観劇日:2007/8/10(金) 18:30~21:20(予定5分オーバー)【初演】
会場:ル・テアトル銀座
観劇位置:1階6列ほぼ中央
【公演情報】
公演期間:8/10(金)11(土)12(日)
劇作・脚本:売野雅勇
演出:市川右近さん
出演:市川右近さん/市川春猿さん/市川段治郎さん/古藤芳治さん/宮本笑里さん(ヴァイオリン)
◆演目について
2001年2月に2日間だけ上演された音楽劇「ミッシング・ピース」。
「伝説の」といわれたその舞台の再演です。
ちなみに前回(2001年)上演時出演者は、 右近さん・緒川たまきさん・武田真治さん
という顔ぶれだったらしいです。
前半が45分 休憩20分をはさんで後半100分。
の予定が5分オーバーでした。
あ、ル・テアトル銀座さん、休憩時間表示、5分刻みでいいんで
残り時間表示に行進してください~(^_^;)
◆登場人物
【遠い遠い時代の人たち】
【現代の人たち】
◆人物相関関係
◆話の流れ
表をつくってみました(^_^;)
こちら参照
※別窓で開きたい場合はこちら
◆あらすじ
情緒もへったくれもなく言えば…
1人の女性が 過去の作曲家の幻の曲の探索と復元を縁に、年上の教授と運命を感じて恋におち、
その後、同じくその曲を探し求める悪魔的な魅力のある若者と出会って、そっちに乗り換え、
失意の教授は酒びたりになって早死にし、
若者は彼女の真意と、自分たちの探す幻の曲の完全な形の再現には自分の存在が邪魔であることを察して絶望して自殺し、
結局、その幻の曲にたどりついたのは彼女ひとりだった。
という感じでしょうか。
「ミッシングピース」復元という視点から言えば、
最初は1本だった「ミッシングピース」復元への道が、
ヒモリ君の登場により途中から元々の「インスピレーション復元」派のロネンと
「実証(楽譜)積み重ね(発見)」派の周子&ヒモリ組の2つに別れ、
最後はまたひとつに融合した。
という感じです。
また、次元的には世界は3つ。
前世と、現世と、善悪。
これを重ね合わせたり、クロスさせたりして多層的に見せてくれてる感じです。
◆配役:
◆のたりの目
・古藤さん
うぉー 襟付き!さらにタキシードスタイルのコートまで!
めずらしい… っていうかTシャツでない古藤さんは初めて??(^_^;)
おまけに今回は役付。周子さんがかかる精神科医です。
あと、段治郎さんの夢の回想・再現シーンでは、段治郎さん役もされてるようです。
(はっきりわからなかったですが、多分)
「とぉい とぉーい所へ あなたは帰っていきます。
あなたが1番帰りたかった 時の彼岸へ…」
・段治郎さん
最初の登場は客席から。
じつは、私ここ、寝とぼけてたんです。
で、私の席の列の下手の通路側に、だれかが来て立ち止まっているのは
家人につつかれて気がついたんですが、最初、ねとぼけてたはずかしさと、
話の流れのわからなさから、ろくすっぽそっちを観れなかったんですが
「立ってるのは古藤さんかな~」とか思ってました。
そこに、さらに家人にささやかれて「えっ」とびっくり。
そこにはスポットライトをバリバリに浴びて段治郎さんが立っておられたわけです。
黒シャツにスーツは わりと身体にぴったりとしたデザインで、
段治郎さんのスタイルのよさが際立ってました。
その後、舞台に立たれたときに赤い靴を見たときにも「えっ」とびっくりでしたが。(^_^;)
後半ではジャケットを脱がれて、多分、黒シャツにベスト といういでたち。
舞台暗いし、服の色も黒いしで、ちょっとわかりづらかったです。
こちらもえらくかっこよかったんですが、なんといっても、この後半では
メック夫人にはびっくり!
キラキラの黒い大判ショールをまとって登場してきた時はどうしたのかと
思いました(^_^;)。
あれで髪の毛を黄色にしたら、三輪さんのご兄弟?(^_^;)。
なんか こう「黒蜥蜴」といった感じで…。
そして極めつけ…高笑いがでましたよ、高笑いが!!
