと思ったら、
波布を巻いた板のようなものを揚幕の方から押し出しいるのかな?

国立は花道がずいぶん手前から、わりとよく見えるので、今回、初めて
そう思えるくらい、この波がはっきり見えたので、初めてそんなことに
注意が行きました。
いいなぁ 花道が見えるって♪

・大向こうさん
たくさん、いらしたんだと思います。
色んな方の声が輪唱状態になったりしてましたから(^_^;)。
千穐楽だし、他の劇場は終わっちゃってたからかな~。

あ、一度、全員の掛け声が、ピタリときれいにそろったところがあって
(たしか2幕目の最後のとこの「高麗屋!」)
「おぉ、すごい!」と思いました。(^_^)


◆花道度:高
東屋の出 くらいです。
国立だからどこでも見やすいんですが、
高麗蔵さんの出がとてもきれいだったので♪



2:昔語黄鳥墳-うぐいす塚- (3幕6場)
◆配役
淀与三右衛門幸四郎さん
佐々木源之助
大仁坊
染五郎さん
腰元:幾代芝雀さん
左衛門妻:玉木東蔵さん
長者左衛門梅玉さん
左衛門娘:梅ヶ枝宗之助さん
医者:丈庵幸右衛門さん
乞食:善之助錦弥さん


◆演目について
大阪の長柄というところに今も残る「鶯塚」の縁起として書かれた
仇討ちモノです。
十二代目の仁左衛門さんの得意の出し物として明治大正の頃には
何度もかかっていたようですが、昭和に入ってからは小芝居での
上演が主になり、それも昭和30年代で途絶えてしまっていたお芝居だそうです。

宗十郎さんとこのお家芸「高賀十種」に入っているそうですが、
筋書きの鐡之助さんのコメントによれば、9代目の宗十郎さんは
鼓・太鼓が出来ないのでおやりにならなかったそうです。(^_^;)


◆のたりの目
【役者さん/お役】
芝雀さん/腰元:幾代
普通なら、芝雀さんの方がお嬢様の梅ヶ枝で、腰元にはベテランの役者さんが
なりそうですが、今回は芝雀さんが腰元になったところが面白かったです。
芝雀さんの、この手のお役も似合いますね~♪

宗之助さん/梅ヶ枝
今度は女形です♪うーんやっぱり宗之助さんのお声って、他の女形さんと
ちょっとちがう、独特な感じがします。高いのかな?
きれいな声ですよね~。

恋の病で寝付いたときのピンクっぽい紫の衣装が艶っぽくて似合ってました♪
あと、この場面で、腰元の幾代にあれこれ聞かれて恥ずかしがるときの
袂のつかみ具合がとてもかわいらしかったです。

梅ヶ枝は、初夜も迎えず、源之助に逃げられ?ちゃう可哀相な人ですが
(これは源之助の方がヒドイ奴だと私は思いますが)
でも、いくらかわいがっていたといっても、鶯に旦那を守るよう頼むのは
ちょっと無理が・・・(^_^;)

ちなみに、原作だと、この梅ヶ枝、殺されたままで鶯による奇跡の復活は
なさそうな感じです。なんて不憫な(/_;)

東蔵さん/玉木
うわー ケバいなぁ~(^_^;)
と思ったら、今回はそういう役どころなんですね。
あーびっくりした(^_^;)。

しかし、東蔵さん、衣装がネズミ色で地味でも、
眼だけで、すごく艶っぽい~♪ さすが~♪

最後は、大仁坊との不倫とお家のっとり構想が旦那に露見し、
自害してしまったそうですが、なんとなく自害しそうな肝っ玉の
持ち主には見えない気も・・・(^_^;)

梅玉さん/長者:左衛門
あら、梅玉さん、今回は2演目とも「左衛門」だったんですね(^_^;)
筋書きのコメントによれば、狙っているらしいです源之助役(^_^;)
なんかその気持ちも分かる気はしますね~。
梅玉さんの源之助。結構、いい感じが予想されますもん。

ちなみにこのお役、なにげにお召しかえの回数が多いような気がするのは
気のせいでしょうか(^_^;)?

幸四郎さん/淀与三右衛門
あ、そーか。幸四郎さんの役どころは、いい人だったんですね(^_^;)。
私、筋書き読んでなかったんで、てっきり、この人が源之助の仇だと
思ってました(^_^;)

染五郎さん/源之助・大仁坊
なんか「染五郎さん オン ステージ」という感じがしたのは、
私だけでしょうか?(^_^;)
まぁ、この復活上演は染五郎さんの起案で実現したものですから、
当然の権利であるのかもしれないし、責任もってお芝居を盛り上げてる
ということなのかもしれないんですけど。(^_^;)

あ、謡・鳴物の腕前は、「お見事!」でした。

↑これと並ぶもうひとつの目玉「早替わり」は、すみません、澤瀉屋さんの
早替わりを見慣れている眼には、吹替えさんの多用が眼につきました。(^_^;)
あと「お染久松」のような、瞬時の早替わりかと期待してたんで、ちょっと
物足りない感じがしました。
でも、もう一方のお役を微塵も感じさせない代わりっぷりは鮮やかだったと思います。

あ、吹替えさんはマスクかぶってたのかな? うめき声がちょっと
こもった声になっていました。

幸右衛門さん/丈庵
声量といい、セリフの入り具合といい、あの歩き方といい、
どうしちゃったんですか幸右衛門さん!
体調、大丈夫でしょうか?なんか心配です。

錦弥さん/乞食:善之助
うーん、「どんだけコール」と来たか~(^_^;)
「俊寛」でのりりしさはどこへやら(/_;) とご贔屓としては
複雑なところでもある、個性的な乞食役でした(^_^;)

紫若さん、段之さん/腰元おぶん・おみき
お2人とも他の腰元さんよりちょっと年上の感じで
脂の乗った女っぷりです♪
これがまた、お茶目なんだから、もう(^_^;)

梅之さん/腰元:胡蝶
いつもご自身のブログで色々と舞台に関するお話をしてくださる
梅之さんを今回はチェック。
梅之さんの女形は、以前、歌舞伎フォーラムで見てますが、
今回、私のココロにひっかかったの声。
味のあるお声ですね。年増の役をやるくらいになったら、
いい味が出そうな予感がして楽しみです♪

【その他】
・鐡之助さんの梅ヶ枝
今月は「俊寛」の方のみの参加の鐡之助さんは、
この「うぐいす塚」が、以前小芝居で上演されたときに
梅ヶ枝で出てるという経験をお持ちだそうです。

筋書きにその時のことを書いたコメントが出ているのですが
きれいな拵えなのでうれしくてうれしくて。」とあるのに
その時の鐡之助さんの気持ちが目に浮かぶようで、とても、微笑ましく
思ってしまいました。

今回も梅ヶ枝はとてもきれいな衣装が多いですよね~
とはいえ、まさかメッタ切りにされちゃうとは思いませんでしたが(^_^;)

・鶯、飛んだ
最初の場面の駕籠から出た鶯が飛び去る という仕掛けに
観客席からは笑いも出ていましたが(すみません、私も微笑ましく思いました(^_^;)
でも、駕籠の戸を開けてから、一瞬にして駕籠の中の鳥の姿を隠すしかけといい、
差し金ではなしに 空を飛ばすしかけといい、あれは、大道具さんの技ですよね~。
よく考えられた上手い工夫ですよね~。大道具さん、お見事!

あ、そういえば、乞食の源之助が、手ずからお嬢様に鶯を渡すのを
遠慮して、持っていたひしゃくにいれて差し出す場面があるんですが、
ひしゃくにすっぽりおさまった鶯ってのも、なんかかわいかったです♪

・お茶目なイヤホン♪
今回の解説は藤野さんだったんですが、幕間になかなかお茶目なことを言って
笑わせてくれました(^_^;)
ほかにも鶯関連の話なんかが豊富で面白かったです。
「鷹の爪」って名前のお茶があるとは、知らなかったな~(てっきり辛いほうかと(^_^;)

◆花道度:高
序幕での梅ヶ枝一行の出のほかは
婚礼の場面での幸四郎さん、染五郎さんの出、その後の染五郎さんの
二役のひっこみ、大詰めでの出
と、染五郎さんご贔屓の方にとっては特に「高」かと。
まぁ3階席からでもよく見えますけどね。

あ、婚礼の場面は長袴ズルズルでの出です。
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2007年10月:三越歌舞伎

2007-10-26 23:57:55 | 書いたぞ: 感想書きました~
しまった、千穐楽終わっちゃったよ(^_^;)
今さらですみません・・・

観劇日:2007/10/23(火) 15:30~18:30
劇場:三越劇場
観劇位置:2階B列中央

傾城反魂香(二幕)
序幕:近江国高嶋舘の場 (約40分)
<休憩10分>
同:館外竹薮の場 (約15分)
<休憩25分>
ニ幕目:土佐将監閑居の場 (約95分)


◆配役
浮世又平右近さん
又平の女房おとく笑三郎さん
狩野元信の弟子狩野雅楽之助段治郎さん
土佐将監寿猿さん
又平の弟弟子土佐修理之助弘太郎さん
六角家のお姫さん銀杏の前春猿さん
六角家の家老不破入道道犬猿弥さん
狩野四郎二郎元信笑也さん
不破入道の息子不破伴左衛門猿四郎さん
将監北の方延夫さん


◆演目について
近松先生が原作の本来は上中下の三段の物語です。
今回の上演部分は上の段のほんの一部。
ちなみに「竹藪の場」は猿之助さんが作ったものだそうです。

とてもうれしいことに、いつも気になる全体のお話の概要が、筋書きに出てました♪
それによれば、このお話、メインは

今回出てくる狩野元信さん、
土佐将監の娘である遊女:遠山、
同じく今回でてくる銀杏の前

との、ある意味、三角関係です。

これになぜか名古屋山三が絡んできたりします。
いや、あの阿国歌舞伎に出てくる山三さんとは違うとは思いますが(^_^;)

ちなみに狩野元信・土佐光信(将監さん)・土佐光起(又平さん)は、実在の絵師。
ただ、光起さんだけは、他の2人(室町時代よりグッと時代が後(江戸時代)の
人だそうです。

タイトルの「傾城」は今回は登場しない(というか登場した上演をみたことが
ありませんが(^_^;) 土佐将監の娘である遊女:遠山を指しているそうです。
「反魂香」は亡くなった人の魂を呼び戻すといわれているお香ですね。
まぁ、このことから予想がつくような気もしますが、全体は以下のような
話のながれになっているそうです。

まず、上の段では元信と遠山の出会いがあり、次に今回上演のあった
元信と銀杏の前の出会いというか因縁というかがあり、
今回の「吃又」の下りがあり、その後の銀杏の前を助け出す
又平の大活躍となるわけです。

中の段では、遠山と元信の出会いから4年後のお話になり、
元信を取り立てた名古屋山三と、今回も出てきた不和伴左衛門の
遊女:葛城をめぐっての対立と伴左衛門殺しと、
葛城の店の遣り手:みわになっていた遊女:遠山と元信の再会が
ありますが、元信は山三の取り計らいで銀杏の前との婚儀の話が進んでおり、
みわにとっては涙をのむ展開となります。

その後、みわが婚礼寸前の銀杏の前に、事情を話して
期間限定で嫁入りをゆずってもらう、という大胆な行動に出て、
みわと元信の幸せな生活・・・となりますが、じつはみわは
すでに亡くなっており、そのことを元信に知られたみわは
反魂香の煙にまぎれて消えてしまう
というお話になります。

下の段では、道犬は失脚し、土佐将監の勅勘も解け、
元信も出世し、銀杏の前が土佐将監の養女となり、
元信の下に嫁入りして大団円 となるそうです。

詳しいお話が↓こちらのページにも出てました。
み熊野ねっと 熊野の説話
http://www.mikumano.net/setsuwa/keisei.html
(別窓でひらきます)
中の段のところでみわと元信の熊野詣が出てくることに関連して
取り上げられているようです。

うーん、いつか通しを見てみたいなぁこの話も。
国立あたりで、どうでしょう?

しかし、「吃又」=「傾城反魂香」というイメージがありましたが、
又平のお話は、全くのサイドストーリーだったんですね(^_^;)

そういや、不破伴左衛門名古屋山三葛城って、どっかで聞いた
組み合わせだと思ったら、「鞘当」に出てくる面々ですね。
あれが出てくる「浮世柄比翼稲妻」は南北先生のお話ですが。
なんか面白いつながりですね~
あ、これも来月、歌舞伎座にでるな。


◆のたりの眼
かぜ薬飲んだせいか、朝から絶え間ない睡魔に襲われておりまして・・・
まぁ、個人的に見逃せないところはしっかり見ましたし、
なんとなくアタマにセリフとかは聞こえてたんですが、
場面がスキップしたところも大分ありました(^_^;)
そんな観劇での感想ですので、その点、あらかじめご了承をm(__)m

【役者さん/お役】
・虎
これを筆頭にこれをもってくるのは、どうよ とも思いましたが、(^_^;)
国立で上演の舞台だったら間違いなく賞をもらえる活躍ぶりでしたので、つい。

役者さんがふたりで獅子舞のような感じであやつる虎ですので、デカイです。
でも、これが、なんともカワイイ♪

何度も見得をきる見せ場があり、その見得の形もよく、さらにノリもいい(^_^;)
しっぽにもちゃんと動きのある、とてもナイスな虎でした♪
ついには2本足で立ちましたし!
「毛づくろいとか足なめたりする前に、早く元信の縄 切ってあげようよ(^_^;)」
と思ったりもしましたけど♪

笑也さんのブログ(市川笑也ひとりごと :http://blogs.yahoo.co.jp/ichi_emy)によると、
虎の中身は笑三さん猿若さん
ご苦労様です!

