手続き的記憶のエラー

手続き的記憶とは、人が身につけた多彩な技能、たとえば、歩くこと、運転することなどを支える記憶のことである。
手続き的記憶の特徴の一つは、長い年月をかけた実践を通して獲得されることである。獲得の過程では、試行錯誤は避けられない。というより、試行錯誤が、知識獲得のためには必須である。ＯＪＴ（on the job training）がその具体例である。
さらに、手続き的知識の特徴は、状況依存性である。いつもと同じ状況の中で必要な技能が自動的に動き出す。ほとんど意識的な努力は不要である。ここに、ちょっと違った状況にもかかわらず、その違いを無視したり、気がつかなかったりして、いつもと同じ技能を発揮してしまうエラーが発生することがある。