なぜか違和感があんまりないのが 恐ろしい…(^_^;)
ただ、ひとついただけないのはヒモリ君の自殺のシーン。
あれ、演じたりせずにセリフだけでやって欲しかったです。
段治郎さんの声なら、それでも 十分に迫力はだせたでしょうに…
いや、しかし段治郎さん、なんてそんなに絶叫が似合うんでしょう…(^_^;)
カーテンコール(カーテンないですけど)で、出演者が舞台奥から登場してくる時は
1人なんですが、また舞台中央に引っ込む時は古藤さんとならんで引っ込まれます。
その前にひっこむ天使ちゃんたちが、左右から来て、中央で後ろを向いて並んだところで
手をつないで、引っ込んでいくので、おなじように左右から来て中央で後ろを向いて
並ぶ段治郎さんと古藤さんも、まさか手をつないだりは…
と、ちょっと期待?してしまいましたが、さすがにそれはありませんでした(^_^;)
でも、ご贔屓お2人がならんで引っ込んでいくその後ろ姿が、これまた、
ものすごくかっこいいんです♪
さながらパリでメンズのファッションショーを観ているような心境になりました。
あぁ、眼福♪
・右近さん/ロネン・ヴァインフェルト
この人がヴィエニャフスキーの生まれ変わり??
ロネンという名はロンド(輪舞)から来ているそうな。
それが周子さんの「周」(円周の周)と「円つながり」ということになるそうな。
ロネンさんはパリに住む外人さん。どうも日本のどこぞの大学の客員教授として
日本にいたときに周子さんに出会ったらしい。
「生まれて初めて、満開の桜を見た人の心を 君は想像できるだろうか」
周子さんとの出会いを回想する場面でリフレインされるセリフです。
外人さんには結構、衝撃的でしょうねぇ。日本のあの満開の桜は。
で、それと同じくらい衝撃的だったわけですね、周子さんとの出会いは。
でもねぇ、やっぱり、教授と生徒というのは、悲恋なのかもしれませんねぇ。
・春猿さん/タキグチ 周子
周子の「周」は円周の周で、そこがロネンさんの名前の由来の「ロンド(輪舞)」と
「まぁるく円になっている」という共通項になるそうで。
はっきりいって、魔性の女です、この周子さん(^_^;)
この人のために、結局、2人の男が不幸になったあげく お亡くなりになりましたもんねぇ。
そんな魔性の女を春猿さんが 魔性を感じさせない軽やかな声でやるから
よけい魔性ポイントが高くなる感じです。
主宰者である売野さんがリーディング・スペクタクルのスローガンとしてあげていらっしゃる
「言葉の音楽・声のエロティシズム」に、この春猿さんの声が果たす役割は
かなり大きいのでは と思いました。
そのせいかどうかわかりませんが、今回、春猿さん、ほぼ出ずっぱりです。
H2O(=男2人に女1人)な出演陣なんで 仕方ないんだとは思いますけど。
今回、衣装は、前半は 水色のシャツにグレー?のショールを首にかけ、
ベージュのコートに明るいグレーのパンツ。
後半に入ってからは、上は白のシャツに首にはくすんだ系の濃い緑?のショール。
うーん、着替えた…のかなぁ<(ーー;)。
でも、もしかしたら、照明の加減で、シャツもショールも違う色に見えただけ
なのかもしれませんが…
後半の最終場面では また最初の衣装に戻ります。
ちなみにこの方、ヴィエニャフスキーの足跡をたどっている間、生活費とかって
どうしてたんでしょうねぇ…
・天使
かわいらしいいお2人だったんですが…
・どうも男の子と女の子の双子 に、見えない…(両方女の子に見える~(^_^;)
・一切しゃべらない方がイメージが膨らみそうな気がします。
(セリフはスクリーンに映し出すとか、役者さんのモノローグにするとか…)
・そもそも子役を使う必要があったんでしょうか?
(もっと音や光(スポットライトとか)だけで その存在をイメージさせる方法が
とれたんではないでしょうか…<(ーー;)
話の筋として、この天使の存在自体は、多少の疑問はあるものの、
いいとは思うんですが、あそこまではっきり具体化してしまうのは どうかと。
ちなみに、最後に周子さんの前に現れた二人が すごくいい匂いをさせてたそうなんですが
その匂いというのは、周子さんとロネンが、初めて「ミッシング・ピース」という
共通項によるつながりを得た、2001年7月10日の あの日の青空の匂いだそうです。
で、結局、この天使はなんだったんでしょう?
ヴィエニャフスキーとジプシーの娘の、さらにもっと昔の、
それこそ「とぉい、とぉーい」時代の姿 ということなんでしょうか?