以下、大体、登場順に。
・欣弥さん/長谷部雲谷
元信のいわばライバルみたいな役どころです。
元信の書いた掛け軸の絵を見て
「雪がほろろと降る」→「ほろろとふる」→「滅ぶる」
→「これは呪詛の絵だ!」

というすばらしいこじつけ展開を繰り広げるのが、
いつも楽しませてくれる欣弥さんであったせいか、
思わず笑ってしまいました。(^_^;)

・笑也さん/元信
立ち役、多いですね~最近。
笑也さんのきれいな女形姿を拝めないのは残念な気もしますが、
立ち役だとこの手の白塗りのお役にやはり安定感を感じますね。

実はこのお話の主人公だと、今回初めて知れた元信さんですが、
しかし、元信さん、自分の肩を喰いちぎって(ワイルド!)、その血潮で書いた虎が
あれだけデカイ立派な虎になるわけですから、その出血量が心配な気もします。

あ、そうそう。できれば、出したものは責任を持って、元に戻しておいた方が
いい
かと(^_^;)

・春猿さん/銀杏の前
スミマセン、最初、いつ出てきたのか記憶が・・・<(ーー;)
気がついたら、笑子さんがいて、喜昇さんが出てきて
「さぁさぁさぁさぁ」と元信さんにつめよってました(^_^;)

うーん、なんとなく大きく見えてしまうのは、三越劇場の舞台の
広さのせいでしょうか??
それとも相手役が笑也さんだからでしょうか??

しかし、せっかく動きやすい腰元姿で逃げたというのに、
なぜ、竹藪の場では、あんな逃げにくい格好(赤姫姿)に・・・<(ーー;)

ちなみに銀杏の前さんは妾腹らしいです。だからなにって訳でもないのですが
筋書きの説明にわざわざ明記されてたもんで(^_^;)

・笑子さん・喜昇さん
ひそかにご贔屓のお2人。喜昇さんは出てくる時、声を聞いて
「あ、喜昇さんだ~♪」とわかったのが、うれしかったです♪

・猿弥さん/まぶしいひと いや違う 不破入道道犬
猿弥さん、まだ声はなんとか無事。という感じ。(^_^;)
なんとか千穐楽までもって欲しいところです。

しかし・・・心中お察ししますよ。なんせ突然、虎が、
それもあんなにデカイのが、それも家の中に、
突然あらわれたわけですから。わけわかりませんよねぇ(^_^;)

・段治郎さん/雅楽之助
うーん、やっぱり、いい形の脚してますね、段治郎さん♪
今回、舞台がせまいため、いつものように大立ち廻りとは
いきませんが、やはり立ち廻りの時の段治郎さんはイキイキと
して見えますね~(^_^;)

竹薮の場の後半は、なんか「小金吾討死」の態だな~(^_^;)
と思ってたら、イヤホンガイドでも、やっぱりあれを意識した場面と
いう説明がありました。
最後の組んだ棒の上に座って決まるやつ、あれ、「小金吾~」では
縄でやるやつですね。

二幕目では、「あんた、ハラ切れてるんでしょーっ!」
「そんなに動いちゃいか~ん!!」
と思ったりしましたが、まぁ、それはそれで、歌舞伎では
いつものことなんですけどね♪

・右近さん/又平
若い!
これまで、他の役者さんで観たことありますが、
私の中でイメージしてきた又平さんの中では、
ダントツで若いです。
というか、なんかお肌がツヤツヤです右近さん。
奥さんがしっかり健康管理してるのかな~ なんて思ったりして♪

しかし、そのせいか、どうも夫婦のシーンが、母と子のように
見えてしまって、ちょっと困りました(^_^;)

あと、将監にどもりながら必死に自分が加勢に行くと訴えるところで
「そりゃ、親も子もないかもしれないけど、妻があるでしょーにっ!」
と つっこみたくなったのは、私だけでしょうか・・・

「かか、抜けた~」というセリフの言い方は、息が抜けるような感じでした。
このセリフ、なんとなく
「かか、抜けたっ!!」と叫ぶようなセリフのイメージがあったんですけど、
私の記憶ちがいなのか、これが澤瀉屋さんの型なのか・・・??
あ。来月、歌舞伎座みたら、わかるかな。

この後、めでたく名前をもらった又平さんは
将監さんから刀と着物・裃をいただいてその場でお着替え
となるのですが、ここが裃のつけかた講座みたいで個人的には
見てて面白かったです。
中でも裃をつける又平さんの、喜びのターン が♪

・笑三郎さん/おとく
うーん、笑三郎さんも なんか大きく見えるなぁ(^_^;)

っていうかね、2人ともなんかまちがってるような気が。
名前がすべてじゃないでしょう。 といいたくなってしまいました。

手が二本、指も十本ありながら、なぜ、どもりには
生まれしゃさんしたぞいなぁぁぁぁ

・・・いいじゃないですか、どもりでも。
そんな悲壮にならないで・・・といいたくなってしまいましたが、
それはやはり今の時代だからなのでしょうか・・・

あと、手水鉢に絵を描き終え、放心した又平さんの手から筆をはなさせるのに、
又平さんの顔を覗き込む、その時の表情がいいなぁ うまいなぁ と思いました。

喜びに転じてからは、この夫婦、なんかかわいいですね~♪
最後は立派な歩き方講座~♪

でも、最初は声がなんかやたら大きく聞こえて、
「夫婦とも、なんか初めからちょっと力入ってる??」
と思ったんですが、終盤にくるとそんなのすっかり忘れてしまいました(^_^;)

劇場の大きさも関係あるのかな?

・延夫さん/将監のおくさん・寿猿さん/土佐将監
又平が着替えている間、ただ、手持ち無沙汰にだまっているんじゃなく、
夫婦で自然に会話しているのがなんかよかったです。
さすが澤瀉屋!
しかし、奥さん、ちょっと若い??

ところで将監さんのセリフに
節があるとどもらないという又平を「それぞ屈強」 というように
誉めるセリフがあるんですが、節があるとどもらないのが、なぜ屈強??

もひとつついでに気になったのは、将監さん、一体、ナニをしでかして、
天皇さんの怒りをかったんでしょうねぇ・・・ ということ。
完全通しだったらわかるのかな~

・猿四郎さん/不破伴左衛門
イヤホンガイド、エライっ!と思ったのは、猿四郎さんの説明に
「この役者さんが立師です」と紹介してくれたこと。

「立師は猿四郎」という紹介は、よくしてくれるのですが、
猿四郎さんの出番の時の紹介でそこに触れてくれたのは、
あんまり聞いたことがありません。

それに今回は段治郎さんと スピード感溢れる立ち廻りを繰り広げるお役だったから
きっと、このお芝居観た人は、「なるほど、さすが」と思ってくれたんじゃないかな~
なんて思って 1人でうれしくなってました♪

段治郎さんの立ち廻りのお相手は 猿弥さんのことが多いような気がしますが、
今回は猿弥さんは虎にかかりきりでしたからね♪

しかし、あの狭い舞台の中でも、見せ場しっかりなのは、猿四郎さんさすが♪

それから、もひとつうれしかったのは、
「やった相討ちだ!」
・・・って、私、段治郎さんのご贔屓でもあるのに、これはよろこんじゃ
いかんかな(^_^;)
どっちもご贔屓だと、こういう時は、複雑ですねぇ~


【その他】
・狭い!
二幕目の吃又ではそんなに感じませんが、序幕では、いかに三越劇場の舞台が
狭いかというところが、よくわかりました。
なんせ段治郎さんを中心に、捕り手が左右に3人づつ、計7人ならんだら、
舞台の端から端まで埋まってしまうんですから。

これって、今月の歌舞伎座、夜の部最後の「奴道成寺」に出てくる所化の半分くらいの
人数ですよね(^_^;)

・仕組みは??
序幕で、元信がふすまに書く虎の絵、二幕目の手水鉢を抜けて浮き出てくる自画像、
どういう仕組みで、書かれているんでしょう??
どちらも2階席から双眼鏡ごしに目を凝らして見たんですが、仕組みのヒントも
わかりませんでした。なんかあぶり出しを見ているような感じに
浮き出ていてくるんですよねぇ・・・うーん、その仕組みが知りたいなぁ。

・花道
舞台の脇に、壁にそうようについてる短い花道です。劇場のどの位置からでも
かなりよく見えます。

そして、今回2階からみてよくわかりましたが、花道とその先は、
ものすごいUピンコースです(^_^;)

・ツケ
なんでかな~ なんか響きがいまひとつな感じが。
あと、ちょっとタイミングも計りかねてる場面があった??

・筋書き
¥1500とちょっと高めですが、写真はどれも光の加減がきれいで
個人的には大喜び♪なお写真が多いです。
ただし、ツルツルの紙ではありません。

・イヤホンガイド
もう、千穐楽終わっちゃったんでいまさらいうのもなんですが、
会員カードが使えません。なんでも読み取り機械が電源がとれないので
仕えないとか(^_^;)
その代わり¥100引きにしてくれるんですが、やっぱりちょっと不便な感じが。

幕間には右近さんのインタビューや 笑三郎さんによる演目解説なんかがあります。
クイズもあるんですが、三択で答えが「虎」となるクイズで、
「そりゃ犬だろう」と平気で思ったくらい、この日の私のアタマは
寝不足でねじがぶっ飛んでいました(^_^;)

◆花道度:高かな?
まぁ、どの位置からでもかなりよく見えますし。
ちなみに、さすがに虎は花道にはきません(^_^;)

あと、最後の最後、又平さんとおとくさんのひっこみは、
幕外から観客席中央突破のひっこみになります。
幕外の引っ込みとしては、ちょっと面白かったです。
コメント (6)
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2007年10月:歌舞伎座 昼の部

2007-10-21 02:16:07 | 書いたぞ: 感想書きました~
今日から筋書きに写真が入ってました~♪

観劇日:2007/10/20(土) 11:00~15:35
会場:歌舞伎座
観劇位置:3階後方中央

1:赤い陣羽織

◆配役
お代官翫 雀さん
女房孝太郎さん
お代官の子分亀 鶴さん
お代官の奥方吉 弥さん
おやじ錦之助さん


◆演目について
木下順二先生のお話が原作。
まぁ、その原作も、木下先生が異国はスペインの作家:アラルコンさん
の書いた「三角帽子」というお話を日本に置き換えたものらしいんですが。(^_^;)
「三角帽子」というのはクラシックのCDのタイトルで見たことがありますね。

この「三角帽子」の方では、知事さんが三角帽子と緋色のラシャの外套を
来ているらしいんですが、それが日本に来て帽子が省略されて、赤い陣羽織に
なったそうです。(^_^;)
で、原作では、おやじとおかかは粉屋とその妻 となってるようです。


このお芝居を歌舞伎として上演したのは、昭和30年、歌舞伎座で
勘三郎さんのお代官に、後のは白鸚さんのおやじ、歌右衛門さんの女房という
顔合わせで上演されたのが最初のようです。


◆のたりの目
いや~、 大好きですわ、こういうお話♪
なんつっても、「見てて楽しい♪」「見終わって楽しい♪
なんとも ナイスなお話です♪
まぁ、ビジュアル的には、ゲジゲジ眉のおやじにお代官に
すっぴんに近いちかい女房に・・・ちょっと華に欠けるのかもしれませんけど(^_^;)。

今まで私が見た木下先生の話を原作にした歌舞伎のなかでは、個人的にはぴかイチです♪

【役者さん/お役】
・錦之助さん/おやじ
うーん、筋書きの写真を見てる限りだと、わりと似てるよ
お代官様の翫雀さんと(^_^;)
それに、これ、配役わからなかったり、錦之助さんをあまり知らない人がみたら、
なかなか錦之助さんに結びつかないかもな~(^_^;)
背中が丸まってるのが、錦之助さんと思わせないところかな~

女房を寝取られたと勘違いして、最初、お代官を包丁で刺して殺そうと
思ったものの思いとどまり、その代わり、おいてあったお代官の衣服と
例の赤い陣羽織を見つけて、お代官に化け、代わりにお代官の女房を寝取ってやろうと
思いつくという、実はかなり考えも廻り、なかなか大胆なことも考えたりする
このおやじ。ただ 人がいいだけでは、ないですね~。

で、そのお代官に化けるのに、なんせ百姓なんで、袴のはき方も刀の挿し方も
見よう見まねで無茶苦茶で、また笑わせてくれるんですが、
でも、これって、結構細かいというか、意外とリアルな点というか。
江戸時代につくられた話では、ないんだなぁ。と思ったところでした。

・孝太郎さん/女房
好きですわ~ こういう女房の孝太郎さん♪
かわいらしくて、でも強くて♪

「お代官さまぁ~(↑)」「お茶どーぞ~(↑)」
という最後の高く伸びる声の感じが また、孝太郎さんらしくていいな~♪

あと、この女房が、お代官さまを殺してしまったと思って庄屋の家へ急ぐ夜道で
そうと知らずおやじとすれ違ったときのお互いのリアクションが
この女房の口から語られるんですが、これが、また、目に浮かぶようで
面白いこと♪

ちなみに、この女房の決めセリフ?は
わしの心もしらんとーっ(>_<)
です(^_^;)

・翫雀さん/お代官
うーん、なんか安定感ありますな、翫雀さん(^_^;)

あら、でも、翫雀さんてば、なかなかしまった お足してるわ♪

ちなみに お代官さんの決めセリフ(?)は
縛り首じゃ~
です。(^_^;)

・吉弥さん/お代官の女房
いやぁ、吉弥さん いい仕事してます♪
こういう 旦那こらしめちゃう女房も、私、大好きですよ~♪
また、登場するときの音楽が、なんかインパクト(^_^;)。楽しいな~♪
廻りを固めるお女中衆もナイスです。
しかし、お代官の女房様って、あんなにお女中がつくもんなんですか(^_^;)?

