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思い込みエラー」10年前の今日の記事

2018-04-17 | ヒューマンエラー

思い込みエラー--誤った目標を忠実に実行するエラー

 「急いで」といった時間プレッシャー、あるいは、状況の急激な変化による情報爆発は、人の頭を混乱させます。
 こんなとき、我々は何が何やらわけがわからない(認知不安の)状態になります。あたかも「情報の森に迷い込んでしまった」ような状態になります。こんなとき、人はどんな事をするでしょうか?
  
 冷静に情報を分析して論理的に推論してといった対処はあまり期待できません。そんな悠長なことをしていると、事態のほうがどんどん進んでしまうからです。

 そこでどうするか。一つの方略として---いつもではないが---、
状況の中にある目立った手がかりだけに基づいて、自分なりのとりあえずの解釈をするためのモデル---メンタルモデルと呼びますが---を作って対処してしまうという方略があります。

 「PP 」は何に見えるでしょうか?
 あるいは、ここでクイズ。「タクシーを足で止める人はまずいない」は正しいでしょうか?誤っているでしょうか?
「いない」と答えたら、それは、思い込みエラーです。

 もちろん、いつもエラーになるとは限りません。「やったー、思い通りだった」(納得的情報処理)ということもあります。だからこそ、人は、しばしば、こうしたリスクのある「メンタルモデルに駆動された判断・行動」を採用するのです。

 人は、何がなにやらわけがわからない(認知不安な)状態を嫌うようです。わからないときは、ともかく自分なりにわかってしまって、安心しようとする心性があるようです。

こうした思い込みエラーの困った点は、
○視野狭窄が起こる(そのとき目立つ手がかりへの固着が起こる)
  例 不具合時のオペレーターの視野狭窄
○エラーであることに、なかなか自分では気がつかない
○メンタルモデル(そのときその場の状況を解釈する枠組)にそぐわないことが起こってもそれは、例外、特別と考えて、メンタルモデルを維持する(確証へのバイアス)

では、思い込みエラーを防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?
1)わけがわからない状況にしないことです
そのためには、まず状況をわかりやすくすることです。
・仕事の目標や全体像をあらかじめ示す
・仕事に関連する知識を豊富に、かつ高度化しておく
2)時には、判断中止(エポケ)も大事であることを知ってもらう
  例 10分間ルール(10分間は何もしなくてもよい)
3)自分の思いを人に話せるようにする/話すようにする
そのためには、まず、コミュニケーション環境を良好にしておく
 ・言いたいことが言える。しかし、責任を持つ人がいる
思いを話すことで、
・人と情報を共有する
・思いを外に出す(外化)ことで自己の思いに気がつく
4)その場から離れさせる
・冷静な目を回復させる
5)知識量や考え方の異質なメンバーを入れて、fresh eyeによるチェックを作り込む

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