そのへんが なんだかよくわかりませんでした。
【その他】
・演奏
ヴァイオリンのソロ演奏を考えていたんですが、弦楽器ひととおりに
ピアノ・フルートなどの管楽器の大所帯。
ヴァイオリンソロ演奏はマイク付。→音が録音ぽく聞こえてしまった。
音量十分だし、あの会場なら マイクなしでもいけたのでは。
ちなみにピアノの人が指揮者も兼ねてるようでした。
・演出
後半、椅子を取っ払ったあたりから、踊りで言えば素踊りのような感じで
半分芝居が入ってきてしまったのは、正直、残念というか、勿体なかったです。
出演者のみなさんなら言葉の力だけで、あのくらいのイメージを聞いてる人の
脳内に喚起するのは十分可能だと思うので。
「下町日和」のところでも書きましたが、こうしたビジュアル的な演出を、
多く取り入れるのが、DVD録画向けの対策なんでしょうか?
リーディングスペクタクルは「言葉の音楽・声のエロティシズム」だったはずですし、
十分、それが可能な朗読劇になっていると思うだけに、あまりビジュアルに
傾いてしまうのは なんだか勿体ないし、残念です。
・舞台装置
舞台はすこーし、前方(客席側)に向かって傾斜(下り)がついてる??
前方の方のせきでしたが、かなりよく舞台面が見えました。
最後に白い布で遠近法の道を作る演出なんかもあるから、舞台面を見せるために
わざわざそうしたのかもしれません。
うまいのは背景の2本のレースのカーテンのようなたれ布。
この布に 光を反射する糸がランダムに織り込まれているっぽいうえ、
このカーテンのそれぞれの裏に、ワイヤー入りのリボンで作ったような
古木の樹皮とも岩肌ともとれるような天井まで届くオブジェがくっついて?
いるんですが、これが、ライトの色や光の量で、ものすごく表情がかわるんです。
上手い!!
また、この2つのカーテン、左右に動いて、夢の中の回想とのフィルターの役割も
果たしてくれます。
これは まさにイメージをかきたてる舞台装置です。
ちなみに…この2つのカーテンが舞台の中央でくっついて、オブジェがまるで
太陽の塔のような巨大なオブジェに見えることがあるんですが…
下手のオブジェの頂上の方の一部が なんかちょっと黒髪の女の人の顔に
見えなくもないような…(^_^;)
・本の表紙の色
右近さん:多分、白
春猿さん:水色
段治郎さん:赤かと思ってたら紫だった
・彼を さもなくば私が
HIMORI=HIM OR I だそうです。
なるほど、たしかにそうなりますね。
日本語訳がまたドラマを感じさせますね~。
・愛してる
今回、えらく「愛してる」系のセリフがたくさん出てきます。
ただ、今回の「愛」は 個人的には ちょっとむずかしくて苦手な「愛」でした。
苫小牧徹君と絹江ちゃんの「愛」みたいな方が 好きなもんで(^_^;)
・まだです(^_^;)
後半の後半、照明の落ちてる舞台に、スタッフの方が椅子を撤去しに舞台の奥の方から
でてくるんですが、このスタッフになぜか客席から拍手。
多分、これで舞台がおしまいで、役者さんが最後のご挨拶に出てきたのだと
勘違いされたのかと。(でも それもちょっと無理ないかとも思いました。
私も 「あれ?」と一瞬思いましたから(^_^;)(私の場合、終演予定時間が
まだまだだったんで、気がついたんですが)
・エンディング
最後に宮本さんによる「ミッシングピース」の演奏があります。
この演奏中に、右近さんたち出演者が舞台の奥からでてくるんですが、
なんとなく「これ、テレビのドラマだったら、エンディングでキャストとかが
流れている感じだなぁー」と思いました。
会場:ル・テアトル銀座
観劇位置:1階6列ほぼ中央
【公演情報】
公演期間:8/10(金)11(土)12(日)
劇作・脚本:売野雅勇
演出:市川右近さん
出演:市川右近さん/市川春猿さん/市川段治郎さん/古藤芳治さん/宮本笑里さん(ヴァイオリン)
◆演目について
2001年2月に2日間だけ上演された音楽劇「ミッシング・ピース」。
「伝説の」といわれたその舞台の再演です。
ちなみに前回(2001年)上演時出演者は、 右近さん・緒川たまきさん・武田真治さん
という顔ぶれだったらしいです。