それからこの奥さん、旦那のどこに惹かれたんでしょう?
まぁ、お見合いとかいうのかもしれませんけど、旦那にこういうお灸を据える
奥方ってのは、恋女房のことが多いですよねぇ♪

あ、そういえば、奥方からも「縛り首」が飛び出しました(^_^;)

・亀鶴さん/代官のこぶん
最初、なんか声がたかいのが耳について「・・・声がいつもと違う??」
と思ったけど、2回目に出てきたあたりからは、いつものいい声の亀鶴さんでした。

・松之助さん/庄屋様
ドスの効いた声の庄屋さんでした(^_^;)

・孫太郎/馬
なんとも愛嬌のある お馬さまです。
子供がまだできない夫婦にとっては、かわいい子供ですしね♪

しかし、見てると おやじの家の中では、ただ立ってるだけとはいえ、
始終、首をフルフルふったりしてますし、
おやじの唄やおかかの子守唄にちゃんと反応してリズムをとったり(^_^;)
してますから、あれはあれで、孫太郎の足をやってる役者さん、
結構、大変ですよねぇ。


ちなみに、最後、お代官さんの服と赤い陣羽織を着てお代官さんに化けた
おやじを追いかけようと、屋敷へむかって、みんなが引っ込むところで、
ひっこみ順は お代官、おかか、こぶん&庄屋さん、孫太郎
だったんですが、
出は、孫太郎(最後にでて、最初についてるし^_^;)、おかか、こぶん、
庄屋さんとお代官 の順でした(^_^;)

みんなが、ひーこら言いながら代官屋敷めざして走ってるよこを、
孫太郎が、涼しい顔して、追い抜いていったんでしょうかねぇ(^_^;)

【その他】
・配役
今回は、配役のバランスもすごくよかったと思います。
違和感も過不足もなく、楽しい思いをさせてもらえました♪

まぁ、もっと豪華な、それこそ、初演の時の役者さんを当代の役者さんに
置き換えたような配役でやるのもありかと思いますが、
(勘三郎さんが、飛ばしちゃうかなぁ。そうなるとなぁ・・・とちょっと
心配。<(ーー;)
個人的には、この配役で十二分に楽しませてもらって、とっても満足です♪
昼の部はこれだけでも、充分、元とれたした気分になっちゃいました♪

・音楽
最初と最後、それから要所要所で、下座ではない、なんかのどかな、
それでいて、なんか盛り上がってきて、なんか明るく、楽しくなってくる、
そんな音楽が流れます。
そうですね~、クロサワ監督の時代的映画に流れてそうな感じです。

始まりは なんかちょっと歌舞伎っぽくはないかな~
なんて思ったんですが、途中から、
なんかこのお芝居によく合う音楽だな~
と思うようになりました♪

・「おかか」、「おやじ」
なんか 夫婦間の呼び方にはめずらしい感じもしますけど、
でも、好きですね~こういう呼び方。なんか かわいらしさすら感じます♪

・定式幕なし
緞帳にはじまり、緞帳に終わります。

◆花道度:中
結構、出入りがあります。見えなくてもまぁ問題ないですが、
私の席からは見えなかったんですが、なんかみんな花道口のあたりでよろけてた
みたいなんですよね。
なんかあったのかな~ というのが個人的に気になってます(^_^;)



2:恋飛脚大和往来 封印切/新口村

◆配役
亀屋忠兵衛藤十郎さん
傾城梅川時 蔵さん
丹波屋八右衛門三津五郎さん
忠三郎女房竹三郎さん
槌屋治右衛門歌 六さん
井筒屋おえん秀太郎さん
孫右衛門我 當さん


◆演目について
近松先生の「冥途の飛脚」を、菅専助と若竹東工郎というお2人が改作したのが
この「恋飛脚大和往来」。
ちなみに「封印切」は玩辞楼十二曲のひとつだそうです。

近松先生の原作では、八っつぁんの立場が大分違うようです。
八っつぁんは 忠兵衛を心配して、忠兵衛が廓に来ても相手にされないようにして
足を遠のかせようと、わざと心証の悪いことを言ってたら、それをたまたま居合わせて
聞いちゃった忠兵衛が・・・という展開のようです。

この展開だと「これは忠兵衛が絶対バカだよなぁ」という感想になりそうですねぇ(^_^;)
歌舞伎だと、八っつぁんが悪者役を一手に引き受けてくれる感じですねぇ。

それから、筋書きによれば、「新口村」は原作だと雨の場面だったのを
江戸時代に8世仁左衛門さんが雪に変えたとか。
雨よりは、絵になりますよね~ 雪の方が。はだしが冷たそうですが。


◆のたりの目
「封印切」
食後にはきつい演目でした・・・最初の方は記憶が・・・
たしか裏の離れに場面転換したところまでは覚えているんですが、
ハッと気がついたら、いつのまにか店にもどってるし、
歌六さんいるわ、八っつぁんの出だわ・・・(^_^;)

「新口村」
食後じゃないんですけど、きつい演目でした(あれ?^_^;)
こちらは もう最初以外記憶が・・・(((((^_^;)
時蔵さん、きれいだったのになぁ・・・

【役者さん】
・藤十郎さん/忠兵衛
藤十郎の名前を襲名してから、初めての封印切・新口村の通し上演、
それも19年ぶりだそうです。
「そうだったかな~」と思ったんですが、上演記録みたら、
封印切だけは今年の正月に松竹座でやってるんですが、新口村も合わせて
というのは確かに19年ぶりのようです。

しかし、忠兵衛さん、早口~<(ーー;)
言ってることをアタマの中で理解するのが1歩遅れてしまう感じです(^_^;)

・時蔵さん/梅川
4回目の梅川だそうですが、上演記録をみると そのうち3回は藤十郎さんがお相手です。
まぁ、忠兵衛さんをできるというか、にチャレンジできる役者さん、
少なそうですからねぇ(^_^;)。

請け出されて見世を出るときの梅川のセリフ
「うれしいやら、悲しいやら」「ゆめのようでござんす」
ほんと、「ゆめ」は「ゆめ」でも「悪夢」ですよねぇ・・・・

・三津五郎さん/八っつぁん
三津五郎さん、初役だそうです。「近松心中物語」で忠兵衛を何度もされてるそうですが。

三津五郎さんの八っつぁんは、忠兵衛が堪えきれなくなって、店の2階から降りてきたところで
うわ、やっべぇ」という感じの顔をするところが、すごくいい感じでした。
火鉢を小判で叩いて忠兵衛さんを煽るところも、なかなかいい感じでした。

しかし、三津五郎さん、今月、1役しかやらない役者さんが多い中、1人3役、それも
どれもラクではないお役(^_^;)。大変だ~。

・秀太郎さん/おえんさん
忠兵衛さんのあの早口に、違和感なく対応できるのは、やはりこの人。
忠兵衛さんが最初に店を訪れたときの

おえんさん「はいはい、どなた?
忠兵衛「ハイ、ワタシ

というやり取りの ものすごい自然な感じ(^_^;)。さすがだなぁと思いました。

あと、八っつぁんが忠兵衛の悪口を言い連ねてるところで、
火鉢の淵に置いた手を パタン、パタン、とやっているところとか、
少しの仕草でも「さすが」と感じさせるところが色々ありました。

あと、筋書きのところで書いてありましたが、最後、忠兵衛を見送るところで、
「忠兵衛さん、どうしたんだろう、なんか声をかけたいなぁ」と思っている
おえんさんの感じがすごく出てました。

ついでに言ってしまうと、ここで拍子木が、なかなかひっこまない忠兵衛さんに
時間ですよ~、はよ ひっこんで~」と催促してるみたいでした(^_^;)

・歌六さん/治右衛門
舞台写真見てて、ハッと気がついたんですが、歌六さん、今月、これだけ???
なんて勿体ないっ!!

【その他】
・上演記録から
忠兵衛さんできそうな役者さんは少なそうと書きましたが、
やっぱり最近では、圧倒的に上演回数ヶ多いのは藤十郎さん。
ついで仁左さんといったところでしょうか。

でも、私、仁左さんが「封印切」の八っつぁんをやったのや
「新口村」の忠兵衛をやったのは観たことありますが、
「封印切」の忠兵衛さんは まだ見たことないですね~。

上演記録みると、最後の「封印切」の忠兵衛さんは 仁左衛門の名を
襲名したときみたようですね。うーん、仁左さんの忠兵衛も観てみたいですねぇ。
そーなると、だれが八っつぁんかな~?

◆花道度:中
最後のひっこみが、長いですし、最初のところで「梶原源太はわしかしらんてなぁ」
のセリフがありますし。

3:羽衣

◆配役
天女玉三郎さん
伯竜愛之助さん

◆のたりの目
・・・すみません、長唄のみなさん、お囃子のみなさん、玉さん、愛之助さん、
寝不足のわが身には、とても気持ちのいいBGMでした・・・

・舞台
なんか舞台が先月の「汐汲」に似てますね。
舞台全体が白っぽいし、さらに 愛之助さんも玉さんも衣装の色が薄いんで、
なんか舞台がとてもだだっぴろく感じました。(^_^;)

・愛之助さん/伯竜
漁師にしては立派かな~(^_^;)。
イヤホンガイドさんによると、海釣りなら網なんでしょうが、
能にならったってことで釣竿をもってるそうです。

◆花道度:高?
玉さんの天女は、出も引っ込みも多分、スッポンからだったと思うんですが、
みえなかったんですよね~。
ちなみに最後は、玉さんが花道に行き、その後、先に本舞台の愛之助さんが
セリで下がって退場した後、最後に玉さんがスッポンにひっこんでいった。
・・・んだと思います(^_^;)
コメント (2)
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2007年10月:歌舞伎座 夜の部

2007-10-05 02:05:21 | 書いたぞ: 感想書きました~
観劇日:2007/10/4(木) 16:30(18:20)~20:50
会場:歌舞伎座
観劇位置:3階正面後方


1:通し狂言 怪談 牡丹燈籠2幕15場
◆配役
伴蔵仁左衛門さん
三遊亭円朝
船頭
馬子:久蔵
三津五郎さん
萩原新三郎愛之助さん
お露七之助さん
女中:お竹
酌婦:お梅
壱太郎さん
お米吉之丞さん
お国吉 弥さん
飯島平左衛門竹三郎さん
宮野辺源次郎錦之助さん
お峰玉三郎さん


◆演目について
最近、なにかと話題の落語家 三遊亭円朝師匠の原作。
いつもの「牡丹燈籠」は河竹新七版なんだそうですが、
今回は文学座が初演した大西信行脚色・戌井市郎演出版(文学座版というそうです)。
なにが違うって、カランコロンのお露ちゃんのところよりも
幽霊のもってきた100両に転んで、
お露ちゃんたちを主の萩原様のところへ手引きをした
これぞ人間という欲深夫婦のお峰伴蔵夫婦にスポットを当てた構成になっている。
ということらしいです。

で、今回、1幕目に萩原様がお露ちゃんに連れて行かれてしまうまでを、
2幕目にその後のお峰伴蔵夫婦の末路を という2幕15場の構成になっています。

ちなみに玉さんと仁左さんは、1989年にこの文学座版で同じお峰伴蔵で共演
しているそうです。ただし、その時はお露と萩原様の二役だったとか。

聞いただけでも、かなりバタバタしそうな二役ですが、実際、玉さんは
朝日新聞のインタビュー
(http://www.asahi.com/culture/stage/kabuki/TKY200709280244.html)
で「お峰とお露は兼ねられない。無理がある」と
おっしゃってました(^_^;)

で、今回は お峰伴蔵それぞれ一役に専念で望む18年ぶりの再演です。

◆のたりの眼
で、私は、今回はちゃんとお仕事を全うしてから歌舞伎座に行くことにして
残念ながら、1幕目はあきらめました。

↑会社早退しなかった、このあたりが「最近、歌舞伎に手抜きになっているなぁ
と感じるところ(^_^;)。
最近、気力体力金力(特に3番目)に衰えが・・・<(ーー;)

まぁ、今回は
「『牡丹燈籠』は前にも1回観てるから、いいか」
という 思いがあったのも事実ですが、まさか、こんなめずらしい版の上演だとは・・・
我ながら 読みを誤る精度の高いことには 感心したくなります・・・_| ̄|○

それはさておき。
予定では2幕目は余裕で間に合うはずだったんですが、東京メトロの某線が
車両故障なんぞ起こしてくれて・・・(/_;)
それも発生時間が 17:34。会社の定時は17:30。

「行くなってことかい、おい<(ーー;)」

と、まじめに一瞬、行く気が衰えました。
まぁ、今となっては「行って良かった!」と思ってますが(^_^;)

で、慣れない迂回経路をたどった結果、ものすごいギリギリで間に合うかと
思ったんですが、劇場着いたらまんまと始まってた・・・_| ̄|○

それでも そんなこんなで「ようやく着いた。」「まぁ、間に合った。」
と暗い場内をそそくさと座席に向かったら・・・

私の席が空いてない

・・・まぁ、すぐ、どいてくださいましたけど。
・・・まぁ、詫びの一言もありませんでしたけど。
・・・まぁ、しばらく、座席が生暖かいのが気になりましたけど。

やっぱりあんまり気持ちのいいもんじゃないです。
自分の指定席を勝手に知らない人が占拠してる
ってのは。

まぁそんなわけで、
このブログを読んでる方で、空いてるからと指定席に移動したことがある方
座られてた方は、↑こんな風にあんまりいい気分ではないこともある
というのを、ちょっと記憶に留めておいていただけるとうれしいです。

というわけで、今回、2幕目のみの観劇になりました。
(のっけから余談が連続しまくりましたが、ここから元に戻ります。)

以下、ネタバレもありますので、これからご覧になるかたは、その点ご了承の上、
お読みくださいませ。



【役者さん/お役】
・玉さん/お峰
馬子の久蔵に鎌かけて、伴蔵の茶屋遊びの相手の女のことを聞き出すくだり、
うーん、玉さんボソボソモードが発動してます(^_^;)
面白いんですよね~たまさんのボソボソつぶやくようなセリフ♪

