本研究は,以上の知見を踏まえて,読解事態における事例の理解支援効果と動機づけ支援効果とを検討するために行なわれた。
ねらいの一つは,事例と本文の内容的な関連度である。谷口の研究にもあるように,両者の類似度(関連度)が高ければ,事例は認知的興味を駆動して理解支援の効果はもたらすであろうことは期待できるが,あえて関連度の低い事例を使った時,それはどのような効果をもたらすのであろうか。図1に示すように(詳細は実験の目的の項で述べる),事例内容と本文内容との概念的葛藤が両者の整合性をとるような読みを発生させ,それが理解になんらかの効果を及ぼすことが想定される。
もう一つのねらいは,麻柄らの効果検証の技法を踏まえて,本研究では,図に示す読解のプロセスモデルを直接反映するような工夫をすることで,効果査定,さらには,モデル評価をより精緻かつ直接的なものにする試みを行なってみた。
ねらいの一つは,事例と本文の内容的な関連度である。谷口の研究にもあるように,両者の類似度(関連度)が高ければ,事例は認知的興味を駆動して理解支援の効果はもたらすであろうことは期待できるが,あえて関連度の低い事例を使った時,それはどのような効果をもたらすのであろうか。図1に示すように(詳細は実験の目的の項で述べる),事例内容と本文内容との概念的葛藤が両者の整合性をとるような読みを発生させ,それが理解になんらかの効果を及ぼすことが想定される。
もう一つのねらいは,麻柄らの効果検証の技法を踏まえて,本研究では,図に示す読解のプロセスモデルを直接反映するような工夫をすることで,効果査定,さらには,モデル評価をより精緻かつ直接的なものにする試みを行なってみた。