前半が45分 休憩20分をはさんで後半100分。
の予定が5分オーバーでした。
あ、ル・テアトル銀座さん、休憩時間表示、5分刻みでいいんで
残り時間表示に行進してください~(^_^;)
◆登場人物
【遠い遠い時代の人たち】
ヘンリク・ヴィエニャフスキー | 享年44歳の1835年ポーランド生まれの実在の音楽家。 晩年は酒におぼれるような生活で 早死にしてます。 |
ジプシーの少女 | ヴィエニャフスキーの片思いの相手。 未発表の幻の曲「ミッシング・ピース」はこの少女のためにつくられた |
メック夫人 | ヴィエニャフスキーの晩年のパトロン |
【現代の人たち】
ロネン・ヴァインフェルト | ヴィエニャフスキーを愛好する音楽家。客員教授として来日。 |
タキグチ周子 | ヴィエニャフスキーを愛好する音大生 |
ヒモリタツヤ | ワルシャワに音楽留学中の日本人学生。 |
精神科医 | 周子がかかっている精神科の医師。 |
◆人物相関関係
前世 | 現世 | ??界 |
ヴィエニャフスキー | ロネン | 双子の天使の片割れ(♂) |
ジプシーの少女 | 周子 | 双子の天使の片割れ(♀) |
メック夫人 | ヒモリ君 | 悪魔 |
◆話の流れ
表をつくってみました(^_^;)
こちら参照
※別窓で開きたい場合はこちら
◆あらすじ
情緒もへったくれもなく言えば…
1人の女性が 過去の作曲家の幻の曲の探索と復元を縁に、年上の教授と運命を感じて恋におち、
その後、同じくその曲を探し求める悪魔的な魅力のある若者と出会って、そっちに乗り換え、
失意の教授は酒びたりになって早死にし、
若者は彼女の真意と、自分たちの探す幻の曲の完全な形の再現には自分の存在が邪魔であることを察して絶望して自殺し、
結局、その幻の曲にたどりついたのは彼女ひとりだった。
という感じでしょうか。
「ミッシングピース」復元という視点から言えば、
最初は1本だった「ミッシングピース」復元への道が、
ヒモリ君の登場により途中から元々の「インスピレーション復元」派のロネンと
「実証(楽譜)積み重ね(発見)」派の周子&ヒモリ組の2つに別れ、
最後はまたひとつに融合した。
という感じです。
また、次元的には世界は3つ。
前世と、現世と、善悪。
これを重ね合わせたり、クロスさせたりして多層的に見せてくれてる感じです。
◆配役:
ヴィエニャフスキー ロネン・ヴァインフェルト | 右近さん |
ジプシーの少女 タキグチ周子 | 春猿さん |
メック夫人 ヒモリタツヤ | 段治郎さん |
ナビゲーター 精神科医 | 古藤さん |
◆のたりの目
・古藤さん
うぉー 襟付き!さらにタキシードスタイルのコートまで!
めずらしい… っていうかTシャツでない古藤さんは初めて??(^_^;)
おまけに今回は役付。周子さんがかかる精神科医です。
あと、段治郎さんの夢の回想・再現シーンでは、段治郎さん役もされてるようです。
(はっきりわからなかったですが、多分)
「とぉい とぉーい所へ あなたは帰っていきます。
あなたが1番帰りたかった 時の彼岸へ…」
・段治郎さん
最初の登場は客席から。
じつは、私ここ、寝とぼけてたんです。
で、私の席の列の下手の通路側に、だれかが来て立ち止まっているのは
家人につつかれて気がついたんですが、最初、ねとぼけてたはずかしさと、
話の流れのわからなさから、ろくすっぽそっちを観れなかったんですが
「立ってるのは古藤さんかな~」とか思ってました。
そこに、さらに家人にささやかれて「えっ」とびっくり。
そこにはスポットライトをバリバリに浴びて段治郎さんが立っておられたわけです。
黒シャツにスーツは わりと身体にぴったりとしたデザインで、
段治郎さんのスタイルのよさが際立ってました。
その後、舞台に立たれたときに赤い靴を見たときにも「えっ」とびっくりでしたが。(^_^;)
後半ではジャケットを脱がれて、多分、黒シャツにベスト といういでたち。
舞台暗いし、服の色も黒いしで、ちょっとわかりづらかったです。
こちらもえらくかっこよかったんですが、なんといっても、この後半では
メック夫人にはびっくり!