あぁ、やっぱり1幕目の幽霊との掛け合いも見たかったな~
おもしろかったんだろうなぁ・・・

ま、見れなかったものは仕方ないんで、歌舞伎チャンネルに期待するとして。

で、この久蔵との掛け合い、すごく面白いんですが、怖いんです
玉さん笑ってるんですけど、怖いんです(^_^;)

ちなみに玉さん、商家の女房ということで、眉がないです。
で、お化粧もいつもの花魁とかより肌色に近いので、
いつもより血色がよくて健康そうなんですけど、でも怖いんですよ笑顔が(ーー;)

いや、玉さんの笑顔が怖いわけではないんです。
なんでしょう、こう「みかけは白いんだけど中は真っ黒
というような感じが笑顔の向こうにチラチラ見えてる感じといいましょうか。

そんな雰囲気を、地でなくて、舞台の上につくり出せてしまう玉さんて、
やっぱりすごいです。
あと、伴蔵に出てけといわれて キレて全部ぶちまけるところや、
昔の伴蔵の言質を再現するあたりも、普段の玉さんではなかなか見られないところで
面白かったです。
あ、昔の伴蔵の再現、上手かった~♪

ところでこのお峰さんという人。
人間なにが幸せでなにが不幸せなのか、わかんないね
とつぶやく、このセリフに、この人の人生が詰め込まれているような気がしました。

お峰さんは 最後は伴蔵に殺されちゃいます。
それも「幽霊に取り付かれた伴蔵が間違って」とかではなく、
過去がばれるのをおそれての口封じ」と
伴蔵に明確に殺意を持たれて殺されるんです。

一方、お峰さんの方は、最後まで
伴蔵が自分を殺すのは口封じよりも
自分を殺して、茶屋の若い女とやりなおしたいからだ

と嫉妬に凝り固まっています。

なんか、このお峰と伴蔵の気持ちのすれ違いは、ものすごくやりきれない感じがします。
ただまぁ、やはり伴蔵は地の底までお峰と一緒に堕ちるべき かと。うん。

ただ・・・個人的には玉さんのお峰さんは、嫉妬深さがちょっと弱いのかな
と感じました。
うーん、なんていうか、玉さん、嫉妬に燃えてもきれいなんですよね。
見た目もそうですが、人間性が。だからかな。

嫉妬深さってのは、見た目もなりふりかまわないところはありますし、
なんといっても人間的に醜くなる、そこにあると個人的には思うんです

玉さん、久蔵から話を聞きだした直後あたりや、夜中に大声で今までの伴蔵の
所業を言い立てようとするあたりは、そのへん、結構感じられたんですが
この最後の場面とかは なんとなく、嫉妬からくる言葉が玉さんのきれいさの
上を軽くすべっちゃってるような感じがしました。

・吉弥さん/お国
うーん、やっぱりきれいだな~吉弥さん。
でも、声はわりと太いかも(^_^;)

お国 という人は、なんというか、ゴーイングマイウェイな人です。
源次郎がお国を囲っていた平左衛門を殺したときの傷で立てなくなって
乞食同様の今の身の上を嘆いているのを、「この状況なればこそ、源次郎さんは
自分だけのものだ」と喜ぶお国は、ある意味、とても前向きな考えの人かと。
まぁ、これ聞いて「女は怖い」とつぶやく源次郎の気持ちもわかりますけど(^_^;)
まぁ、男もここまで好かれたとなれば、女に最後までついていくか、
相討ちまたは逆ギレ覚悟で女を切り捨てるか
 どちらかでしょうねぇ。


・久蔵・円朝・船頭
円朝師匠をやるのは知っていましたが、3役もやってたとは知りませんでした(^_^;)
船頭は、1幕目だったようで、見てません。

円朝師匠は、なんとなく明治の雰囲気が漂ってました。

久蔵は、面白かった~♪
この役はたしか儲け役なんですよね。たしか、以前勘三郎さんがやってたことが
あったような・・・
私、三津五郎さんのお茶目さが結構好きです♪

あ、でも、1点。
髪がきれいにそろいすぎてませんか?馬子のわりには。(^_^;)


【その他】
・アダルト度
まぁ、わりと高いかと(^_^;)

・切り捨てるもの
「演目について」で ひいた朝日新聞のインタビューの中で
玉さんは
「最初は女の方が怖がらない。男は怖がりながらも金や名誉にしばられる。
男は最後は殺しで帳尻を合わせる」

仁左さんは
「女はどこかで真っ当に立ち戻りますが、男は深みに入ると戻れず、
どんどん狂っていくものかも」

とおっしゃっています。

たしかに、玉さんのいうことは鋭い所を突いてる感じです。
女は最後まで男を切り捨てることを考えず、この先も一緒にいることを疑わず、
男を道連れにして 地獄の底まで一緒にいくか、
引っ張っていくかすると思いますが、
男は、わりと自分のことしか考えないで あっさり女を切り捨てようとする
傾向があるかと。

仁左さんのいうことも、なるほど という感じがしましたが、
「女はどこかで真っ当に立ち戻りますが」というのは、
これは、どうでしょうねぇ・・・(^_^;)

・女は怖い?
あと、劇中、「女は怖いなぁ」と錦之助さんの源次郎がつぶやきます。
これも上記の「切捨てるもの」の優先順位が違うことから出てくる言葉
なのかもしれませんし、まぁ、そのとおりなんですが(^_^;)、
でも、ほんとは女は「怖い」んじゃなくて、色んな意味で「強い」んだ
 というのが正解かと思うんですけどね、私は。

・足袋
今、足袋といえば、こはぜですが、伴蔵の足袋は紐で縛ってとめるタイプです。
なんで紐なんだろう?
と思ったんですが、考えてみれば、この当時はまだこはぜなんてなかったのかもしれませんね。
となれば、足袋ってもんは 「紐で縛ってとめるもの」だったわけかもしれない。
と なんか納得しました。

・恨みは
この2幕にはお峰伴蔵夫婦のほかに、もう一組カップルが出てきます。
カランコロンのお露ちゃんのパパである飯島平左衛門の愛妾:お国と
お国と密通していた旗本の宮野辺源次郎です。

この2人はやはり1年前、ちょうどお露ちゃんが萩原様を取り殺しに足しげく通ってた頃
平左衛門を暗殺しました。が、その時に負った傷がもとで源次郎は
片足が立たなくなり、今では茶屋で働くお国に養ってもらって乞食同様の生活を
送っています。
で、このお国が、お峰が嫉妬した「伴蔵の相手の茶屋の女」なわけです。

世間って、せまい。

ま、それはさておき。この2人はですね、平左衛門に呪われても仕方ないと
思うんです。なんせ殺した張本人ですから。
で、実際、どうも平左衛門のたたりで自滅死(どうやってそうなったのか、
源次郎は自分の刀で背中から突き刺され、その源次郎に正面から抱きついたお国も
源次郎の腹から出ていた刀に突き刺さって ふたりで串刺し死)しちゃいます。
さすが、お露ちゃんのパパだけのことはあります。

しかし、お峰と伴蔵。この2人は、呪い殺しにくるとしたら、萩原様くらいなもんだと
思うんですが、2人の前に現れて、伴蔵に「お峰口封じ」を決意させたのは、
お露ちゃんの乳母のお米の霊なんです。
お米さんは、むしろ2人に感謝するんじゃないかお思うんですけど・・・うーん??

それに、お峰は伴蔵に殺されちゃいますが、伴蔵の方は生き延びるわけで・・・
伴蔵、このあと、どうなっちゃうんでしょうねぇ。
あのお峰の遺体への泣き付き方と、性格から考えると・・・・狂い死にかなぁ・・・。

・雷フラッシュ
最後の場面、雷フラッシュがピカピカで、結構、目が疲れます(^_^;)。
あと、この場面になる前の暗転、結構、長かった~

◆花道度:中
2幕目だけの話です。
花道は伴蔵とお国の出、伴蔵とお峰の出 くらいかな。
わりとイチャイチャしながらが多く、花道に長時間とどまることはあんまりありませんが


2:奴道成寺
◆配役
白拍子花子
実は狂言師左近
三津五郎さん
所化
亀鶴さん・薪車さん
萬太郎さん・巳之助さん
壱太郎さん・新悟さん
尾上右近さん・隼人さん
小吉くん・鶴松くん

◆演目について
道成寺モノのひとつ。
狂言師の左近が白拍子に化けて・・・
というのは知ってましたが、その左近の目的が、再建した鐘に隠された宝鏡だというのは
今回初めて知りました(^_^;)

◆のたりの眼
・所化さんたち
ちっこい子がふたーり。これは小吉君鶴松君らしい。
あとの所化さんも筆頭が亀鶴さんに薪車さんで、
今回、名題お披露目のお2人(玉雪さんと功一さん)以外は
いずれも 平成生まれ(みんなそうかな?)の若手さんばかり。
(だと思ったけど、他の方もいたらスミマセン(^_^;))
【10/5:追記】
すみませんm(__)m やっぱり他の方もいらっしゃいました。
とりあえず、今、コメントいただいたところでは、三津之助さん
参加されています。

花笠踊りのところは、1人なんかうまいぞ、目立ってるぞ
と思ったら、右近君でした。
うまかったんですが、全体の調和という点では、ちょっとはみ出てたかな(^_^;)。

・口上あり
途中で名題昇進披露の口上が入りました。
特にお2人がご挨拶をするわけではなかったですが、そういや、
名題昇進披露の時って、いつもこんなふうに口上がありましたっけ?

以前は、廊下の看板と筋書きにそのことがでるだけの場合も多いかと思ってたんですが。
これは私の記憶違いかも。

・上手いっ!
三津五郎さん、この間の三ツ面子守のように、3つのお面をとっかえひっかえ
踊るんですが、これが、上手いっっ!!

特におかめ!!
おかめが ものすっごくかわいく見えるんです。
おかめが ほんとに笑ってるようにみえるんです。
もう、ほんとにすごいです。

おかめに限らず、他のお面も、三津五郎さんがつけた瞬間から、
お面の表情がほんとに生きてるように、見えてくるんです。

すごい速さの早替わりでも、きっちり切り替えができてるところが
またすごい。
お大尽につかみかかる?おかめなんかも、踊るのは1人づつなんですが、
ちゃんとそれを組み合わせるとつながってひとつの場面になるのが、
見ててわかるんです。

ほんとに、見事でした。
もちろん、「牡丹燈籠」も見ごたえはありましたが、これも、
ほんとに、この三ツ面のところだけでも、個人的には十分、
夜の部見た甲斐ありだと思いました。


あ、もちろん、この三ツ面以外の場面も よかったんですが、
この三ツ面のところのには、圧倒されてしまいました。
いやぁーやっぱり三津五郎さん、すごい!

・衣装
最初の能装束の時、下に銀色の▽のウロコの模様がみえましたが、
最後の最後で ぶっかえった時は、ウロコではなく、真っ赤な地に(多分)枝垂れ桜の
刺繍でした。
しかし、なんとなく月代で真っ赤な衣装というのは・・・
なんかこう、不思議な組み合わせです(^_^;)。

いつもの道成寺と同じだーと思ったのは、火炎太鼓の衣装と、鴇色に枝垂桜の衣装。
他のは・・・あれ、どうだったかな(^_^;)

・上を飛ぶ
反り返った三津五郎さんの上を花四天のお2人が左右から飛び越していきます。
飛び越される方も怖いと思いますが、幹部役者を飛び越す方もかなり怖いだろうなぁ(^_^;)

◆花道度:中。
最初の所化の出と、左近さんの花道七三での振り返り。
あとは最後の花四天の出くらいです。
でも、七三の振り返りはポイント高いので「中」。
コメント (4)
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2007年9月:シアター1010 愛、時をこえて~関ヶ原異聞~

2007-09-24 16:42:21 | 書いたぞ: 感想書きました~
観劇日:2007/9/21(金) 18:30~21:20
会場:シアター1010
座席:1階2列中央ブロック


◆配役
出雲お国
ドラキュラ
貴城けいさん
石田光成段治郎さん
高山右近吉野圭吾さん
細川がラシャ華城季帆さん
細川忠興笑也さん
徳川家康横澤祐一さん
鬼丸曾我廼家寛太郎さん
服部半蔵
大藏基誠さん
(東京公演のみ)
島 左近藤本 隆宏 さん
直江兼続
小笠原少斎
猿四郎さん
小春坂本法子さん
マルゲリータANZAさん


◆スタッフ
作・演出:岡本さとる
音楽:加藤和彦
衣裳スーパーバイザー:ホリ・ヒロシ
殺陣:市川猿四郎

◆あらすじもどき
時代は石田三成と徳川家康が一触即発状態の関ヶ原直前。
石田三成が博多で夢を売るという浪花の商人から買ったのは異国の棺の中身は
異国の化け物:ドラキュラ
石田三成の野望に興味をしめしたドラキュラは三成に協力することになり、
その圧倒的魔力に徳川方はなすすべもない。

さて石田三成の命を狙うのは徳川方の細川忠興
細川忠興の愛する奥方は 敬虔なクリスチャン:お玉またの名をガラシャ
かつて異国の王であったドラキュラの 亡き妻の名も、またガラシャ

ガラシャに妻の姿を重ねるドラキュラ。
関ヶ原の戦いに向かって進む時代。
ガラシャは時代の犠牲になり、ドラキュラは・・・
(正直、どうなったんだかよくわからなかったんですが・・・(ーー;)>”)


◆のたりの目
・シアター1010
北千住駅から直結してます。丸井にハンズ・紀伊国屋など色々入っているビルの11階。
9階にレストラン街がありますが、ラストオーダーが10時・10時30分と、お芝居みたあとでも
いけるのがうれしいところです♪

きれいな劇場です。シアター1010オリジナルグッズが売ってたりします。
劇場は入り口から入って、1階登って客席1階に入る感じです。
1階分のエレベータもあるので、車椅子や足の不自由な肩でもラクチンです。

舞台は天井がとても高い!照明装置関係は充実してるっぽいです。
座席のクッションもいいし、客席も傾斜がついててどの席からでもよく見えそうです。
今回、前から2列目でしたが、舞台面も見えました。でもちょっと首が痛くなりました(^_^;)

あと、前方の方は床が板張りなので、遅れて入ってきた方、足音が響いて
とても目立ちますので、要注意!

