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信念チェックも大事「心を元気に
2011-05-17 | ポジティブ心理学
時には、信念チェックをすることが必要
このようにして、元気本などから仕込んだ知識が信念として機能するようになると、世の中の見え方が変わります。行為の方向性が定まり、元気に動けます。知識が行為としてスムーズに実行されるようになります。かくして、まわりから、あなたは信念の人とみなしてくれます。
ただし、という話を最後に付け加えておきます。
信念は、あなたの頭の中で作り出されます。現実の中にある事実を積み上げて帰納的に作りだされた世界ではありません。したがって、信念と現実との間にはズレがでてきます。
信念に基づいた行為とは、信念と一致するように現実を変えようとするものです。あくまで、現実のほうを変えようとするのです。ですから、当然、現実からの抵抗、反発がでてきます。
このあたりは、最近の政権交代で起こっているあれこれを観察していただくと実によくわかりますね。
その抵抗と戦うためには、信念にかかわる知識の真実性が問題になります。そこが脆弱だと、足元をすくわれます。信念が強力なほど、真実性のチェックが甘くなります。というより、信念を強化する情報しか受け付けなくなります。思い込みの世界に入りこむリスクが高くなります。
このリスクを少しでも低くするためには、
・ぶれない信念を持ちながらも、まわりの意見、情報にも耳を傾けることによって知識
の真実性チェックをする心構え(信念?)を持つこと
・現実が信念の方向に変わっているかどうかを厳格に査定すること。できれば、自分で
はなく、周りの人に査定してもらうこと。
ではないかと思います。
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「考え方(信念)を変えれば、気持ちも元気になる」
例として、認知行動療法のある段階で使われる手法である「反駁」を例にとると、ポジティブな考え方になるように自分で自分の考えに反駁してみることの勧めである。「失敗したのは自分が悪い」と考えずに「なぜ、失敗したのか」「どうすれば防げるのか」「これの教訓はなにか」と自分自身に問うことで、前向きな気持ちになれる。
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知識の信念化
これは、かなりやっかいで知の本質にかかわる話になります。簡単に、「あなたの心の琴線にふれるものが信念になります」といって済ましたいところですが、それでは、スピリチュア言説になってしまいますので、やや長くなりますが、おつきあいください。
ある情報、たとえば、「幸せと目標は切り離せない」という元気づけ言説とその論拠を本で読んだとします。そして、「言っていることはわかった」までは、通常の理解段階です。情報が一つ増えたことになります。
それが信念となるためには、すくなくとも、次のような2つの確信が必要です。
一つは、その言説が正しいという確信です。これは、頭の中にある関連する既有知識との整合性に依存します。「幸せ」、「目標」といったことに関連する知識のネットワークなかにうまく(矛盾なく)取り込めれば、正しそうだ、となります。
元気本を読む、それもたくさん読むのは、こうした既有知識を豊富にしておくことになります。そして、信念形成のためのヒント集、というより、それまで無意識的にあなたをガイドしてきた信念の顕在化、言語化の役割を担っていることになります。
もう一つは、その言説が使えそう、有効そうという確信です。この確信がどこから生まれるかは、なかなか難しいところがあります。基本的には直感だと思いますが、それも人生観、人生経験に基づいた直感ではないかと思います。
それには、元気本や元気づけ名言がよく使う手?は、成功者、偉い人の言説の活用です。
たとえば、松下幸之助語録。膨大な言説がたくさんの著作として公表されています。そんなに成功者、偉い人が言うなら、自分もやってみよう、ということになります。権威づけ効果です。あるいは、自分の身近にいる尊敬している人や私淑している人の行動や言説も信念化には有効です。