キラキラの黒い大判ショールをまとって登場してきた時はどうしたのかと
思いました(^_^;)。
あれで髪の毛を黄色にしたら、三輪さんのご兄弟?(^_^;)。
なんか こう「黒蜥蜴」といった感じで…。
そして極めつけ…高笑いがでましたよ、高笑いが!!
なぜか違和感があんまりないのが 恐ろしい…(^_^;)
ただ、ひとついただけないのはヒモリ君の自殺のシーン。
あれ、演じたりせずにセリフだけでやって欲しかったです。
段治郎さんの声なら、それでも 十分に迫力はだせたでしょうに…
いや、しかし段治郎さん、なんてそんなに絶叫が似合うんでしょう…(^_^;)
カーテンコール(カーテンないですけど)で、出演者が舞台奥から登場してくる時は
1人なんですが、また舞台中央に引っ込む時は古藤さんとならんで引っ込まれます。
その前にひっこむ天使ちゃんたちが、左右から来て、中央で後ろを向いて並んだところで
手をつないで、引っ込んでいくので、おなじように左右から来て中央で後ろを向いて
並ぶ段治郎さんと古藤さんも、まさか手をつないだりは…
と、ちょっと期待?してしまいましたが、さすがにそれはありませんでした(^_^;)
でも、ご贔屓お2人がならんで引っ込んでいくその後ろ姿が、これまた、
ものすごくかっこいいんです♪
さながらパリでメンズのファッションショーを観ているような心境になりました。
あぁ、眼福♪
・右近さん/ロネン・ヴァインフェルト
この人がヴィエニャフスキーの生まれ変わり??
ロネンという名はロンド(輪舞)から来ているそうな。
それが周子さんの「周」(円周の周)と「円つながり」ということになるそうな。
ロネンさんはパリに住む外人さん。どうも日本のどこぞの大学の客員教授として
日本にいたときに周子さんに出会ったらしい。
「生まれて初めて、満開の桜を見た人の心を 君は想像できるだろうか」
周子さんとの出会いを回想する場面でリフレインされるセリフです。
外人さんには結構、衝撃的でしょうねぇ。日本のあの満開の桜は。
で、それと同じくらい衝撃的だったわけですね、周子さんとの出会いは。
でもねぇ、やっぱり、教授と生徒というのは、悲恋なのかもしれませんねぇ。
・春猿さん/タキグチ 周子
周子の「周」は円周の周で、そこがロネンさんの名前の由来の「ロンド(輪舞)」と
「まぁるく円になっている」という共通項になるそうで。
はっきりいって、魔性の女です、この周子さん(^_^;)
この人のために、結局、2人の男が不幸になったあげく お亡くなりになりましたもんねぇ。
そんな魔性の女を春猿さんが 魔性を感じさせない軽やかな声でやるから
よけい魔性ポイントが高くなる感じです。
主宰者である売野さんがリーディング・スペクタクルのスローガンとしてあげていらっしゃる
「言葉の音楽・声のエロティシズム」に、この春猿さんの声が果たす役割は
かなり大きいのでは と思いました。
そのせいかどうかわかりませんが、今回、春猿さん、ほぼ出ずっぱりです。
H2O(=男2人に女1人)な出演陣なんで 仕方ないんだとは思いますけど。
今回、衣装は、前半は 水色のシャツにグレー?のショールを首にかけ、
ベージュのコートに明るいグレーのパンツ。
後半に入ってからは、上は白のシャツに首にはくすんだ系の濃い緑?のショール。
うーん、着替えた…のかなぁ<(ーー;)。
でも、もしかしたら、照明の加減で、シャツもショールも違う色に見えただけ
なのかもしれませんが…
後半の最終場面では また最初の衣装に戻ります。
ちなみにこの方、ヴィエニャフスキーの足跡をたどっている間、生活費とかって
どうしてたんでしょうねぇ…
・天使
かわいらしいいお2人だったんですが…
・どうも男の子と女の子の双子 に、見えない…(両方女の子に見える~(^_^;)
・一切しゃべらない方がイメージが膨らみそうな気がします。
(セリフはスクリーンに映し出すとか、役者さんのモノローグにするとか…)
・そもそも子役を使う必要があったんでしょうか?