・筋書き
よく東京から始まって全国に移動して上演する舞台がありますが、
この舞台は東京が最終の地。
ということで、これまでの公演の舞台写真が入った増刷版の筋書きと、
これまでの舞台稽古の様子の写真が入った筋書き 両方を販売してました。
お値段は¥1500。
両方ほしかったんですが、理性でガマンして舞台写真の入っているほうにしました~

出演者のお写真で気にかかったところといえば、吉野さんの十字架を手にしたお写真
(チラシにも出てるお写真です)が、なんとなく乙女っぽい感じがするあたりでしょうか(^_^;)

あと、主要出演者のポストカードも販売してました。(¥200/枚)

あと、貴城さんグッズの販売コーナーへの列は別になってるところが、
さすが元宝塚のお姉さんだと思わせるところでした。

・背景
舞台の正面奥は ゴシックテイストのカーテンのようになっていて、
これが場面によって青くなったり金色になったり赤くなったりします。
ライトを当てない素の色は何色なんだろうなぁ、あのカーテン。

ちなみに開幕前の空舞台では、色は深い海のようなきれいな青でした。

ただ、お芝居の後半はセットを利用することが多く、あまりこのカーテンの
表情が効果的に利用されていなかったのが、ちょっと勿体ない感じがしました。

・演出
照明の使い方が特徴的。
場面転換時の観客に照明を走らせておいて、その間に舞台転換。
それから、舞台全体にうっすらスモークがただよっており、これも
照明の反射を効果的にしているかも。

・段治郎さんの衣装
正装姿は金の雲?の模様のはいった裃なんですが、地の色が上と下で
左右が逆になっています。
上の右は黒地、左は濃い緑。下は右が濃い緑で、左が黒地。
この時代にこういう色使いがあった・・・わけではないと思うのですが・・・。
また、中の着物の色が臙脂っぽい赤で、黒・緑・赤ととても配色バランスがいい
衣装だと思いました。

ほかにもお忍び姿は黒一色の着流し(でも、お忍びなら、紋は入れないほうが
いいんじゃないかな~と(^_^;)や、白装束(寝巻き?)姿もありました。
黒の着流し姿は、スラッとかっこよく、絶品でした~♪♪


・ドラキュラの衣装
黒いマントの裏がピンク~。うーん、この辺が「女にあらず・・・」と
言わせるところでもあるんだろうか・・・
あ、このマント、最後のカーテンコールの時にようやく気がついたんですが、
無地かと思ったら襟の部分に刺繍がはいっているんですね~。

あと、爪がすごかったです。銀色のラメ、かな?
人間に化けてるときも、爪はこのままでした。

後半1発目に人間(出雲の阿国となのってるんですが)の姿で踊りまくる
場面があります。この時、小道具に黒と赤の羽根が出ます・・・

あ、あと、衣装ではありませんが、筋書きでは黒髪に灰色のメッシュの髪ですが、
舞台に出てきたドラキュラは総灰色。(銀ですか??)
「エリザベート」って、チラシしかみたことないんですが、
あのお芝居に出てくる「トート」って役が、こんな感じじゃなかったですっけ??


・鬼丸の衣装
最初の衣装がちょっとパッチワークといいますか、端切れをつなぎ合わせたような
ドテラのような衣装で 面白かったです。
そのあとの衣装も麻かな?なんかこうゴワゴワしてそうな半纏っぽいのを着てたりと
なかなか鬼丸の衣装は個性的で面白かったです。

・音楽劇
・・・だったんですね、これ。筋書きの最後のとこにあった記者会見の記事で
笑也さんがそうおっしゃってるのを読んで、初めて知りました(^_^;)
なんで、最初、ドラキュラが突然歌いだしたときは、どうしたのかと
呆然としてしまいました・・・(すみません、2列目なんかで・・・^_^;)

ちなみに、段治郎さんたちは歌いません。(^_^;)
歌うのはもっぱら女優さんです。
中でもガラシャをやったお姉さんの声が、響き・声量ともにすごかったように
感じました。

まぁ・・・どちらかというと、普通の芝居に宝塚のショーが
合体したような印象を受けたんですが・・・、まぁ「音楽劇」ということで(^_^;)。

【役者さん】
・段治郎さん
きれいなツルツルの月代が気になりましたが、全体にどこを切ってもかっこいいお役。
最初のドラキュラの棺にささった十字架に手をかける姿がとてもきれいでした♪
途中の黒の着流し姿が絶品だったことは衣装のところでも書きましたが、
もうひとつ、白装束の時、この時は、謡をうたいながら舞ってくれます♪
これが、また、声も動きもかっこいいんですよねぇ・・・。
うーん、段治郎さんは白でも黒でもかっこいいですねぇ♪

あと、ラストのカーテンコール。
ドラキュラのお姉さんがかわいく手を振ってらしたんですが
それをみて、段治郎さんもマネしてかわいらしく手を振ってくれました(^_^;)
あと、このカーテンコール、他の男優さんは仁王立ちの人が多かったんですが、
段治郎さんと笑也さんはちゃんと足つけて立ってました。
(猿四郎さんはチェックしそこねました)

ところで、家康に博多みやげとして贈ったドラキュラの棺が
ガラシャの礼拝堂にもちこまれたことに
「せっかくの博多土産を」というセリフがあるんですが、
なぜか、この「博多土産」というセリフに笑いたくなってしまいました。
棺と博多土産との語感のギャップでしょうか(^_^;)
(私にとって博多土産=明太子。食べれませんけど(^_^;)


・猿四郎さん
後半のみに登場。一役目は直江兼次で段治郎さんと怪しい密談を
交わしています。
ちなみに今回、役者さん、みんなマイクをつけているんですが、
この時の猿四郎さんは、マイクを通した声ではないような気がしました。
他の場面では、あまり声がマイクを通っていることが気になるようなことは
なかったんですが、この場面では、段治郎さんの声に、それをすごく感じたんです。

二役目は老けです、老け。老け役もそつないこなしですが、
あまり上手く老け役ができてしまうと、澤瀉屋のお芝居でも老け役ばかりが
まわってくるようになってしまうのでは・・・なんてちょっと気になったりしました。

ちなみに、猿四郎さん、今回は殺陣師もされてます。
かっこいい立ち回り多かったです♪

あ、カーテンコールでは直江の衣装でした♪

・曾我廼家さん
新喜劇から参加の役者さんです。
上手い!うーん、芸達者な人だ。
この人が出てくるお芝居、他にもみてみたいな~と思わせる役者さんでした。

・魔界と地獄の違いは?
ドラキュラは魔界が住処のようで、三成に「魔界へ来い」といいますが、
三成は「地獄で会おうぞ」(だったかな?)と答えます。
で、魔界と地獄って、同じなんでしょうか??

・笑野さん
ガラシャの侍女:楓が笑野さんです。
途中、ドラキュラに血を吸われて、魔の手先になったとかで、
笑也さんを誘惑したりする場面があります。
この場面で、一時、山姥みたいな口裂け女になっちゃうんです。
笑野さん、きれいなのに~(/_;)

・大藏基誠さん
半蔵をやった大藏さんは、狂言師です。
うーん、さすが 声がいい。
なんか「水戸黄門」に出てた「飛猿」を彷彿とさせたのは・・・
そのもみ上げゆえ??

・異種混合
歌舞伎・タカラヅカ・狂言・新喜劇・ミュージカル畑・元スポーツ選手・・・
このお芝居は ほんと色んな役者さんが参加しています。
これだけ色んなとこから人をひっぱってきてるとは・・・と筋書きみて
びっくりしました。
でも、わりとうまく調和が取れてたような気がします。
逆に、これだけ色んなところから人が集まったわりには、
異種のぶつかりによる化学反応のようなものは少なかったのかもしれません。

そして、個人的に特筆すべきは「俳優さんが、みなさん、お声がいいこと」ですかね~♪
その点では 耳福な舞台でした♪

・最後のセリフ
高山右近が言うこのお芝居の最後のセリフ
「娘シオンよ、大いに踊れ。娘エルサレムよ、歓呼の声をあげよ。見よ、あなたの王が来る。」
は、聖書の一節なんですね。ゼカリヤ書9章9節の預言のようです。


・今回の家人の鋭いツッコミ
「ドラキュラと日本人は、何語で会話してたんだろうねぇ?」
・・・う~んと、やっぱり日本語・・・となると、
「どうしてドラキュラは日本語知ってるの?」
ってことだよねぇ。うーん・・・<(ーー;)
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2007年9月:歌舞伎座 夜の部 

2007-09-13 01:22:30 | 書いたぞ: 感想書きました~
観劇日:2007/9/10(月) 16:30~20:55
会場:歌舞伎座
観劇位置:3階10列上手より

1:壇浦兜軍記:阿古屋

◆配役
遊君阿古屋玉三郎さん
榛沢六郎染五郎さん
岩永左衛門段四郎さん
秩父庄司重忠吉右衛門さん

◆演目について
近松先生の「出世景清」というお話を長谷川千四と文耕堂が改作して作り上げたのが
このお話。
長谷川千四と文耕堂のお2人は「梶原平三誉石切」を合作者でもあります。

今回上演の部分は全五段のうちの三段目にあたる部分だそうです。

ナマで観るのは今回初めてです。
玉さんが三種演奏しているのは、映像を観たことありますが。

◆のたりの眼
・幕開き
刻の太鼓の音が響くような感じです。
上手に義太夫さんとお三味線が4×4

・びっくりその1:段四郎さん/岩永 なんと人形ぶり!!
2人の黒子さん付です。これは知らなかったので、びっくりしました。
また義太夫さんと息もピッタリで。
しかし、太夫さん、あの、迫力・腹力の満ちた声で、よく一幕持つなぁ(^_^;)
すばらしいです。ほんと。
そして、岩永の眉の動きとリアクションがまたナイス♪
なんだか、かわいらしささえ感じてしまいました♪

しかし、片や人間、片や人形っていうのは、なんかヘンな感じもしますね(^_^;)
人形ぶりの場合、相手も人形ぶりになるか、1人の場合が多いような気がしますが、
今回みたいのは、めずらしいのかな~

・びっくりその2:黒御簾から飛び出てジャジャジャジャーン
 という感じでしょうか(^_^;)
三味線演奏の時に、普段は黒御簾の位置の壁から、所作代?にのった
長唄さんとお三味線1×1が登場!
玉さんと一緒に音あわせ?もばっちりされてから、いざ、演奏。
三味線演奏が終わるともに、台ごとまた引っ込んでいかれました(^_^;)
うーん、これは初めてみる演出だ…

・びっくりその3:阿古屋は妊婦さんだった!
と、イヤホンガイドの解説に聞いたような気がしたんですが・・・
ってことは、妊婦さんに拷問したのか、岩永ーっ!!

ちなみに悪七兵衛景清の彼女である阿古屋。
この人は実在の人物だったんでしょうかねぇ。
同じ景清と阿古屋の物語である 近松先生の「出世景清」だと、
阿古屋と景清の間には子供が2人いるとか、
阿古屋が嫉妬から景清を裏切って密告したとか、
なんか今回のこの場面から想像するところとは、
ちょっと違う趣の話になっているようです。

もひとつちなみに。
阿古屋はほんとに景清の行方は知らないようです。
今回上演の部分の前の下りで、景清の行方を知るチャンスは
あったようですが、こうした拷問にかかることを予期して、
わざと聞かない道を選らんだようです。


・びっくりその4:以外と眠くならなかった(^_^;)
実は、琴も三味線も、きもちよ~く ウトウトさせていただいてたんですが、
最後は「King of 催眠効果」の胡弓。
「こりゃもうダメだな(^_^;)」
と思ってたんですが、意外なことに、これが実は3種の中で一番、
面白かったというか、リズミカルで聞きごたえがありました。
他のはお三味線の同じ演奏がかぶるのですが、これはなんせ
音からして違うので、玉さんの演奏がはっきり聞こえます。

しかし、胡弓は「弾け」ではなくて「擦れ」というんですね、秩父庄さん。
胡弓の演奏を歌舞伎座で聴くのは初めてではないはずなんですが、
今回、観てて、改めてバイオリンに似てるなぁ と思いました。
でも、バイオリンと違って、胴の上の竿の付け根のあたりを「擦る」んですね~。

ちなみに3種のうち、この胡弓以外の2つには玉さんの唄が入りましたが、
これは入りませんでした。
まぁ、眠くならなかったことに、これは無関係だと思いますが・・・(^_^;)

・義太夫さん
1人一役で4人。お疲れ様です。特に岩永の太夫さん(^_^;)
(すみません、お名前チェックできませんでした)
【9/14追記】
岩永の担当は泉太夫さんでした!
※六条亭さんにコメントで教えていただきました♪ありがとうございます!m(__)m


・染五郎さん
うーん、声がきてますねぇ(ーー;)

・吉右衛門さん
さわやかです。とことん。
最後の場面は絵面の中央でかっこよく決まってます。
ところで、疑い晴れて放免となる阿古屋を「聞きたいこともあるから」
と、自分の家に連れて行かせるみたいなんですが、その意図は?

