発表の資料を作る
発表の資料は、呈示用と配付用とがあります。両者が一緒ということもあります。 資料の配布と呈示は、口頭説明のおぼつかなさを補うものです。
口頭による説明のおぼつかなさは、伝言ゲームという遊びをしてみるとよくわかります。
五人くらいが横一列に並びます。左はしの人に文章を暗記してもらってから、口頭で隣の人にその内容を伝えます。最後の人に再生してもらうと、内容の中核のところさえ、変わってしまったり、落とされてしまうことがあります。
呈示用の資料は、文章表現と「ビジュアル表現(目で見てわかる表現)」とを使うことになります。 内容は、大きく3つに分かれます。 「大枠とポイントの箇条書き」 話の大枠とポイントを箇条書きで見せて、それに沿って発表していきます。 「図解」 話の一定のまとまりごとに、あるいは、大事な内容が一目で見えるように、図解をします。これを見ながら発表するか、話して終ってから、まとめとして見せるかします。 「例示」 発表に関係する写真や図表など具体例を見せます。 大がかりになると、
これら3つのタイプをすべて呈示資料として使いますが、10分程度の発表では、「例示」を使うくらいでよいと思います。
ただ、本の目次があると全体がイメージできるように、発表でも、「大枠とポイントの箇条書き」を最初に示して、発表の全体像をイメージしてもらうのは、効果的です。
口頭説明のおぼつかなさのもう一つは、1次元的な時間の流れの中でしか説明できないところにあります。全体と部分、部分と部分の関係がどうしても見えなくなります。それを補う工夫の一つが、「大枠とポイントの箇条書き」のビジュアル表現です。