(もっと音や光(スポットライトとか)だけで その存在をイメージさせる方法が
とれたんではないでしょうか…<(ーー;)
話の筋として、この天使の存在自体は、多少の疑問はあるものの、
いいとは思うんですが、あそこまではっきり具体化してしまうのは どうかと。
ちなみに、最後に周子さんの前に現れた二人が すごくいい匂いをさせてたそうなんですが
その匂いというのは、周子さんとロネンが、初めて「ミッシング・ピース」という
共通項によるつながりを得た、2001年7月10日の あの日の青空の匂いだそうです。
で、結局、この天使はなんだったんでしょう?
ヴィエニャフスキーとジプシーの娘の、さらにもっと昔の、
それこそ「とぉい、とぉーい」時代の姿 ということなんでしょうか?
そのへんが なんだかよくわかりませんでした。
【その他】
・演奏
ヴァイオリンのソロ演奏を考えていたんですが、弦楽器ひととおりに
ピアノ・フルートなどの管楽器の大所帯。
ヴァイオリンソロ演奏はマイク付。→音が録音ぽく聞こえてしまった。
音量十分だし、あの会場なら マイクなしでもいけたのでは。
ちなみにピアノの人が指揮者も兼ねてるようでした。
・演出
後半、椅子を取っ払ったあたりから、踊りで言えば素踊りのような感じで
半分芝居が入ってきてしまったのは、正直、残念というか、勿体なかったです。
出演者のみなさんなら言葉の力だけで、あのくらいのイメージを聞いてる人の
脳内に喚起するのは十分可能だと思うので。
「下町日和」のところでも書きましたが、こうしたビジュアル的な演出を、
多く取り入れるのが、DVD録画向けの対策なんでしょうか?
リーディングスペクタクルは「言葉の音楽・声のエロティシズム」だったはずですし、
十分、それが可能な朗読劇になっていると思うだけに、あまりビジュアルに
傾いてしまうのは なんだか勿体ないし、残念です。
・舞台装置
舞台はすこーし、前方(客席側)に向かって傾斜(下り)がついてる??
前方の方のせきでしたが、かなりよく舞台面が見えました。
最後に白い布で遠近法の道を作る演出なんかもあるから、舞台面を見せるために
わざわざそうしたのかもしれません。
うまいのは背景の2本のレースのカーテンのようなたれ布。
この布に 光を反射する糸がランダムに織り込まれているっぽいうえ、
このカーテンのそれぞれの裏に、ワイヤー入りのリボンで作ったような
古木の樹皮とも岩肌ともとれるような天井まで届くオブジェがくっついて?
いるんですが、これが、ライトの色や光の量で、ものすごく表情がかわるんです。
上手い!!
また、この2つのカーテン、左右に動いて、夢の中の回想とのフィルターの役割も
果たしてくれます。
これは まさにイメージをかきたてる舞台装置です。
ちなみに…この2つのカーテンが舞台の中央でくっついて、オブジェがまるで
太陽の塔のような巨大なオブジェに見えることがあるんですが…
下手のオブジェの頂上の方の一部が なんかちょっと黒髪の女の人の顔に
見えなくもないような…(^_^;)
・本の表紙の色
右近さん:多分、白
春猿さん:水色
段治郎さん:赤かと思ってたら紫だった
・彼を さもなくば私が
HIMORI=HIM OR I だそうです。
なるほど、たしかにそうなりますね。
日本語訳がまたドラマを感じさせますね~。
・愛してる
今回、えらく「愛してる」系のセリフがたくさん出てきます。
ただ、今回の「愛」は 個人的には ちょっとむずかしくて苦手な「愛」でした。
苫小牧徹君と絹江ちゃんの「愛」みたいな方が 好きなもんで(^_^;)
・まだです(^_^;)
後半の後半、照明の落ちてる舞台に、スタッフの方が椅子を撤去しに舞台の奥の方から
でてくるんですが、このスタッフになぜか客席から拍手。
多分、これで舞台がおしまいで、役者さんが最後のご挨拶に出てきたのだと
勘違いされたのかと。(でも それもちょっと無理ないかとも思いました。
私も 「あれ?」と一瞬思いましたから(^_^;)(私の場合、終演予定時間が
まだまだだったんで、気がついたんですが)
・エンディング
最後に宮本さんによる「ミッシングピース」の演奏があります。
この演奏中に、右近さんたち出演者が舞台の奥からでてくるんですが、
なんとなく「これ、テレビのドラマだったら、エンディングでキャストとかが
流れている感じだなぁー」と思いました。