・一糸乱れぬ
阿古屋を花道を連行してくる捕吏6人(阿古屋前後に3人づつ)。
一糸乱れぬ「ダンッ」という足拍子?が力強く響き、迫力があり、
且つ、とてもキレイです。


◆花道度:中
染五郎さんの出と、阿古屋御一行?の出だけです。
が、のたりの眼にも書きましたが、阿古屋御一行同行者の捕吏による
足拍子。あれはもっと近くでその響きを感じてみたかったです。


2:新古演劇十種の内 身替座禅

◆配役
山蔭右京團十郎さん
太郎冠者染五郎さん
侍女:小枝右之助さん
侍女:千枝家 橘さん
奥方:玉の井左團次さん

◆演目について
今年、何本目の身替座禅でしょう(^_^;)
一番直近は7月の松竹座の仁左さんの右京に歌六さんの玉の井というコンビでした。
今回も奥方の怖さでは決してひけはとらない(^_^;)左團次さんと
ちょっと意外な気もする團十郎さんの右京です。

◆のたりの目
・千枝が艶っぽ~い♪
今月、これ一役の家橘さんの千枝が、同じくこれ一役の右之助さんの早枝に
比べてやけに艶っぽく感じられました。なんでだろう??
と思ったら、どうも千枝の方が早枝に比べて、襟元が大きく開いてるような
気がします。これが原因かな~

・團十郎さん/右京
こちらも今月、これ一役。
でもそのわりに、太郎冠者の染五郎さんとお2人でちょっと声が危険信号(^_^;)
うーん、今からこんな調子で大丈夫かな~

あと、ちょーっと物足りない感じがしたのは、ナンなんでしょう?
高い声が 私のアタマの中の右京のイメージと違うのかなぁ。
スケベっぽいセリフは、わりといい感じではあるかな、とも思いますが・・・
でも、最後の奥方に何処へ行っていたと追及されて答えるところは、
なんかアヤシイ外人さん状態でした。あれはちょっと・・・(^_^;)

ちなみに私の中の右京役者は菊五郎さんと仁左さんと勘三郎さん かな。

・奥方、吠える
うーん、左團次さんの奥方、「カーッ」と吠えてます(^_^;)
が、こんな吠えてましたっけ、奥方って(^_^;)
いや、それがまた、かわいらしいんですが(^_^;)
ちなみに左團次さんの奥方は、美しさの中に怖さを含ませてるような微笑みが
印象的です(^_^;)

・長唄さんと囃し方さん
後半、正面の松が飛んで、舞台正面に登場したのは、杵屋巳沙鳳さんと望月朴清さんのコンビ率いる一団でした。


3:秀山十種の内 二條城の清正
    清正館/二條城/御座船


◆配役
加藤清正吉右衛門さん
豊臣秀頼福 助さん
藤堂和泉守歌 六さん
清正妻:葉末芝 雀さん
井伊直孝歌 昇さん
茜染千之助男女蔵さん
吉本又市種太郎さん
侍女:芦屋吉之丞さん
森作右衛門桂 三さん
飯田覚兵衛由次郎さん
池田輝政友右衛門さん
浅野幸長芦 燕さん
本多佐渡守段四郎さん
大政所魁 春さん
徳川家康左團次さん


◆演目について
「蔚山(うるさん)城の清正」「熊本城の清正」と並ぶ清正三部作の1つ。
初めて見ます。

◆のたりの眼
・全体をいうと
最初の「清正館」が、ご贔屓も出てきて、1番おもしろかったかな~。
最後の「御座船」は・・・うーん、「二條城」のラストのままで終わっても
別にいいのかなと思ったんですが、この場面がないと、話として
まとまらないのですよね~
でも・・・正直、ちょっと、退屈してしまいました。
最後の最後ということもあって、まわりのお客さんにも、わりと
「早く帰りたい」という雰囲気がちょっと(^_^;)

吉右衛門さんや福助さんの「熱さ」は感じられるんですが・・・<(ーー;)
うーん、せっかく感じですから、もう少しコンパクトにまとまりませんかねぇ。(^_^;)

「二條城」は、人がたくさん出てきて、舞台装置も豪華ですし、
吉右衛門さんと段四郎さんのタヌキじーさんの火花の散らしあいは、
対決ムードがあって、なかなかでしたが・・・うーん、でも人が多すぎるのか、
「先代萩」の「対決」のような緊迫感までは 行かない感じですかねぇ・・・。

・吉右衛門さん
ほんとに絶食してたみたいに見えたのは3階からという遠さゆえかなぁ(^_^;)
しかし、うーん、吠えてますねぇ清正。
今月の夜の部は 「阿古屋」の岩永といい、「身替座禅」の奥方といい、
この清正といい、吠える人がたくさんいますねぇ(^_^;)


・左團次さん/家康
なんとなくタヌキっぽいというか、ネコっぽいというか…
なんか動物を連想させるお顔のつくりになってました(^_^;)

・福助さん/秀頼
凛とした若殿、似合いますね~。
衣装の色のイメージもあるのかもしれませんが、とても「凛とした」と
いう言葉が似合う感じがしました。

・魁春さん/大政所
おぉ、こんなところに魁春さんが!でも、今月、これ一役だけですか??
うーん、勿体ない・・・


・ご贔屓さんを捜せ~
「清正館」にて、陣太鼓を打つのは錦弥さん、それから
種太郎さんの鎧装着の手伝いに清正の槍もちにと、あちこちに活躍するのは
吉之助さんと見ましたし♪
清正の戦支度を手伝うのは又之助さん、清正館の腰元?お女中?には吉之丞さんも。

「二條城」ではのっけに登場のW萬屋:歌六さん歌昇さん
歌昇さんの鎧姿は今月2度目ですが、チラシのお写真は昼の「熊谷」の堤軍次の方かな?

それから 秀頼一行の茶坊主2人のうち、1人が高麗蔵さん??と思ったんですが
チラシの配役にはお名前でてませんでしたし、間違いかもしれません(^_^;)

お女中(腰元?)さんには芝のぶさんもおりました♪
この二條城のお女中さんたち、帯の部分に、とてもきれいな「被布」
というんでしょうか、布がかかってます。スケスケのキラキラです。
それがお女中さんたちの動きにフワフワとゆれて とてもきれいでした♪

あと、家康側の譜代の大名(下手側)に喜之助さん??

◆花道度:中
二條城での、申し次の侍の出と、秀頼御一行様の出だけでした。

=■オマケのボヤキ■=
私の座席の前のブロックが、ボコッと空いてたんです。
そしたら「身替座禅」でひと組、その後「清正」では続々と、
みなさん、他のブロックから民族大移動・・・<(ーー;)

以前も書いたかもしれませんが、私、席の移動は基本的に反対です。
「隣が帰っちゃったので」くらいの移動はいいと思いますが、
「座席種をまたぐ移動」 と 「上演中の移動」は、
個人的には許容範囲外です。

しかし「上演中の移動」は歌舞伎座のアナウンスでもしないでくれと
言っているのに、客席を監視している係員のお姉さんが何も言わないのは
なんでなんでしょうねぇ・・・(ーー;)
コメント (4)
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2007年9月:歌舞伎座 昼の部 

2007-09-09 02:25:01 | 書いたぞ: 感想書きました~
秀山祭九月大歌舞伎 昼の部

観劇日:2007/9/8(土) 11:00~15:20
会場:歌舞伎座
観劇位置:3階10列やや上手

1:竜馬がゆく:立志篇(約85分)

◆配役
坂本竜馬染五郎さん
桂小五郎歌昇さん
池田寅之進宗之助さん
中平忠一郎種太郎さん
山田広衛薪車さん
すぎ歌江さん
千葉重太郎高麗蔵さん
勝海舟歌六さん

◆演目について
司馬遼太郎先生原作。
原作読んだことないのですが、「立志篇」とわざわざ銘打っているとこみると、
続くのかな?

お話としては
竜馬、桂小五郎に出会う」
竜馬、土佐藩を脱藩する
竜馬、勝海舟に弟子入りする
の3本立て という感じになっています。


◆のたりの眼
【役者さん】
・染五郎さん
染五郎さんのお声がのどからでてる というようなことが、
他のブログなんかでちょこちょこ言われているようですが、
確かに。 と思いました。歌昇さんと比べるとなんかよくわかりました。
うーん、1ヶ月、持つかな~、お声。

・歌昇さん/小五郎
なかなか おいしい役だったと思います♪
…もし、もしもこの後に、この「立志編」の続編ができたら、また、歌昇さんが
小五郎で出てきてくれるのかな~♪
そしたら歌六さんの勝海舟も含めて、同じ配役だとうれしいですねぇ♪

・歌六さん/海舟先生
最初、「勝海舟にしては、線が細いかな~」なんて思ったんですが、
どうも私、アタマの中で勝海舟と西郷隆盛のイメージがごっちゃになっているようです(^_^;)

しかし、椅子にあぐらがポイント高いな~。

そして、個人的なことなんですが、
砂の上には楼閣は立たない おのれを見よ!」というような
歌六さんの海舟先生のセリフが、今の私にはちょっと痛かった…(ーー;)。

・宗之助さん
今回は立ち役。それも剣の腕が立つというお役。
宗之助さん、立ち役増えてきてる??

・高麗蔵さん
も、今回は立ち役。高麗蔵さん、女形も立ち役もかっこいいんで、
出てきてくれただけで眼福です♪

・吉之助さんと薪車さん
にくったらしくて、結局斬られちゃう土佐藩の上士です。
まぁ、役柄はおいておいて、個人的にはご贔屓お2人がでてきたのが
うれしい♪
(次の熊谷でもお2人一緒なんですよね~♪)

・歌江さん
歌江さん扮する老女:すぎ の1人暮らしのうちに、長州武士は乗り込むわ、
小五郎と竜馬の追いかけっこの舞台にはなるわ で、
なかなか被害甚大です。
「そこの2人、和解したんなら、片付け手伝え~」 と思ってしまいました(^_^;)

しかし、歌江さんもさすが、なかなかツワモノです。
しっかりお手製のどぶろくに、鳥をつぶすのもお手の物。
極めつけは「カツラ君」 「サカモト君」と2人に呼びかけるあたり(^_^;)
うーん、歌江さん、いいな~♪

・錦弥さん
寅之進の仲間で登場。セリフも長いし♪

・笑子さん
勝海舟先生んちのお女中さんに、澤瀉屋の笑子さん発見♪
ってことは、他にも澤瀉屋のみなさんが出てる??と思いましたが、
ちょっと発見できませんでした。

【その他】
・オープニング
スーパー歌舞伎を彷彿させる音楽(テーマソング?)を使った始まり方。
まだ明るい場内に雷がゴロゴロと低く響き、音楽が終わってからようやく
暗くなって幕開きです。

うーん、普通のお芝居だったら、結構、好感度ありのオープニングなんですが、
歌舞伎座で歌舞伎と銘打ってやるのには、どうなんでしょう、これ…<(ーー;)
そうですね、せめてナマ演奏にしてほしかった かな。

・あら♪
今回、なんと、染五郎さんにHNを呼んで貰っちゃいました♪
ひねもすのたりの春の海に…」と(^_^;)
事前に先に見た方から教えていただいてのですが、このセリフが出たときは
「ありました、ありました♪(太郎冠者風に)」
と、なんかちょっとうれしかったりして♪
(事前情報、ありがとうございます!)


・場面転換
うーん、ちょっと長すぎ。まだ こなれていないんでしょうか…
あ、でも、1幕目の後の音楽は、ナマ演奏っぽかったですし、
お祭り要素と勇壮さがあいまって、個人的には好みの音楽でした♪
しかし、この音楽の使い方、やっぱりスーパー歌舞伎みたいだなぁ…(^_^;)

・スプラッタ
寅之進の切腹の場面で、ちょっと リアルスプラッタが…(/_;)
切り口は首でしょうか、あの噴出具合からいくと…
うぅ、怪談物より、こういうリアルさのあるスプラッタの方が苦手です…

・竜馬の竜は
りょう」と読みますよね。でも普通、「竜」は「りゅう」と読むじゃないですか。
なぜに竜馬は「【りゅう】ま」ではないく「【りょう】ま」と読むんでしょう?
ということにイヤホンガイドが答えてくれました。答えはシンプル。
西日本だと「りょお」と読むんだそうです。

実際、今回のお芝居でもお江戸の勝海舟先生は 紙に書かれた来訪者の名前を最初、
「さかもと…りゅうま?」とお読みになってましたね。なるほど。

・勝先生んち
畳の上に絨毯ひいて、机に椅子です。
いっそ板の間にしちゃえばいいのになぁ。

・エンディング
最後、海舟先生のお部屋で、竜馬にのみスポットライトがあたって、
勝海舟先生が暗い部分にいたんですが、白系のお着物なんで、何処にいるかは
わかりました。
その白っぽい塊が、しゃがんで小さくなったように見えたので、
どうしたのかな~と思ったら、そうではなく、大ゼリにのって、机とかと一緒に
退場されたようでした(^_^;)

で、エンディング。
勝海舟先生んちが海辺に変わり、例のテーマ音楽が流れ、
遠くに船影を映し出してフィニッシュ となるんですが、
ここ、ほんと、スーパー歌舞伎っぽかったです。(^_^;)
いや、もう どちらかというと、現代劇っぽいような。

あ、でも、スーパー歌舞伎と違うところが。
ツケがなかったです。
うーん、最後の場面なんか、うまく効果的にツケを入れられそうなんだけどな~。

◆花道度:うーん、低?
3幕目に2回だけ。
・海舟邸を訪れた高麗蔵さんと染五郎さんと、2人を案内する女中の笑子さんの3人の出。
(個人的には↑これはもっと観たかった!)
・それから、竜馬の心変わり(海舟を斬るために来たのに、弟子入りしちゃったもんだから)
に怒った高麗蔵さんの一人の引っ込み。
どちらも花道でなんかするわけでもなく、わりとあっさりした出入りのようです。
(今回のお席は花道がどうにも見えません(^_^;)

2:一谷嫩軍記: 熊谷陣屋(約95分)

◆配役
熊谷直実吉右衛門さん
相模福 助さん
藤の方芝 雀さん
梶原景高由次郎さん
亀井六郎桂 三さん
片岡八郎宗之助さん
伊勢三郎薪 車さん
駿河次郎吉之助さん
堤軍次歌 昇さん
弥陀六富十郎さん
源義経芝 翫さん


◆演目について:
何人かの合作であるこのお話、その作者の1人に並木宗輔がいます。
三大歌舞伎の合作者の1人:並木千柳と同一人物です。
で、この「一谷嫩軍記」は、この人の絶筆なんだそうです。これは初耳。

歌舞伎でやるのは、もっぱら熊谷が陣屋戻ってくるところからなんですが、
この前の下りというのがあるそうで、そこでは熊谷の前に、この陣屋に
やってきた人たち(相模・藤の方、石屋の弥陀六などなど)の場面なんだそうです。
いつも、弥陀六の登場が突発的に感じるので、いつか、その場面から観てみたいですね~。

◆のたりの眼
うーん、肝心のところは、大体見たんですが、結構、睡魔との闘いでした。(^_^;)
弥陀六の下りなんて、出てきたところを観て、気がついたら、
義経さんが「平宗清!」と声をかけてるところでした(スミマセン富十郎さん…^_^;)

【役者さん/お役】
・歌昇さん/堤 軍次
以前、観たときは愛之助さんがこのお役で、雀右衛門さんの相模が下に下りるのに
手を貸していたのが、妙に記憶に残ってます。
そのせいか、ちょっと老けてる?という感じも持ってしまうのですが、
でも、それはおいといて(^_^;)、歌昇さん、最初の金糸の裃姿も、
最後の鎧来た姿もキリッとかっこいいです♪

・薪車さんと吉之助さん
ここでもお2人ともかっこいいなぁ♪

・芝翫さん/義経
威厳があっていい義経なんですが、富十郎さんの弥陀六と話しているところでフト
「そうか、義経なんだよな、芝翫さん。ってことは富十郎さんの弥陀六より、かなり
年下ってことで…う~ん…あんまりそんな風に見えないかも…(^_^;)」
と思ったりしました(^_^;)

・芝雀さん/藤の方
「どこが」というのは上手くいえないんですが、よかったです。
雰囲気、かなぁ。特に最初の方。敦盛が死んだと思って、熊谷に対峙するあたりが。

【その他】
・制札の書き手
は弁慶だったんですね。でも、そういえば、弁慶はこの場面はでてきませんね。

・鳩八の紋
なんか和やかで、結構すきなんですが、この演目の話では、かえって皮肉で
酷な紋ですねぇ…

◆花道度:高(のはず)
今回の席、七三もなにも見えないんです。花道。なので、熊谷のいっとう最初の出といい、
最後の幕外の引っ込みといい、いい場面は全然、みれなかったは残念。


3:村松風二人汐汲(約30分)

◆配役
松風玉三郎さん
村雨福 助さん

◆演出について
長唄さんとお三味線さん七丁七枚。
鼓には伝左衛門さんのお姿が。

舞台装置では左右の黒御簾の壁のとこからはみ出して伸びてる松が見事でした。

◆のたりの眼
・お化けだし
最初、舞台中央のセリから、お2人でセリあがってくるんですが、
この時に鳴るのがドロドロ(^_^;)
まぁ、この2人の海女は 幽霊なんだそうですから、正しい音ではあるんですけど、
ちょっとめずらしい感じが(^_^;)

・衣装
カラーは福助さんが赤、玉さんが白。
海女のはずなんですが、刺繍の入った豪華な着物に立派な帯。
「どうみても海女スタイルではない…(ーー;)」と思ったら、
お2人は、ちゃんと海女であることを主張するアイテムをつけてました。
金糸の腰蓑
これが海女の印なんだそうです。(byイヤホンガイド解説)
…うーん、「金糸」と「腰蓑」とこの二つの単語のイメージのギャップが…(^_^;)

・ざらついた調和
二人道成寺の時は、菊之助さんがすっかり玉さん色に染まっていた というか、
今回の公演を観ていて改めて思ったのですが、菊之助さん色の主張がほとんどなかった
という感じだったんでしょうか。

今回の福助さんは、玉さんと調和してるといえば、しているんですが、
なんとなく、「福助は福助」「玉さんに染まるまい」というような自負の
ようなものがあるのかなぁ というように感じられました。

そこが微妙にざらついた不協和音を残す調和を作っているような…

あとは、お顔かな。
菊之助さんと玉さんは、なんとなく、お2人とも人離れしたというか、
そう、天守物語のあの雰囲気のお顔だちなんですが、
福助さんは芸者さんとか、婀娜っぽさがあるお顔だち と
感じているので、「道成寺」のお2人は、コピーや鏡といったイメージ
だったのが、今回は、独立した2人がそれぞれ同じ踊りを踊っている感じが
しました。

なんで、後半、玉さんが業平役にまわってからの方が、
違和感なく観れた感じです。

うーん、先月の三津五郎さんと勘三郎さんみたいに、
「2人の女性の踊り比べ」 という趣向の方が、
お2人にはしっくりくるのかな~

◆花道度:中
終盤、一度 七三手前あたりまでお2人が出張します。
ただ、そんな長時間ではありませんし、
最後は花道を引っ込んだりせず、本舞台でフィニッシュしてくれます。
コメント (4)
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2007年8月:シラノ・ド・ベルジュラック

2007-09-02 23:27:38 | 書いたぞ: 感想書きました~
【9/3追記あり】
コメントをいただいたSwingingFujisanさんのブログ(SwingSwingSwing:http://hatsune-cho.cocolog-nifty.com/blog/)の感想を読ませていただいて
色々思い出したこと、忘れていたことがあったので、一部追記しました。

観劇日:2007/8/31(金) 19:00~21:45
会場:青山円形劇場
観劇位置:Dブロック通路際♪

■演目について
作:エドモン・ロスタン / 演出:栗田芳宏

■公演について
期間:2007/8/29(水)~9/9(日)
筋書き:1000
【9/3追記】
終演時間と休憩時間:
夜の部は19:00始まりで21:45でした。おなか空きます(^_^;)
あと、休憩は1回・15分だけ。
女性のトイレは数はありますが、早めに行っておいたほうが無難かと(^_^;)


■配役(公式HPより。細かい配役は、アタマが追いつきませんでした~)
恋と冒険に生きる道化師:シラノ右近さん
辛辣な舌で男を翻弄する美女:ロクサアヌ安寿ミラさん
嫌味で気障なド・ギッシュ伯爵から浮気女まで加納幸和さん
シラノの親友から侍女まで坂部文昭さん
酔っ払いの詩人から腕白坊主までたかお鷹さん
二枚目クリスチャンからミーハー娘まで桂憲一さん
寝取られ男から修道女まで猿弥さん



■のたりの眼
「シラノ・ド・ベルジュラック」は観るのは初めてです。
本を読んだこともありません。芥川龍之助の「鼻」は読んだことありますけど。

「鼻」が特徴の「シラノ」が「ロクサーヌ」って ねぇちゃんに惚れる話。
程度には知ってましたが、なんせ
 「『シラノ』ってシェイクスピア?」
と思ってた人ですから、私(^_^;)。

で、今回、初「シラノ」。観終わって思ったのは

…「シラノ」って、喜劇?悲劇??

えらく、かわいそうな話にも思えるけど、確かに笑える話でもあるし。
うーん??

まぁ、どちらかといえば、シラノって可哀相な人だなぁと思ったんですが、
それと同時に、「思ったように行かない人生を いかに生きるか。」
という問題の、ひとつの回答を見せてもらったような気にもなりました。

シラノの生き方・考え方は、傍から見れば悲しいし、損な部分も多いように
思えるのかもしれないけど、個人的には「これも、いい答えだな」 とも思いました。

チャンスがあれば、今度は違う位置からもう一度見てみたいもんです。

というわけで、以下、観てて思ったことをツラツラと。

※ネタバレになってるところあります!
まだご覧になっていない方はそのへん、ご了承の上、お読みくださいませ。


・江戸っ子だ!
右近さんだからなのかもしれませんが、シラノの心意気はまさしく江戸っ子
それがまた、とてもいい感じ♪
このお役、右近さん、とっても楽しんでいらっしゃるのかな?
特に最初の方から バンバンとばしている感じがしました。

しかし、金髪長髪の右近さんは、そうと知らなければ、また、お声を聞かなければ
だれだかわからないかも(ただでさえ、会場、薄暗いし^_^;)

・シラノさん
そういえば、シラノって実在の人物だったんですね。
wikiペディアに出てました。
フルネームは サヴィニヤン・ド・シラノ・ド・ベルジュラック
1619年生まれで1655年没だから享年36歳か。早死にだな~。
このお芝居にあるように、材木がアタマに当たって怪我したことが
あったようですが、死因はその頭の傷でなく梅毒だったとか…
ちなみに肩書きは 「剣豪、作家、哲学者、理学者」
文武両道だったんですねぇ。


・おふらんす時々江戸
シラノのみならず、他の方のセリフにも、時々、「ござる」とか「経帷子」とか、
なんか江戸が混ざるんですね(^_^;)

・女って強いなぁ
と、上演中になんど思ったことか(^_^;)。
強いというか、「たくましい」というほうがぴったりくるのかな?

・定式幕
会場の壁は定式幕で覆われています。
扉の部分はちゃんと切ってあるんですが…これ、今回のために作った定式幕なのかな?
ちなみに扉が閉じると(役者さんが出入りしない扉ですが)ちゃんとそこにも布がはってありました。

・猿弥さん
まさに大奮闘。しかし、あれは、多分、途中で声がエンスト起こされそうな…(^_^;)
しかし、修道女のところで、なにゆえあんなに共演者の方の笑いを誘ったのか…
まぁ、確かに他の方よりごっつい感じはありましたが。

・安寿ミラさん
あれ?と思ったのは、思ったより背が低く見えたから。
もっと背が高い方かと思ってました。
そう思ったのは女性の中にいたからだったのか、「元男役」というイメージからなのか…
今回、結構、間近で拝見することが出来ましたが、やはりキレイな方ですねぇ♪

・加納さん
初めてかな、加納さんの舞台。花組芝居の方というのは知ってましたが。
で、休憩時間まで、どれが加納さんやら全然、わかりませんでした
(事前に筋書きか配役を確認しておけばよかった^_^;)
うーん、予想してたより普通のお兄さんな感じ?
もっとアクの強い方かと思ってましたが。
あ、パンやのおかみさんが なかなかでした♪

・看板もち
してたのは、だれ??
【9/3追記】
休憩の時にはストライクに「休憩」の看板が笑えました♪


・7人
だけだったんですか、出演者。ホントに??
なんか もっといたような…

しかし、すみません、右近さん、安寿さん、猿弥さん以外の方は
ほとんど今回初めて見るかたばかりだったのと、会場がかなり薄暗かったことも
あって、ほとんど識別ついてませんでした。(^_^;)

・筋書き
配役と場割り、全部書いといて欲しかった~<(ーー;)


・観劇位置
多分、円形でなかったら、後ろになるほうかと。
最後、椅子に座ったシラノは後ろ姿ばかりでしたが、
それはそれで想像力がかきたてられて、楽しめました♪


・葉っぱ
お持ち帰りはダメなようですね(^_^;)
会場のお姉さんが注意してました。
しかし、何枚くらい落ちてきたんだろう。数えてみればよかった。

・ライト
光が効果的に使われてます。というか、影を効果的に使っている
というべきか。
1番、あぁ 上手いなぁ。と思ったのは、最後の場面で、
立ち上がってようやくこちらを向いてくれたシラノ。
顔が拝めるかと思いきや、顔は逆行なのか、影になってほとんど見えず、
手にした手紙だけが浮き上がるような照明の当て方でした。
(同じ時、舞台の端の方を歩いているロクサーヌには
ちゃんと照明当たってるんです。)

これがとても効果的に感じたのは、右近さんの声の力も大きいと
思いますが。
ただ、なんせ円形。最後の場面は、位置的にかなり照明がまぶしかったです(^_^;)

・スロープ
円形ですから、登場は観客席を抜けていく形になります。
四方の出入り口には、黒くて表面テカテカのスロープが。
表面には、かかとで、かな? こすったような線状の跡がついてました。
結構、急といえば、急かな~あのスロープ。

・死者の退場
どうやって 円形舞台の真ん中から死者が引っ込むんだろう?
暗転かな?それとも場面看板持った人の影にかくれて
一緒にひっこむのかな?と思ってたら、
場面看板持った人の後から、手を胸のあたりで組んで、
歩いてひっこんでいかれました。なるほどね~。

・ナマ演奏
バイオリンとアコーディオン。
お2人とも女性の奏者です。上手いですね~ おふたりとも。
お芝居の雰囲気造りへの貢献度はかなりのものかと。

しかし、仕方ないんでしょうが、時々、私の座席の真横のスロープで
演奏されるんですが、そうすると 舞台の方の役者さんのせりふが
ちょっと聞き取りにくかったり…(^_^;)

・栗田さん
が、いたのかな?客席の一番後ろに座って、帽子かぶってた方が、
筋書きに出てた栗田さんのお写真とよく似てたような。
お芝居終わると、すぐに退場されてましたし。
私、てっきり、舞台に参加されてるのかとおもってましたが、
筋書きとか見る限りでは、今回は、参加はされていないようですね。


以下最後まで【9/3追記】
・析
始まりは歌舞伎と同じ析。周りの定式幕と合わせて、「うーん?歌舞伎っぽい
演出の展開にしちゃうのかな?」とちょっと残念なような気持ちと、
面白そうな気持ちが半々になったんですが、最終的には、歌舞伎色は
あんまりなかった といえるのかな と思います。

・シラノがあの世に持っていくもの、それは?
最後に末期症状で死神?の幻覚が見えていると思われるシラノが
死神に向かって「貴様は俺から全てを奪っていく。しかし、どうやっても
奪えないものがひとつある。俺はそれを持ってあの世に行くんだ」
と、いうような内容のセリフを言います。
それに対してロクサーヌが「それは?」と問いかけ、
シラノは誰にともなく、その答えを「私の心意気だ!」と答えます。

このシラノの独白とロクサーヌの問いかけと
それに答えるシラノの最後のセリフの間が絶妙でした。
余談ですが、このとき、私も心の中でロクサーヌと同じように
「うん、何、持って行くの?」と 問いかけてしまいました(^_^;)

この「心意気」は「羽根飾」と書いて、「ココロイキ」と読ませるそうです。
そういえば、出演の皆さん、羽根飾り満載の帽子をかぶっていました。
(いや、それが関係あるかどうかはわかりませんが(^_^;)

「羽根飾」っていうと、なんとなく、自分を大きく見せようとする虚栄心の
象徴のようなイメージもあるんですが、シラノの心意気を虚栄心と言うのは
なんか違うような気がしますねぇ。
私は虚栄心はあんまり好きではないですが、シラノの心意気は結構好きです♪
コメント (8)
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2007年8月:歌舞伎座:八月納涼歌舞伎 第1部

2007-08-19 01:12:00 | 書いたぞ: 感想書きました~
8/5(日)から今日まで、なんだかんだで6回も銀座に足を運ぶ
夏の集中観劇週間になってしまいました(^_^;)
夏の集中観劇週間、シメの観劇は悲劇2本です。
(2部を最後にすりゃぁ よかったかな(^_^;)

観劇日:2007/8/18(土) 11:00~13:55
会場:歌舞伎座
観劇位置:3階1列ほぼ中央

1:磯異人館(いそいじんかん)

◆配役
悲劇のお兄ちゃん岡野精之介勘太郎さん
人質の琉球王国の皇女琉璃七之助さん
後の五代友厚五代才助猿 弥さん
精之介の弟で生き下手な岡野周三郎松 也さん
女好き?ハリソン亀 蔵さん
息子溺愛奉行折田要蔵家 橘さん
役に立たない集成館総裁松岡十太夫橋之助さん
周三郎に惚れてる松岡娘芝のぶちゃん


◆演目について
「明治百年」を記念した懸賞演劇脚本の当選作の20年ぶりの再演とか。
20年前に主人公を演じたのは、当時、勘九郎さんだった、今の勘三郎さんとか。

話としては、生麦事件で、外人さんを斬った武士の息子2人と、実在の薩摩の要人、
琉球の皇女などその廻りの人々がたどる 時代と身分によって起こった悲劇です。

舞台は薩摩。磯異人館とは、薩摩が外着手した紡績工場に、外国から招いた技師たちの
住まい。まぁ、迎賓館の地方版みたいなもん。かな(^_^;)
主人公の精之介は、集成館という薩摩藩の産業工場で薩摩切子を作るガラス細工師。
パリ博覧会に出品された赤い薩摩切子を作ったのが彼。ということらしいです。

なにげに、今月、連続上演時間の1番長い1本です。
しかし、これ、ツケもないし、なんか新派のようなお話ですね(^_^;)

◆のたりの目
【役者さん/お役】
・勘太郎さん/精之介
お兄ちゃんの弟を思う苦悩は よくわかるのでしょうか、勘太郎さん。
なんか リアリティのようなものを感じました。(^_^;)

それにしても、途中で勘三郎さんのお声にあまりにそっくりで、びっくりしました。
最初はそんな風には感じなかったんですが、終盤の方ですか、演技がフル回転の熱を
帯びてきた感じのするあたりから、ほんとびっくりするほどでした。
最後のあの熱演ぶりも、お父さんに似てますね~。

ただ、個人的には、3部の男之助の方が、好きかな。
この幕の熱演ぶりは十分に買うんですけど。

それにしても、この兄弟。なんとも、不運というか・・・
友人には恵まれているんですけどねぇ・・・(/_;)

なんか、このお芝居見て、こういう障害のない今の世の中の恋は、
この時代の人からみたら、ものすごくうらやましいんだろうなぁ。
とか考えてしまいました。
恵まれた時代背景・恋愛環境に生きてるわけですよね、私たちは・・・

・七之助さん/瑠璃
うーん、七之助さんも、ある意味、なにやっても七之助さんですね。
今回は琉球の皇女様ということで、髪型とか衣装とかが普通のお姫さんとは
ちがったんですが、そのせいか、出てきた当初は、どちらかというと
妖しい美しさのあるキレイなお兄さんに見えてしまいました(^_^;)

声が、福助さんにちょっと似てきたかな?

・亀蔵さん/ハリソン
うーん、なんか妙に違和感ないぞ(^_^;)
お顔はしっかり日本人の亀蔵さんなのに、なぜあんなにナチュラルなんだろう・・・
セリフの言い方???

・家橘さん/折田要蔵
ちょっと心配になるところもありましたが、3部ほどではありませんでした。
よかった~。

・猿弥さん/五代才助
五代才助という人は、後の五代 友厚。
実在の、それも結構、有名人らしいです。
渋沢栄一の向こうをはるような。

演じる猿弥さんは 今回は声も艶と張りがあって、かすれがなく万全という感じです♪
しかし、猿弥さん、タキシードに髷姿が・・・・(^_^;)
それでなにげにハマキもすったりしてるし。(^_^;)

・その他の澤瀉屋役者さん
冒頭、集成館にじゃがいも持ってきた片割れが欣弥さんでした♪
それから役人の1人に延夫さん
こちらは不覚にも最初気がつかなかったんですが、なんかスッキリした顔立ちの方だなぁ
と目をつけてたら、それが延夫さんでした(^_^;)

・橘太郎さん/折田要蔵の息子
3部で気になってた橘太郎さんもたくさん出てきます。
なんせ憎憎しい敵役です。
(あぁどうして私が気になる人は敵役が多いんだ_| ̄|○)
・・・あー、そうか橘太郎さん、ちょっと歌昇さんに似てるのかな?

【その他】
・薩摩切子
もろいんですね~、人と人の間に挟まれただけで あんなに粉々に。
そういや、薩摩ではないですが、切子のグラスがうちにもあります。
たしかに切子って、ちょっとしたことで壊れそうで、触るだけでも
ドキドキします(^_^;)

・演出
映像(絵)・暗転・録音音楽・・・なんか、以前みた「平家蟹」と雰囲気が
似てて、思い出すな~ と思ったら、やっぱり、あの演目と同じS.B.S
というところが効果を担当していました。

・結末
ハッピーエンドでないのはイタイです。
ご都合主義でもいいので、なんとかハッピーエンドにして欲しかったなぁ・・・。

あと、個人的には、最後に瀕死の精之介が語る「人の夢を奪うな」とか
「時代を愛せ」(だったかな)とかが、精之介から出る言葉としては
ちょっと唐突な感じがしてしまいました。

それに、この人の夢は奪われちゃったようなものですしねぇ。

・座席
3階1列目って、観難いですねぇ<(ーー;)
舞台も手前は柵に邪魔されますし、花道も見えない。
そりゃ、身を乗り出せば見えますが、普段、3階前方のみなさんのそれで
もどかしい思いをしている身としては、身を乗り出したくは、ないところだし。
なんかいつもの3階B席の方が、よっぽどよく見えたかも。
まぁ、前の人の頭に邪魔されることはありませんけどねぇ。


◆花道度:低
あまり使いません。
最初のしのぶちゃんと七之助さんの出の他、
最後に精之介以外の主要人物がダッシュで引っ込んでいきます。
ただ、この最後は、どちらかというと、舞台に取り残される
精之介の方に目が行ってしまうんですが(^_^;)



2:越前一乗谷(えちぜんいちじょうがたに)

◆配役
義景妻(側室?)小少将福 助さん
悲劇の武将朝倉義景橋之助さん
助平ジジイ羽柴藤吉郎勘太郎さん
裏切り者式部大輔亀 蔵さん
郎党
七之助さん・松 也さん
新 悟さん・市 蔵さん
高麗蔵さん・彌十郎さん
三津五郎さん・勘三郎さん


◆演目について
水上勉先生が原作の舞踊劇。
尾上菊之丞さんが昭和48年に踊りの会で初演して以来、
歌舞伎として舞台にかかるのは、これが初めてということです。

ちなみに初演の時、小少将を演じたのは、菊五郎さん(当時は菊之助さんだったのかな)
だそうです。
みてみたかったですね~その舞台も。


◆のたりの眼
食後だし、踊りだし、爆睡コースかな~(^_^;)
と思ってたんですが、これが意外と♪

ほとんどセリフがないのですが、動きが多く、テンポがよく
なかなか面白かったです。
あと、ドラマがはっきりしていたのも、眠くならなかった
一因かもしれませんね。

なるほど、確かに「舞踊劇」と観終わって思いました。
あと、歌のプロモーションビデオを見たような感じも
ちょっとしました。
踊りと歌とがとてもいいバランスでマッチしていたのかも
しれません。

というわけで「見ごたえ」ということから行けば、
個人的には今月NO.1でした。
悲劇ではあるんですけどね。

【番外】
・地震
義景最後のあたりで揺れました。
役者さん、義太夫さんたち、ともに動揺なし。
まぁ、それが当たり前なのかもしれませんが。

でも、舞台に映し出してるシルエットも揺れてましたから、
舞台もかなり揺れたのかと。
橋之助さん、内心、結構、ドキドキしてたかもしれませんね。
あと、舞台の奥の方で死んでた方々も(^_^;)

しかし、3階の前の方は、結構、揺れるんですよね~(^_^;)
ただ・・・すみません1・2階の方。
3階だからこのまま落ちても、屋根が落ちてこない限り大丈夫かな~
なんて思ってしまいました。

【役者さん/お役】
・橋之助さん
うーん、腹切ってからが、あまりに長い。且つ元気。(^_^;)

しかし、(ようやく)最後に事切れたところで、外から
「愛王丸を救う代わりに小少将を側女にもらいうける」
という敵の声が聞こえ、義景の遺体が炎上する館の炎に
飲み込まれていくのは、なんとも強烈なドラマでした。

そして、奥さんに「生きて自分の菩提を弔え」というのは、
やさしさなのか、酷なのか。
難しいところですねぇ・・・


・勘太郎さん/秀吉
う~ん~ ここもお父さんと声がそっくり!!
恐ろしいくらいに(^_^;)

・福助さん
秀吉と対峙して 髪を切って出家を宣言するところ、
表情にちょっと狂気が感じられて怖かったです・・・(/_;)
しかし、福助さん、今月出演の演目は、どれも、タイプの違う女性ですね~。

・三津五郎さんと勘三郎さん
一騎打ちする朝倉方と信長方の郎党です。
三津五郎さんは花道から、勘三郎さんは上手奥から出てきてます。
三津五郎さんの方がザンバラ髪だったし、朝倉方かな?

一騎打ちといっても、刀ではなく、扇を刀に見立てて
踊りで見せる一騎打ちです。

2部でもお2人の踊り比べがありましたが、
こちらは「がっぷり四つに組んだ」という言い方の方が
あってそうな踊りです。

・信長方郎党
彌十郎さん、高麗蔵さんと延夫さんとあと1人。(すみません、高麗蔵さんと
延夫さん判別に気を取られて、聞きそびれました・・・(^_^;)

個人的にご贔屓集中でうれしいところでした♪
黒っぽい衣装で、動きも機敏でなかなかかっこよかったです!!

ただ、最初の方は、観客に背を向けてばかりだった上、
舞台上に出ている時間も短かったし、その間、絶間なく動く感じなので、
どれがだれだか、判別するのに苦労しました。(^_^;)

・朝倉方郎党
若者多し。その理由は、途中、景義と一緒に逃げていく場面で
なんとなく思い当たりました。

今回、舞踊劇ということで、乗馬シーンも実際の馬にまたがるわけではなく
全て踊りの振りになってるんですが、ギャロップというんでしょうか、
急斜面を下るようなところで、激しい足捌きが連続します。
ありゃー若くないと足がもつれてこける人が出るかも・・・(^_^;)

・朝倉方侍女
芝のぶちゃん、京蔵さん、笑子さんを発見。
郎党にも数人、澤瀉屋の役者さんがいた模様。(未確認)

【その他】
・義太夫
上手に3段。1番上がお三味線、2番目が義太夫の太夫さん、1番下が囃し方さん。
お三味線と太夫さん4-4です。
しかし、約1時間、ほとんど語りっぱなしですからね~、太夫さんもお三味線も
大変だと思います、これ。
でも、語りはかなりはっきりで、聞き取りやすかったと思います。
これが聞き取りにくかったら、間違いなく、爆睡コースですもんね(^_^;)

・舞台
全面を奥までフル活用しています。
舞台装置はシンプルで、廻り舞台と大ぜりを上手く使ってます。
盆の上は1段高いところがあり、左右は傾斜になっています。
その後ろに大ゼリがでてくるともう1段高いところができるようになっています。
これだけのシンプルな装置なんですが、実に上手く使われていると思います。

・朝倉方の扇
銀地で、片面の模様が炎上してたような・・・

・血文字
実際に書いてるのかと思いましたが、途中で仕組みに気がつきました(^_^;)
やっぱり、実際に役者さんが書くのは、葛の葉くらいですかね~。
でないと毎日ふすま取り替えるの、大変ですもんねぇ(^_^;)

◆花道度:中
三津五郎さんが出てくるのと、小少将が愛王丸を連れて逃げるところとか
あと、結構、スッポンをつかった出入りなんかもあります
コメント (2)
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